PANCRASE295でフェザー級KOPの暫定王座を争う松嶋こよみとISAOが調印式に出席!両者笑顔ながら静かに火花を散らす!

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 3月30日夕、都内新宿区のパンクラスで、フェザー級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチの調印式が行われた。

 正王者はナザレノ・マレガリエだが、怪我が重なり、防衛期限1年を過ぎてしまった。マレガリエは夏ごろ試合が出来る予定ということだが、パンクラスのフェザー級には実力者がひしめいており、今回、暫定王者決定戦が行われることとなった。
 暫定王座を懸けて闘うのは1位・松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)とISAO(NEVER QUIT)だ。
 松嶋はブラウンのスーツ、ISAOはチャコールグレーのスーツ姿で着席。廣瀬隆司・パンクラスコミッショナーの立会いのもと、出場誓約書にサインした。両者とも笑顔を見せ、なごやかな雰囲気だったが、時々見せる険しい表情に静かな火花が散った。

――まず意気込みをお願いします。
ISAO「チャンスをいただいたので、しっかり勝って次に繋げたいです」
松嶋「先のことは考えずに、とりあえずこの試合に勝つことに集中したいと思っています」

――お互いの印象はいかがですか。
ISAO「勢いがあって、パワーがあって、最近ではしっかり考えながら勝つ試合ができるようになっている選手というイメージです。でも問題ないです。しっかり勝ちに行きます」
松嶋「昔から試合の映像を見ていて、(自分が)子供の頃からやっている人ですね。そういう選手とベルトを懸けて闘えるのは光栄です。子供の頃というか、格闘技を始める前という意味です」

――いま、松嶋選手から『子供のころ』という言葉が出ましたが、ISAO選手としては、下からの突き上げみたいなものを感じていますか?
ISAO「そうですね、自分も10年くらいやってきているので、下の選手がどんどんデビューして、トップを取っているなというのは感じていますし、その辺は意識してやっています」

――Bellatorのあと、以前のISAO選手にあった思い切りの良さがなかったような気がします。でも、最近は戻っていたのでは。
ISAO「ずっとトップ戦線でやらせていただいていたので、負けられないという気持ちが大きかったり、勝ちにこだわって安全圏でやっていたりしたところがありました。でも、前回(昨年12月、粕谷優介戦)は、思い切って出していこうと思って、いい動きができました」

――それは、移籍した影響が大きいのでしょうか。
ISAO「今のジムでは、安藤(晃司)さんにしっかりアドバイスをいただいたり、練習を見ていただいたりして、相談しながら練習ができています。いい環境です。
KRAZY BEEでもお世話になっていますね。新しいことを覚えるというよりは、自分の強みを伸ばして、弱いところを少なくしていく感じです。いろんな人と練習できているのでありがたいです」

――顔の絆創膏は練習での怪我ですか?
ISAO「はい。スレただけなんですけど。でも、ハードな練習をしているので、体じゅうあちこち傷だらけです(笑)NEVER QUITでのスパーリングはハードで、何回もはできませんけど、週に1回はやるようにしています。試合感覚でやるので自信がつきます」

――アメリカでやってきたことは、ISAO選手の中でどのように消化されていますか?
ISAO「そうですね、いろいろなことをたくさん教わったんですけど、メモしてきたことを見直してやってみています。失敗を恐れずにやって見るのは大事だと思うので、いろいろ試してみています。アメリカにいた当時は教えてもらったことを整理できていませんでしたが、時間が空くと、あ、これ使えるんじゃないかな、という部分が出てきて落ち着いてできるようになりました」

――松嶋選手も、移籍していますね。
松嶋「自分もジムを移籍して1年になります。北岡さんにみていただくだけでなく、出稽古も増やしていい環境を作れてきていますね。マモルさんと一緒にやらせていただいたり、ムーブメントコーチのタケ大宮司さんにみていただいて、自分の動きの範囲を広げるような練習をしています。サンドロ戦で、これまで知らなかった部分が分かったりということもあり、自分で成長の手応えを感じています。1年前の自分よりは確実に強くなっている」

――ISAO選手と松嶋選手、試合経験の差がありますが、意識はしますか。
ISAO「だいぶ経験はしましたけど、今はこのベルトを獲流という時持ちで勝ちに行く、それだけです。試合は何が起こるかわかりません。今までいろいろ経験してきましたし、やってきましたが、そういう思いは全部捨ててこの一戦に懸けます」
松嶋「経験の差は今ここでどうしようもないし、埋まることもありません。ただただISAO選手と闘う、そこのベルトが懸かっている、とシンプルに考えるように徹底しています」

――タイトルマッチは5分5ラウンドです。松嶋選手は初めてですね。
松嶋「はい。今までは3ラウンドでしたけど、5ラウンドやることを意識して北岡さんやトレーナーとトレーニングしています。」

――ISAO選手はいかがですか。
ISAO「3ラウンドと5ラウンドは全然違うものだと思います。5ラウンドの試合では、いくら自分が有利に試合を進めていてもまだ先がありますし、逆にピンチでも取り返すチャンスが来るかもしれません。そういう意味で、3ラウンドと5ラウンドは全然違うと思います。でも、試合になってみないとわかりません。しっかり作って、当日ベストな状態で挑むだけです」

――両選手ともに、パンクラスへの思い、そしてこのベルトへの思いは深いと思います。
ISAO「一度巻いたことがあるベルトです。すごく歴史と重みがあるベルトだと思ういます。今回、暫定ではありますけど、またこうしてベルトを懸けて戦えるので、勝ってこのベルトを巻きたいです」
松嶋「憧れでもありますし、今回は自分のキャリアの中で初めてのタイトルマッチです。ここを逃したら……という気持ちで取り組んでいます。このチャンスを逃さずベルトを巻いて、次に誰と当たってもしっかり守り抜ける選手になりたいです」

――今大会には北岡選手も出場します。恐らく試合順が近くなるとセコンドについてもらうことが出来ないかもしれません。不安はありますか?
松嶋「不安はなくはないですけど、マモルさんにはずっと練習を見ていただいていますし、北岡さんがいない中でも、どうやってアップしてどうやって気持ちを持っていくか、自分の力でできるように努力しています。問題ないです」

 松嶋はISAOに勝ったPXC元王者カイル・アグオンに勝利。対するISAOは松嶋に勝利したマルロン・サンドロに勝っている。まさに実力伯仲の両者。お互いオールラウンドに闘える選手でもあり、どんな展開になるか予想もつかない。これほど、ファンが待ち望んだカードもないのではないだろうか。いっときも目の離せない試合になること間違いなしだ。

(写真・文/佐佐木 澪)

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