5.31『パンクラス267』の公開計量は全選手がパス!主な選手が語った意気込みを紹介

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5月30日、都内武蔵野市のクロスポイント吉祥寺で、『パンクラス267』(5月31日、ディファ有明)の公開計量がおこなわれた。セミファイナルのビクター・ヘンリーがわずかにオーバーしたが、再計量でパス。その他の全選手は初回でパスした。

第1試合では、前月1本負けしたものの、燃え尽きない闘争心を持つ蓮實光(パラエストラ栃木)がヤマモト・ショーヘイの対戦相手に急きょ抜擢。第2試合では、かつてマルロン・サンドロとベルトを懸けて闘った滝田J太郎(和術慧舟會 東京本部)が約2年半ぶりに参戦。勝利の「J」ポーズは見られるか。第4試合では、ライトフライ級に落とした江泉卓哉(総合格闘技道場 武門會)がリトル(GUTSMAN)に胸を貸す。パンクラス2戦目のリトルは、この新しい階級で金星級の勝利を挙げることができるか。

第7試合では、清水俊一(総合格闘技 宇留野道場)がスーパーフライ級に階級を下げての初試合。相手は粘り強さが身上の井島裕彰(GUTSMAN)だ。
2013年のネオブラッドで優勝、これまで5戦無敗を誇る上田将竜(緒方道場)が、ベルト獲りを狙い、1位の古賀靖隆(Lotus世田谷)に挑む第10試合、若き実力者・稲葉聡(秋本道場Jungle Junction)が大ベテラン・田村彰敏(総合格闘技 津田沼道場)に挑む第11試合。また、第12試合ではウェルター級王者・レッツ豪太(総合格闘技道場コブラ会)が、4月に相手の計量オーバーで中止となった試合の鬱憤を晴らす。相手は3位の鈴木槙吾(3位)だ。ノンタイトルではあるが、実質的タイトルマッチといっていいこの試合を制するのはどちらか。

セミ前では、修斗で活躍し、元修斗環太平洋ウェルター級王者ならびにONE FC初代世界ライト級王者の朴光哲(KRAZY BEE)がパンクラス初参戦し、若手のホープ牛久絢太郎(和術慧舟會TlIVE)と対戦。セミファイナルはパンクラス1年2ヵ月ぶりの参戦となる中島太一(パラエストラ東京)がビクター・ヘンリーと闘う。ヘンリーはジョシュ・バーネットの弟子で、GRANDSLAMで所英男、上田将勝から勝利を挙げている。中島は日本人キラーを止めることができるか。メインイベントはJ.J.アンブローズ(Knoxx MMA)vs.徳留一樹(パラエストラ八王子)。アンブローズはベラトール、PXCを主戦場とし、26戦21勝(4KO、13一本勝ち)5敗の成績を誇る。再びUFCを目指す徳留にとっては、勝って外へアピールするチャンスだ。
注目すべきカード目白押しのパンクラス267は、6月21日にテレビ放送も決定している。選手たちの一層の激闘が期待される。

おもな選手のコメントは以下。

江泉卓哉(総合格闘技道場 武門會/第4試合)
体調は大丈夫。いつもリラックスするよう心がけている。試合を楽しんで、それをフィードバックするようにしている。相手を倒せばいいとかじゃなくて、自分の課題ができたのかできなかったのか、そして、その結果を形にしてフィードバックできるかが大切。文章にして書き起こしたりして伝えることも目標の1つにしている。
運動と思考というのは別のものではなく、全く同じ。脳の動きは身体を直結しているから。考えることも大切だし、それを身体で表すために練習が大切。昔の武道家はそういうものだった。僕はそういうのが好きだし、そういうものを体現できたらいいなと思っている。今はまだ、ようやく入口に立ったかなというところ。合気道の塩田剛三先生は「70歳からが面白い」という言葉を残している。まだまだ30年、40年かかる作業だが、そのプロセスをいかに短くするかが課題でもある。
パンクラスも楽しんでいるけど、武道という観点からすると、これも人生の一環であるという意識を持っている。ベルトを巻いて、俺は強い! というのではなくて、結果としてベルトが巻けたらいいなと思う。
自分は我が強いのに、我を抑える闘いばかりしていた。我を出さずにいかにして勝つか。驕りのない心で、自然に勝ちたい。

