朱里がマルセラに敗れてCMLL世界女子王座陥落!されど試合後にはおひねりが飛び交い、CMLL女子の歴史に残る名勝負と大絶賛

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メキシコCMLLでの世界女子王座防衛戦の数日前、朱里の周辺はあわただしくなっていた。この一戦の戦前情報を報じる新聞、雑誌、テレビのメディア取材は増える一方で、メキシコ国民が注目する大一番と化していた。
アレナメヒコは3階席にも観客がむらがるほどの超満員。異様な期待と興奮が場内を包む中、決戦が訪れた。

まずは挑戦者のマルセラが登場すると大歓声。やはり、メキシコのファンはマルセラが王座を母国へ取り返すのを願っている。そして朱里は完成とブーイングに包まれながら、アレナメヒコの階段から笑顔を振りまいて登場。腰にはCMLL世界王座のベルトが巻かれている。リングインすると、空手の型を決める朱里。館内は大歓声とブーイングの音量がさらに増している。
朱里のセコンドはカマイタチ。マルセラに集中する声援に、ファンに対して「もっと朱里に声援を!」のゼスチャーを見せる。そして世界王座戦恒例の記念撮影へ。マルセラ側のパートナーにはREINA入団が決まっているスカディが就いた。

ホイッスルが鳴る前から場内は大メヒココール。朱里が今回のサーキットで連戦連勝を築いてきたことはよくファンに認知されている。最大の強敵に対する、最後の砦という期待がマルセラを後押しする。
1本目、まずはグラウンドの展開からスタート。朱里が足を取るだけで大メヒココールに包まれる。マルセラがアームホイップからのドロップキックで先制するが、ダブルアームの体勢をかわすと朱里が背中へのサッカーボー ルキック。大きくどよめくアレナメヒコの観客。そして朱里はブーイングに対してもふてぶてしい表情で応える。

さらにコーナー二段目からのティヘラで華麗に舞った朱里は、飛びつき式のアームドラッグでマルセラを場外へ落とす。ファンは大メヒココールで何度もマルセラを後押しする。マルセラはリングへ戻ると、バックブリーカーからフットスタンプを狙うがこれは朱里が阻止。そしてミドルキックを入れてからの飛びつき腕十字が決まり、マルセラはたまらずギブアップ。
朱里が先取して観客の声援が悲鳴に変わる。インターバルの際もマルセラコールは鳴り止まない。世界戦の雰囲気は独特の緊張感に包まれていた。

2本目、朱里はドロップキックからミドルキックへ 。しかしマルセラはラリアットから低空のキックを連発する。初めての攻勢にアレナメヒコが割れんばかりのどよめきに包まれる。朱里は攻守を入れ替えるとコーナーへのニーからハーフハッチへ。カウント2で返されるとすぐさま腕ひしぎへ。悲鳴が起きるアレナメヒコ、朱里が格闘女王であることは、すでにメディアの報道で刷り込みずみ。
ロープにマルセラが逃れると。大メヒココールが何度でも沸き起こる。マルセラがバックを取ると、そこからダブルアームの体勢へ。そして持ち上げてからの背骨折り。朱里はカウント2でキックアウト。しかしマルセラは足をインディアンデスロック式に固めると、そのまま朱里の両腕を取ったマルセラがギブアップを奪った。場内はまたも大歓声。

朱里vsマルセラ3本目、マルセラがドロップキックを3連発、しかし朱里もマルセラを誘い込むとぶら下り式の腕ひしぎへ。またしても悲鳴に包まれるアレナメヒコ。
マルセラはマヒストラルを決めて反撃。カウント2で朱里が返す。続いてケンタッキーボムの体勢からストマックブロックへ移行する技を見せるマルセラに、朱里が苦悶の表情を見せる。倒れこむ朱里にマルセラは低空ドロップキック。さらに連発で決める。大きくどよめく観客席。
「オートラ」の掛け声に乗り、2発めの低空ドロップキックを狙ったマルセラだがこれは朱里が阻止。すかさずローキックを連打。蹴りが出るたびにメキシコのファンは悲鳴を起こす。キックの王者でもあることをファン はよく知っている。場外へ落ちたマルセラに対して朱里はプランチャー。昨年のアマポーラとの一戦以来の場外ダイブを敢行した。

