6・20ストロングスタイルプロレスでレジェンド王者・間下が“平成のテロリスト”村上和成と記録も懸け防衛戦!タイガー・クイーンとSareee、シングルに向けてのタッグマッチ!レジェンド歴代王者トリオのド迫力ヘビー級対決も!

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 初代タイガーマスク佐山サトル率いるストロングスタイルプロレス(SSPW)が6月20日(木)、東京・後楽園ホールにて「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.29」を開催する。今大会では間下隼人のレジェンド王座に“平成のテロリスト”村上和成が挑むタイトルマッチをはじめ、“女性版タイガーマスク”タイガー・クイーンと元WWEのSareeeによるタッグ対決など、全6試合がラインアップされている。盛りだくさんの同大会を前に、本欄ではそれぞれの試合の見どころを探ってみよう(文・新井宏)

▼シングルマッチ30分1本勝負
ダーク・タイガー(DarkerZ)
vs
藪下めぐみ(CRYSIS)

 大会のオープニングを飾るのは女子シングルマッチ、ダーク・タイガーvs薮下めぐみだ。
このカードは、SSPW女子タッグ王座をめぐる因縁の試合でもある。昨年12・7後楽園でトーナメントを勝ち抜き初代王者となったジャガー横田&薮下組が、DarkerZのダーク・タイガー&ダーク・チーター組と3・21後楽園で初防衛戦。ここでベルトを守ったジャガー組だったが、王者の首を狙うDarkerZがこのまま引き下がるはずもなく、今大会で二組に分かれての試合がおこなわれることになった。まずはジャガーとの師弟コンビで王者となった薮下と、DarkerZのリーダーであるダーク・タイガーとの一戦。ダーク・タイガーがタイトル戦のリベンジを狙うことは明らかだが、どんな手を使ってくるかはまったくわからない。正攻法での勝利を奪いにくるのか、それとも勝敗度外視で憂さを晴らしにかかるのか。この試合の結果が第3試合女子3WAYマッチの流れに直結しそうなだけに、オープニングから見逃せない闘いとなるだろう。

▼タッグマッチ 30分1本勝負
ザ・グレート・サスケ(みちのく)/日高郁人(ショーン・キャプチャー)
vs
アンディ・ウー(フリー)/阿部史典(格闘探偵団)

 第2試合は、ザ・グレート・サスケ&日高郁人組vsアンディ・ウー&阿部史典組。SSPWではおなじみのジュニアヘビー級勢によるタッグマッチだ。今回はレギュラーの日高と阿部が対戦する図式で、日高はジュニア界のレジェンドでもあるサスケとタッグを組む。両者はみちのくプロレスとバトラーツで組んだり闘ったりしてきた間柄とあって、熟練の試合運びを見せてくれそうだ。また、阿部と組むのは、21年9・5新木場以来、SSPW2度目の登場となるアンディ・ウー。こちらは変幻自在の空中戦を武器としており、阿部とのバチバチファイトがどんな化学反応を見せるのか楽しみである。サスケとは新旧マスクマン対決でもあり、サスケ&日高組、アンディ&阿部組とも空中戦とバチバチファイトのコンビとあってバランスの取れた好カードとも言えそうだ。ここにサスケの強烈な個性が加わり、個性と言えば阿部もその場の空気を持っていく力に長けている。サスケと阿部の世界観のぶつかりも興味深く、あらゆる角度から楽しめる一戦となりそうだ。

▼3wayマッチ 30分1本勝負
ジャガー横田(CRYSIS/ディアナ)
vs
ダーク・チーター(DarkerZ)
vs
ダーク・ウナギ(DarkerZ)

 第1試合のダーク・タイガーvs薮下めぐみの流れにあるのが、第3試合の女子3WAYマッチである。CRYSISを率い、薮下とともに初代SSPW女子タッグ王者に君臨するジャガー横田、DarkerZのダーク・チーター、そしてDarkerZながらもその動向が読みにくいダーク・ウナギがいっせいに闘うのだからリング上は混沌必至。3人が同時に闘うと言っても、DarkerZが2人いるだけに、常識的に考えればチーターとウナギの結託によりジャガーが孤立無援の試合を強いられることも予想される。しかしながら、何を考えているかわからないウナギのことだ。1対1対1の試合が、1対2で始まり、1対2で終わるとも限らない。そこが御大ジャガーにはプレッシャーにもなるだけに、SSPWのリングに上がって以降、ある意味最大級のピンチかもしれない。とはいえ、ディアナのWWWD世界エリザベス王座に3度就いているジャガーだ。3WAYの闘い方を心得ているだけに、ここでもキャリアがモノを言いそうだ。そこを突破するのがSSPWでの生き残りをもくろむDarkerZの至上命令とも言えそうだが…。すべてはウナギの出方にかかっている?

