【里村明衣子インタビュー後編】GAEA JAPAN復活は里村明衣子にとって未来に繋がる興行へ!「メモリアル興行にはしたくない」

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 長与千種が創設した女子プロレス団体『GAEA JAPAN』が旗揚げ日である4月15日に復活興行を行う事が先日発表された。
 今なお伝説の団体として語り継がれる同団体でデビューした里村明衣子は、今や女子プロレス界のリビングレジェンドとして国内外問わず活躍の幅を広げている。
 
 前編ではデビューからセンダイガールズ旗揚げ時の思いを聞いたが、後編では今の女子プロレス界やGAEA JAPAN復活興行に関して深く思いを聞いた。

『GAEAISM -Decade of quater century-』
日程:2020年4月15日(水)
開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール

▼セミファイナル
長与千種/里村明衣子/広田さくら
vs
KAORU/永島千佳世/植松寿絵

▼メインイベント
橋本千紘(仙女)
vs
彩羽匠(Marvelous)

――今は業界的に男性ファンがメインだと思いますが、女性が女子プロレスを好きになるにはどうすればいいと思いますか?
「女性相手ならまず女子プロレスラーがもっとカッコよくならないと駄目ですよね。媚びない。そこだと思いますよ。女性は女性に厳しいですから、カッコいい女性でないと。媚びる女を女性は嫌うじゃないですか?レスラー媚びちゃ駄目ですよ」

――物販的には2SHOTチェキやサイン会などでファンとの距離も近くなっている部分もありますがそこは
「GAEA JAPANの新人の頃に言われたのは『ファンと記者に媚びるな』。媚びるなの意味っていうのは、ファンに欲しいものを聞かれたりした時に絶対に答えるなって言われたんですよ。ファンは優しいから買ってくれるよって。例えば高価なもの、高価な時計とか服とか、バイクが欲しいとか言った時に、選手が好きな人は個人的に買ってくれるよって。それは絶対に言っちゃ駄目なんだっていう風に言われたんです。ほんとにつけるべきスポンサーは、チケットを大切に買って見に来てくれるお客さまなんだということを会社に言われたんです。そういう所の教育っていうのは、個人ではなく、何万人のお客さんを相手にしなさいというのはいまだに大事にしてますし、それは無くしちゃいけないなと。GAEA JAPANが解散してどん底の時代から約5年間、業界の色々な女子レスラーがファンに媚びて生活してた。生活は厳しくないだろうけど、でもみっともないよって所をいっぱい見てきたので。それは最近になってやっと改善してきてると思いますけど、他団体はどうでもいいですけど、その辺はうちの団体ははちゃんとしている。いまでもうちの選手は一人のお客さんに何かをしてもらうのは禁止ですし、もちろん個人スポンサー禁止ですし。うちは対企業でTOYO TIREさんだったり日本郵便さんがスポンサーさんなんですね。そこでその契約の内容とか、選手にまず教えるんですよ。スポンサーとはなにか?タニマチという言葉は使うなと。タニマチなんて古い言葉ですし、これからの時代はないです。そういう一般企業との付き合い方を選手は覚えていかないと、プロ団体としてはいつまでも古臭い団体になってしまう。そういう所の教育を、今14歳の選手もいますけど、そこからしないと駄目ですよね。そうすると、他人との付き合い方とかも選手が考えるようになる。誰でもかれでも近くにいる優しいファンに甘えるとか、絶対そんなの変えてほしいんですよ」

――確かにそういう点では仙女の選手もマーベラスの選手も挨拶一つとってもしっかりしていますね
「そういうところは教育しないとわからないですね、若い女の子は」

――そんな中、里村選手が育てた選手が仙女のみならず他団体でも活躍してます
「自分は14年仙女をやってますけど、選手として先輩として教えるのと、会社の経営者として選手を育てるのは感覚が全然違うので、そこは今までやって来た自信は年々ついてますね。これが20年30年続いたらどうなるんだろうと。もっといろんな選手を育ててみたいという思いは年々増しています」

