「親が子供をイジメる、それが1番許せない!」5人の子供を育てる悪のプロレスラーが虐待事件を語り涙

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 24日、後楽園ホールにてDDTプロレス『Who's Gonna TOP? 2023』が開催。レギュラー参戦していた火野裕士(38)がDDTに一区切りをつけた。

 火野は2003年にKAIENTAI DOJOでデビューし、バラエティもこなすパワーファイターのヒールとして様々な団体で活躍。
 2012年にはDDTのKO-D無差別級王座を戴冠し、その後FREEDOMS、ZERO1、WRESTLE-1、九州プロレス、NOAHなどのベルトを奪っていった。
 2020年にDDTに再度参戦をはじめ、以降はDDTを主戦場に戦っていた。

 だが9月18日の名古屋大会でマイクを持った火野は「怪我もちょいちょいするし、わしは5人の子供がおる。怪我をして試合に出れなくなったらえぐい話、ギャラが0になっちゃう。そんな時のために、プロレスをこれからも続けるために、怪我をしない仕事を一つぐらい作っておこうと思ってね。子どもたちを守るためにな」と、9月24日の後楽園ホール大会でDDT参戦に一区切りをつけることを突然発表。

 この日の試合では火野率いる悪の軍団Ω(オメガ)の敗北となったが、観客の大火野コールを受けてマイクを持つ。
 火野は「ほんまにプロレスを引退するわけでもないし、DDTに二度と上がらないってわけでもないし、そんなに悲しまないでください。せっかくやし、大事なことを一つだけ、この場を借りて言おうかね」と真剣な目で語り始める。
 「前回名古屋で発表した時に、子供たちの事を自分は話したと思う。覚えてますか?そう、やっぱりね、子供は親が守るしかない。自分は5人の子供が居て、小学校入学前に、先生の話聞いたり、いろんな人の話を聞いて、子供っていうのはね、親を100%愛する生き物なんですよね。だから今、すごい虐待とかね、いじめとかもそうやけど、でもいじめよりも虐待、親が子供をいじめる、それが1番許せないと思うし、そういうのを皆頭に入れてほしい」と語るとだんだんと涙目に。

 そして「一つ、一生忘れない事件ありました。子供がまだ4歳ぐらいの男の子です。お母さんが出て行って、お父さんが面倒見る状態。ニュースで、ほんまに1分半か2分ぐらいとりあげられたんですけど、そのお父さんは1人で子供を育てるのが嫌やって言って、1週間に1回しかその家に帰らなかったんですね。その4歳か5歳の子供は、1人でずっと1週間その家に閉じこもってたんですよ。それで、1週間に1回お父さんが来た、でもその子にとったらそれが普通やから、嬉しくてしょうがないんですよね。あぁパパが来た。その日お父さんがすることは、1時間ほど喋って、おにぎり2つ渡すだけ。子供はみるみる痩せていって、栄養失調で骨も折れて、歩けない状態。でも、外からは閉められて、中から外に出れない状態。それでも子供は、お父さんが来る時を楽しみにして、最後、子供はもう、ほぼ出ない声で、パパ、ありがとう、助けてって言ったらしいんですよ」と涙をこらえて言葉に詰まる。

 改めてマイクを持ち直し観客に向き直った火野は「そのニュースを思い出すと、自分も泣ける、ほんま悲しい話やなと思って。この気持ちがなんなのか、子供は普通に世間一般からしたら最低な事をされてるわけじゃないですか?親に。でも、それでも子供は、結局、1週間に1回しかこないパパが好きなんですよ。1週間に1回しかこないパパに助けを求めるんですよ。それが自分たちの子供なんですよ。自分の子供は親が守る。それしかないんですよ。だからそれを、頭に入れて、せっかくやからね、せっかくこういう場があるから、皆さんに1人でも多くの人に伝えたかった。子供は親を愛する生き物。子供は未来。だから皆で守っていきましょう。よろしくお願いします」と語りきり、会場は大きな拍手に包まれる。

 大事な事を伝えきった火野は「っていうわけで!リング上ではワシは悪の軍団やからな、最後はあれでしめようか!ワシらオメガは、またDDTに戻ってくるからな!お前ら、その時を楽しみにしとけよ。よう見とけよこの!この!この!この!ボケどもが!」と観客とともに大合唱。
 生きていく上で大事なことを伝えてリングから去っていった火野。世界中の子供を世界一幸せにする悪の軍団Ωが、また火野とともに復活する日を期待したい。

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