長州力が45年間のプロレスラー生活に終止符を打ち「私はここまでです。もう止まります。今からUターンして家族の元に帰ります」

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 26日、東京都・後楽園ホールにて、長州力プロデュース興行『POWER HALL 2019 New Journey Begins』が行われ、長州力がプロレスラー生活に終止符を打った。

 長州力はレスリングでミュンヘンオリンピックに出場するなどの実績をバックボーンに新日本プロレスに入門し1974年にデビュー。藤波辰爾との抗争などで“革命戦士”として花開いて大ブレイクを果たし、その後もジャパンプロレス旗揚げ、全日本プロレスへの参戦、WJプロレス旗揚げなど話題に事欠かず、常にプロレス界のど真ん中を突き進んできた。
 長州力は1998年に一度引退しているが、大仁田厚との抗争を経て2000年に現役復帰。その後は選手として再びキャリアを重ねてきたが、2018年7月に「藤波さんが頑張ってる内はと思ったけどもうしんどい。来年靴は脱ごうと思ってます」と2度目の引退を宣言。そして「あとは藤波さんに頑張ってもらって、最後に藤波さんが見届けて終わり。やっぱり彼が居なかったらもっと早く辞めてるから」とラストマッチの相手に藤波を指名していた。

 この日のメインイベントで行われた長州力のラストマッチは、長州力&越中詩郎&石井智宏vs藤波辰爾&武藤敬司&真壁刀義という長州力のキャリアを彩るメンバーが集まった6人タッグマッチ。ゲスト解説には天龍源一郎が駆けつけた。
試合は長州と藤波の対面で始まり、長州が開始直後に掟破りのドラゴンスクリューを放つと会場は大歓声。その後は越中が各種ヒップアタックで試合を優勢に進めると、長州は愛弟子・石井と合体パイルドライバーを放つ連携を見せ、長州が真壁にリキラリアット、サソリ固めと畳み掛ける。
 しかし、ここでこの日が復帰戦の武藤がシャイニングウィザードを放って真壁を救出し、石井を抑えにかかる。そして藤波がドラゴンスクリューからの足4の字固めで越中の動きを封じる中、真壁はキングコングニードロップを投下。長州は意地でこれを返していき、最終的に真壁はキングコングニードロップを4連発。これには長州も肩を上げることが出来ず3カウント。長州の付き人を務めていた真壁が最後に師匠へ引導を渡す形の最後となった。

 試合後、「一度引退しているから」という本人の意向で10カウントゴングは無し。代わりに長州がマイクを取り「どうも長い間、45年間プロレスファンの皆さんに応援されながらここまで来ることが出来ました。私にとってプロレスは何だったのかなと振り返りますと、すべてが勝っても負けても私自身はイーブンです。ホントにイーブンでした。もう、私はここまでです。もう止まります。いまからUターンして家族の元に帰ります」ファンに挨拶を行った。
 そして、「どうしても勝てない人間がいました。それは今日……ウン、見に来てくれた、家内です」と照れ笑いで語りながら夫人をリングに上げると、2人は固く抱き合い、夫人が長州にキスを交わすと場内からは黄色い声が上がる。
 続いて、長州の後輩であり、現在は衆議院議員を務める馳浩がリングに上がって「僕も長州さんに憧れて専修大学に行き、プロレスラーになりました。長州さん!本当に今までありがとうございました!」と感謝の言葉を述べる。
 そして最後に長州が「どうもホントにありがとうございました!これからもこのような雰囲気で、これからリングに上がる若い選手たちを皆さんの声援でリングに押し上げてあげて下さい。この会場の本雰囲気を作るのは、選手ではなく、皆さんの熱い声援なんです。是非これからも宜しくお願いします!本当に長い間ありがとうございました!」と締め、大会は大団円の内に終わった。

 バックステージに戻った長州は、穏やかな笑みをたたえながら「(これから先のことは)なにも考えてないです。正直言って自分のできることをやっていかなければいけない。まあゆっくり考えますよ」と語り、夫人をリングに上げたことについては「やっぱりこれが最後だと思えば、色々迷惑もかけたし、苦労も心配もかけたし、こうして元気に何事もなく降りてくることもできたし、まあいい感じですね。大事にしますよ」と笑顔で語る。そしてゲスト解説に駆けつけた天龍源一郎についても「げんちゃんに『やっぱりここまでだな』って思われたくなくて頑張ってはみた」と語るなど絆を垣間見せた。

 そして、自らの師であるアントニオ猪木について触れると、「この6月26日、日にちが決まってから、常に毎日頭のどっかで、猪木会長の顔と名前っていうのが、頭の中に浮かびますよね。45年間ここまで成長できたのは、やっぱりリングの中であの方をずっと見てきて、プロレスというものがわかってきて、『あぁ大変だなこれは』というのはやっぱり常に感じてここまでやってきたんですね。それでもとてもじゃないが、やっぱりリングの中のアントニオ猪木に近づくっていうのは、とてつもなく大変なことなんだなと。マスコミは(ジャイアント)馬場さんと比べたでしょうけど、馬場さんも素晴らしい方でした温厚で。でも自分の性分としては猪木会長の『ホントにこの人プロレス24時間考えてやってる』っていうのは感じてきますよね。まあ、到底及ばないですけど。その時代の猪木さんは、猪木さんが会場の中を一人で雰囲気作って、ファンをこう引き寄せてましたね。僕なんか現場もやりましたけど、なかなかできなかったですね。やっぱりすごい方ですよ」と回顧した。

 そして最後に「今日はちょこっと触らせてもらったんですけど、藤波さんもずっと会長について来た人ですから、表現の仕方は別にして、彼もそうなんじゃないかなと思いますよね。最後ほんとに悩みましたよ。猪木さんを呼ぶっていうね。猪木さん呼んで雰囲気作りしてもらおうかなというのもありますけど、ここは最後の自分の集大成として、どういう状況になるのかなって。熱い声援でファンの声援で押し出してもらって感謝してます」と藤波についても触れ、長州は後楽園ホールから去っていった。

 なお、この日はアントニオ猪木も政界引退を表明。プロレス界に名を残したレジェンドたちが揃って前線を退くという歴史的な一日となった。

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