【試合結果】12・31 アイスリボン後楽園ホール大会 【ICEx∞選手権】世羅りさvs柊くるみ 長崎まる子vs直DATE 弓李&尾崎妹加&安納サオリ&本間多恵 松本都vs鈴木秀樹 藤本つかさvsつくし 中島安里紗vs藤田あかね

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『RIBBONMANIA2017』
日時:2017年12月31日(日)
開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1235名(満員)

▼第1試合 つくし再デビュー戦シングルマッチ20分1本勝負
○藤本つかさ
9分53秒 ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールド
●つくし

▼第2試合 2017年デビュー選手6人タッグイリミネーション20分勝負
○トトロさつき/華蓮DATE/ジュリア
14分20秒 フォーリング・トトロ
●華DATE/星いぶき/マンモス稲子

【退場順】
<一人目>
○マンモス稲子
4分40秒 OTR
●ジュリア

<二人目>
○トトロさつき
6分24秒 逆片エビ固め→ギブアップ
●マンモス稲子

<三人目>
○華蓮DATE
8分14秒 変形カサドーラ
●星いぶき

<四人目>
○華DATE
11分10秒 ヨーガ・サイクロン・フラミンゴ→ギブアップ
●華蓮DATE

▼第3試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
星ハム子/宮城もち/○松屋うの
11分5秒 牛とじ
雪妃真矢/真琴(REINA女子)/●テキーラ沙弥

▼第4試合 シングルマッチ20分1本勝負
○中島安里紗(SEAdLINNNG)
10分23秒 ムーンサルト・プレス→片エビ固め
●藤田あかね

▼第5試合 2008年デビュー同期対決 シングルマッチ20分1本勝負
<一本目>
●松本都
6秒 エビ固め
○鈴木秀樹(フリー)

<二本目>
●松本都
5秒 エビ固め
○鈴木秀樹(フリー)

<三本目>
●松本都
6分28秒 ロメロ・スペシャル→ギブアップ
○鈴木秀樹(フリー)

▼第6試合 タッグマッチ20分1本勝負
[GEKOKU娘]弓李/○尾﨑妹加(フリー)
10分56秒 マイカバスター・ホールド
●安納サオリ(Beginning)/本間多恵(Beginning)

▼第7試合 ヤングアイストーナメント決勝戦 時間無制限1本勝負
●長崎まる子
8分6秒 ヨーガ・タワー・フォール→片エビ固め
○直 DATE

▼第8試合 ICEx∞選手権試合 30分1本勝負
【王者】●世羅りさ
13分33秒 ナッツクラッカー→体固め
【挑戦者】○柊くるみ
※第24代王者が8度目の防衛に失敗。柊くるみが第25代王者となる

くるみが世羅を破りICEx∞を戴冠!つくしが白一色のコスチュームで再デビュー!松本都vs鈴木秀樹の同期対決は都ワールド全開!

オープニング


 後楽園のホールの北側客席を開放したアイスリボンの大晦日大会。
 選手入場式が行われ、全選手が入場。本日再デビューとなるつくしには大きな歓声が贈られる。
 オープニングの挨拶を務めるのは世羅。

世羅「本日はRIBBONMANIA2017にご来場いただき誠にありがろうございます!普段は後楽園ホールでこんなこと言わないんですけど、今日初めて来たって方~?(観客席から手が挙がる)……おー!結構いらっしゃる!あっ、すぐ下げないですぐ下げないで(笑)ありがとうございます!今日は結構初めてのお客様もいるということで気合入っておりますので 応援よろしくお願いします!」

 その後、観客席にサインボールが投げられ、全選手退場。

第1試合


 本日再デビューを迎えるつくしが全身白一色のタイツで入場。会場からは大量の紙テープが飛ぶ。
 つくしを受け止めるのはアイスリボンのアイコンであり、“飛翔天女二世”藤本つかさ。
 つくしは「お願いします!」と言って握手を要求。藤本もその手を握り返す。
しかし、ゴングとともに藤本がドロップキックで急襲。さらにロープに振るが、組み付いたつくしが飛びついてハルカゼ。フォール合戦からクリーンブレイク。
 ロックアップからヘッドロックへ。つくしはロープに振ろうとするが藤本は離さない。そのままグラウンドでネックロックへ。つくしはなんとか抜け出すが、藤本は腕を取る。つくしも喰らいついていくが、藤本は再びヘッドロックからメイヤー、サッカーボールキック、連続ストンピングと攻め立てる。
 藤本はつくしの髪を掴んで二連続でヘアホイップ。さらにコーナーで顔面を踏みつけていく。続けてロープにつくしをくくりつけ、背中にドロップキック。グロッキー状態のつくしをフォールも2。
 続けて藤本はサッカーボールキックを三連発、そして追撃のPK.。フォールも2。つくしはグラウンドから藤本に組み付いてコルバタ、低空ドロップキック。さらにコーナートップからミサイルキック。しかし藤本は即座に起き上がる。つくしは串刺しのドロップキックからさらに追撃を狙うが、藤本がカウンターでドロップキックをお返し。
 藤本がコーナーにつくしを座らせると、対角線を走り込んで串刺しドロップキック。さらにミサイルキックで意趣返し。フォールも2。つくしがフォールを返すために上げた足を取って藤本が逆片エビ固めもつくしはロープへ。
 藤本はジャパニーズオーシャンを狙うが、ハルカゼで切り返したつくしがキルスイッチ。コーナートップに上がったつくしはフットスタンプを狙うが、藤本がコーナー上へ追撃。これを打撃で制したつくし。藤本はだらりと垂れ下がる。そこへつくしがフットスタンプを叩き込む。さらに正調ダイビングフットスタンプもカウントは2。
さらにつくしはタイガースープレックスを狙うが、藤本が外してエルボー。正面から撃ち合う。つくしがこれをドロップキックで制してタイガースープレックスホールドも2。
 トドメを狙ってロープに走り込むつくしに藤本が組み付いてジャパニーズオーシャンを狙うが、つくしはハルカゼで切り返す。フォールに入るが、つくしはさらにフットスタンプで追撃してからフォール。カウントは2。
 起き上がった藤本がソバットからコンビネーションキック。崩れ落ちるつくしにPK。カウント2。さらにランニングPK。これも2。さらにランニングPKまたまた2。トドメをねらってツカドーラも2。粘るつくしだったが、最後は藤本のジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールドでカウント3。