上田将竜(緒方道場/第10試合)
ランキング1位との対戦ということで、すごくモチベーションが上がっている。今までで最高に追い込んだという自信がある。それを爆発させたい。
ここまで無敗できて、こんなにトントン拍子でうまくいっていいのかなというのもあるけど、地方で少ない人数で頑張ってきて、自分を勝たせたいと協力してくれた人たちに報いたい。
パンクラスは、地方の選手をこんなに上げてくれている。僕もパンクラスで成長させてもらったと思っている。なのに、王者が他団体の選手(※清水清隆)なのは不甲斐ないというか、納得いってない。王者と闘ってみたいし、まずはこの試合にしっかり勝って、自分が王者になりたい。
出稽古は、半年に1〜2回くらい東京でやらせてもらっている。やはり東京の選手は強く、刺激になる。いいものを持ち帰らせてもらっている。その中で、自分も東京で通用するという自信がついた。
自分は福岡でやっているが、地方にも10代や20代前半の若い、いい選手がいる。地方の選手は、まず巻けたら終わりという気持ちやハングリー精神がものすごく強い。自分が勝つことで彼らに刺激を与えたいし、自分だってできるんだと思わせてあげたい。自分が先陣を切って、福岡でも選手を育てたい。まずは明日勝つことが大切。地方格闘家の夢を背負って闘います。

田村彰敏(総合格闘技 津田沼道場/第11試合)
相手は、若くて現代MMAをやる子というイメージ。「最近の子」。堅く勝ってくる感じかな。自分は全局面で上回りたい。
今は、1年前から変え始めたスタイルを詰めているところ。前回のガイ(・デルモ)戦でも、いい感じでできた。あんなふうにいきたいと思っていて、今回はさらにあれをアップさせた感じですね。でも、まだ完成形ではない。ちょっとずつ作っているところ。
3分3ラウンドと短い試合時間が多いけど、自分としては流れの中で極まればいいと思っているので、あまり気にしていない。ずっと有利に進めて勝ちたい。
パンクラスのフェザー級にはいい選手が集まってきた。求心力があると思う。もちろんベルトを狙っている。ベルトを目指さないんだったら、やっていてもしょうがない。
この世界、若い者がベテランを食ってどんどん上に行くけど、最近は30代の選手も頑張っている。そう簡単に踏み台にはさせない。誰が相手でも開き直って闘う。キャリアがあるので、味のある試合をしたいですね。明日は誕生日なので、勝っていい誕生日にします。

パンクラス267前日計量_レッツ豪太vs鈴木槙吾鈴木槙吾(アライアンス/第12試合)
いつも通り、体調はバッチリ。今回は、チャンピオンが4月に(相手の体重)オーバーで試合ができなかったので決まった試合。チャンピオンのために組まれた試合だと思っている。でも、それと結果は関係ないので、バッチリ勝とうと思っている。
チャンピオンは防衛もしているし、村山(暁洋)選手にも勝っている。でも、僕の方が強いと思う。それを、この試合で証明したい。相手をどう崩すかというのは、これと言ってないけど、僕は基本的に相手に合わせるのでなく自分のやり方、やりたいことを貫くタイプ。いつもやっていることが出来れば結果につながると思う。(勝ったら、タイトルマッチが組まれると思われるが)ベルトを巻いたら、挑戦者に村山さんを指名してタイトルマッチをやりたい。僕は村山さんに負けているので。
この試合に向けて、全部やってきた。いつものように、フィニッシュするつもりでいく。