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
スーパー・タイガー/船木誠勝(フリー)/関本大介(大日本)
vs
ダーク・ウルフ(DarkerZ)/将軍岡本(フリー)/関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)

 第4試合はスーパー・タイガー&船木誠勝&関本大介組vsダーク・ウルフ&将軍岡本&関根“シュレック”秀樹組の6人タッグマッチ。第2試合がジュニアなら、こちらはヘビー級によるド迫力のぶつかり合いが期待できる。図式としてはスーパー組がレジェンド王座の歴代王者トリオで。対するウルフ組はヒールのにおいがするトリオとなるのだろう。SSPWのエースであるスーパーは、レジェンド王座を過去4度戴冠。船木は3度巻いており、船木からベルトを奪ったのが関本だった。この3人は初代タイガーマスク欠場後、レジェンド王座の価値を上げてきた立役者たちでもある。対するウルフは、大型で謎に満ちたマスクマン。今年1月にウナギ・サヤカの興行に突如現れ、そのままDarkerZ入り。今大会が4度目の登場となるが、いまだ全貌は見えてこない。それだけに不気味でもあり、この試合でその実力が爆発する可能性もあるだろう。ウルフと組む将軍、シュレックともレジェンド王座に挑みながらもSSPW最高峰のベルトにはまだ到達していない。この試合は現在、間下隼人が持つレジェンド王座次期挑戦に向けての査定試合の意味合いもあり、6人タッグマッチながらも全員がライバルという側面も併せ持つ。とくに直近のSSPW後楽園2大会でタッグながら村上和成に直接敗れているスーパーにとっては、再浮上をかけての闘いにもなりそうだ。

▼タッグマッチ 45分1本勝負
タイガー・クイーン/青木いつき (ショーン・キャプチャー)
vs
Sareee(フリー)/関口翔(フリー)

第5試合のセミファイナルは女子タッグマッチ、タイガー・クイーン&青木いつ希組vsSareee&関口翔組だ。初代タイガーマスクのデビュー40周年となった2021年の夏、佐山サトルとジャガー横田が発掘し育て上げた女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンが衝撃のデビュー。あれから間もなく3年という今大会で、クイーンは元WWEのSareeeと対戦する。両者は昨年10月15日、「アズーリプロレス祭り」新宿で初遭遇。クイーン&本間多恵組vsジャガー横田&Sareee組で実現しており、その試合ではSareeeが本間から勝利した。そして2度目にしてSSPWでの初対戦が前回の3・21後楽園だった。ここではクイーンが本間を破ったのだが、Sareeeがシングルマッチを要求。一騎打ちの実現が期待されていたが、まずはタッグでの対戦がもう一度おこなわれることになった。今回はクイーンが青木いつ希、Sareeeが関口翔とのチームで出陣。
青木は日高郁人の愛弟子で、いきのいいファイトが持ち味。関口はアクトレスガールズ出身で、アクトからいち早くプロレス団体(OZアカデミー)にレギュラー参戦するようになった選手である。この2人はタッグを組んで初代SSPW女子タッグ王座決定トーナメントにエントリーしており、1回戦負けを喫したものの、SSPW女子でさらなる実績を積み上げていきたいところ。それだけに、クイーン、Sareeeと絡むこの試合は大きなチャンスにもなるだろう。クイーンとSareeeの対戦にいきがちな視線を自分たちに向けられれば、大きな自信にもなるはずだ。それでもやはり、クイーンとSareeeの今後に注目が集まるのは致し方ないところ。この試合を通じて一騎討ちの機運が高まるか、それとも…。スターダムでIWGP女子王座に挑み、マリーゴールド7・12両国でのジュリア戦が控えるSareeeにとって、クイーンからの勝利はとてつもなく大きな意味を持つ。年内のSSPW後楽園大会全戦参戦がすでに決まっているSareee。6・20後楽園は、クライマックスに向けての大きな分岐点となる!?

▼レジェンド選手権試合 60分1本勝負
【王者】間下隼人
vs
【挑戦者】村上和成(フリー)
※第17代王者が二度目の防衛戦

 メインは村上和成のレジェンド選手権試合。第17代レジェンド王者・間下隼人が村上和成を挑戦者に迎え4度目の防衛戦に臨む大一番だ。間下は昨年2・22後楽園で真霜拳號を破り、流出していたSSPWの至宝を団体に取り戻し悲願の初戴冠を成し遂げた。さらに将軍岡本、関根“シュレック”秀樹、アレクサンダー大塚を破り3度の防衛に成功、レジェンド王者の地位を一年以上守っている。次のタイトル戦でも勝利すれば、アレク、スーパー・タイガーのⅤ4と並び、同王座最多防衛タイとなる。しかも4度の防衛となれば、兄弟子のスーパー以来、約9年ぶりで新記録にも王手がかかるのだ。それだけに、苦節の末に王座にたどり着いた間下には絶対に落とせない防衛戦なのだ。が、間下はあえてここで危険な賭けに出たのではなかろうか。アレクを破った試合後、間下から次期挑戦者に村上を指名したのである。呼び出された村上が応じたことで、今大会でのタイトルマッチが決定。振り返ってみれば。村上は13年3・22後楽園でSSPW初参戦ながらもいきなりスーパーの王座に挑んだ。レジェンド王座はそれ以来の挑戦となるが、前回は暴走の末にノーコンテストの結末。“平成のテロリスト”の面目躍如でもあったのだが、間下にはスッキリと決着をつけることが求められる。昨年12・7後楽園でのタッグマッチ、今年3・21後楽園では6人タッグマッチでスーパーを直接くだしてきた村上。間下には「仇を討つ」闘いでもあり、あこがれてきたプロレスラーと前哨戦なしの初対決というスリルも大きな見どころとなるだろう。間下はかつて村上にあこがれを抱き、自身のスタイルの模範にもなっているという。とはいえ、村上の醸し出す狂気が王者を圧倒することも十分に考えられる。王者・間下としてはその部分でも負けられない。逆に、村上の狂気が誰も知らない間下を現出させる可能性もあるのではないか。そうなった場合、いったいなにが起こるのだろう? 間下が防衛し防衛新記録に王手をかけるか、それともタイトルとは無縁の男がSSPWの至宝をかっさらうか。考えただけでもゾクゾクするタイトルマッチである。

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