里村明衣子が「完全復興は一生ない」と断言!東日本大震災を乗り越えた仙女の10年

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 3・11東日本大震災から10年、センダイガールズプロレスリング(以下仙女)が『~あの日を忘れない~』と題して大会を開催した。

 仙台のご当地団体である仙女は当時震度6の地震により被災。所属選手も津波の被害にあい、現地での震災経験者として被災地での炊き出しやチャリティープロレスを行ってきた団体でもある。


 この日のリングには仙女の選手たちが上がり、会場に詰めかけた観客へ向けて代表を務める里村明衣子は「2011年3月11日から10年が経ちました。今日来てくださってる皆さんは東北に対して追悼の意味を込めて来てくださってる方々がほとんどだと思います。ありがとうございます。復興のスピードは人それぞれ違いますが、ここ最近のテレビのニュースだとかを見てると、身近なところで2万2000人という方が亡くなられて、そのご家族の方々を思うと、もう完全復興というのは一生ないんじゃないかという風に感じています。私自身10年前に団体の代表を引き継がせていただいて10年やってきましたが、あの当時2011年に初めて宮城県から東京の大会に出るために後楽園ホールで試合した時に、ほんとにいろんな団体の方に協力していただいて、皆さんにも沢山見に来ていただいて助けていただきました。あれから10年、今の仙女は若い選手が居ます。そして、明るい未来があります。今日のメインイベントは里村対DASH・チサコ。あの当時居たメンバーは二人になりましたが、今日は私なりの復興の意味を込めて精一杯試合で表現したいと思います。最後まで応援よろしくお願い致します」と挨拶。

 第1試合では16歳の愛海(まなみ)、第3試合では17歳の岡優里佳(おか・ゆりか)、第4試合では14歳のカノンと若手が躍動。メインイベントが始まると、チサコと里村はお互いの思いを確かめ合うようなバチバチとした打撃戦を見せ、最後は里村がスコーピオライジング(頭頂部への二段階式踵落とし)からのデスバレーボムで勝利した。


 試合後に涙をこらえる姿を見せながら改めて里村は「完全復興はないと思います。まだ私達は生き残ったから、会社が潰れたとしても家が潰れたとしても、まだ改革できますよね?立て直すことはできるけど、人が亡くなってる。震災で家族とか友人が亡くなって、かつ家もない、そんな人達がじゃあ10年経って綺麗サッパリ復興できるかっていったら絶対できないですよね。あならず一人ひとりにあの時の心の傷っていうのは深く刻まれていると思うので、そこを少しでも、それでも生きていこうよっていう、その支え合いが必要だと思うんです。私は、完全に復興して頑張りましょうというふうには綺麗サッパリ言えないというのが今の気持ちです」とコメント。

 東日本大震災から10年が経ち、いまだに4万人以上が避難生活を続けているという現状も報道されている。
 被災から団体を立て直し、現在は日本とは比較にならないコロナ禍にあえぐイギリスを主戦場に戦い続ける里村には、報道で知る世界とはまた違ったものが見えている事が伺える。
 最後に「中途半端な気持ちではリングに立ちません」と断言した里村に、“10年一区切り”ではなくこれからも続く東日本大震災との戦いを垣間見た。

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