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　2日、東京都・有明アリーナにてプロレスリングNOAH『ABEMA PRESENTS NOAH "THE NEW YEAR" 2024』が開催。丸藤正道と飯伏幸太が初のシングルマッチを行った。

　“天才”と謳われ、日本から世界へと名を轟かせてきた丸藤と飯伏。
　タッグでの対戦や2007年に2人でジュニアタッグリーグへの出場など接点は多くあり、シングル戦も決まりかけたこともあったが、互いの怪我で流れるなど機運に恵まれず。この日に至るまで両者が1vs1で闘うことは無かった。
　長年対戦が望まれてきたが、2人が出会ってから18年経った丸藤が44歳、飯伏が41歳の年にようやく実現。NOAHからGHCヘビー級王座戦よりも価値ある試合と認められた運命の一戦がメインイベントで行われた。

　飯伏は昨年8月のGLEAT両国国技館大会で1年10ヶ月ぶりに日本復帰し、そのさいは前日会見を39度の熱で無断欠席すると試合後も足を怪我していた事を告白。今回は12月24日に自身のYoutubeチャンネルで左足首の内側のくるぶしと右手の甲を骨折しており400mほど歩くぐらいで限界であることと、以前フェニックス・スプラッシュの着地失敗で痛めた右肩も手術をしておらず、ベンチプレスも40kg上がる程度でリング練習やトレーニングをまともにできる状態でないことを吐露していた。

　リング上で2人が対峙すると、ようやくこの試合が実現したことに感極まったか飯伏の目からは涙がボロボロとこぼれ落ちる。
　序盤は互いのコンディションを確かめ合うかのようなゆったりとした攻防が展開される。飯伏がロープを飛び越えてのリングの出入りに苦戦する隙を突いて丸藤が腕攻めに転じていくも、飯伏はパワースラムで流れを変えムーンサルト・プレスを決めていく。さらに飯伏がスプリングボード・ジャーマンを狙うが、丸藤がエプロンへエメラルド・フロウジョンで突き刺す機転を見せてコーナー・トゥ・コーナーのドロップキックを発射。これをかわした飯伏がバミューダトライアングルを決めて逆転は許さず。
　丸藤はステップキックからのフックキックを叩き込むが、これで静かにブチ切れた飯伏がワンツーパンチの連打で丸藤をダウンさせ、コーナーで顔面をメチャクチャに踏みつける。制止に来たレフェリーを荒々しく突き飛ばした飯伏だったが、丸藤はそのレフェリーを踏み台に飛翔しての虎王を叩き込む機転を見せる。
　丸藤は不知火からボディに虎王を突き刺し、コーナーへ上げる。飯伏はこれを空対地カミゴェで切り返し、シットダウン式パワーボム。さらにカミゴェを狙うも丸藤が下から丸め込みつつパーフェクト・キーロックに捕らえる。さらにフックキック、虎王、真・虎王、タイガー・フロウジョンと畳み掛けるも飯伏は気迫のキックアウト。ならばと丸藤はポールシフトを狙うが、飯伏はハイキックで切り返し、カミゴェ、裏カミゴェ、カミゴェと猛連打して3カウントを奪った。

　試合後、飯伏がボロボロと泣く中で2人はリング上で手を握り合いながら言葉を交わす。
　丸藤が去っていくと、入れ違いにジェイク・リーと清宮海斗がリングイン。飯伏と視殺線を展開するも、飯伏はマイクを取ること無くそのまま退場。大会の締めが2人に託される。

　ジェイクは「どれもとても素晴らしい試合でした。その中で最後メインを飾った2人は拍手を送りたい……なんて言うかこの野郎ッ！あんなウルトラヘビーみたいなリズムで試合やりやがって！そのリズムで試合やっていいのは俺みたいなデカい奴なんだよ！」と、全観客の思いを代弁するあまりにも正直過ぎるマイクで会場を大きく沸かせ、しっかり盛り上げた上で最後の締めを清宮に任せるという男気を見せた。

　その後、飯伏はノーコメントのまま両足首の痛みを訴え救急車で運ばれ病院へ直行。
　一方、丸藤は｢ハッキリ言えば10年前､15年前｡それぐらいに当たったほうが確かにとんでもない試合ができたかもしれない｡だけど､そんなこと言ってもしょうがないし､これが今の俺たちだ｡いろんな状況で試合をして､いろんな状況で相手が生まれて､どんな中でも試合をしなくちゃいけないってのがプロレスラーなんだよ｣と試合を振り返る。

　そして、清宮やジェイクなど主力選手の名を挙げつつ「確かに強いよ､若いよ､うまいよ､激しいよ｡説得力あるよ､人気もあるよ｡でもなんでNOAHって言ったら､まだ丸藤って言われるんだよ? なあ､そこを変えていこうぜ｡俺はわざわざ譲るつもりはねえよ｡でも彼らはそれを変える力を持ってる｡なあ､NOAH=丸藤､そんなもん変えちまえ｣と発破をかけた。