 試合後、泣きじゃくるつくしと藤本と抱き合い、互いに耳元でささやきあった後に固く抱擁を交わした。

<試合後コメント>

つくし
「ありがとうございました。無事に再デビュー、終わりました!まず、言いたいのは、ホントにみんなに感謝しなきゃなってすごい思いました。大会前もそう言ってたんですけど、感謝の気持ちがすごく強くなったし、プロレスで感謝を表せていけたらなってすごく思いました。プロレスってすごく痛いし、気持ちが折れそうなときもたくさんあるんですけど、やっぱり自分にはプロレスが必要だし、プロレスがなくなったら生きていけないくらいの気持ちで、みんなに感謝したいと思います!今日は一生忘れられない日になりました。アイスリボンに恩をこれから返します。自分は100歳までプロレスやるので、100歳まで恩を返していけたらなって思います!」

――5ヶ月ぶりのリングでの戦いになりましたが、どのようなお気持ちでリングに上がりましたか
「最初は『あぁ、リングに帰ってきたなぁ!』って浮かれてたんですけど、藤本さんの奇襲のドロップキックで『自分はプロレスラーなんだ。浮かれてる場合じゃない』と気合が入りました」

――怖さや不安はありましたか?
「無かったです!応援してくださるファンの人の声援がすごく届いたので、その声援のおかげで乗り越えられました!」

――再デビュー戦を終えた今のお気持ちは
「嬉しいって言うより、恩を返していかなきゃなぁっていうのが一番の気持ちです」

――『再デビュー』という形で1からのスタートになりましたが、これからのビジョンは
「今まで悲しませてしまったアイスリボンのみんなとかにも試合を通して身体を触れ合わせて気持ちを伝えていけたらなって思います。コスチュームも、新人としてゼロからやり直しました」

――試合をした藤本選手になにか言いたいことは
「リング上で『おかえり』って言ってくれたので、『自分は絶対恩を返します』ってリング上で返しました」

――久々の試合のご感想は
「『こんなに後楽園って広いんだっけ』と忘れてた部分を思い出しました。やっぱ痛いですね、プロレスって。でも復帰までみっちり練習をしてきたので大丈夫です!」

――次の目標は
「信用を取り戻すことが2018年の目標です。アイスリボンとお客さんと、関係者各位もそうですし」


藤本つかさ
――つくし選手と戦ってみて如何でしたか
「キャリアリセットという形で今日は再デビュー戦だったんですけど、技術がゼロになるわけではないので、今までやってきたものの最大限のものを自分に出してきてくれたなと思いました。ぶっちゃけ危なかったですね(笑)再デビュー戦で負けそうになってしまったので。それが今のつくしの実力ですし、やっぱそうだよなって実感しました」

――再デビュー前と動きは変わらないと感じた?
「うーん、本人的にはスピードだったり納得言ってないところもあったと思うので、これからですね。課題が見つかってよかったんじゃないかと思います」

――つくし選手の気持ちは伝わってきた?
「気持ちの部分では最初にリングに上ったときに、つくしの表情を見てなんとなく『ああ、リングっていいなぁ』と感傷に浸っている感じがしたんです。だからそれをぶっちぎろうと思ってファーストコンタクト、いきなり顔キックで3獲ってやろうって気持ちになりました。私もつくしの曲がかかったときに感極まってしまって、『ヤバい!』と思ったので、ああいう手を選びました」

――今後のつくし選手のマッチメイクについてはなにかビジョンが?
「再デビュー戦っていう形で、ジュリアの次の後輩という形になるので、新人同等のカードにするつもりです。あとは本人の実力次第だと思います」

――年明けからはずっと参戦する?
「そうですね」

――試合後声をかけていたようですが
「まず、TOMMYさんにも色々ご迷惑をおかけしたので、TOMMYさんの方から『この試合を裁きたい』って言ってくださって、『まずTOMMYさん一言お願いします』って言いました。二人の中で色々話したんですけど、つくしが『一生このアイスリボンに恩を返していきます』という言葉を言ってきたので、『頼むよ』という話はしました」

――これからのつくし選手に向けて藤本選手からメッセージを
「一生反省して、一生感謝をして、一生償って、一生プロレスしようっていう感じです」

第2試合


 2017年にデビューした同期だけで行われる6人タッグマッチ。
 また、この試合は劇団子供鉅人の舞台『チョップ、ギロチン、垂直落下』に登場する女子レスラー“マンモス稲子”のデビュー戦としてアナウンスされる。

 マンモス側が奇襲してゴング。
 6者入り乱れながらリング内で乱闘。いぶき、華、稲子が三人をコーナーに振り、串刺しトレインアタックで戦機を掴む。
 リング上はトトロと稲子。パワーで勝るトトロは稲子をコーナーに押し付け三人で顔面を踏みつける。
 華蓮にタッチ。華蓮と稲子のマッチアップ。華蓮はグラウンドで稲子を締めアガエルと、まる子、華が救出に来て三人で決めポーズ。
 稲子は持ち技を次々と極めていき、対戦相手を次々とリングに出していくが、復帰してきたトトロがジュリアを背負ってボディプレス。カウントは2。
 稲子が捕まる展開となり、ジュリアが足でのファイナルカットから腕十字。これはいぶきがカット。ジュリアはコーナートップからダイビングクロスボディを狙うが、かばいにリングインしたいぶきが代わりに被弾。
 さらにジュリアは稲子にメイヤーからスリーパー。ここでなんとジュリアは稲子のマスクを剥いで素顔を晒してしまう。会場からは大きなブーイング。
 素顔となった稲子は目が見えない様子でふらふらとさまようが、正気を取り戻すとジュリアをドロップキックで吹き飛ばし、OTR。ジュリアが失格となった。

 トトロが稲子にブレーンバスターを狙うが、稲子は身体を反転させて押しつぶす。さらに稲子は逆にブレーンバスターを狙うが、こらえたトトロが旋回式ボディスラムからフォール。カウントは2。続けてトトロは稲子に逆エビ固め。しっかりと腰を落とすと稲子は悲鳴を上げる。トトロはリングの中央に引戻し、さらに腰を落とすと稲子はタップアウト。稲子が失格。