――育てて来た選手として、2月24日に花月選手が引退します。その引退相手に指名された事に関してはどう思われましたか?
「うちにいた選手が退団したり移籍した時、だいたいの理由が、この団体にいたら里村さんを超えられないから。他の団体に出て里村さんを超える選手になって、いつか里村さんと闘う、と。超えるために退団しますと言った選手が今まで3人いますけど、誰一人として超えてないですよね。正々堂々と超えなさいと思うんですよ。超えてくれたら本望ですよ。それができないんだったら中途半端で終わるままですから、そこは私も現役として妥協できないですよ。丸くはなれないし、丸くなったら引退しろって自分で思うんですよ」

――最後の最後でも花月選手を正面から叩き潰すと
「花月に対しては一番強いと思いますよ。私の意地も一番強いと思ってますし、花月も中途半端な気持ちではこないでしょうし」

――これからのセンダイガールズはどのように女子プロレス界を攻めていくのでしょうか?
「女子プロレス最強の、街なかを選手が10人ぐらい歩いていたら『うわー仙女だ!』みたいな。パッと見てやっぱり体も雰囲気も女子プロレスラーだなっていう団体を作りたいです」

――里村選手的にはやっぱり大きくて強い選手こそ女子レスラーだと
「それプラス、女性は強くて華やかで美しくっていうところで、そういう強さと華があるのが女子プロレスだと思っています」

――最近は里村選手は海外での試合も多いですが、海外と日本の女子事情の違いや、日本の女子プロレス界が学ぶべき点や警戒すべき点は?
「海外の選手から学ぶことって華やかさとパフォーマンスだと思うんですよ。いかに自分を綺麗に見せるか、セクシーに見せるか、そういった部分が日本人にはやっぱり無いところだと思うので。アメリカって筋肉女子というかお腹もシックスパックに割れていて、見るからに強くて美しい人がすごい人気で、今はなおかつストロングスタイル、ほんとに25年ぐらい前に日本でやっていたような女子プロレスの試合を、向こうの女子レスラーは志している。今、私もWWEのコーチを務めているんですけど、そこをとにかく強くしてくれと。今はほんと逆ですよね。そのうち日本も、橋本のように鍛え上げた女子プロレスというのが、また注目されて来ると思います。アスリート女子を集めたいですね。筋肉ムキムキの女子を集めてこれぞ女子プロレスラーというのが理想です。外国人にはいるんですけど、外国人じゃ駄目なんですよ、やっぱり日本人のスターをつくらなきゃいけないので」

――その橋本千紘選手は驚異的な成長を遂げており、男子団体でも王者になっています。橋本選手は団体の代表としてどの部分に魅力があるのでしょうか?
「まず私がいつかやってみたいって思ってた事が、日本のトップを張るアスリートをプロ転向させて育てたいという強い思いがあって、その第一号が橋本だったんですよ。いくらアマレスとか柔道で日本トップクラスの選手だったとしても、プロレスラーとして大成するかといったらそこもまた限られてくることで。プロレスでトップを獲るということはプロレスファンにも認められないといけないし、プロレスラーとしてしっかり結果を残さなきゃいけないし、意識の部分も大きいと思うんですね。そこを橋本は5年かけて今チャンピオンになってますけど、まだまだ伸びしろのある選手だと思っています。女子プロレスラーイコール強い。この女には敵わないぞというところプラスアルファ、橋本の持ってる人間性だとかパフォーマンスだとかでもっとブレイクしてもらいたいなと思ってます」

――その橋本選手を今回のGAEA復活のメインイベントに抜擢されたというのは、今の弟子の中で一番自信がある選手だからでしょうか?
「はい、もちろんです」

――今回の『GAEA ISM』には『遺伝子』というテーマもありますが、橋本選手が持つGの遺伝子とは
「・・・私は、受け継ごうと思う意思がないと遺伝子って受け継げないと思うんですよ。いくら長与さんが『この子に託した』って言って大事に大事に育てたとしても、その子が受け継ごうという意識がなかったら、続かないと思うんですよ。でも私は長与さんの付き人に7年つかせていただいて、GAEA JAPANのレスラーとして全くブレる事がなかった。全く他団体に行こうと思わなかったですし、もちろん師匠からは一番厳しいことも一番悔しいことも言われましたけど、それでも逃げなかった。自分の持ってる長与さんから受け継いだプロレス観を、またさらに下に継ぐことが大事かなっていうのはあるので、自分が受け継いでトップに立ってはいそれで終わりじゃなくて、GAEAISMをもっと下に伝えていきたいなという思いがあるんで。その資格を橋本は持ってると思うんですよ。橋本にもさらに下に受け継いでいきたいという思いがあると思うんで、そこはGAEA JAPANの遺伝子の一つなのかなと」

