【インタビュー】「限定されればされるほど楽しくなっちゃう」6・22ブラッドスポーツ両国大会直前、鈴木みのるにインタビュー!

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 6月22日、両国国技館にてジョシュ・バーネットが主催する『ブラッドスポーツ武士道』が開催される。ABEMAにて完全生中継される本大会に向け、ブラッドスポーツにほぼレギュラー参戦している鈴木みのるに思いを語ってもらった。

――実はジョシュ・バーネットよりも鈴木さんの方がブラッドスポーツ歴が長いというか、マット・リドル主催の時から。
「マット・リドルが第1回大会を開催した時、ちょうど俺がアメリカにいたんですよ。で、そんときのプロモーターが困った顔しながらホテルで俺のことを見つけて「あ!いいのいた!」みたいな顔になって(笑)。説明されたらマットリドルの相手がドタキャンでいなくなっちゃって、穴が空いちゃったからどうにかしてくれないか?仕事しないか?」って言われたから、ニヤっとして「いくら?」って聞いて、それで出るようになって。」

――向こうがスクランブルな状況で急遽オファーをもらってという感じだったんですね。
「「明日なんだけど」って言うから「いいよ」っつって出て、それが第1回。」

――前日オファーだったんですね(汗)
「アメリカそんなのが多いよ。「明日ニューヨーク来れるか?」とか、「明後日マイアミ来れるなら試合組むけど?」とか。そんなんばっかですよ。」

――それって鈴木さんのSNS見て「こっちに来てる!」と知って直接連絡が?
「あ~、見てるときもあれば見てないときもありますね。「今どこだ?」っていうのも。それがフリーランスなんで。俺どこの会社とも契約してないんで。逆に全く縛られてないんで自由ですね。」

――出場1回目、ロープが無いのはなかなか無い試合形式というか、いざやってみていかがでしたか。
「ああ~、俺は楽しかったですよ。」

――過酷というか、そういうところが楽しいということでしょうか。
「ん?そういうことを言ってほしいの?今回俺以外の人ほとんどが初めてなんで多分イメージとしてはそっちの方に行くんだろうと思うんだけど、俺のキャリアで、なんなら新幹線でもプロレスやってる、無人の東京ドームのプロレスやってる、路上でもやってる、山ん中でもやってる、5万人・6万人のスタジアムでもやってる、かと言えば20人のちっちゃい会場でもやってる、やってない場所がないぐらい、いろんなとこでやってるんで。商店街でも、公園でもやってますよ。だから頭フル回転させて、だから何ができるっていう。俺向きだと思いますけどね。限定されればされるほど、楽しくなっちゃう(ニヤリ)」

――何やってやろうとか、この場所で何をやってやろうかっていう。
「元々プロレスっていうのは、ルールがちょっと曖昧な部分もある。そうかと思えば、僕らUWFとかパンクラスとか、ガッチガチにルールを固めた中でやってきた。両極端やってなおかつ真ん中のいろんなハードコアとかデスマッチまで出して、あとは女子プロレスラーとのハンディキャップとかもやってるんで、特に俺にしてみたら普通の一試合ですよ。」

――そういうときって、いざ会場に入って周り見渡して、インプレッションでこういうことできるなって想像するんですか。
「しないです。この技はまさに日本が緊急事態宣言を受けて、全く外に出れない、家から出るなってなったときに、僕らフリーのレスラーなんで、仕事がゼロになったんですよ。収入がゼロというか。まずいな、俺このままだと病気になる前に餓死するなって。そしたら、たまたまアメリカの知り合いから連絡きた時に、「なんかアメリカで試合できないかな?アメリカどうなの?」って聞いたらもうアメリカは普通にやってると。「来るなら聞いてみるよ」っていうとこから始まって。それが3~4年ぐらい前です。で、アメリカに鈴木が来るってなってウワーっとオファーが集中したんですよ。要は外国人がアメリカに入ってこないんで、俺1人なんですよ。外国人が、アジア人が、日本人が。まあ~、試合だらけですよ。ひどかった。3日間で8試合とかやりましたから(笑)」

――ええ!鈴木さんのキャリアでダブルヘッダーとか?
「違う!トリプルヘッダー、トリプルヘッダー、ダブルヘッダーですよ。もう笑いが止まんないです(笑)」

――こないだジョシュ選手も取材したんですけど全く違いますね(笑)。ジョシュ選手の場合こだわりが強いというか、こういうものを見せたいとか、こういうものを作りたいってのが多分先にあって、それを形にしたのが今のブラッドスポーツ。
「まあ代表なんで(笑)。俺は枠をもらって出るだけじゃなくて、そしたらもう全部俺の時間ですよ。俺の時間だし俺の場所だし。みんなの想像の遥か彼方先をやる。そりゃそうだよ。世界の鈴木みのるですよ(ニヤリ)」

――実際、鈴木さんもブラッドスポーツに出場されて、ジョシュと戦いましたけど、まずこの中でやることの面白さ、やれることの幅みたいなものは見つかってきましたか?
「俺は毎回面白がって楽しんでやってるんで。ただ、何て言うんだろ、全体の流れがちょっと変わってきたかなと。ついこないだも出たんですけど、当初はロープのないリングでやるUWFみたいな感じだったんですけど、別に誰が何の指示をしたわけでもないのに、この4月にやったやつ僕が出たとき、ロープのないリングでやる初期UFCみたいな雰囲気だったんですよ。だからより暴力的になってるっつうか。全体の雰囲気が。「へえ~」と思ってちょっと面白かったですね。」

