「プロレスに安い笑いはいらない」と“明るく楽しい”プロレスを否定した王道の遺伝子がインディー界のデスマッチヤンキーに敗北

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 26日、千葉県・幕張メッセにて全日本プロレス『ニューイヤーウォーズ2025』が開催。宮本裕向が芦野祥太郎を下してGAORA TV王座の2度目の防衛に成功した。

 GAORA TV王座は、全日本プロレス最高峰の三冠ヘビー級王座に次ぐシングル王座として2012年にPWF認定のもとで創設。団体内外の若手主力選手が目指す王座として争われている。

 現王者の宮本裕向は、暗黒プロレス組織666所属の外敵王者。喧嘩自慢の元暴走族であり、掣圏真陰流トーナメント優勝を果たすなど格闘家としての実力も確か。“デスマッチヤンキー”の異名を取るデスマッチファイターでありながら、ホームの666では奇妙でコミカルな試合をすることが多いトータルファイター。
 昨年秋に開催された『王道トーナメント』で無念の欠場となった諏訪魔の代わりに出場したことで、諏訪魔らのユニット【バカの時代】の面々と縁が生まれて全日本にレギュラー参戦中だ。

 今回、裕向の持つGAORA TV王座に挑んだのは芦野祥太郎。
 芦野は末期のWRESTLE-1を支えたエースであり、全日本参戦後には諏訪魔に師事し、後に正式入団を果たして“王道”の魂が覚醒。2023年にはチャンピオン・カーニバル優勝を果たすが、優勝決定戦後に左腕の骨折が発覚。そのまま長期欠場に入り2024年1月に復帰するも、トップ戦線からは離れて前座に甘んじる1年を過ごした。

 全日本の“明るく楽しい”の部分が強い【バカの時代】に対し、芦野は「プロレスに安い笑いはいらない」と真っ向から反発。
 ホームの666では様々なキャラクターに扮してファンを笑顔にしている裕向は「俺らは笑われてるわけでも笑わせてるわけでもない。お客さんを笑顔で帰すのがエンターテイメント」と自らの立ち振舞いに誇りを持って芦野と対峙する覚悟を語っていた。

 ひたすらにシリアスな芦野に対し、裕向もおふざけ一切なしで応じてグラウンドでじっくりと組み合っていく。
 芦野は無骨なエルボースマッシュ連打から得意の足攻めに引きずり込んでアンクルホールド。裕向もこれを抜け出してカウンターのファイヤーサンダーを見舞うが、芦野は一歩も引かずにラリアット、バックドロップと連撃。さらにアンクルホールドで決めにかかるが、裕向はサムソンクラッチのように丸め込んで切り返す。さらに裕向がハンドスプリングオーバーヘッドキック、投げ捨てジャーマン、蒼魔刀、ムーンサルト・プレスと畳み掛けて3カウント。一切笑いのない試合でも裕向が芦野を圧倒してみせた。


 マイクを取った裕向は「芦野、あいつ冗談通じねーから、次闘う相手は、冗談通じる相手とやりたい。だからこっちから指名します。次の挑戦者は、イケメンこと、黒潮TOKYOジャパン!どっちが本当のバカだか、決めてやろう」と黒潮を挑戦者に指名。
 宮本裕向vs黒潮TOKYOジャパンのGAORA TV王座戦は、2月24日のエスフォルタアリーナ八王子大会で行われる。

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