 リング上はトトロといぶき。いぶきは「華蓮出てこい!」と挑発。華蓮が応える形で出てくると、稲子はコーナーに振って串刺しのラリアットからボディプレスを連発。しかし2。華蓮も立ち上がってコンビネーションキックから顔面にトラースキック。これもカウントは2。華蓮は飛びついて回転エビ固めも2。さらに追撃を狙うが、キャッチしたいぶきがフェイスバスターから丸め込むが2。いぶきはライトニングスパイラルを狙うが、ロックを外した華蓮が飛びついて鮮やかに丸め込み、カウント3。いぶきが失格。

 リング上は華と華蓮。ここにトトロが加わり2対1の様相を呈する。しかし華はハイキックで二人の側頭部を的確に捉えて蹴散らし、決めポーズ。
 華蓮と華。華蓮はPK、サッカーボールキックを連続で叩き込み、腹部にニーリフト。さらにロープに走るが、華は払腰でカウンター。さらに華はトラースキックを連発して走り込むが、華蓮がロープを下げで足をかけ、OTRを狙う。しかし追撃を狙う華蓮も同じ手に引っかかり二人共ピンチへ。
 ここにトトロが救出に駆けつけるが、華がハイキックで迎撃。リング上ではDATE姉妹の激しい蹴り合いへ。ここで華蓮の足を取った華がヨーガ・サイクロン・フラミンゴ。これに華蓮がタップし、華蓮が失格。

 最後に残ったのはトトロと華。華は的確にミドル、ハイキックを入れていき、トトロは崩れ落ちる。しかしトトロも踏ん張って逆水平で突っ張っていく。華の胸から大きな鈍い音が響く。華も「負けねぇぞ!」と叫びローキックを連打。これに応えてトトロも逆水平と袈裟斬りを連打。しかし華はソバットでカウンター。さらにヨーロピアンクラッチ。カウント2。ここれ華がコーナートップからダイビングクロスボディ。これもカウントは2。
 さらに華は回転エビ固めを狙うが、こらえたトトロがヒップドロップを連発からフォール。カウントは2。
 トトロはコーナートップに上がり、フォーリング・トトロを投下。さらにもう一発、より高度を上げたフォーリング・トトロを投下すると、華も肩を上げることが出来ず、カウント3。
 2017年デビューの同期対決はトトロさつきが制した。

第3試合


 らぶりーぶっちゃーずと組むうのは、二人のスタイルに合わせてサングラスを装着しセクシーに踊りながら入場。
 雪妃、真琴、沙弥が入場するとらぶっちゃがセクシーに握手を求め、うのが奇声を発して奇襲して試合が開始される。
 うののクロスボディが三人に受け止められると、らぶっちゃが追撃して協力し倒すことに成功すると、うのは決めポーズとともに観客と「フゥ~ッ!」とコール。
 リング上は沙弥とうの。沙弥がスラムから叩きつけ、真琴に代わると、真琴はハーフダウンのうのにフロントキックを連発。フォールも2。
 雪妃にタッチ。雪妃は逃げ帰ろうとするうのを捕縛するとヘッドロックから顔面をロープにこすりつける反則攻撃。観客からはブーイング。観客の声に、そのままうのをロープにくくりつけると、うのの鼻を引っ張り上げてシャッターチャンスを作り屈辱を与える。リングに戻ったうのはショルダータックルで吹き飛ばして復帰。
 らぶっちゃが二人で爆発。「お・し・り・だー!」で沙弥と雪妃を蹴散らすと、リング上はもちと雪妃。もちは何度もロープワークをして力を溜めてからヒップドロップ。続けてバックドロップを狙うが、これを外した雪妃がミドルキックを連発、続けてPKで形勢を互角に戻すが、もちのボディスプラッシュ。続けてブレーンバスターを狙うが、雪妃はショルダースルーで切り返し、真琴にタッチ。
 真琴は側転式ニードロップからフロントハイを狙うが、足をキャッチしたもちがドラゴンスクリュー。さらにDDTで突き刺し、ハム子にタッチ。
 ハム子と真琴のマッチアップ。ハム子は真琴にセクシーアピールをするが、返礼でセクシーアピールをした真琴の方に大きな歓声が上がると逆上して掴みかかる。連続フォールからハムロールも雪妃がカット。
うのと沙弥のマッチアップへ。二人は雄叫びを上げながら正面からエルボーを撃ち合う。飛びついた沙弥が回転エビ固めからフォールも2。さらにコーナートップから旋回式クロスボディもカウントは2。追撃を狙った沙弥にうのがバックを取って連続でスクールボーイ6連発。沙弥はこれをなんとか返していく。
 ここでらぶっちゃが上がってきて 沙弥にもちハムバーガーからうのがスピアーで追撃。さらにうのが叩きつけてフォールに入るが沙弥がキャッチしてグラン・マエストロ・デ・テキーラ。
 しかしこれはカットされ、リング上は乱闘へ。沙弥がラ・マヒストラルを連発もうのが全て返していき、さらに丸め込みを狙う沙弥の体勢を上手く入れ替えて逆に牛とじで丸め込み、カウント3。うのが執念の勝利をもぎ取った。