リングへ戻ったマルセラへ朱里は投げっぱなしのジャーマン。すぐマルセラはラリアットでやり返す。両者ダウンとなるリング上。それでも両者、闘争心は失わず、両膝を突いたままでナックル合戦。マルセラはコーナーへ朱里をホイップするが、すぐさま向きを返してダイビングニーを決める。カバーに行く朱里にカウント2で返すマルセラ。館内はまたもや大歓声に包まれる。
朱里はすぐさまロープへ飛ばすとマルセラが振り返りざまをドロップキック。そしてセカンドロープからのフットスタンプが朱里のストマックを痛打。場外へ転落転落した 朱里へめがけてマルセラがプランチャー。朱里とともどもセコンドのカマイタチまで巻き添えを食う。悶絶するカマイタチに場内の大スクリーンが大アップでとらえる。ドッと沸く超満員の観客。

マルセラはコーナー最上段からのボディアタックを狙うが朱里はこれを防ぐ。すぐさまローを狙うがこれをマルセラはスクールボーイへ。続いてフェースバスター。そして必殺のフットスタンプを決めた!なんとかカウント2で返す朱里。そして吊り天井からフォールの体勢に行くマルセラ。これも朱里は2で返す。
朱里は先に立ち上がり、ハイキックからバズソーで勝負に出るが惜しくもカウント2で返される。すかさずジャーマンを敢行するがこれも2で返す。しかしマルセラもラ リアットで返すと、トップロープからのミサイルキック。カウント2で返す朱里。しかしここでマルセラが切り札の雪崩式みちのくドライバーIIに入る。場内は勝利を確信したかのような大声援。ついにマットへ急降下すると朱里に返す余力はなく、カウント3を聞いた。

マルセラがコーナーに上り、ベルトを掲げ、アピールする。そして両者が抱き合うと、リングアナが「ムイビエン、ハポネサ、シュリー!」とコールする。すると朱里の曲が流れ始めた。セコンドのスカディ、カマイタチも拍手、気がつけばメキシコのファンも朱里へ拍手を送っている。そしてリング上にはあらゆる方向からおひねりが飛び交う。次々と投げこまれ、感動的なエンディングとなった。
CMLL世界女子の歴史の中で燦然と輝く名勝負が誕生した。

朱里は「本当にアレナメヒコの舞台で、タイトルができたということ、相手がCMLLトップのマルセラで、本当にいい経験ができました。日本の人になかなか伝わらないことかもしれないですが、今日のことは誇りに思います。お客さんもたくさん入ってて、この空間で試合が出来たことは幸せだなと思います。今日、CMLLのベルトは落としてしまったけど、それ以上に得たものが大きいです。最後におひねりも投げられて、自分へのコールとテーマ曲も流していただいて、歓声も起きて幸せでした。あと、いろんな方にいい試合といってもらえてありがたかったです。忘れられないうちにまたメキシコに来て、もっともっといい試合をして 朱里を世界中にアピールして行きたいです」と今後のメキシコへの希望を口にした。
マルセラも数多くの報道陣に囲まれ「朱里は自分が闘ってきた中でも本当に強くて、いい選手。こういう選手とめぐり会えてよかった。今日、闘えて誇りに思う」と朱里を絶賛。また、CMLL関係者からも同大会のベストバウトだという声が上がったほど、周囲の評価を得た。

朱里からCMLL王座を奪還したマルセラ

約2週間における朱里のCMLL遠征は実りの大きいものに終わった。朱里はこの後、12日に帰国、再び日本のリングへ上がる。

アレナメヒコ金曜日定期戦
日時:2015年4月10日(現地時間)
会場:メキシコ・アレナメヒコ

▼CMLL世界女子選手権試合 時間無制限3本勝負
[王 者]●朱里
1-2
[挑戦者]○マルセラ
※第16代王者・朱里が防衛に失敗。マルセラが第17代王者となる

<1本目>
○朱里
飛び付き腕ひしぎ逆十字固め
●マルセラ

<2本目>
●朱里
変形吊り天井固め
○マルセラ

<3本目>
●朱里
雪崩式みちのくドライバーII→片エビ固め
○マルセラ

【記事提供/REINA女子プロレス】

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