【インタビュー】ONE Championshipでの“PANCRASEvs修斗”で猿田洋祐と激突する北方大地が思いを語る!「金銀の両団体のベルトを肩にかけたい」

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

 8月7日夕、都内千代田区のWe Workオフィスにて、ONE Championshipの会見が行われた。
 来たる10月13日、東京・両国国技館にて、ONE Championship 100回記念大会「CENTURY」が開催される。ここで、日本を代表する2大格闘技団体、修斗とパンクラスが対抗戦を行う。
 ぶつかるのは両団体の王者同士で、松本光史(第12代世界ライト級王者)VS久米鷹介(第7代ライト級KOP)、エルナニ・ペルペトゥオ(第10代世界ウェルター級王者)VS手塚裕之(ウェルター級暫定KOP)、佐藤将光(修斗第10代世界バンタム級王者)VSハファエル・シウバ(第3代バンタム級KOP)、猿田洋祐(修斗第7代世界ストロー級王者)VS北方大地(第2代ストロー級KOP)の4カードが決定した。
 全てが注目のカードばかりだが、中でも注目度が高いのは、前ONE同級チャンピオンである猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS)と、先月末にベルトを巻いたばかりの北方大地(パンクラス大阪 稲垣組)の対戦だろう。
 修斗のチャンピオン、猿田は1987年・埼玉県生まれの32歳。2008年にプロデビューすると、翌年、修斗バンタム級新人王を獲得。2017年10月、ストロー級王者となった。
 また、2018年よりONEにも参戦。今年1月にはONE世界ストロー級王者となった。4月、残念ながら王座を明け渡したが、再びの戴冠を虎視眈々と狙っている。

 対する北方は1991年・大阪生まれの28歳。まだ10代だった2010年にプロデビューし、イキのいいファイトで経験を重ねてきた。「UFC出場」「最年少KOP」と大きな夢を持ち、常に上を目指してきたが、壁にぶち当たることも多かった。
 しかし、2016年、ついにタイトルマッチにこぎ着けた。砂辺光久。パンクラス三階級制覇を果たし、10年もタイトルを保持している「パンクラスの顔」だ。1Rを取り、勢いに乗ったが、衝撃のバックドロップからのチョークスリーパーで一本負け。パンクラス王はそう簡単に勝たせてくれなかった。
その後、破竹の4連勝。今年7月、ついにベルトを巻いた。
 以前はUFCを目指していたが、少し前からONEに照準を絞っていた北方。今回の対抗戦は、まさに渡りに船だ。初めて、猿田と向かい合った北方に話を聞いた。

――ベルトを巻いたばかりの北方選手ですが、“いいペースできている”と話していましたね。
北方「そうですね。実は、去年の年末からこのペースで行こうと決めていました。思った通りになってきていますね。最近、考えていたことがその通りになっているので、自信しかないです」

――猿田選手と向かい合って、どう感じましたか?
北方「第一印象は『小さいな』と。話しているのを聞いていると、しっかり意志を持ってやっているんだなと感じました。猿田選手はONEのベルトを巻いた選手ですから、倒せば一気にタイトルマッチに近づくことができます。しめしめって感じですね」

――まだ巻いたばかりですが、ベルトが似合います。
北方「ありがとうございます。前KOPより俺の方が似合うと思ってます。すごくしっくりきてますね。この、パンクラスのベルトはシルバーじゃないですか。で、ONEのはゴールドですよね。金も獲って、金と銀を両肩にかけたいです」

――おお、それは是非とも見たいですね。こういう風に、“思った通り”になっている理由は何だと思いますか。
北方「これまで、たくさん失敗を重ねてきたからじゃないでしょうか。たくさんの壁を超えてきた、そのおかげだと思っています。10代や20代のはじめ頃は、最年少KOPになりたいとか、UFCに出たいとか言っていましたけど、その時は地に足がついていなかった。そこに行くまでの具体的なイメージができていなくて、体がついて行っていなかったと思います。今は、『なりたい自分』がハッキリしていますし、最後は負けず嫌いな性格が支えてくれています。根本は変わっていないんですけどね」

――以前にも増して、稲垣組の結束が強くなっている印象があります。
北方「今、自分のためには闘っていないんです。この間、ベルトが腰に巻かれた瞬間、嬉しいとか全く感じなかったんですよ。いつもと同じな感じで。でも、喜んでくれている人を見たとき、初めて嬉しいと思えたんです。それで、自分が闘っているのは自分のためじゃないんだと気がつきました。人に感動や興奮してもらえることが大切なんだと思っています」

 このところ、北方がよく口にするのは「シンプル」という言葉だ。色々な夢を抱き、もがいてきた。その果てに行き着いた境地なのだろう。何でも、一番大切な、核のところはシンプルなこと。それがわかれば、もう迷わない。
 しかし、“シンプル”とは、決して機械的に、教科書通り物事を進めるということではない。どんなに緻密な作戦を立てても、結局、闘うのは人間なのだから。北方は、そこにも自信を持っている。「ケンカは俺の方が強いと思いますよ」と。
 浪速の負けん気をのぞかせた新KOPは、団体代表という重圧もはねのけ、両国で大暴れしてくれるに違いない。

【ONE Championship両国大会 既報カード】

「修斗VS PANCRASE王者対決」
▼ストロー級 5分3R
猿田洋祐(修斗第7代世界ストロー級チャンピオン)
VS
北方大地(第2代ストロー級キング・オブ・パンクラシスト)

▼バンタム級 5分3R
佐藤将光(修斗第10代世界バンタム級チャンピオン)
VS
ハファエル・シウバ(第3代バンタム級キング・オブ・パンクラシスト)

▼ライト級 5分3R
松本光史(第12代世界ライト級チャンピオン)
VS
久米鷹介(第7代ライト級キング・オブ・パンクラシスト)

▼ウェルター級 5分3R
エルナニ・ペルペトゥオ(第10代世界ウェルター級チャンピオン)
VS
手塚裕之(ウェルター級暫定キング・オブ・パンクラシスト)

▼ONEライト級ワールドGP決勝 5分3R
エディ・アルバレス(米国)
VS
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)

▼ONEフライ級ワールドGP決勝 5分3R
デメトリアス・ジョンソン(米国)
VS
ダニー・キンガッド(フィリピン)

▼ONE世界女子アトム級選手権試合 5分5R
アンジェラ・リー(米国)
VS
ション・ジンナン(中国)

▼ONE世界ライトヘビー級選手権試合 5分5R
アウンラ・ンサン(米国)
VS
ブランドン・ヴェラ(米国)

▼ONE世界バンタム級(※65.8kg)選手権試合 5分5R
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
VS
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

▼ONEフェザー級キックボクシング・ワールドGP決勝戦 3分3R
8.16 バンコク大会の勝者同士が対戦
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)VS ジョー・ナタウット(タイ)の勝者
VS
サミー・サナ(フランス)VS ジャバル・アスケロフ(ロシア)の勝者

(写真・文/佐佐木 澪)

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

関連記事

サイト内検索

日別

2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

月別

ページ上部へ戻る