【インタビュー】WWE日本公演を警察犬に噛まれ欠場した中邑真輔が今の心境を語る!「悪夢としか言いようがない。何だよこの漫画みたいな状況は」

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 30日、6月29日(金)&30日(土)に両国国技館にて開催されるWWE日本公演『WWE Live Japan』に参戦するために来日した中邑真輔がインタビューに答えた。
 中邑は29日のメインイベントでWWE王座をかけて王者・AJスタイルズに挑む予定だったが、数日前にアメリカで警察犬に噛まれたと報道されており来日が危惧されていた。両国のリングに現れた中邑は松葉杖をついており、挨拶は行ったものの試合自体は欠場。30日の試合もどうなるかわからない状態の中インタビューが行われる事となった。

中邑真輔
――現在の怪我の状態はどのようなものなのでしょうか?
「今後の自分の対応がですね。相手に対する対応っていうのがあるので、こういう公式の場で詳細を話すことは出来ないっていうのはありますね。ただ試合が出来ない状況なんだってことですね。一日も早く復帰というかリングに立てるようにトリートメントというか、一日も早くよくなるようにということはしてるんですけども、如何せん日本時間の夜ですか?つい前日の話なので、自分としては想像だにしないと言うか、これがリング上の怪我であったならなって思いますけど、ちょっとホントに言葉として形容し難いと言うか……」

――具体的な怪我の箇所というのは
「ま、足ですね」

――完治するまでにどれくらいかかるものでしょうか
「二週間ってところらしいですけどね。個人差はあるんでしょうけど」

――今後の治療はアメリカで?
「まあ、処置してしまえば、ってところなので検査だとかはベースがアメリカにあるんでアメリカでやると思います。ツアー中に起きた事故なので、流動的な環境の中で対処せざるを得ないですね」

――試合ができなくなるかもしれないと思ったときの心境は
「いや、もう“悪夢”としか言いようがないですね。『嘘だろ』と思いましたよ。『何だよこの漫画みたいな状況は』って。まあ信じられないですよね。自分としては日本公演を楽しみにもしてましたし。二年ぶりですからね。かつ、リング上でのパフォーマンスだったりトレーニングであったりに関しては、最善を尽くしてきたというか、気をつけてやって来た中で、全く想定し得ないことが起こってしまったので、ちょっと……色んな人に言われましたよ、『なに笑い話作ってんだよ』って。言われましたけど、『洒落になんねーよ』って思いましたね」

――欠場に関しては自らの口で皆さんに伝えたわけですが、その時の心境は
「しょうがないなって思いますね。WWEにはトレーナーもドクターも帯同していまして、協議の結果ってことですね。自分、ドクター、トレーナー、プロデューサーと協議の結果、その中で自分ができることっていうので少し無理した部分もありましたけどね」

――お客さんの反応は温かいものでした
「まあ……なんだろうな。ホント自分としては戦っている姿を見せたかったですね。個人的に今の自分の知り合いも遠方から駆けつけてくれたりだとか、地方から、中邑真輔を見るために日本中から駆けつけてくれているわけですから、そこに関しては非常に、ホント何て言うか……気持ちが……中邑真輔っていうプロレスラーとしてのパフォーマンスをしなきゃいけないなっていう方に考えていくしかないなって」

――怪我から快復したらすぐにタイトルに挑戦したいという気持ちはありますか
「ありますね。今現在としては、ジェフとの抗争が始まったと言ってもいいんじゃないかなと思いますね。ジェフと自分の世界観であったりキャラクターであったり、どういうものを生み出せるのかは自分でも楽しみです。経験もありますし、お互いに日々戦う中でいつでも100%っていう状況を作り上げるのは難しいと思いますけど、独創的っていう部分も感じ合う部分もありますし、僕としては楽しみですね。AJとラストマン・スタンディングをやる前に一度テレビの放送で戦ってるんですけど、ここからちょっと徐々に段階を踏んで戦っていけるっていうのは楽しみですね」