――もっと暴力的になると。お客さんのリアクションも最近の大会では変わってきてるんですか。
「いや。そもそも、今アメリカにUFCというのが存在します、プロレスも存在します、でも真ん中がないんですよ。アメリカにいわゆる日本で言うUWF的なものっていうのが全くないので。だからアメリカではすごく受けているというか、チケットもいつもソールドアウト。日本でどうなるかなとは思いますけどね。」

――ちなみに鈴木さんはジョシュ選手と知り合ってから何年ですか。
「何年ですかね。もう覚えてないっすよ。20年以上前じゃないすか。」

――初来日は2003年ぐらいでしょうか。当時の印象とかってどうでしたか。
「う~ん、何でもできるのにどんくさく見えました。キックもパンチもスープレックスも寝技も何でも器用にこなす、体も大きい、運動能力の高い選手なのに、なんかどんくさく見えてました。」

――それは何でですかね。
「一言で言ったら多分「プロレスとして面白くなかった」ってことですかね。だからどんくさく見えた。やってることすごいのに、見てる人に届かないっていう。」

――というのはその後変わりましたか。
「変わりましたね~。今から数年前、僕はニューヨークでジョシュ・バーネットとブラッドスポーツでシングルマッチをやったんですよ。そんときに「あれ!?」ってびっくりしました。前にあったそのなんか、もさっとしてる、どんくさいというかイモくさいというか、自己満足というか、何かその部分も全くなくて。リングで戦ってることが楽しかったんで、「面白い!こんなにやっぱ人間って変わるんだな」って。向こうも思ってるかもしんないですけど(笑)」

――今回はジョシュ選手本人もまた僕らが見てた試合とは違うというか。
「違うんじゃないすかね~。今回のあいつは(相手が)モクスリーですか。モクスリーはモクスリーでちょっとオタクが入ってるんですよ。日本格闘技オタク的なとこあるんで。そんなエッセンスとかを入れたがるタイプですよね。」

――ちょっとじゃあジョシュ選手と似てるかもしれないですね。
「ああ、タイプは違うけど似てるかもしれないですね。」

――この前のブラッドスポーツでの対戦を観たんですけど、こう血まみれになってたりとか。他の試合と違ってこの二人だからこそこうなるのかなと。
「まあ血ぐらい出ますよ。」

――鈴木選手は今回ティモシー・サッチャー選手と戦いますが、どんな印象でしょうか。
「何年か前にアイルランドで試合をしてるんですよ、彼と。何年前かあんま覚えてないですけど今回2回目で、でも「地味だな~」としか思ってないです。地味な選手、とにかく地味です。」

――とにかく地味(笑)
「とにかく地味で、複雑な技もなければ、かっこいいハイキックみたいなそういうのもない。昔ながらのレスリングの選手ですね。キャッチレスリングの選手。」

――シンプルな選手なんですね。
「そう、シンプルです。僕は遊びしかないです。」

――どう遊んでやろうとか。
「どう遊んでやろうっていうか、俺が1人で遊ぼうなんで、はい。俺はもうこのキャリアになると相手関係ないんで、別に誰でも。誰でも遊んでます。これがジョシュ・バーネットであっても、ジョン・モクスリーであっても、遊んでるんで。相手が船木誠勝であっても桜庭和志であっても、はい。」

――さっき言った女子の選手だったりしても関係ないと。
「そうですね、今回出る小波が俺の対戦相手だったとしても、はい、楽しくやりますよ。」

――今回の大会も、多分皆さんは楽しく戦ってる鈴木選手を楽しむと。
「もう会場中巻き込んでやろうかなって。そういう話をしてたらすぐにレフェリーに「ほんと、すぐ敗けにするからね」ってこないだも脅されて(笑)。でもレフェリー見てなきゃいいわけだから。」

――そこをどうかいくぐるかも僕ら楽しみにしてます(笑)
「まあ、今現在の鈴木みのるをどんなスタイルであろうと使うということは、ある程度覚悟してもらわないと。このイベントごとひっくり返して潰すつもりでいるんだよ。いや言葉はちょっとあんま良くないかもしれないけどそういうつもりでいるね。大会見終わって放送し終わって、「結局何が面白かった?」「鈴木が一番面白かった」って客に言わせるんで。それが目的だね(ニヤリ)」

『ブラッドスポーツ 武士道』
日程:2024年6月22日(土)
開始:15:00
会場:東京・両国国技館
チケット:https://www.ticketpay.jp/booking/?event_id=50930

▼メインイベント
ジョシュ・バーネット
vs
ジョン・モクスリー

▼ワンマッチ
鈴木みのる
vs
ティモシー・サッチャー

▼ワンマッチ
クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン
vs
関根“シュレック”秀樹

▼ワンマッチ
桜庭和志
vs
サンティーノ・マレラ

▼ワンマッチ
船木誠勝
vs
デイビーボーイ・スミスJr.

▼ワンマッチ
エリック・ハマー
vs
マイク・オハーン

▼女子ワンマッチ
小波
vs
福田茉耶

▼トーナメント決勝戦
一回戦・第1試合の勝者
vs
一回戦・第2試合の勝者

▼トーナメント一回戦 第2試合
野村卓矢
vs
トッド・ダフィー

▼トーナメント一回戦 第1試合
佐藤光留
vs
鈴木秀樹

▼オープニングマッチ
飯塚優
vs
阿部史典

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