妊娠出産で欠場した母同士の王座戦が決定!21歳の母が30歳の母王者に「第ニの人生お願いします!」

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 24日、横浜ラジアントホールにてアイスリボン『横浜リボン2025・Feb.』が開催。メインイベントでは勝愛実(かつ・まなみ)の持つICE×∞(シングル)王座にトトロさつきが挑戦した。

 勝は2011年にJWP女子プロレスでデビュー。Leonと日向あずみの指導を受けており、デビル雅美直系のダブルアーム・バックブリーカーやロメロ・スペシャルの使い手として10代の女子高生時代から活躍していた。
 様々な団体に出場していたが、母の看病と介護により2014年に引退。その後母が亡くなり、遺品整理中に勝の試合について書かれた母の日記が見つかり復帰を決意。2016年にJWPに再入団し復帰した。
 JWPの権利問題で2017年にPURE-J女子プロレスを設立し、全選手が移籍し活動を続けていたが勝は2020年にPURE-Jを退団。その後妊娠し、一度はプロレスのために中絶を決断したが、エコー写真を見た時の感情と周りからの支えの声を聞き2021年から出産のための無期限休業に入っていた。
 その後しばらくは表舞台に姿を見せていたかったが、昨年6月に劇団『水色革命』の別ブランドで志田光が座長を務める『コルバタ志田組』に女優として出演。舞台上でプロレスの試合も行い、8月のアイスリボン後楽園ホール大会に姿を表すと入団を発表。9月の横浜大会で現役復帰した。

 今年1月には復帰からわずか4ヶ月で、真白優希を倒しICE王座戴冠。10年ぶりのシングル王座戴冠に「勝愛実のアイスリボン絶対王者への道が始まります!だけど気持ちは常にチャレンジャー。攻めの姿勢を崩さずにこれからもアイスリボンを引っ張っていくので、皆さんどうか応援よろしくお願いします!」と決意表明を行っていた。

 その勝に2月2日のSKIPシティ大会で勝利したトトロが「ICE×∞のベルト、挑戦させろ!今日勝ったから挑戦するんじゃない。私は去年、アイスリボンでプレーし続けるかどうか迷ってた時期がありました。でも、そんなときに勝愛実がアイスリボンに入団してきて、実際にその強さを身をもって知って…今、私がアイスリボンで試合をする一番の意味が勝愛実、お前だよ!だから、私と2人きりで、このリングで戦ってほしい。そして2人で戦うなら、勝愛実の持ってるそのベルトを獲り返すこと、あきらめてへんねん。だから、そのベルト、挑戦させろ!」と宣言。勝もこの思いを受け止め、初防衛戦が決定した。


 試合直後の場外戦で、トトロのエプロンからのフォーリントトロ(=ダイビングセントーン)が直撃した勝が動けなくなりあわや場外カウント負けかと思われたが、なんとかリングに戻った勝は100kg近いトトロ相手にラリアットの打ち合いで一歩も引かず。エルボーの打ち合いを制すると顔面に容赦ないランニングニーを突き刺し、トトロもフォーリントトロ3連発で反撃するも、勝もダイビングエルボードロップ2連発でトドメを刺し3カウントを奪った。

 息を呑む打撃戦を制した勝は「トトロさつき、今日はベルトをかけて闘ったけどベルトがあろうがなかろうが、お前が今のアイスリボンでプロレスを続ける理由が勝愛実だと言うならば、ずっとずっとこれからも対角に立ち続けてやる。ただこれだけは言わせてくれ、もうしばらく対戦NGでお願いしたい…身体が何個あってももたない!こんなの初防衛戦の相手じゃないだろ!ラスボスだろ!これからもアイスリボンの大黒柱として引っ張っていってくれ。私はチャンピオンとして引っ張っていく」と絶叫。
 これを聞いたトトロは「勝愛実、ムカつくけどそういうところホンマに好きやわ。今日負けたからって勝愛実の方が強い、トトロさつきの方が弱いっていうことは無いと思うから。これからも勝愛実の背中を追いかけるんじゃなくて、追い越して自分が引っ張るような選手になります。正直アイスリボンに居続けるか悩んだ時もあったけど、勝愛実がいる限りは私はアイスリボンの大黒柱であり続けるし、次はまたそのベルトかけて闘いましょう。その時は私が勝つ!でも、これだけは言わせてほしい。しばらくは対戦NGでお願いします」と勝の意見に呼応して大の字に。

 これを見ていた星いぶきがリングに上がると、「そのベルト休業する前に巻いていて、自分まだそのベルト一回もとられたことないんですよチャンピオンになって。私は復帰して覚悟をもってこのリングに立つことを決めました。第2の星いぶきの人生、そのベルトを賭けてお願いします。自分日にち決めてきたんですよ。3月29日後楽園ホール大会、そこでいかがでしょうか!お客さんの雰囲気的に決定なんで」と、妊娠出産の欠場で返上したベルトを取り戻すべく強権発動。
 勝は「いぶきがベルトを手放した経緯も知っていて、いつかは来るだろうなと思っていた。やむを得ず手放さなきゃいけない状況だったというのもあって、アイスリボンの中で一番ベルトに対しての悔いは強いのかなと思います。いずれは闘わなきゃいけない相手だし、チャンピオンだっただけあって試合運びも安定してますし、アイスリボンのトップの選手。でも防衛以外ありえません」とこの試合を受けた。

 同じ妊娠出産で欠場していた者同士、気持ちが通じ合う中で団体を背負う王座戦へ。21歳のいぶきが団体の若返りを加速させるのか、勝がベテランの意地を見せるのか、3・29後楽園ホール大会に注目だ。

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