パンクラス267前日計量_中島太一vsビクター・ヘンリー中島太一(パラエストラ東京/セミファイナル)
今日、試合ができるくらい調子がいい。減量後の辛さもなく、すごく元気。前回負けてから(※昨年大みそかのDEEP DREAM IMPACT、北田俊亮戦)コンディションを最高に作り上げた。減量も仕事のうちという人がいるが、僕は、減量は仕事に入る前にやることだと思う。パスして当たり前だし、余裕を持ってやらないと。僕の考えでは、減量は仕事ではないです。
相手は良さそうな人だった。もっと怖い感じかと思っていたが、何かあまり覇気を感じなかった。自分は、試合が近づくにつれて自信も上がってくる。今日、相手と向き合ってみて、勝てる、いけるという気持ちがさらに高まった。
(1年2ヵ月ぶりのパンクラス、しかもケージは初めて)パンクラスのケージは広いので、闘えるのがうれしい。僕に向いてると思う。大みそか、ケージに入った瞬間、狭さにびっくりした。窮屈だと思った。ケージの広さで闘い方が変わってくる。足を使うタイプには狭いケージは不利。僕にはパンクラスの広いケージは有利だと思う。
(相手のビクターは、所英男、上田将勝を破っているが)僕がやるしかない。パンクラスが僕と契約して、しかもチャンピオン(※バンタム級KOP=石渡伸太郎)が怪我をしている以上、僕が止めるしかない。僕しかいないでしょう。だから当ててくれたんだと思うし、オレがやらなくちゃいけないと思う。パンクラスのバンタム級に関しては僕が守ります。他の階級はわからないけど、自分がパンクラスのバンタム級にいる限り、外国人に好き勝手はさせない。
今回は、「総合格闘技」のトレーニングをやりました。これまでは、ボクシング、グラップリング、(ウェイト)トレーニングをやっていて、総合のトレーニングをしてこなかった。1つ1つ別々にやって、それを合わせようとしていた。でも、大みそかの試合で、北田選手は総合のトレーニングをガッツリやってきてて、そこでうまくやられた。僕は総合をやっていなかった。だから、特にこの1ヵ月間、総合のスパーリングばかりやってきた。初めはバテバテで全然動けなかったけど、5分3ラウンドを3人とやっているうちに、スタミナもついたし、これまでバラバラにやっていたことを繋げることが出来るようになった。
負けないと強くなれないんだなと思う。以前の手塚戦(※2013年5月、手塚基伸戦)でもそうだったし、負けて初めて気がつくことがある。逆にお礼を言いたいくらい。「気づかせてくれて、ありがとう」と。もし負けていなかったら、大事なことに気がつかないまま、この試合を迎えていたと思う。明日はもちろんKO、1本を狙っていく。

徳留一樹(パラエストラ八王子/メインイベント)
気温の変化がけっこう激しくて体重を落としづらかったが、今日までにはしっかり落とせてよかった。前の試合(※今年3月、児山佳宏戦)からあまり期間が空かず、練習もしっかりやっていたので、コンディションはバッチリ。前の試合はダメージもなかった。
相手はウェルターでやっていたと聞いていたが、思ったより大きくなかった。外国人なので明日はわからないけど。でも、身長もそんなに変わらない感じ。映像を見ると、毎試合スタイルが変わっている。直近の試合ではタックルを多用していた。これは、前戦の児山選手もそうだったので、ちょうどいい感じでやれると思う。
(相手は極めが強いが)自分は打撃のイメージが強いかも知れないけど、寝技はLotus世田谷やTRIBE(TOKYO M.M.A)で日本のトップ選手とやらせてもらっているので、自信をもっていけると思う。
(Lotus世田谷には北岡悟がいるが、もし試合することになったら?)もしそうなったら練習には行けなくなるなと思うけど、今はまだ大丈夫。青木(真也)選手とも一緒になるが、トップ選手に触れられるというのは、すごい収穫。やられてもいい。それが強くなる近道。
明日は打撃メインでいくが、グラップリングもレスリングも寝技も、全部やって勝てればと思う。総合のスパーリングもやってきたし、ひと通りやってきたので、それを出せればいい。
(ベルトにリーチのかかる試合だが)まだ、そんなに考えていない。まず、ここを勝たないと。勝ち方にもよると思うし。この間みたいな勝ち方(※1ラウンド1分38秒、TKO勝ち)ができればベルトのことを口にできるけど、スプリットとか、どっちなんだろうという判定では言えない。ベルトのことは、この試合が終わってから考えたい。
まずは勝つこと。できればこの間みたいな勝ち方をしたい。お客さんに盛り上がってもらいたいと思う。

【写真・文/佐佐木 澪】

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