【インタビュー】“女帝”ジャガー横田インタビュー 自身が提唱したストロングスタイルプロレス女子タッグ王座決定トーナメント開幕!7・18後楽園で47周年興行開催!

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 初代タイガーマスクストロングスタイルプロレス(SSPW)の女子部を統括し、初代タイガーマスク佐山サトルとともに女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンを誕生させたジャガー横田。現在はクイーンの対角に立つ道を選び、敵にまわることで弟子のさらなる成長を促している。SSPWではそんなジャガーの提案から女子タッグ王座を新設。6・8、8・31、12・7の3大会にわけ、後楽園ホールで初代SSPW女子タッグ王者を決めるトーナメントを開催することになった。もちろんジャガー自身もエントリー。キャリア47年にしてまだまだ意気盛んなジャガーは、7月25日にこちらも後楽園ホールにて記念大会「孤高」を開催する。そこで本欄では、タッグトーナメントと記念大会についてジャガーに話を聞いてみた(聞き手:新井宏)

――ストロングスタイルプロレス(SSPW)で女子のタッグ王座が新設されます。これにはどんな意味があると思いますか。
「SSPW女子の統括としていろいろ相談されるのですが、所属選手は少ないながらもしっかりした団体だと思ってますので、ここでタイトルがあると団体として重みが出たり、選手たちのモチベーションも上がる。そういった意味も込めて、設立したらどうでしょうかというような話を持っていったんですね」

――ジャガー選手の方からですか。
「ハイ、そうです」

――シングルではなく、タッグというのは?
「現在、3軍抗争になっているからこそのタッグというのがありますね。もちろん一番はシングルだと思いますが、SSPWの女子はまだ歴史が浅いということもあり、シングル王座はまだ敷居が高いかなという意識もありますので、まずはタッグから。これから歴史を作っていこうということですね」

――3軍とはジャガー選手のCRYSIS、タイガー・クイーン狙いで出現したDarkerZ、そしてタイガー・クイーン選手のチームとなるのですが。
「面白いと思いますよ。この抗争の発端は誰がクイーンの首を取るのかと。誰が取ってもいいとは思いますけども、そういう人が出てこなければ団体としても盛り上がらないので、このトーナメントでそういう展開になってもらいたいと思いますね。いいライバルたちをたくさん作っていくというのが、クイーンのためだとは思います」

――女子タッグ王座新設ということでもありますが、クイーン選手のためのトーナメントでもありますか。
「初代タイガーマスクのSSPWですから、確かにクイーンありきのものではあります。そのなかでみんながクイーンの首を取ろうとしている。なので、それ(タッグ王座)がクイーンにいくかどうかはわからないですよね。敵のひとりとしても、そこが面白いところだと思います」

――誰がクイーン選手の首を取るかというところもトーナメントのひとつのテーマであると。
「そうです」

――コーチだったジャガー選手がクイーン選手の対角に立つと決めたのも、今回のタッグ王座新設、初代王座決定トーナメント開催のきっかけのひとつですよね。
「そうです。仲良しこよしじゃおもしろくないなと思いますからね」

――トーメントの枠組みは抽選で決まりました。CRYSISは2チームが参加、ジャガー選手は薮下めぐみ選手をパートナーに選びましたが。
「そうですね。ユニットは2チームずつ出て、あとは若手のチームが参加することで全8チームになります。バランスの取れた構成だと思いますよ。私は薮下を選びましたけども、彼女はキャリアも積んで実力あるのにもかかわらず、フリーということもあって活動が地味に見えてしまう。ここでチャンスを与えようと思いました。おなじCRYSISのKAZUKIはPUREーJという団体にいますから、ここは薮下と一緒に何かひとつのものを作り上げたいなという気持ちが出たので、パートナーにしたんですね。CRYSISでは佐藤綾子、マドレーヌもいますけど、そこはディアナでフォローできるわけですよ。なので、ここはCRYSISでもフリーの薮下に何かチャンスを与えてあげたい気持ちなんです」

――なるほど。そのジャガー選手と薮下選手のチームですが、1回戦でいきなりDarkerZ(ダーク・パンサー&ダーク・チーター)とあたります。
「そうですね。DarkerZもストロングな選手ですから、そういう意味では(手ごわい)。ただ、あたるのはDarkerZでも小さい2人ですよね。自分も小さいのでちょっとやりづらいところがあるかもしれませんが、試合を何回か見てるうちに気を付ける点を頭の中では練っているので、大丈夫とは思いたいですね」

