「今の進化した薬について行けていない」ドーピング問題に揺れる格闘技界。RIZINの榊原信行CEO、巌流島の谷川貞治氏が現状を告白

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 2日、木村“フィリップ”ミノルのドーピング検査が陽性となったことが報告され、格闘技界の重鎮たちがドーピング問題の現状について明かした。

 木村は、昨年11月にK-1との契約を満了し、同年12月末には『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』で矢地祐介を相手にミックスルールで対戦し圧勝(※1R目のキックルールでKO)したことが話題に。しかし、今年3月のKNOCK OUTでは最終計量で1.75kgオーバーとなりながら出場したこと、そして肉体が短期間にみるみる大きくなっていったことなどでまた別の話題を呼んでしまっていた。

 木村は、様々な疑念の目が向けられる中で6月24日のRIZIN北海道大会に出場し、ロクク・ダリを相手に1R KO勝利。
 以前よりドーピング疑惑が囁かれていたこともあり、大会終了後には榊原信行CEOが木村のドーピング検査を行ったことを発表。2ヶ月あまりの時を経て「筋肉増強剤に該当する成分が複数確認」という結果が報告されたことから格闘技界は大混乱に包まれた。

 アメリカでは格闘技が賭博の対象となっているなどの事情もあって政府機関としてのアスレチック・コミッションが存在し、第三者機構としてドーピングチェックを行っている。対して、日本ではオリンピック競技に紐づけられた競技での検査機構はあるものの格闘技を含むプロスポーツは対象とならず、国内で検査に応じてくれる民間団体は無いという。

 RIZINの榊原信行CEOによれば、国内では政府機関などが明確に定めたアンチ・ドーピング基準は無く、それぞれの分野で独自のレギュレーションを設けて検査しているというのが現状。
 RIZINではこれまでタイトルマッチやグランプリの試合ではオリンピックやUFCに準ずる基準でドーピング検査を行ってきたことが明かされたが、その結果は未公表であった。
 これまでもRIZIN内でドーピング検査で陽性判定が出たこともあったが、他団体からの“借り物”である選手の活動に支障が出ぬよう公表はせず契約内の罰則規定(罰金、試合結果の無効等)で対応。性善説に依って自己申告のもとに出場契約を交わしていた結果が今回は裏目に出てしまった形となる。

 しかし、「ならば出場全選手の検査を海外機関に依頼すれば良い」という話にはならないという。
 結果が出るまでに1ヶ月以上の期間が必要な他、1人あたりに10万円+αの検査料がかかることもあり、榊原CEOは「全選手を今のレギュレーションで検査するには、僕らにはまだまだそこまでの経済的な体力がないんですね。他のオリンピック競技では、検査結果が出ないようにするマスキングというものもあるからある日突然抜き打ちで行くんですね。そこまで徹底しないとこの問題って無くならない」と実情を明かした。


 また、今会見を傍から見守っていた巌流島の谷川貞治氏に話を聞くと、昨年12月の巌流島での試合前にも日本の民間検査機関でドーピング検査は行っていたという。
 しかし、その基準は世界標準のものとは異なるため当時は検出されず。「今の進化した薬の変化について行けていないんですよ。巌流島に出た選手に聞いてもらえれば分かるけど全員尿検査やってるよ。違法薬物だとか筋肉増強剤よりも、興奮剤の方が出る。筋肉増強剤って難しいんですよ。RIZINが頼むところに全団体が頼まないと多分足並み揃わないと思うんですよ」と実情を語った。
 また、木村は巌流島の検査はパスしていた形となるが、今会見で矢地戦の前にドーピングを行っていたことを明言。これを受けた谷川氏は「引っかかってない以上はなんとも言えないけど、自白してるからさあ。ノーコンテストにしないとダメでしょ」と、矢地戦を無効試合とする意向を困り果てた様子で明かした。

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