第4試合


 あかねは握手を求めるが、亜里沙は応じることなく、結局握手は無しでゴング。
 ゴングと同時に二人はショルダーでぶつかり合う。さらにあかねはショルダースルーからのエルボードロップと速攻を仕掛ける。
 あかねは亜里沙をコーナーに振り、そのまま場外に落とそうとするが、亜里沙がドラゴンリングインでかわすと、スリングブレイドからあかねの顔面に低空ドロップキック。
 形勢は互角となり、腕関節の取り合いやアームホイップなど、じりじりとした展開に。
 これを制した亜里沙が連続ストンピング、顔面蹴りで痛めつける。雄叫びを上げて立ち上がるあかねだったが、そのあかねの顔面にビッグブートを連発。さらにコーナーに上がり、ミサイルキックを投下。カウントは2。
 走り込む亜里沙だったが、あかねがカウンターでパワースラムを決めると、そのままチンロック。しかし体勢を入れ替えて抜けた亜里沙があかねの足首を捉え、アンクル・ロック。亜里沙はあかねの顔面をガシガシ踏みつけていくが、あかねはどうにかロープへ。しかし亜里沙は攻めを緩めることなくあかねの顔面に串刺しブートを叩き込む。
 亜里沙はコーナーに上がり、あかねの髪を掴んだ状態からロープを使ったギロチンDDT。場外に落ちたあかねに、亜里沙はコーナートップから場外に向け場外飛び。そのまま場外乱闘にもつれ込む。
 あかねは観客席の椅子をリングに持ち込み、亜里沙を何度も殴打。会場の備え付けの椅子を使用していることで破損に怯えたセコンド陣は全員がヒヤヒヤしながら悲鳴を上げる。
 このイス攻撃にブチ切れた亜里沙は顔面蹴りを連発。あかねの顔面が歪むほどの威力で打ち込んでいく。さらに亜里沙はジャーマンで叩きつけ、続けてドラゴン・スープレックスを狙う。しかしこれを外したあかねがフライングショルダーで迎撃すると、みちのくドライバーからスコーピオンデスロック。これを逃れられると雄叫びを上げながらエルボーを連発。続けてロープに走り込むが、亜里沙のエルボーがカウンターで入る。しかし踏ん張ったあかねはみかんでポン。しかしカウントは2。
 満身創痍の二人は正面からエルボーを打ち合うが、亜里沙のランニングブートがあかねの顔面に入るとあかねは怯んでしまう。その隙を突いて亜里沙がジャーマンで叩きつけ、コーナートップからムーンサルト・プレス。降ってくる亜里沙の膝があかねの顔面にめりこむ強烈な一撃となり、流石のあかねもこれは返すことが出来ず、カウント3。

第5試合


 藤本が「都の同期で都をボコボコに出来る選手は居ないか」と探してきた鈴木秀樹との一騎打ちとなるこの試合。
 都に鈴木秀樹についての印象を聞く煽りVTRが流され、「同期ってだけでつっかから組まれて、なんか、みんな『すごいじゃないですか!』とか言うんですけど、名前もホントに全然知らないです」と語る。
 鈴木秀樹が大日本プロレスのストロングヘビー級チャンピオンであったことを聞かされても、「あっ、そうだったんですね~」と軽く流し、「でも大日本さんはちゃんとSNSでチェックしてるんですけど、ちょっと今回の人はイマイチ分かんない。でも同期なんですね~」と語る傍若無人ぶりを見せつける。
 改めて、鈴木秀樹へのメッセージを求められると、「こんにちは~!アイスリボンの松本都です!三ヶ月先輩です。今回あなたがアイスリボンに出るってなって、それはただ2008年にデビューしたってだけで全然私は今のところピンと来てません!プロレス大賞技能賞とかも獲ってたらしいですけど、なんで獲ったのかとか全然わかんないし、あなたがアイスリボンのリングで輝けるようなすごい人だとは全く思えないので、まあ思い出作りじゃないですけど、私が引っ張ってあげますよ。がんばってください!」とコメント。
 このコメントをビデオメッセージとして見せられた鈴木秀樹は、真顔で映像を見つめたのち、鈴木は「私は松本都の秘密のノートを見つけたんです。その恐ろしいノートを公開します」という意味深な言葉を残し、煽りVは終了。

 先に入場したのは都。元気があればなんでもできそうな赤いタオルを首にかけたり掲げ上げたりしながら入場。対する鈴木は、リング外からスーツケースを投げ入れるという荒々しい入場。
 
 都は艶やかに握手を求めるが、真顔の鈴木はこれを無視。
 開始直後に都が突っ込んでいくが、鈴木はその場で足を取り、そのまま押さえ込んでカウント3。6秒での決着となってしまった。

 マイクを取った鈴木は、「アイスリボンに初めて上がって、1秒じゃなかったけど3秒で終わらせることが正解だと思いました。ありがとうございました」と淡々と述べると控室に引き上げようとする。
 しかし、都が「オイ!お前プロレスナメんじゃねぇぞ?!お前もあたしと同じプロでしょ?!プロならもう一回やれ!!」と逆ギレ。二本目が行われることに。
 
 再びゴングが鳴ると全く同じ展開で鈴木が都を押さえ込み、カウント3。5秒でのスピード決着となった。

都「オイこの野郎コラ!お前絶対分かってねーじゃねーか!こんなんでいいと思ってんの?お前今日、ノーギャラにするぞ?!いいでしょ?!もう一回やって!!」

 都の熱い要望に応え、三度ゴング。またまた全く同じ展開で鈴木が都を押さえ込むが、今度の都が肩を上げると場内は大歓声。
 都は仰向けにごろりと寝転ぶと、猪木アリ状態を作り出し鈴木を挑発。起き上がろうとしない都にレフリーからダウンを宣告されるとぷりぷり怒りながら立ち上がる。
 都は鈴木にチョップやローキックを放っていくが、鈴木は微動だにしない。都は「効いてんだろ?!」と逆ギレし、赤いタオルを首にかけて卍固め。
 しかし卍固めをする都の足を鈴木が極めると、悲鳴を上げて都は技を解除。呆れて控室へ帰ろうとする鈴木に「ノーギャラにすんぞ?!」と懇願しながらすがりついて引き戻し、クロスチョップ。やはり鈴木は微動だにしない。「効いてんでしょ?!プロでしょ?!プロなら倒れろ!!」と怒ってもう一度フライングクロスチョップを放つが、これは鈴木ががゆっくり歩いて回避し、都は自爆。その後、鈴木が気だるげに歩きながら都の顔面を踏みつけ、お尻ペンペンでお仕置き。
 鈴木はロープに都をくくりつけ、チョップを連打。しかし都がロープを引き下げて追撃を狙って走り込む鈴木を場外に落とすと、TOMMYレフリーの手を借りながらコーナートップに立ち、場外へフットスタンプ。
 リングに戻ると都はシャイニング・みやこザードからスリーパーを決めたまま鈴木におぶさるが、鈴木はスリーパーを極められたまま気だるげに都を担ぎ上げると、やさしいエアプレーンスピン。都を放り捨てると、続けてジャイアントスイングで10回転。目を回した鈴木もダウンするが、なんとかフォールへ。これはカウント2。
 鈴木は都にロメロ・スペシャル。技をかけながら鈴木は都に「お前何歳?」と問いかけると、息も絶え絶えの都は「20歳……!」と絞り出すが、鈴木は「嘘つけ!」と一蹴。今度はTOMMYレフリーに「(都が何歳だか)聞け!!」と要求し、TOMMYが「お前何歳だ?」と問いかけると、都は「23歳……!」と絞り出す。場内は都に大ブーイング。結局年齢について答えないまま、ロメロ・スペシャルで都がギブアップ。

