ガンバレ☆プロレスが3月いっぱいでCyberFightから独立!大家健代表「やるからにはDDTを必ず超えます。それが高木三四郎に対しての恩返し」
ガンバレ☆プロレスが1月31日、東京・千代田区の神田明神文化交流館で記者会見を行い、3月いっぱいでCyberFight傘下から独立することを発表した。3月28日の東京・上野恩賜公園野外ステージ大会が同社傘下での最後の興行となる。3月初旬には三島通義相談役が社長に就任した新会社の設立を準備中で、4月から新たな体制で活動していく。
同団体は2013年4月17日、大家健(代表)が一人で旗揚げ。その後、DDT映像班だった今成夢人を始め、徐々に所属選手も増えていき、2022年7月には東京・大田区総合体育館にも初進出。DDTとは一線を画し、独自の価値観で活動を展開してきた。
新体制には大家(代表)、勝村周一朗、今成(2月1日付で飯伏プロレス研究所との2団体所属に)、石井慧介、渡瀬瑞基、中村宗達、HARUKAZE、まなせゆうな、YuuRI、桜井鷲(休業中)の10選手が残留。レギュラー参戦してきた冨永真一郎(CWP)は2月1日付で入団し、2団体所属に。翔太、長谷川美子、リアラの3選手は3月いっぱいで退団しフリーに転向する。レギュラー参戦中の和田拓也、前口太尊、春日萌花(療養中)、バニー及川は今後も最大限協力するとの意向を示しているという。
独立後、4月27日の東京・北沢タウンホールで初興行。5月18日の東京・新木場1stRING、6月2日の東京・高島平区民館、7月15日の高島平区民館大会が決定済みだ。
会見に同席した高木三四郎社長は「昨年10周年を迎えたガンバレ☆プロレスの今後の活動について大家健代表と話していくなかで、より良い活動を続けてための最善の道は、離れて活動していくことではないかということで独立という選択肢が出てきました。10年間一緒にやってきたなかで苦汁の決断ではありましたが、大家健代表の意思を尊重して快く送り出してあげたいと思います。11年目を迎えるガンバレ☆プロレスの新たなスタートになります」と経緯を説明。
大家代表は「私個人としましては、20年プロレスをやっているんですけど、高木さんのもとでしかプロレスをやったことがないんです。高木さんにデビューさせてもらって、高木さんにいろんな会場で試合させてもらって、高木さんにブレイクさせていただいて。このまま高木さんのもとでプロレス人生をまっとうしたいという思いも確かにありましたけど。この10年間でガンバレ☆プロレスにたくさんの仲間ができました。独立することがガンバレ☆プロレスをもっともっと大きく、いろんな人に届けられるんじゃないかなと思って独立を決断しました」と涙で思いの丈を吐露。そして「やるからにはDDTを必ず超えます。それが高木三四郎に対しての恩返しだと思ってます。そして、やはり俺はプロレスラーがスーパースターだと思ってるんです。野球、サッカーとか、ほかのプロスポーツの選手以上に、プロレスラーが有名になれるように、ガンバレ☆プロレスでプロレスをメジャースポーツにする。それは10年前から変わってません。独立しても言い続けます」とキッパリ。
現在スピリット・オブ・ガンバレ(SOG)世界無差別級、SOG世界タッグの2冠を保持する勝村は「私自身、CyberFightのなかのガンバレ☆プロレスという位置づけでやってきて、本当にCyberFightでやれることがうれしくて会社に感謝をしています。毎月定期的に試合が行われていたり、大きい会場、それこそさいたまスーパーアリーナなどで試合させてもらったこともそうですし。大きい箱だけでなく、ふだんの事務作業や営業活動、広報活動などすべて会社にお任せしてやっていたのが、これから自分たちでやらなきゃいけないことがたくさんあります。そういう面でこれから独立といって手放しで喜べることばかりでなく、不安のほうが大きいのですが…。残った選手一丸となって不安を取り除き、その苦労も楽しんで、みんなで明るいガンバレ☆プロレスをつくっていけたらいいなと思って。今後は年長者であり、チャンピオンでもある自分が選手を引っ張っていかなきゃなと気を引き締めております」と話した。
大家とともにガンプロを支えてきた今成は「独立という話が比較的最近あったなかで、僕も(昨年9月まで)CyberFightの社員だったので、CyberFight体制だからできたこと、できることというのが…バックアップがあったからできたというのが、痛いほどわかっていたので。独立して一ガンバレ☆プロレスの選手としてやれるのか不安がよぎり、一度保留にさせてもらい、飯伏(幸太)さんに相談させていただいて、“ぜひ研究所に”というお話をいただきました。その際、ガンバレ☆プロレスへの思いもず~っと巡ってしまいまして。やっぱり何人かの選手に“いてほしい”と言われましたし、やっぱ大家が不安なんでね。俺がいなきゃ。大家健には実務能力とかあまりないですから。俺が支えてあげないとと思う気持ちもあります。何よりやっぱりガンバレ☆プロレスが好きです。僕の人生の大事なものがガンバレ☆プロレスには詰まってて、仲間たち、そしてやっぱりファンの人です。ガンプロは小さな団体でしたけど、ほかの大きな団体に負けることもありましたけど、“今成がリングでやっているのを見て、私こういうのをやってみました”とか、“こういう勇気をもらいました”とか、ファンの人はたくさん言ってくれるんです。ガンプロでプロレスをやっててよかったなと。そして大家健が独立する、親離れする、その背中を押してあげる、支えてあげる土台に今の自分ならなれると俺は思って。この好きなガンバレ☆プロレスを、独立したガンバレ☆プロレスを続けるためにガンプロのメンバーとして引き続き頑張りたいと思いました」と涙で言葉に詰まりながら語った。さらに「飯伏幸太にも感謝があって、“俺の屍まで取ってくれ”と言われているので。彼のプロレス活動、研究活動を映像に収めて世に伝える義務があると思っているので、“ガンプロと飯伏プロレス研究所のどっちも背負わせてください”と、大家さんにも飯伏さんにも伝えて快諾していただきました。これから身を引き締めて頑張っていきます」と述べた。
退団する3選手に対して、大家代表は「なぜガンバレ☆プロレスをやっているのかと言われたら、なりたい自分になりたいみたいな。自分がああなりたい、こうなりたいと思ったときに、そういう人たちがガンバレ☆プロレスに入ってくると思うんですね。ガンバレ☆プロレスで頑張りたい人ももちろんいるけど、ガンバレ☆プロレスじゃなくて別のところでやりたいのであれば、なりたい自分になることが人生で一番大切だと思うので。やめるというより、卒業するという感じなのかなと。またタイミングが合えば、ガンプロで試合をしていただくこともあるだろうし。やっぱ自分の人生ですから、やりたいように生きたらいいんじゃないかなと思います」と理解を示した。
近年、後楽園大会の回数を増やしたり、大田区に進出したりと大きなチャレンジをしてきたが、大家代表は「独立後も大きな会場には挑戦したいですけど、これまではCyberFightの力をお借りしていた部分はあったので、一歩一歩大きな会場に挑戦できるよう、これからまた頑張っていきたいと思っています」と話した。
DDTグループでは2019年12月いっぱいで、BASARAが独立。その後も部分的に交流は続いているが、高木社長は「今後も要望があれば選手の双方の行き来や、会場のシェアとかもあると思います。(BASARAとの関係と)まったく変わらないと思います」と説明した。
なお、現在月イチペースで大会を行っている「ガンバレ☆女子プロレス」については、不定期での開催を検討。SOGの2つの王座に関しては、そのままガンプロで管理運営される。