――もう一人のGの遺伝子である彩羽匠に関して、里村選手がデビュー戦の相手も務められていますが、今の彩羽選手は里村選手の目にどのように映っているのでしょう?
「もちろん団体も背負って、長与さんの弟子でもあり、トップを張っている選手だと思いますけど、でも先輩が必ず思うことは、後輩に対してはまだまだだよという意地があると思うんです。私も彩羽を見ててまだまだだと思いますし、橋本に対してもそう思います。でも橋本と彩羽というのは、それを跳ね返すぐらいの、それぞれの団体を背負う気持ちが同じぐらいあると思います。それがあるからこそ、二人の対決が見たいというのはありますね」

――マーベラス旗揚げ戦メインイベントでの彩羽匠vs里村明衣子では『お前にだけは絶対に手を抜かない』という言葉もあり、鬼気迫る里村明衣子を見せていましたが、一番弟子という部分でライバル心はあるのでしょうか?
「私は選手だけではなく経営もしているので、選手としての師匠は長与千種ですが、経営者としての師匠は沢山いるので、プロレスラーとしての里村明衣子と経営者としての里村明衣子と2つ抱えていると思っているので、そこはやっぱり匠をライバル視してるかといえば、そこまでしてない。でも血筋が濃いほど、思い入れは濃いですよね。いかに気持ちや思い入れが強いか。思い入れが強くないと、そこまで試合に入り込めないですから」

――長与選手や里村選手の試合がセミファイナルで、彩羽選手と橋本選手の試合がメインイベントなのは次世代への期待が強いのか、自分たちの試合を食ってみろという気持ちが強いのかだとどちらでしょう?
「今回の大会を考えた時に、私が仙女、長与さんがマーベラス、未来に繋がるものをそれぞれ持っているのが強みだと思っているんですね。これが、ただ単にGAEA JAPANの当時の現役レスラーが集まっただけだったら、単なるメモリアル興行になるんですよね。だけど、メモリアル興行にはしたくないと言いますか、これからの未来を見せましょうよという意味を込めて、GAEAISMを次世代に継ぐ。だったらマーベラスには彩羽匠がいる。センダイガールズには橋本がいる。そこだと思うんですよね」

――メモリアルではないので一夜限りと
「そこは運営事務局長に(苦笑)」

――里村選手的には続けてほしいですか?それとも伝説は伝説のままでと
「伝説は伝説のままでいてください。続きは仙女とマーベラスがありますから。団体がありますから」

――未来に繋がるという事は団体としても負けられないものがありますね
「センダイガールズはGAEA JAPANが解散してから私がずっと続けています。旗揚げ当時は業界がもっとどん底でした。3年前に(マーベラスが)始めた時より。それを生き抜いてきた自信はすごくあります。だからこそ、マーベラスには負けたくないです。その気持ちは一番強いです」

――そんな中、仙女としては今年どのように動いていくのでしょう
「今年私がデビュー25周年を迎えるんですけど、毎年ビッグマッチを『BIG SHOW in 新潟』という新潟市体育館で2月16日に開催しています。2500人規模の大会で、今年は25周年記念大会として行います。11月22日に仙台でやる年に一回の『BIG SHOW in 仙台』も同じく25周年記念大会としておこない、そこがやっぱり今年の大きな目玉ですね」

――今の女子プロレス界に関して多種多様な団体がありますが
「どうでもいいです。スタイルの違いをうちから発信していかないといけない。まずはセンダイガールズがどういう団体かを発信していかないといけないと思いますし、ほかを否定するわけではなく、ほんとに色んな団体があって、選択肢が沢山ある中で人は選ぶ自由と権利があるので本当に自由な時代になったなと思います。誰も文句言わないですし」

――ありがとうございました。最後にGAEA JAPANの復活興行へ興味を持った方へメッセージをお願いします
「GAEAISMってなんだったんだろうっていうものを、初めて見に来る人にも、当時のファンで久しぶりに見に来る人にも感じてほしいです。。この日に打ち出すスタイルは、自然と今後も注目されていく大事なきっかけになると思う。橋本千紘対彩羽匠の試合もそうですし、もちろん私もそうですけど、今後ファンの皆さんは、この日のスタイルに注目していくと思います」

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