“日本の伝統文化”プロレス&お笑いを海外にも発信!外国人観光客で賑わう新宿のド真ん中にリングが出現!プロレスラーと子どもの心温まる交流も

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 28日、東京都・末広通り商店会にて『演芸とプロレスのエキサイティング笑店会フェスティバル 2024』が開催された。

 本イベントの基となったのは、新宿三丁目の末広通り商店会(新宿区)が商店街活性イベントの一環として公道にリングを立てて行っているオールスタンディング形式かつ観戦無料のプロレス大会。
 2022年&2023年にはこのプロレス祭りの輪を広げて行くべく、たかの台地区商店会(小平市)、東久留米駅前商店会(東久留米市)を合わせた3つの商店会でタッグを結成したイベント『闘強商店会プロレス』を実施した。

 今年からはコンセプトを一新した新企画『演芸とプロレスのエキサイティング笑店会フェスティバル 2024』が発足。
 お笑いを中心とした演芸&戦後の日本人を元気付けてきたプロレスを“日本の伝統文化”と位置付け、文化保存運動の一環としてイベントを開催するというのがコンセプトだ。
 本イベントには、末広通り商店会(新宿区)、巣鴨大鳥神社商店街(豊島区)、伝通院前通り三盛会(文京区)が参加。それぞれの商店街を周ってスタンプを集めることで景品がもらえるスタンプラリー企画を基幹とし、商店街に親しみながら老若男女へ演芸&プロレスを届けるものとなっている。

 この日は末広通り商店会大会が実施。
 長年に渡って年に複数回の大会を行ってきたことから、この地では商店会プロレスが地域のお祭りのような形で定着。今年はプロレスと同時に演芸もフィーチャーされていることから、明治30年創業の寄席・新宿末廣亭を有する末広通りで行うにはベストマッチ。
 今回も地元住民が親子三世代で多く訪れた他、新宿の街のド真ん中にリングを立てて行うというシチュエーションから数多くの外国人観光客が集まってカメラを手に観覧。“日本の伝統文化”を発信するイベントとして最高のシチュエーションが整った。


 プロレスの試合は、華麗な空中殺法とパワー殺法がしのぎを削る現代プロレスを象徴するかのような第1試合、“柔術vsキックボクシング”の異種格闘技戦とも言えるバチバチの第2試合、そして“ベビーvsヒール”の軍団抗争として場外戦で大暴れしていくという刺激的な第3試合とすべて趣の違う試合が展開。
 高度な駆け引きやプロレスファンにしか分からない文脈を取り除き、徹底して初めてプロレスを見る人が楽しめるような内容となっていた。

 演芸のコーナーでは、今をときめくお笑い芸人が3組登場。
 1組目の【太田トラベル】は鉄道芸人でありつつ、大日本プロレスでアルバイトをしているという“こちら側”の人間。
 まずは定番のバルーンアートを披露し、観衆にプレゼント。さらに都営大江戸線、山万ユーカリが丘線、札幌市営地下鉄+札幌市電、名古屋市営地下鉄上飯田線の路線図をバルーンアートで再現。さらに1週間かけて都内の複雑な路線図をすべてバルーンアートで作ってきたとのことだが、1週間経ってしまったため全部しぼんでいたという最高のオチを付けた。

 2組目は本間キッド、中嶋享、ロングサイズ伊藤の3人組【や団】が安生洋二の入場曲に乗って登場。
 や団はキングオブコント2022、2023、そして今年の2024もファイナリストに選ばれている実力者。ショートコント3本を披露した後、リング上というシチュエーションを活かしてロープワークやマイクアピールを使ったネタを披露。最後のコント『事件現場』では“ジャーマン・スープレックス殺人事件”というパワーワードを生み出して爆笑を誘った。

 3組目は【ユリオカ超特Q】が藤波辰爾の入場曲に乗って登場。
 ユリオカ超特Qは言わずと知れたプロレスモノマネ界の大御所。『我々は殺し合いをしてるんじゃない!分かってください!と言っているのに分かってもらえない藤波辰爾』『藤波辰爾が試合中に攻めているときと攻められているときの息遣いの違い』『本物よりちょっと上手いマッチョ・ドラゴン』『最後の「あっばれ!」しか聞き取れない天龍源一郎』『モイスチャーミルク配合』という往年の名ネタを披露しプロレスファンの期待に応えた。

 最後は観衆の拍手の量で優勝者を決めることになるも、全員ほぼ同じ拍手量であったため審査が難航。そこで末広通りの王であり法そのものである石川会長に決定権が委ねられたが、石川会長は全員優勝を宣言。
 優勝賞品として桂花のラーメンセットを全員に贈呈するという太っ腹ぶりを見せつけた。


 こうしたオープンな場で行われる無料のプロレス大会は、プロレスの裾野を広げていくことにつながる。大きな団体のビッグマッチだけではなく、地域に密着した草の根運動もプロレスの発展には必要不可欠だ。この日は、マスクドミステリーというマスクマンの試合を見てファンになった子どもが抱っこをせがみ、ミステリーも快く応じて抱き上げるという平和の象徴のような光景も見られた。
 現在はニッチ寄りの趣味とされることが多いプロレスだが、プロレスがお茶の間で放映され、老若男女皆がプロレスを愛していた時代をまた築き上げるためにもこうした小さな試みにも注目していきたい。

 最終回となる次回大会は10月6日(日)に巣鴨駅南口ロータリーにて14時より開催予定だ。

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