高山善廣が頸髄完全損傷と闘いながら7年4ヶ月ぶりにリングに降臨!鈴木みのるとのシングルマッチが実施も決着は“いつか”にお預け!

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 3日、東京都・後楽園ホールにて『TAKAYAMANIA EMPIRE 3』が開催。高山善廣が7年4ヶ月ぶりにリングに降臨した。

 『TAKAYAMANIA ENPIRE』とは、2017年5月に試合中のアクシデントにより頸髄完全損傷と診断され現在も怪我と戦っている高山善廣のために各プロレス団体や有志が協力して作り上げている支援イベント。
 2018年、2019年と開催されてきたが、世界中がコロナ禍に見舞われたことで一時中断。今回は約5年ぶりに後楽園ホールで復活し、前売り券が早々に売り切れる超満員札止めの中での開催となった。


 選手・ファンが一体となって作り上げた“高山愛”に満ちた空間は熱気に溢れ、ファンの熱がレスラーたちをさらに熱くしていくという相乗効果を生み出した。
 特に里村明衣子vsシン・高山善廣(シン・広田さくら)のシングルマッチは、高山の身長と同じになるよう手作りした特製ブーツを履いて登場したシン高山がトップロープをまたいで入場するなど最高のファンサービスに始まり、高山への愛と里村の強さが際立った名試合に。選手2人の技量もさることながら、観衆の異様な熱がこの試合の価値をさらに高めていた。

 メインイベントでは、鈴木みのるvs柴田勝頼という超豪華なシングルマッチが実施。
 試合開始から約5分はじっくりとしたグラウンド戦が展開され、高度な駆け引きを場内が固唾をのんで見守る。
 その後、みのるが自身の胸を叩きながら「お前ら見たいのどうせこれだろ!」とチョップ合戦を求めると、その後は20分以上に渡る逆水平チョップ合戦が展開。リング内、リングサイド、観客席の中となだれ込みながらチョップ合戦を続け、本部席に乗り込んでいった際には解説の小橋建太さんがみのるに逆水平チョップ。柴田は自ら小橋にチョップを懇願し、真っ向から受けきって満足そうにリングへ戻っていく。
 その後も汗飛沫が舞い、2人の胸がどす黒く腫れ上がる中で逆水平チョップ合戦は継続。これを制した柴田がコーナーダウンを奪い、代名詞的な技の1つである串刺しドロップキックを2連撃。
 柴田がハーフハッチ・スープレックスからビッグブート、コブラツイスト。さらにPKを発射も、かわしたみのるがスリーパーホールド。落ちる寸前まで追い込まれる柴田に対し、みのるはサッカーボールキックから再びスリーパーホールド。さらにゴッチ式パイルドライバーを狙うが、柴田が耐えてぶっこ抜き、デスバレーボムからPK。さらにPKを連打していくが、みのるは鬼の形相で真っ向から受け切る。柴田がロープへ飛んで渾身のPKを叩き込むと、これで3カウントが入った。

 出場した全選手がリングに上って記念撮影を行い、みのるが「NO FEAR!」の掛け声で大会を締める……かと思われたが、「そんなわけねーだろ!今日のスペシャルゲスト!高山善廣ッ!」と主役を呼び込む。

 場内から割れんばかりの高山コールが起こる中、高山が車椅子に乗って登場しリング上へ。
 改めて記念撮影が行われる中、みのるが高山を青コーナーに下げさせ、対角に立つ。そんな中、会場に鈴木みのるvs高山善廣の時間無制限1本勝負が行われることがアナウンス。7年4ヶ月ぶりに高山がリング上での闘いに臨んだ。


 ゴングが鳴ると、みのるが泣きながら「来いよ!この野郎!打ってこいよ!」と呼びかける。大・大・大・高山コールが起きる中、高山は必死に動こうとするも、それは叶わずボロボロと涙を流す。
 みのるは「立てよ!立てねーのかよ!オメーが立てねーんだったら、この勝負お預けにしてやるよ。その代わりな、テメーが帰ってくるまでこのプロレス王の座でお前のことずっと待ってるからな!何が帝王だ!今のプロレス王はこの俺、鈴木みのるだ!悔しかったら立ち上がって俺の顔蹴飛ばしてみろ!この野郎!」と心の叫び。
 ゴングが鳴らされ、この試合はノーコンテストに。みのるは「絶対に諦めんなよ!」と手を握りながらメッセージから深々と一礼。2人の決着はいつかの再戦時に持ち越しとなった。

 その後はもう1度選手たちがリングに集合し、高山の「みんな、今日はありがとう!行くぞ、ノーフィアー!」の掛け声で5年ぶり3回目のTAKAYAMANIAは大団円を迎えた。

 大会後、インタビューに応じた高山は「立てないのが悔しかった。……本当に、立ち上がりたかったけど、まだ無理だった。すごい悔しかったです」と目に涙を浮かべながらコメント。
 久しぶりにリングに上がれたことについては「まだ、ちゃんと自分の足では降りてないんで。まだまだそれは叶わないんで。まずは、倒れてからずっと出来てなかった、上がって挨拶できたことは少しホッとしてます」と語り、いつかの復帰を誓った。

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