「最後に燃え尽きるならクレベルで問題ない」クレベル・コイケと対戦が決まった金原正徳が“終活”の大一番に進退をかけて臨む

　9日、9月24日に埼玉県・さいたまスーパーアリーナにて開催される『RIZIN.44』についての記者会見が実施。クレベル・コイケと金原正徳の対戦が発表された。

　金原は4月の『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』にて山本空良を相手に勝利。
　試合後には「自分には強さしか残ってないので、長くも出来ないから最後に自分が追い求めていたMMAを最後、今自分が認める一番強い選手とやりたい。進退をかけてケラモフとやりたいなって。クレベル渋滞がすごいので、クレベル渋滞の順番待ちするくらいだったら、先頭に並べる相手とやりたい。『クレベルとやらせてくれ』って権限は無いけど、『ケラモフとやらせてほしい』と言えるくらいの権限はあるかなと思うんで」と当時はフェザー級王者であったクレベルを敢えて避けての“妥協案”としてケラモフ戦を要求していたが、今やケラモフはフェザー級王者。図らずもクレベル戦が実現することとなった。

　会見に出席した金原は、「クレベルは昔から知ってる選手だし、RIZINに来て全部試合見てるしすごい強い選手だということは理解してるつもりだし。自分が改めて挑戦者という気持ちでクレベルに向かっていきたいなと思っています。この年で言うのもアレですけど、心機一転。ゼロから気持ちを作り直してクレベルを倒して次に進んでいきたいと思っています」と意気込み。

　クレベルも「金原は長期の知り合いで一緒に練習もした。でもこの試合やって、自分タイトルマッチ、もう１回やりたいです。次の試合頑張ります。ベルト無いけど、私まだチャンプだってこと（を見せたい）。みんなよろしくお願いします」とフェザー級王座再戴冠に向けての思いを語った。

　金原は、ケラモフ戦ではなくクレベル戦が決まったことについて「ホンットにこれが決まった時に改めて思ったのが、『カードってめぐり合わせだな』って。僕はクレベルとどうしてもやりたいというより、ケラモフとやりたいって気持ちがずっとあってマイクで言わせてもらったんですけど、まさか一番人気のクレベルのところのレーンに一番手で並べるとは思わなかったんで。ホントにカードって運命的なものだなと思いましたね」としみじみ語る。

　その後、金原に「クレベル戦の先にフェザー級王座を狙っていくか」と質問が飛ぶと、「フェザー級に参戦した頃からそれを目指してやって来たのもありますけど、今回はマジでそんなこと考えてる余裕がない相手なので。この試合をクリアしないと何も見えてこないです。進退かけてやるつもりなんで、終わってからどうなるか。今まで闘ってきた中で全力120％尽くしてやって来ましたが、その中でも『これマジでやんなきゃ勝てねーな』みたいな試合もあったし、『これイージーだな』って試合もあったし。その中で（マジで）やらなきゃいけない試合が、まさか格闘技人生の終活になってもう1回来るとは思わなかったですね。逆に嬉しいというか、最後に燃え尽きるならこの相手だったら問題ないなってところもあるので。今までは挑戦して立場を変えてやろうとか挑戦者の立場が多かったんですけど、そういう意味ではクレベルに対して強い相手とやれて嬉しいって気持ちが結構大きいですね」と心境を吐露した。

　旧知の間柄である2人は、会見の中でも互いをリスペクトし合いながら純粋に試合を楽しみにしている様子。金原が試合までタイで練習するプランを明かすと、クレベルも同じくタイで練習する予定であることが判明。金原が「（会っても）絶対喋らない！（笑）」と意地を張って2人で笑い合うなど終始和やかな雰囲気で会見は終了した。