【インタビュー】女子プロレスを組み込んだ演出で話題沸騰！演出家が語る『ファンタジープロレス舞台』の魅力とは
女優や声優、グラドルやバレエダンサーなど様々な業種で活躍する女性たちがプロレスを使って表現を行っている『アクトレスガールズ』。
彼女たちが普段『アクトレスリング』という試合を中心とした大会で培った技術を用いて、演劇の世界で表現する『アクトリング』が今月29日に開催される。
かつてのアクトレスガールズでは安納サオリやなつぽい（万喜なつみ）が主演を務めた舞台『カウント2.9』が行われ、『BanG Dream!』の湊友希那役などを務める声優の相羽あいな（播磨佑紀）など大舞台で活躍する女優を輩出している。
今回主演を務める夏葵もバレエダンサーとして、先日オーディションを勝ち抜きバレエ『えんとつ町のプペル』に出演し、ベストボディ・ジャパンが主催するセクシーボディコンテストでグランプリを受賞。11月に両国国技館で行われるベストボディ・ジャパン2023日本大会への出場をかけてボディメイクに勤しんでいる。
これからプロレス界の内外に羽ばたくスターの卵たちが多数出演している『アクトリング』とはどのようなものなのか？
今作品の脚本・演出を務める桐乃睦（きりのむつみ）は「『ファンタジープロレス舞台』って言い方をしたりするんですけど、戦う方法がプロレスを模したリングというだけであって、あくまで一般的なファンタジー作品、ファンタジー舞台だと思って作ってます。普通のプロレスにも物語はあると思うんですけど、キャラクターがあることで深掘りされてファンタジー要素を楽しんでいただけるのと同時に、普段プロレスで戦っている子たちがやる試合がありますので、アクション部分の派手さっていうのは他の舞台に負けないぐらいのレベルを持ってきてます。プロレスと舞台のいいとこどりをしている作品だと思うので、物語を見たいという方も、プロレスが好きだからプロレスが見たいという方も楽しんでいただける要素がたくさん入ってると思います」と魅力を語る。
アクトリングは宇宙海賊や忍者、魔法少女などそれぞれのチームが『願いを叶える三種の神器』を巡って争う基本ストーリーとなっている。
当然試合中に魔法少女は魔法を、忍者は忍術を使い、ファンタジーとしての攻防がある試合は初めてプロレスを見る人にもわかりやすく、また普段プロレスを見ている人からも逆転に沸く要素の一つ。
桐乃さんは宇宙海賊シェルオルをメインに演出しているが「シェルオルは実は意外と特殊能力が出てない。隠し玉なんで全然まだ出す気がなくて。逆に言うとそれを力でまだねじ伏せられる、しっかり悪役をやれるような圧倒的な強さを持ってるところが一番の魅力なんです。いろんなチームが出てきていますが、今のところ最強は取れてるかな。怖い方も含めて最恐のつもりでいます」と強気だ。
今作品『深淵』は1年半前に行われた舞台の再演となるが、当時プロレスを始めたばかりの女優たちがこの1年半でリングで経験を積み、試合だけでいっぱいいっぱいだった彼女たちの成長が生で感じられる機会となっている。
稽古が始まり、桐乃さんも「初演のときにはお披露目したばかりだったチームもありましたが、一年半でチーム感がすごい強まっているなと思いました。そのチームの色や立ち振る舞いに良い意味で慣れてきて、仲間も増えて、固まってきたんだろうなっていうのを感じています」と当時との違いを感じている様子。
それによって演出面も「今のキャストたちに合うやり方をしようと思っていて、実際もう変えたところもあります。細かいところだったりするので、大まかには変化なく見えるかもしれませんが、より見せたいものにしていっているので、全く同じことを繰り返してるつもりはありません。良い意味で新鮮に捉えて、よりやりたかったことを忠実にやることを目指してます」と、前回を見た人でも新鮮さを感じられる変更が行われている様子だ。
主演を務める夏葵（宇宙海賊シェルオル・アネモネ役）も「アクトレスガールズが一番魅力を出すことができる作品なんじゃないかなって思っていて。アクトレスガールズって全員女優さんであって、でもアクションシーンとしてプロレスができる。今一番それが魅力の団体だなと。個人的には普通のお芝居を見るよりも、やっぱり胸に響く作品になってます」と演じてみての魅力を語り、「良い意味でも悪い意味でもリングに慣れてきたところがあると思うので、ちょっと最初にやった新鮮さを忘れずに、でも作品自体の深みは前よりももっとお客様に伝えられるようにできたらいいなと思います。深淵だけに、ね！（笑）」と軽快にアピールした。
衣装やキャラクターも普段試合をしている姿とは全く違うここでしか会えないキャラクターたちに会える、今流行りの2.5次元舞台とも言える本作品は10月29日に新木場1stRINGにて開催。
14時～と18時半～の2公演行われるので、舞台やプロレスに興味がある方は是非一度足を運んでアクトリングの世界を体感してみてほしい。
『ACTRING 鏡編弐ノ面Shelollノ章「深淵」』
日程：10月29日（日）
昼公演：14:00開演
夜公演：18:30開演
会場：新木場1stRING
【出演者】
＜宇宙海賊Sheloll＞
カリーナ（坂本茉莉）／クラム（皇希）／アネモネ（夏葵）／アド（なる）／メルジェリー（荒幡寧々）
＜Sky-Rex＞
リズ（松井珠紗）／アスト（ちあき）
＜葉隠＞
葉隠忍（才原茉莉乃）／緑急須綾鷹（轟もよ子）／リバーフォレスト梟（山下真奈）
＜Bijou＞
ダイア（青野未来）／ジス（福永莉子）／エメ（汐月なぎさ）
＜Ster magical☆project＞
スノウ・ホワイト（未依）／ココット・ハート（水嶋さくら）／ティティ・ミエル（甲部優花）／ユニ（青葉ちい）
＜その他＞
ジャスミン（梓友笑）／審判（石黒淳士）／霊幻道士テンテン（金光くみ）
【脚本・演出】桐乃睦
【総合演出】成田童夢／田中寅雄