 完全勝利した鈴木は試合後に再びマイクを取る。

鈴木「センパイ、控室ではありがとうございました。控え室戻ります」

 そう言って退場していく鈴木の背中に、都は同期かつ先輩としてのメッセージを叫んだ。

都「鈴木くん!強かったよ!さすが、あたしの同期だね!まあ、あたしの方がセンパイだけど。今日のことをいい勉強にして、来年も同期として頑張っていこうね!」

 結局、煽りVTRで触れられていた松本都の秘密のノートとは何だったのか明らかにされないまま試合は終了した。

<試合後コメント>

松本都
「はーい!生きてまーす!生きてますよ~!……いったぁ~い。生きてまーす!鈴木くん、さすがは私の同期ですね。まあ三ヶ月先輩ですけど。初めてのアイスリボン、彼にとってトラウマではなくいい思い出になったのではないでしょうか!それもこれも、私の実力です!来年も同期の鈴木くん、つっか、ハム子、浜さん、岡林さん、一杯いますけど、みんなで切磋琢磨してプロレス界を盛り上げていきたいと思います!ありがとうございました~!元気です!!元気です!!ありがとうございます!!」

――実際戦ってみていかがでしたか
「いやー、やっぱデカイ人は……デカイデカイって聞いてたんで。でかい人とはやり慣れてるし、浜さんともやったしなってナメてたんですけど、やっぱなんていうんだろう。試合は冗談見たくやってないですけど、そういうのが通じそうで通じない……掴みどころのないすごく難しい人だなって思いました。ああいう人も需要あると思うんですけど、彼の普段出していない面を引き出せたということで私は誇りに思います」

――鈴木選手の技能は感じましたか?
「えっ?!どうなんでしょうねー?むしろ今日は私のほうが技能的に頑張っていたので、私のほうが技能がありました。技能賞は私です。技能賞を獲ったのも、なんかBASARAで優勝したのも私との試合が決まった後なので、渡しあげまんなので、そういったことだと思います」

――都選手との試合を楽しみに鈴木選手が頑張っていたということですね
「まあ踏み台にされてましたね。でも、今日の試合で私は踏み台にし返しましたから、これでお相子って感じかな!」

――鈴木選手は『秘密のノートを持っている』と言っていましたが、あれはどういう意味だったのでしょう
「全然意味わかんない!(笑)スーツケースもホントに聞いてないし、分かんない!電波系の方だったんですかね?怖いですね……こわ~い!」

第6試合


 妹加が過去に所属していたアクトレスガールズのエース格二人とGEKOKU娘がぶつかるこの試合。妹加のパートナーである弓李も闘志を燃やしている。
 アクトレスガールズ側は握手を求めるが、弓李はその手をはたき、握手には応じない。そのまま弓李が先発を買って出る。アクトレスガールズ側の先発は安納。
 ゴングが鳴ると二人はロックアップで組み合い、ロープに押し込み合う。じりじりとした空気の中、本間が乱入して弓李の合体攻撃。安納のカニ挟みから本間が低空ドロップキック。さらに安納の変形鎌固めと本間の首4の字のあわせ技へ。
 これを妹加がカットし、妹加と弓李は安納の腕をそれぞれ極めながら決めポーズ。
 なんとかタッチし、本間が飛び出してくる。本間と妹加のマッチアップとなり、本間がバックエルボーで怯ませてDDT。妹加はエルボーで突っ張っていき、串刺しのラリアットからエルボードロップ、セントーンと畳み掛ける。
 さらに妹加はアルゼンチンで担ぎ上げるが、着地した本間が飛びついて腕十字。これを弓李がカットすると、本間は「お前が来いよ!」と弓李を挑発。
 それに答える形で弓李が出てくるが、本間は弓李を飛びつき腕十字で捉え、さらに三角絞めに発展させる。しかしこれはロープブレイク。
 安納のアシストから本間がジャックナイフエビ固め。しかし本間が起こしたところで弓李がビクトル投げから膝十字。これは本間がロープへ。弓李はブレーンバスターを狙うが、体勢を入れ替えた本間がDDTで叩きつけ、安納にタッチ。
 安納は弓李にかかと落としからフィッシャーマンを狙うが、これは答えた弓李がエルボー。安納も付き合って正面からエルボーを打ち込んでいく。ランニングエルボーを狙った弓李だったが、安納がカウンターの延髄斬り。さらにミサイルキックを投下して吹き飛ばす。
 ここで妹加が出てきて安納を連続ショルダータックルでなぎ倒す。さらにアルゼンチンで挙げようとするが、堪えられるとメイヤーから背中へ強烈なエルボースマッシュ。フォールも2。起こした妹加を安納が電光石火のフィッシャーマンスープレックス。ジャーマンを狙うが、堪えられると延髄斬りに切り替えて攻めの手を緩めない。
 走り込む安納だったが、飛び込んできた弓李がデュランダルでアシストすると妹加は安納をアルゼンチンで担ぎ上げる。ギブアップしないと見るやアルゼンチンコースターで叩きつけ、コーナートップからダイビングセントーン。フォールも安納はギリギリで返していく。
 走り込む妹加だったが、バックを取った安納がジャーマン。ここで本間もドロップキックでアシストし、安納が逆さ押さえ込み。これは弓李がカット。
 安納は妹加にフィッシャーマンスープレックス二連発もカウントは2。安納はロープに走るが、妹加のカウンターラリアットが炸裂。続けて妹加は俵返し。弓李が安納にバッククラッカー、ほぼ同時のタイミングで妹加がダイビングセントーンの合体技。さらに妹加はダメ押しのラリアット。フォールも2。妹加は安納をコーナートップに上げ、リング中央でマイカバスターホールドで叩きつけると、安納もこれを返すことが出来ず、カウント3。妹加が古巣のアクトレスガールズのエース格から3カウントを奪った。

 試合後、GEKOKU娘の二人は喜びを爆発させながら抱擁。これに突っかかろうとする本間を弓李は鋭い眼光で睨みつける。本間と弓李のバチバチとした睨み合いが展開されるが、安納が本間をなだめ、両組退場。今後に遺恨を残すことになりそうな展開での幕引きとなった。