――全チームの中でジャガー選手がとくにマークすべきチーム、注目のチームはどこになりますが。
「やはり、クイーンのチームでしょう」

――クイーン選手はディアナの梅咲遥選手とタッグを組みます。梅咲選手はディアナのWWWD世界シングル王座を初戴冠しました。
「梅咲はいまちょうど脂が乗ってるというか伸び盛りのときだと思うので、こういう勢いがあるときって本当に怖いですから。あたるにはお互いのチームが決勝に行かないといけないんですけども、もちろん私たちは決勝まで残るつもりでいますし、向こうにも残ってもらいたいなと思いますね。クイーン&梅咲組とは決勝であたりたいですね」

――決勝戦は12・7後楽園、かなりの長丁場になりますが。
「本当ですね。みんなケガしないようにしないと」

――ジャガー選手のチームがトーナメントで優勝すれば、初代王者の称号を手にします。ジャガー選手はこれまで全日本女子プロレスで全日本ジュニア王座、全日本シングル、JDでTWF世界タッグ、ディアナで現在も保持しているエリザベス王座。初代の王座をかなり獲得していますよね。
「思い出すと、全日本ジュニアはちょうど18歳のときに取ったんですよ。全日本ジュニアは当時、『オマエは頑張ってるけどWWWA世界シングルにはまだ時間がかかるから、オマエのために設立するよ』くらいのイメージで作られたベルトなんですよね」

――若手の登竜門的な?
「そうです。初めて取ったタイトルという思い入れがすごく強くて、全日本ジュニアを取ったときは涙しましたね。本当にうれしかったです。もしかしたらWWWAシングル取ったときよりうれしかったかもしれないです。WWWA取ったときは、重たくて、重たくて」

――責任の方が先に来たと。
「そうです。ジャッキー(佐藤)さんからというのもあって、あれはちょっと重かったですね」

――今回のタイトルは、男子の団体で設立された女子王座でもあるし、過去のキャリアでの初代王座とはまったく意味が違うと思います。
「そうですね。いろんな意味で私にとっても新しいので、ぜひ薮下と協力し合ってトップに立ちたいなと思ってます」

――SSPWのトーナメントと並行して、ジャガー選手の47周年大会も後楽園ホールで開催されるということですが。
「ハイ。7月18日です。これはですね、去年の誕生日(7月25日)に後楽園大会を開催したのですが、今年は25日が取れなかったので一週間前の18日になります。私にとってこの日は47年の記念でもありますし、18日はちょうど私、木下(博勝)との結婚記念日なものですから、この日で結婚19周年になります。まあ、中途半端ですけどね(笑)」

――20周年の一歩手前ですね。
「そうなんですよ。だからわざわざ言うつもりもないなと思って言わなかったんですけど私は記念日をすごく大事にしますし、それによって試合への意識もまた変わります。そういった意味ではいろんな意味合いのある大会になるんですね。一戦一戦を心に刻み込むとの意味も込めてますし、私くらいの年代になると来年はどうなるのかわからない。なので一試合一試合を大切にやっていく。1年後、3年後、5年後なんて想像がつきませんから、とにかく一戦一戦、一回一回の大会を大事にしていきたいとの気持ちがあります」

――この大会ではジャガー選手ご自身がアジャコング選手と組んで、尾崎魔弓選手、井上京子選手と対戦します。
「このカードは、どの選手と組んでどの選手と敵になってもよかったんですが、アジャと組むには教え子1号だという意味もありますし、京子とアジャは2人とも身体が大きいのでこの2人が組めば試合が偏るなと。それで大きな体の選手を分けて、尾崎と私はいまOZアカデミー認定のタッグ王者でもありますので、組んでもしかりなんですが、ここはあえて分けた感じですね。それでジャガー&アジャ組vs京子&尾崎組になりました。バランスとったという感じですね。その方がいろんな見せ方ができると思うので」

――なるほど。この試合で絡む3選手がいまも現役バリバリで闘っている姿を見ていかがですか。
「本当に一人ずつがベテランのよさっていうんですか、それを出しながらそれぞれがしっかりしたプロレスをしてますので、そういう意味では、若手、中堅とかとは違う味のものが出せると私は思ってます。もちろん若さの勢いとかスピード感というのはそこまでないにしても、私たちにしか見せられないもの、ベテラン勢にしか出せないものをお見せしたい、それがほかの試合との差別化だと思いますのでね」

――この大会ではどんなところを見せたいですか。
「今回はですね、私の息子、大維士がJJ(ジャガージュニア)と呼ばれているのですが、今回はそのJJプロデュースなんですね」

――息子さんがプロデューサーだと。
「そうなんです」

――それは初めてのことですよね。これまでジャガー選手のプロレスに関わったことってありました?
「ないですね。本人はプロレスラーになるつもりはないんですが、モノづくりという点ですごく興味があるようで、そういう意味でちょっと意見を聞いてみました。メンバーを決めたのは私ですけど、こういう試合をやったらいいんじゃないかということで5種類の試合を組みました。女子のタッグ、男子のタッグ、ミックスドマッチ。もちろんベテランの試合もありますけども、ハードコアの試合もひとつ入ってます」

