8・11 WAVE新木場大会 桜花由美vsダイナマイト関西 尾崎魔弓vs夏すみれ 杉浦透vs後藤恵介
- 2016-8-12
- 試合
- プロレスリングWAVE
『夏フェスタ'16~桜花由美15th anniversary~SAKURASAKU~』
日程:8月11日(木)
会場:東京・新木場1stRING
開始:12:30
観衆:192人
▼エキシビションマッチ 5分間
杉浦透(FREEDOMS)
1-0
後藤恵介
▼TRY AGAIN for Regina・4 10分1本勝負
○山縣優
6分7秒 クロスフェースロック
●長浜浩江
▼Janne Da Arc WAVE 20分1本勝負
KAZUKI/○薮下めぐみ
12分0秒 乱丸が宮崎に躓いてひっくり返ったところを押さえ込む→エビ固め
宮崎有妃/●救世忍者乱丸
▼桜花由美だらけのバトルロイヤル 12人参加
【退場順】水波アニキ由美(水波綾)→桜花エストレージャ文子(浜田文子)→桜花レジーナ優(山縣優)→フェアリーマジカル・デビル由美(フェアリー日本橋)→桜花チャーシュー浩江(長浜浩江)→桜花Fカップ美咲(大畠美咲)→桜花ラジオDJ萌花(春日萌花)→桜花米俵娘・佐和子(下野佐和子)→朱崇花JK由美(朱崇花)→桜花ホタテ美花(飯田美花)
○桜花壊れたりな(山下りな)
16分47秒 ビッグブーツ→片エビ固め
●桜花120%香萌(小林香萌)
▼HAPPY BIRTHDAY WAVE【24】 20分1本勝負
○尾崎魔弓(OZアカデミー)
13分58秒 裏拳→片エビ固め
●夏すみれ
▼桜花由美15th anniversary WAVE~ダイナマイト・関西メモリアル~ 30分1本勝負
○ダイナマイト関西(OZアカデミー)
15分36秒 グリーンフォール→片エビ固め
●桜花由美
桜花が15周年記念試合で引退直前の関西とシングル!30周年の関西が「あと15年頑張れ」と激!
エキシビジョン
昨日(8・10新木場)の那須戦で善戦した後藤恵介。この日のエキシビションの相手は、FREEDOMSの杉浦透だ。
序盤は静かな立ち上がり。試合をリードする杉浦のフットスリーパーが決まる。これをエスケープした後藤は、自分からガットショットを放っていき、チョップを連発。杉浦も逆水平チョップでやり返しフェースロックへ。逃げられるとショルダータックルからの肩固めで1本を先取する。後藤もファンの声援に応えるようにエルボー、ドロップキック、ボディースラムで反撃。だが、杉浦がボディースラムでやり返し、時間を迎えた。
オープニング
15周年を迎える桜花由美がリングに上がり、「みなさん、こんにちは! 本日は桜花由美15周年記念興行にお越しいただき誠にありがとうございます。さきほど私の入場時にかかっていた曲はアストレスという、アクション女優を目指しながらプロレスをするというユニット? そのときのテーマ曲です。私はアクション女優になるためにプロレス界に入ってきて15年……。プロレス界に居座っております。15年前の私は歌って踊っておまけに弱い、自称アイドルレスラーをやっておりました。15年前の私はわからない方もいるかもしれませんが、桜花由美だらけのバトルロイヤルで私がどんな選手だったか振り返っていただきたいと思います。本日は全5試合、私は関西さんと最後のシングルマッチをやらせていただきます。いつもはOZで一緒の尾崎さんも参戦していますが、1vs1でダイナマイト関西と対戦します。応援よろしくお願いします。本日は楽しんでいってください」と挨拶。記念興行をスタートさせた。
第1試合
オープニングマッチは、夏フェスタ連日参戦中のRegina山縣優と、若手の急成長株・長浜浩江の一戦。チョップのラリーから山縣がバックエルボー。そしてスリーパーへ。長浜も取りかえしていく。長浜は焼豚(チャーシュー)を3度狙うが失敗。なかなかうまく決めることができない。すかさず山縣が逆エビ固めに捕らえていく。そしてリバーススプラッシュ式ダブルニードロップを投下する。
これをかわした長浜がドロップキックで攻勢に。ランニング・エルボー、サクラ落としを放ったが、キックアウトした山縣が一瞬の隙をついたクロスフェースロックでギブアップを奪った。