――ダニエル・ブライアン選手と戦いたいと以前言っていましたが
「ブライアンは自分より若いですけど、WWEの経験は長いですし……いつからやってるんだっけ、10代からやってるんですよね。っていう意味では相当なキャリアですし、ほぼ外からやってきてあの体格でWWEの中で自分を作り上げているという意味では、すごいことをやってのけてるんですよね、実は。彼のおかげで、ダニエル・ブライアン以降WWEで活躍できているっていう選手も多いと思う。そういう意味では自分もその一人になるだろうし。個人的には2002年、2003年、2004年と短期的ではありますけど同じ道場で、同じアパートに住んで、あとはよく意見の交換だったりお互い刺激し合う部分もあったんで。……何年前だよって思っちゃいますね。もう十何年も前の話ですけどお互いにお互いの道で、かつ今は近い場所にいるんで。まあ一度その夢は絶たれたんですけど、彼の努力で復帰許可が降りてその夢が叶うという意味ではちょっと面白いですね。試合が面白くなるかどうかはわからないですけどね。自分の人生の長い物語の中で既に出てきた登場人物と関わるっていうのは面白いなと思います」

――PPVで短期間で4回AJスタイルズ選手と対戦していますが、これまでを振り返ってみていかがですか
「ある種、自分を顧みる作業であったかなと思います。『今まで自分が培ってきたものはなんだろうか』、『自分には何が出来るんだ』と。短期間で4回とは言われていますけど、実際それ以上にやってますから、その中でどうやって変化を見せるかとか、ちょっとした、期間的には長くはない中で、少しでも変化をつけるためには色んなことをしなくちゃいけなかったですけど。レッスル・マニアからファイナルまで、最後なのかはわからないですけど、ラストマン・スタンディングまでは、やっぱりいろんな制約の中で最大限できることを目指してやって来たので、お互いに楽しめたと言うか、『この相手ならなにか出せる』っていうのを感じながらやっていたと思いますね」

――WWEである時期象徴的だったローブローという技を使うようになったことについては
「……どんな言い方をすればいいんだろうな。この間どっかのイベントで、ちっちゃな少年にもそれを聞かれたんですよ。『それはどんな感触ですか?』って(笑)『後ろにいるお父さんにやってごらん』って言いましたけど(笑)リングに経つ時間っていうのは無限じゃないじゃないですか。その中でどうやって見てる人……見てる人って言っても、視聴者のケタが半端ないじゃないですか。テレビ、インターネット、ネットワーク……だから、いかにインパクト……身体を動かしてっていう意味では、言葉以上に、言葉じゃなくても伝わるインパクトって言うので何が求められるかっていうので、“分かりやすさ”っていうのは、その選択は間違ってはいないのかなと思います。分かりやすさで言えば」

――日本公演で出場出来なくて日本のファンに大きな借りが出来てしまったかと思うんですけど……
「なにも借りではないんですけども」

――どういった形でファンに恩返しをしていきたいですか
「どういった形で恩返し?恩を僕はもらったんですかね、なにか?貸した借りた、借りる貸したってものは特に全く考えてはないですけど。まあ、日本人だし日本で生まれ育ったし、特に両国なんかは何年も通った場所ですから、やっぱ次に帰ってくるときには100%に近い状態であるとか、そのときの中邑真輔のすべてを出すというか……言うしか無いですよね。『何が出来るんだよ』とは思いますよね。無理して足を引きずってリングに立てば良かったのかって、そういう話じゃないから、これに関しては特に。だから今自分が出来ることをやるしかないです。そこで、リングに立って、『足が痛いです、かわいそうでしょ?』って言うのは中邑真輔じゃないかなと思うんで。いかに制約された中で中邑真輔を落とし込めるかっていうのがやっぱり、日々日頃やってきたことですから、それを見せるのかって話ですね」

――レッスル・マニアの前と後では入場曲も変わって、コスチュームも変わりましたが、なにか意識して変えた部分は
「僕個人の考えで変えられると思います?(笑)まあ、あるじゃないですか。僕がいて、ここがテレビ画面だとして、その部分。こっち側の部分で自分が求められること、ノれるかノれないか、全部。ノるしか無い中で、どうやってこう、“中邑真輔らしく”だとか“中邑真輔風”に作るのかとか、または言われてない部分で自分を出せる場所を探すとか、そういう作業は今までと一緒ですし。まあでも、今はレッスル・マニア後は、逆にレッスル・マニア前までは試行錯誤が多かったので、レッスル・マニア後の方がすーっと自然に出てくる部分はありますね。動きにしても所作にしても。元々ヒール、ベビーフェイスっていう言い方をすれば、ヒールの方でキャラクターを感情表現を出して作ってきた中邑真輔というキャラクターなので、そういう意味では今のほうが幅が広がったと思いますね」

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