――大維士さんがプロデュースしたカードだと。
「それでハードコアマッチが入ってるんです。そのあたりは私はあまりわからないし、昔の私だったらハードコアやデスマッチはプロレスと認めたくなかったですからね。10年、20年くらい前までは、ああいうハードコアとかデスマッチってプロレスができない人がやるんだろうと思ってました。でも、小山(亜利弥’)選手の20周年大会(16年1・8新木場)で大仁田厚選手からすごい衝撃を受けたんです。その美学というか、そういう難しさと楽しさと奥の深さを感じたときに、これはもう私の考え方の間違えだなと、深いものがあるんだと気づいたんです。それで勉強になったというのがきっかけですかね、興味を持ったのは」

――それで今回ハードコアも組まれていると。
「昔だったら入れないですし、男子の試合も間違いなく入れないです(笑)。それもまた、SSPWで考え方も変わってきてますし」

――時代に合ったカードも組みつつ、ジャガー選手の試合はこれぞ女子プロレスの歴史、ザ・女子プロレスというカードになりますね。
「ハイ。そういったものをこの大会で出していきたいですね」

 SSPW女子タッグ王座決定トーナメントでは現在進行形の勝負に臨み、7・25後楽園での記念大会では女子プロ黄金時代を再現する闘いに挑むジャガー。どちらも見逃せない試合が続くが、トーナメント決勝は年末の後楽園。はたして決勝のリングにジャガーの姿はあるのか。そのとき、タイガー・クイーンはジャガーと向き合うのか。実現すれば事実上、初めての師弟対決となるが…。もしかしたら今年はジャガー・イヤー、なのかもしれない。

『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.23』
日程:2023年6月8日(木)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール

▼SSPW初代女子タッグ王者決定トーナメント開幕セレモニー(全選手入場式)

▼タッグマッチ 30分1本勝負
関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)/日高郁人(ショーンキャプチャー)
vs
大鷲透(フリー)/槙吾(Milgracias)

▼SSPW 女子タッグトーナメント1回戦【B】 30分1本勝負
高瀬みゆき(フリー)/本間多恵(フリー) 
vs
青木いつ希(ショーンキャプチャー)/関口翔(フリー)

▼SSPW 女子タッグトーナメント【D】1回戦 30分1本勝負
[DarkerZ]ダーク・タイガー/ダーク・ウナギ
vs
SAKI(COLOR’S)/川畑梨湖(T-HEARTS)

▼SSPW 女子タッグトーナメント1回戦【A】 30分1本勝負
[CRYSIS]ジャガー横田(ディアナ)/藪下めぐみ(フリー) 
vs
[DarkerZ]ダーク・パンサー/ダーク・チーター

▼シングルマッチ 30分1本勝負
スーパー・タイガー
vs
阿部史典(フリー)

▼SSPW 女子タッグトーナメント1回戦【C】 30分1本勝負
タイガー・クイーン/梅咲遙(ディアナ)
vs
[CRYSIS]佐藤綾子(ディアナ)/KAZUKI(PURE-J)

▼タッグマッチ 60分1本勝負
間下隼人/船木誠勝(フリー)
vs
新崎人生(みちのく)/KENSO(フリー)

『ジャガー横田デビュー47周年記念大会-孤高-』
日程:2023年7月18日(火)
開始:18:00
会場:東京都・後楽園ホール

▼ディアナ6人タッグ 30分1本勝負
佐藤綾子/マドレーヌ/美蘭
vs
ななみ/デボラK/Himiko

▼タッグマッチ 30分1本勝負
間下隼人(ストロングスタイル)/日高郁人(ショーンキャプチャー)/阿部史典(フリー)
vs
北村彰基(ZERO1)/馬場拓海(ZERO1)/朱鷺裕基(ZERO1)

▼ハードコア6人タッグマッチ 60分1本勝負
世羅りさ(プロミネンス)/藤田あかね(プロミネンス)/佐々木貴(FREEDOMS)
vs
ドレイク森松(フリー)/夏実もち(プロミネンス)/葛西純(FREEDOMS)

▼スペシャル3WAYマッチ 45分1本勝負
Sareee(フリー)
vs
朱崇花(フリー)
vs
ウナギ・サヤカ(フリー)

▼タッグマッチ 60分1本勝負
ジャガー横田(ディアナ)/アジャコング(超花火)
vs
尾崎魔弓(OZアカデミー)/井上京子(ディアナ)

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