<試合後コメント>

安納サオリ&本間多恵
――悔しい形で試合が終わりましたが、今のご感想は
本間「負けると思ってなかったので……最後も助けに行けなかったことがすごく悔しい。2017年最後の試合って言うことで、勝って2018年を迎えようねってサオリと約束してたので、それが出来なかったし、それを信じてくださった皆様にもメンバーにも、情けないというか悔しい気持ちですね」
安納「なんか……実感が、無くて。3を聞いたのが久しぶりっていうのもありますし、それを妹加に獲られたっていうのが実感ないですね。ついさっきのことなのに。なんで負けたんだってのもありますし、今日チームワークも及ばかなかったって感じました。全然ついていけなかった。そこでは負けてましたね、私たちは。だから思ったのは、尾崎妹加とシングルがしたいですね。タッグでもなく、1対1の勝負で、アイツのパワーと私のパワーをぶつけ合いたいなって思いました」

――それはPOPタイトルを賭ける試合ですか?
安納「それは何も考えてないです。とにかく今は、二人だけでやりたいなって思ってしまいました」

――約1年半ぶりの尾崎妹加選手との対戦になりましたが、成長の差は感じましたか?
本間「実際私は、尾崎がアクトのメンバーだったときに当たったことがなくて、サオリとかその当時いた人たちの中で私は名前が出ることすら無かったし、自分の中でも悔しいんですけど、当時は別格というか別世界だなって思ってしまっていた部分があるので。でも、自分は一回怪我をして一年間リングに上がれなかったけど、今年の三月に復帰して、今年の10月に初めてアイスリボンさんに出たときにもセコンドに尾崎はいて、自分の試合を見ていてもらっていたので、今回はじめてだけど、自分は彼女の成長というよりは『あの時の本間とは違うんだぞ』っていう気持ちで行こうと思ってこのリングに立ったので、もっとやりたいっていう正直な気持ちと、個人的に弓李さんとのバチバチがまだ納得してないし、自分の中でもそこが許せてない部分があるので、尾崎だけじゃなくて違う部分でも自分はまだやりたいって思ってます」
安納「いかに妹加が成長したか……それは全然違いましたね。自信がついたんだなっていうのは感じました。一年前はまだ始めたばっかだったんですけど、運動神経とかにも自信がない選手だったのに、真正面からぶつかってくるようになったなって。それを技一つ一つから感じたので。……悔しいですね。自分はまだまだだなっていうのを改めて思いましたし、アクトレスガールズはもっと成長していかなくちゃなって思いました」

弓李&尾崎妹加
――見事勝利を収めました
弓李「自分が倒すって言ってたのに妹加ちゃんが決めてしまったことに悔いを感じるのですが、勝てたことには代わりはないので、これで近づかないかな?と思ってます!」
妹加「無事勝てたので、私と弓李さんはスッキリしたので、これで心置きなく今まで通りGEKOKU娘していきたいと思います!綺麗に終わりましたね。不安は解消できましたか?」
弓李「はい!(笑)ありがとうございました!」

――勝因は何だと思いますか?
妹加「やっぱ、絆?こっちは正規タッグなので、連携とかのチームワークが勝因?(笑)……チームワークの良さで勝ちました!」

――安納さんが先程、『尾崎さんとシングルをやりたい』とコメントを出されていましたが、それについては
妹加「……だそうです」
弓李「許しませんよ」
妹加「もう今日で終わったんで、なんかそんなねぇ?そう思ってくれるのは自由ですけど、どうなんですかね?」
弓李「許しませんよ」
妹加「だそうです。私は別にやりたがってるんだったら、って感じですけど、弓李さんがイヤって言うならやりません」
弓李「ありがとうございます(笑)」

――弓李選手としては、やはり嫌な気持ちになりますか?
弓李「イヤですねー。もう二度と関わってほしくはないし、自分も関わることはないかなと思ってます。よりGEKOKU娘を目指して二人でやっていきたいと思います」

第7試合


 ヤングアイストーナメントの決勝戦となるこの試合、直とまる子の一騎打ち。
 先に入場したのは直。その険しい表情からこの一戦に賭ける覚悟が伺える。続けて入場したまる子は直に歩み寄り、その表情を一瞥。
 睨み合いながら互いに握手は無しでゴング。
 直はMMAスタイルの構えで距離を保ち、速攻を狙いたいまる子を寄せ付けない。まる子はエルボーを放っていくが、直がこれをスウェーでかわす。しかしこれを読んでいたまる子は直の足を刈って倒し、足関節を攻める。これを抜け出されるとセカンドロープからクイックのミサイルキックを放ち追撃。
 しかしこれを耐えきった直はまる子にスラムから強烈なサッカーボールキックを連発。続けて背後から首4の字、外そうと伸ばされたまる子の手を取ってそこから腕十字へ発展させる。しかしこれは暴れまくるまる子がロープへ。
 ロープに捕まるまる子に直はストンピングを連発して追撃。しかしまる子もドロップキックで意地を見せ、ブレーンバスターを狙うが、耐えきった直がスラムでお返し。フォールも2。
 自力で起き上がったまる子はエルボーで食い下がるが、その腕を取った直がアームロックDDT。フォールもカウントは2。直は再びブレーンバスターを狙うが、まる子がスモールパッケージ。直も体勢を入れ替え丸め込み返し。丸め込み合戦から隙を突いたまる子が腰投げから押さえ込むもカウントは2。
 二人は膝立ちでエルボーを打ち合う。スタミナの消耗が激しいまる子が劣勢となるが、走り込んだ直にカウンターのドロップキックを撃ち込むことでイーブンに。続けてまる子はコーナーに上るが、復活した直が変形のデッドリードライブ。カウントは2。直はそのままグラウンドでのスリーパーでギブアップを迫る。まる子はどうにかロープへ。
 続けて直はヨーガ・タワー・フォールからフォールも2。まる子を起こした直はまる子の顔面に膝蹴りを連発。しかしまる子は直に組み付いて回転エビ固め、起き攻めで裏投げで追撃。しかし即座に起き上がった直がバックフリップからヨーガ・タワー・フォール。この連撃にまる子は肩を上げることが出来ず、カウント3。
 直DATEヤングアイストーナメントを制し、直には優勝トロフィーが贈られた。

