6・9後楽園でササダンゴvs矢野通の史上初の“一面”対抗戦!団体名、選手名の並び順で大紛糾が勃発!

DDTプロレスと新日本プロレスが4月17日、東京・千代田区の神田明神文化交流館で合同記者会見を開き、6月9日、後楽園ホールで『DDTプロレス×新日本プロレス 一面対抗戦~スーパー・ササダンゴ・マシンvs矢野通』のワンマッチ興行を開催することを発表した。同大会は『WRESTLE UNIVERSE』と『NJPW WORLD』による史上初の同時PPVで生配信される。
昨年、6月26日、新宿FACEでの『髙木三四郎vsスーパー・ササダンゴ・マシン ワンマッチ興行』の際、ササダンゴが招待券を渡していた矢野が試合前に来場。ササダンゴは髙木との試合途中、「髙木さんよりシングルで戦いたい相手がいる」として、コスチュームに着替えた矢野が登場して、急きょ矢野との対戦に変更。試合は矢野が急所打ちから丸め込んで勝利した。あれから、1年後、二人が、再びシングルで相あみえることになった。
全面対抗戦が団体の威信をかけて全面的に抗争するものに対し、“一面対抗戦”とは団体に所属する一個人と一個人が団体の理念、歴史、スタイル、ファンへの思いなどを背負いながら、あくまでも部分的、局地的に抗争するものだという。
会見にはスーパー・ササダンゴ・マシン、矢野通のほか、DDT側からCyberFight副社長・DDT事業部代表の髙木三四郎、同取締役・PPV担当者の彰人、新日本側から菅林直樹会長、『NJPW WORLD』プロデューサー・PPV担当の下島裕司氏が登壇。
冒頭、そうそうたるメンバーでの会見に緊張気味のササダンゴは「記念すべき一面対抗戦にDDTの代表として臨めることを大変うれしく思っております。矢野選手とは1年前に初めて対戦させていただきましたが、技や力でねじ伏せられることは幾度となくありましたが、頭の回転で負けてしまったと思ったのは初めてでした。プロレス界を代表する頭脳と大きい舞台で戦えることをうれしく思っています」と珍しく殊勝に語った。
かたや、矢野は「頭脳の面でお褒めいただいたんですが、1年前、勝ちはしたんですけど、僕の行動がばれてて。なぜか僕の前の仕事まで知っていて、コスチュームを持ってることまで計算されたなかで、引っ張り出されて、試合に出てしまった。頭脳の面でも、もしかしたら負けだと思うんです。試合では勝ちましたけど、スッキリしない部分があって、一面対抗戦、針の穴をついたような対抗戦になると思います。どういうものを見せていくか、どういうプロレスで何を見せるか、すべてにおいてまさっていたいと思います。この戦いでプロセス、試合内容、PPVの売り上げ、すべての面で勝ちにいきます」とキッパリ勝利宣言。
髙木副社長は「ただのワンマッチ興行にしたくない。両団体の看板、イデオロギーをかけた一面対抗戦。だからこそ、ササダンゴに任せてみようと。彼を代表に選んだのは、DDTから新日本への敬意と挑戦です」と話した。
菅林会長は「カンヌ国際映画祭に、“ある視点部門”があるように、プロレス界に一面対抗戦があってもいいと思います。全面対抗戦では描ききれない、両団体のある視点を見せたいと思っております。見る人の感性が試されるような特別な抗争になると思っております」とコメント。
彰人取締役は「DDTと新日本さんの接点は2002年から始まっています。新日本さんの日本武道館で提供試合をして。2009年頃から積極的に交流することになって。近頃では、KONOSUKE TAKESHITAがDDT、AEW、新日本の3団体所属になって。MAOが『BEST OF THE SUPER Jr.32』に出場が決まっていて、交流が深くなっていくなかで、ついに来たなと思っております。必ずササダンゴさんが勝ってくれると思っております。『WRESTLE UNIVERSE』は伝統とか気にせず、革新的な挑戦をして、扱ってる団体が業界のなかで、ナンバー1だと思っております。『WRESTLE UNIVERSE』でないとできないPPVを提供したいと思います。ササダンゴさんはDDTでなきゃ生まれなかったレスラーだと思っています。この対抗戦、ササダンゴさんだからこそ、DDTを代表して戦っていただきたいと思います」と熱弁。
下島氏は「両団体の威信をかけた戦いを見せて、矢野選手の生きざま、覚悟戦をしっかり見せていきたいと思いますし。最も長い伝統を有してる中継チームだと思っております。その伝統とともに進化させてきた自負もございますので、お互いしっかりと伝えていきたいと思っております」と述べた。
同大会の中継にあたっては、映像を共有するわけではなく、両社ともに独自に撮影、配信することになり、PPVにおいても対抗戦となりそうだ。
使用するリングについては、運営側のDDTは自身のリングを主張も、矢野が「慣れているリングで試合したい」と言い出して、今後協議することに。レフェリーに関しても、どちらの団体のレフェリーが裁くかも未定。
さらに、下島氏が大会名、対戦カードの表記について、「設立順、デビュー順にしたほうがいい」と名前の並びにクレーム。彰人取締役は「DDTが運営するので先に持って来させてもらいました。デビューに関しては、ササダンゴさんは2004年デビューになってますが、設定上、2002年に練習生としてデビューしていて、実質的に同じ2002年デビュー。年齢はササダンゴさんが1つ上」と主張し一歩も引かず、事態が紛糾。
そんなかな、矢野が「ちゃんとしたミーティングをやるべき」と全うな提起。その場所として、ササダンゴはDDTが運営する歌舞伎町のスポーツバー「ドロップキック」を主張も、矢野は自身が経営する水道橋のバー『EBRIETAS』を主張。結局、両方をハシゴしてクローズドで行われることになった。
また、現在ササダンゴはDDT EXTREME王座を保持しているが、同大会まで守り続けていた場合、「6月9日の時点で王者だったら、矢野選手との試合にベルトがかけられるか、当然そうなるとは思います。ただ、私が防衛できていればの話で、その可能性は高くはないと言えます。もし持っていれば、ぜひとも挑戦者として、そういうものもあればいいかなという気はございます」とやや自信なさげ。矢野は「まずはスーパー・ササダンゴ・マシンへの興味が大きいので、そのスーパー・ササダンゴ・マシンがベルトを持ってるなら興味はあります」と意欲。同王座は王者に試合形式を決める権利があり、特殊ルールが採用されるため、ササダンゴの防衛ロードにも注目が集まる。
大会名、対戦カードの名前の並び順やルールなど、詳細が決まっていないだけに、果たして無事大会当日を迎えることができるのか?