山本”KID”徳郁の弟子でガン闘病中のフジタ”Jr”ハヤトが1日限定復帰!「師匠が上から見守ってくれている。今日もらったパワーをマジで倍にして返したい」

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 13日、東京都・後楽園ホールにて『みちのくプロレス2019年東京大会Vol.7~前後不覚~』が行われ、ガン闘病中のフジタ”Jr”ハヤトが一日限定の復帰を果たした。

 フジタJrハヤトは、高校時代にレスリングの全国大会に出場し、みちのくプロレス入団後に山本”KID”徳郁に師事して総合格闘技も習得したハイブリッドな実力派レスラー。新日本プロレスのSUPER J-CUPやBEST OF THE SUPER Jr.に出場するなど他団体でも活躍しており、東北ローカル団体の選手ながらその知名度は高い。
 ハヤトは2017年から膝の靭帯完全断裂によりリハビリ生活を続けていたが、その最中でガン(脊髄腫瘍髄内腫瘍上衣腫)が発見されさらなる闘病生活を強いられることになった。
 昨年12月のみちのくプロレス後楽園ホール大会では、ハヤトがリングに上がって2019年6月の後楽園ホール大会での復帰を目指してリハビリを積んでいることを報告し「師匠がガンで亡くなったので、それも重なってちょっとすげー病みましたけど、師匠が出来なかったことを俺がちゃんとその想いを背負ってまたリングへ帰って来たいと思います」とファンへ決意を語っていたが、当大会にハヤトは選手として出場することはおろか抗癌剤治療による体調面の問題から会場に現れることも出来ない状態となっていた。
 しかし、この大会で挨拶に登場した新崎人生は「ハヤトの気持ちは折れていません!」と熱い気持ちを叫ぶとともに、ハヤトエールの開催を宣言。
 先月27日に新宿FACEで行われた当大会ではハヤトが「この3年間で手術もめっちゃして、神経にくっついてるものは残して腫瘍も取ったんですけど、その理由はただ一つ。俺は、このリングで試合がしたい!俺たちは皆さんに元気になってほしいからこのリングで戦ってるんで、この姿は、俺はホントはイヤです。ですから、試合をさせてください……!」と涙ながらに人生へ試合を直訴。人生と主治医の許可が降り、対戦相手に「俺の相手は大変だろうけど、アイツならバチバチ来てくれるはず」と盟友・拳剛を指名していた。

 約2年8ヶ月ぶりの試合となるハヤトが入場するとリングを埋め尽くさんほどの黄色と黒の紙テープが舞い、観客席後方では人生が熱い視線でハヤトの勇姿を見つめる姿が見られた。
 両者しっかり握手を交わしてからゴングが鳴ると、ハヤトがローキックで先制してからスピーディなグラウンド戦に発展し、ロープでの離れ際にハヤトがエルボーを見舞う。
 中盤からは両者一歩も引かぬ打撃戦となり、拳剛はエルボーとビッグブート、ハヤトはエルボーとミドルキックでバチバチと打ち合っていく。そしてハヤトは拳剛を場外に吹き飛ばしての空対地PKや投げっぱなしジャーマンスープレックスと畳み掛け、師匠・山本“KID”徳郁キッド直伝のK.I.D(胴絞めフロントネックロック)で試合を決めにかかるが、拳剛がこれをブレイクして強烈なエルボーを打ち込んでいくとハヤトはダウン。一度はカウント6で立ち上がるが、続けて拳剛がエルボーを3連射するとハヤトは再びダウンし、10カウントで敗北のゴングを聞いた。

 試合後、ハヤトと拳剛はしっかりと抱きしめ合い、マイクを取ったハヤトは「ファンの皆様、待たせたねえ!でも今日は完全復活じゃなくて、これからも闘病生活が始まるので、まずはそこをしっかり倒して、でも時にはわがままも言って、こうやって1日限定試合を出来たらいいなって気もしますし、やっぱ格闘技はすげー楽しいっすよ。どうですか!俺が再起して、俺の試合を見たいと思いますかね?師匠が上から見守ってくれて、仲間も見守ってくれて、俺には友達もいっぱいいて、本方に本当に幸せです!」と嬉しそうに叫んだ。

 バックステージに戻ったハヤトは「何も言うことはないですよ。楽しんでもらえたんだったらそれでいい。でも、プロとしてね、リングに上がるって決まった以上はもっとちゃんと動かないといけないし、『久々の試合で怖かった』なんてそんなん言い訳にもならない。本当に今日の試合だけで言ったらクソですよ。何も出来なかった。普通に悔しいし、でも、楽しかったなあ……」と柔らかな笑顔で語る。

 そして、ハヤトは涙ぐみながら「正直無理かなと思ってた。病気を一人で聞いて、親に言うまで、仲間に言うまで、本当に……メチャクチャつらかったからね。それだけ、このリングに上がるこの場を作ってくれたみんなに感謝してます。これだけ不完全な俺なのに、これだけの人たちが第1試合から応援に来てくれて、感謝しか無い。だから俺はリングに上がらないといけないし、リングで試合をして、このもらったパワーをマジで倍にして返したいと思いますね。絶対負けねえ。あとはね、親父とか母親が止めることもなく、やりたいようにやらせてくれて感謝しか無い!あの親じゃなかったら俺はレスラーになれてないかもしれないし、ここまで頑張れなかったかもしれない」と支えてくれている仲間や両親への感謝の気持を語った。

 しかし、最後は「この感謝の気持を持って俺は完全復活したいと思います。もう、こっからの俺は止められないっすよ。もう一回チャンピオンになって、こないだハヤトエールに出てくれた先輩方全員倒して、 “ガンにも勝った男”として、もっと有名になるね。最高だあ。来年は宇宙大戦争にも出たいし、この1年はそれを考えてリハビリをしたいと思いますし、ガンを倒してまたこうやって自由な発言をしに、ここに帰ってきますよ。マジでありがとうございました。最高に楽しかった。格闘技最高だあ!」と不敵に笑い、ハヤトらしい強気な発言とともに颯爽と去っていった。

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