<試合後コメント>

直DATE
――試合を終えられた今のお気持ちを
「素直にすごく嬉しいって言うことと、前々回の後楽園のリベンジ、自分が出来たんじゃないかなっていう思いが強いです。(まる子は)華蓮に勝ったということもあって、すごく速いし、強さを今日戦って感じました」

――勝因はどこにあったと思いますか
「勝ちにこだわっていたので。自分はベルトの挑戦権を獲得するためだけに優勝を目指していたのではなく、しっかり一戦一戦勝とうという気持ちと、前々回負けてしまったということもあって、それと、華と華蓮の想いを背負ってのリベンジが一番勝ちに繋がったんじゃないかなと思います」

――その挑戦権を行使するタイミングは決まっている?
「決まっています。メインのICEx∞、どちらが勝つかはわかりませんが、それに挑戦させていただきます!シングルで行きます!」

――シングルのベルトに挑戦することは最初から決めていた?
「最初から決めていたわけではないんですけど、戦っていく内に、シングルを戦っていく内に思うところがあって、挑戦することに決めました」

――来年は二年目になりますが、どのようなビジョンがありますか
「自分はまだ一年目で思うような試合が出来ていないんですが、もっと見せられるように、もっとお客さんに楽しんでいただけるような試合を心がけていきたいと思います。今日は少しでも破壊王・橋本さんに近づけたんじゃないかなという気持ちです!」

長崎まる子
――悔しい結果に終わってしまいましたが、試合を終えていかがですか
「正直に、負けたことが非常に悔しくて、負けた相手もDATEっていうのがより一層、気持ちを悔しくさせてますね」

――あと一歩届かなかった原因はなにか思い当たりますか?
「直って選手をちゃんと理解してなかった。自分が思い描いていた試合運びを全部途中途中でブレーキをかけられていて全然自分の思う通りにいかなくて相手に飲み込まれてしまったのが負けに繋がったのかなと。後輩に負けて、今年も年末負けて、すごく悔しい思いをしてるんで、来年はその悔しい気持ちをエネルギーに変えて、上に上に食い込めるように勢いを付けていきたいと思います」

第8試合


 世羅の8度目の防衛戦となるこの試合。挑むのは、去年の大晦日大会で世羅に破れているくるみ。メインイベントでのICEx∞選手権試合という最高の舞台でくるみが世羅への雪辱を晴らすリベンジマッチとなる。

 先に入場したのは挑戦者のくるみ。静かな闘志を燃やす表情のくるみに対し、世羅はV7王者としての余裕と風格を漂わせる対照的な構図。
 試合前、二人はしっかりと握手をしてからゴングが打ち鳴らされた。
 二人はゆっくりとリングを回ってからロックアップ、ヘッドロック、ショルダータックルと互いの感触を確かめ合う。くるみが倒れないとみるやドロップキックに切り替える世羅だったが、くるみはこれを余裕を持ってかわし、クリーンブレイク。
 勢いに乗りたいくるみは世羅に再びショルダータックル。追撃を狙ってロープに走るが、セラに場外に出されてしまう。そのまま世羅も追っていって場外乱闘へ。くるみは世羅を客席にハンマースルー。さらに南側観客席まで持っていき、観客席の床に世羅をボディスラム。さらに階段から世羅を蹴落とし、階段落ちさながらの様相を呈する。世羅も王者としての意地を見せ、くるみのハンマースルーを返して鉄柱に叩きつけると、場外に倒れるくるみにフットスタンプ。形勢逆転した形でリングに戻った世羅は、くるみに逆エビ固め。そこからくるみの腕を取り、カンパーナに発展させる。
 世羅はくるみをコーナーに振り、串刺しのダブルニー。崩れ落ちるくるみにダイビングダブルニードロップ。カウントは2。さらにセラリズムバスターを放つが、気合で起き上がったくるみがラリアット。
 互いに髪の毛をつかみ合いながらのエルボー合戦が始まり、体格で勝るくるみが有利に進めるが、ドロップキックで吹き飛ばした世羅がさらに追撃にハリケーンドライバー。カウントは2。
 これにブチ切れたくるみが世羅の顔面をこれでもかと連続で踏みつけていく。世羅をエプロンに蹴り出したくるみはエプロンサイドで人でなしドライバー。さらにコーナートップからミサイルキック、さらにナッツドライバー。カウントは2。勢いに乗るくるみはコーナートップから小型冷蔵庫爆弾。しかし世羅も必死で肩を上げていく。
 くるみはフィニッシュを狙うも、世羅もエアーズロックで返し、さらにコーナートップからダイビングダブルニー。これでくるみに肩をあげられると、追撃のダイビングダブルニードロップ。フォールに入らず三発目のダイビングダブルニードロップを放つが、これはくるみがギリギリで回避。世羅は自爆し膝を押さえて転げ回る。
 起き上がった二人は激しい丸め込み合戦も決着は付かず。世羅はロープに走るが、それをキャッチしたくるみが人でなしドライバー。フォールに入らず続けてジャーマン。さらにコーナートップから高度の高いナッツクラッカーを投下すると、世羅も力尽き、カウント3。
 くるみが去年の雪辱を晴らし、第25代の新王者に輝いた。

エンディング


くるみ「勝ったぞーーッッ!!一年ぶりの世羅りさとのシングル、この期間、ずっとモヤモヤしてました。でも、今日試合をしてやっとモヤモヤが晴れて、スッキリしました!去年と同じシングルマッチだったけど、去年よりもお互い成長してて楽しかったですよね?ねぇ?(世羅に問いかけマイクを渡す)」
世羅「あ~~……悔しいよ。去年勝ったんだけど、今年はチャンピオンとして、負けた。悔しい以外の何物でもないけど、一年間自分がやってきたことは消えるわけではないので。全力でぶつかって破壊されたからこそ手放す価値もあるのかなと。ありがとうございました!」

 膝をついたままの世羅に、くるみも膝をついて目線を合わせ、新旧王者は固く握手をかわした。その後世羅が退場し、くるみは再びマイクを取る。

くるみ「一つだけ言わせて下さい!アイスリボンの10代は自分が引っ張っていきます!そして、2018年は柊くるみの年にしたいと思います!」

 新王者としての決意を表明したくるみだったが、そこへ直DATEがリングに上がってくる。

直「……時は来たーッ!!」

 直がそう声を張り上げると、場内は「ハッシモト!」のコールで溢れる。

直「くるみセンパイ、その、ほっかほかの、獲り立てもぎたてのICE×∞ベルト!私に挑戦させてください!」
くるみ「あのね、直とまだ試合したこと無いんですよ。ずっとシングルやりたいと思ってました。この勢いのまま防衛戦したいので、1月6日の横浜ラジアントホール大会で、ICE×∞選手権お願いします!」
 
 新王者のくるみが快諾したことで早速次期王座戦が決定。その後、音楽に乗って本日出場した選手全員が会場に登場し、握手をして回っていく。そして、曲が終わりリングに全員集合した後に都がマイクを取る。

都「鈴木くん!なんか忘れてることあるんじゃない?」

 と問いかけると、鈴木は都がよく披露するバレエ風の足上げポーズを取る。会場は割れんばかりの大歓声。

都「鈴木くん、ありがとう。いい仕事しました」

 続けて、藤本により観衆人数が発表。1235名と発表され、場内は大盛り上がり。

藤本「今日ここにいる皆さんは、アイスリボンの歴史上、一番お客さんが入った後楽園ホール大会になるますので、その歴史的な日の一員となります。嬉しさを共有してくださってありがとうございます!ただ、次は3月の後楽園、そして来年は私達の10周年記念興行が横浜文体であります。それに向けて私は、もっともっとアイスリボンを広めていきたいと思いますので、私達アイスリボンについてこーーーい!!」

 大アイスリボンコールの中、藤本は新王者のくるみにマイクを渡し、興行の締めを託す。
 くるみはリングの外に居た鈴木も呼び込むと、鈴木も皆と手をつないで全員で輪になり、くるみの「プロレスでハッピー!アイスリボン!」の掛け声に合わせて興行は大団円の内に終わった。

<試合後コメント>

柊くるみ
「勝つことが出来ました!ふぅ~!途中、正直『これはもう終わるんじゃねぇか』って思ったんですけど、でも、まだまだ自分は限界を超えてないと思って頑張って返して、ジャーマン食らったんですけど、メッチャくらくらして……ホントに最後の最後、ナッツクラッカーしか技が残ってない中でフォールがとれたので、もうメチャクチャ嬉しかったですね」

――世羅選手は一年前とは違っていましたか?
「はい!もう全然違ってますね!なんか、一発一発のエルボーとかもめちゃくちゃ痛いし、一年前よりは全然代わってましたね」

――『自分も一年前とは違うぞ』というところは見せられましたか?
「はい!見せられました!2017年の柊くるみの集大成を今日見せられたんじゃないかなと思います。色々あって、タッグも返上ではなくて剥奪という形になったり、自分が腰を怪我して欠場になったり、色々重なったのがいっぱいあったんですけど、今日この試合で全部出し切って何も残らずスッキリ出来たなって思います」

――『アイスリボンの10代は自分が引っ張っていく』という言葉がありましたが、来年への意気込みは
「自分は17歳で、来年18!あと2年あるので、今どんどん10代の娘も増えてきて、自分より年下の子もいるという形になったので、もうあと2年しか無いんですけど、2年の間にみんなを引っ張っていけたらと思います!」

――前回ICEx∞を戴冠したときと、今回は何が違うと感じますか?
「なんだろう……なんだろうなぁ。とりあえず、一年間以上ベルトを持ち続けたいっていうのがあります。文体もあるので、文体までまずは持ち続けることを目標に、今まで無い以上に長期間!一年以上!二年も三年も持っていたいですね」

――今日、後楽園ホール大会過去最大の観客数を記録しましたが、この勢いを伸ばしていきたいという気持ちは強いですか?
「強いです!ホント入場してきたときに、もうオレンジの席が全然見えなくて『あっ!これはヤバい!』って思ってたんですけど、むしろそれが力になって、この勢いで文体も超満員で行けたらなと思っています」

――早速、直DATE選手との防衛戦が決定しましたが
「初めてのシングルで、タッグでも試合をしたことが一回もないので。組んだことしか無くて。ずっと体格もTeam DATEの中で大きくて当たってみたいという気持ちがあったので、(挑戦表明に)来てくれたことはとても嬉しいです。負ける気は一切しないです。なので、1月6日に勝って、そこからどんどん柊くるみを、アイスリボンだけじゃなくて他団体とかにももっともっと広めていきたいと思います!」


世羅りさ
「なんか、終わったなぁ……って感じです、私の2017年。勝って締めたかったんですけど、なんか、悔しいけど、意外と清々しく負けたなぁっていう。くるみさんは、自分がデビューしたときは自分より全然小さくて、こんなんで(背丈を表しながら)、『あぁ~!くるみさんかわいい~!』みたいな感じで(笑)デビューしたばかりの頃はシングルマッチで何回も対戦して頂いてて、その時から『この人は私のライバルなんだろうなぁ』って思いながら……おこがましいんですけど、そう思って戦ってて、それでチャンピオンになった今、『こんなガツガツやりあえる相手がいたんだ!』っていう嬉しさと、『やっぱあの人だよな』っていう感慨深さとか。……負けたけど、楽しかったです。これからはチャンピオンとしてアイスリボンを引っ張っていくんじゃなくて、まあまだタッグではチャンピオンですけど、もっと好き勝手やらせてもらおうかなって思ってます。チャンピオンじゃないからって無責任になるわけじゃないんですけど、なんか、今までチャンピオンという枠に縛られながらやっていたことを、もっと世羅りさらしく歩んでいってもいいのかなって今日思えたので、タガを外して色んな面で楽しみたいと思うので、2018年は自由に行きます!ありがとうございました!」

――今までも自由だった気がします(笑)
「そうですか?(笑)まあ、チャンピオンの権限を使ってできていたことが、もうなくなってしまったのでできなくなってしまったんですけど、『好き勝手してもいいでしょう?』って言い聞かせながらやりたいですね(笑)」

――今日の大会では、後楽園ホール大会の最大動員数を記録しましたが、これは2017年をチャンピオンとして引っ張った世羅選手の成果でもあると思います
「いやぁ、自分だったのかぁ(笑)今日のお客さんを見て、入場した瞬間に『一年間頑張ってよかったなぁ』ってホントに思いました。一年間、つらいときもあったし、好き勝手やらせてもらっての楽しいこともあったし、それでも歩んでこれたのは応援してくださる皆さんのおかげだと思うので、今日のお客さんを見て『アイスリボンってステキだなぁ』って思いました!」

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