試合後、山縣は「おいブタ。ブタはいつになったら飛べるんだ。頑張って成功させろ。お客さんの期待を裏切るな。そうでしょ!? ブタの成功を祈ります」と激励のマイク。
第2試合
桜花由美の15周年記念ということで、桜花がデビューしたJd’時代の仲間も参戦。大会に華を添える。入場してきた乱丸はTommyレフェリーにKAZUKIのデビュー当時の写真をプリントしたTシャツをプレゼント。Tommyレフェリーはこれを着てレフェリングすることとなった。
試合は宮崎vs藪下でスタートするも、すぐに乱丸が試合をコントロール。タックルでKAZUKIに突っ込むも、KAZUKIは余裕の表情。ならばと乱丸は「シャキーン、シャキーン、パワー!」とエネルギーを注入。しかし、やる気になったのは宮崎だった。奮闘した宮崎がチャンスを作るも、乱丸はあっさりKAZUKIのニーリフトにやられてしまう。
勢いに乗るKAZUKIはニーリフトで乱丸を場外へと放り出す。リングに戻ると、KAZUKI&藪下でダブルの払い腰! 続けざまにKAZUKIがダブルニードロップを宮崎に決める。そしてダイビング・ニードロップを投下するも……。かわした宮崎が低空ドロップキック。ならばとKAZUKI&藪下でダブルの腕十字。ここで乱丸が「忍法・金縛り!」で宮崎を救出し、かわりにTommyレフェリーにすり替える。
忍法が解除され、悲鳴をあげるTommyレフェリー。その腕が心配されたが、乱丸の「良くなるの術」で劇的に回復。試合が再開され、宮崎がコーナーに控えると、乱丸が藪下をセット。しかし、近すぎたり遠すぎたり……。意を決してダイブした宮崎だったが豪快に自滅する。乱丸の水噴射も空振りに終わり、最後も乱丸が宮崎に躓き、ひっくり返ったところを藪下に押さえ込まれて3カウント。最初から最後まで乱丸ペースの試合だった。
第3試合
WAVE恒例の“○○だらけのバトルロイヤル”。この日は桜花の15周年ということで12名の選手が桜花の歴代コスチュームを着て登場することに。ルールは30秒ごとに桜花のコスチュームを着た選手たちが入場し、桜花の技でフォール、またはギブアップを取らなければならないというもの。また、この試合は特別に桜花由美&二上美紀子社長が解説を務めた。
まずは小林香萌が桜花のデビュー当時に来ていたアイドル使用のコスチュームを着て入場。2番手の下野は、桜花自身が作ったチェックのコスチューム姿で登場した。小林と下野が弱々しいエルボーを打ち合うなか、朱崇花が登場。朱崇花はWAVE旗揚げ前に作ったという衣装を着てロープ越えリングイン!
続く春日は桜花の復帰戦の時に着ていたコスチューム。桜花らしいダミ声を発しながら春日はブラ下がりブラディーEXで絞り上げると、文子→山縣が次々と入場してくる。さらに大畠が現れ、ロープ越えリングインするかと思いきや……ダイビング・サンマドロップを放って華々しく登場する。そして山下は、アメリカ遠征用の和風コスチュームで現れた。
ブラックダリア時代のコスチュームに、ムチを持って入場したのはフェアリー日本橋。ムチを振りまくって“桜花たち”を威嚇する。飯田が赤のコスチュームで入場したあと、アストレス時代の曲「HAPPY☆HAPPY」のフリを完コピして笑いを誘ったのが水波。だが、リングインするなりトレイン攻撃の餌食に。
立ち向かっていった水波だが“桜花たち”のビッグブーツに迎撃され最初に退場した。ここでラスアベがボーンアロー&ダイビング・フットスタンプへ。本物の桜花が「やってないよ!」とマイクで制止するも、強行。だが、フットスタンプで飛んだ文子が掴まり、“桜花たち”に退場させられた。そのあとすぐに山縣も押さえ込まれて3カウント。
続いて長浜がサクラ落としを放ってフェアリーを退場させるも、長浜自身も“桜花たち”に押さえ込まれて退場となった。今度は大畠がミサイル弾を発射させブラディーEXへ。桜花の技を駆使していったが、朱崇花のサクラ☆ドロップ(セカンドロープからの背面バックエルボー)が大畠に決まり3カウント。
今度は春日が朱崇花にクルスフィクス。耐えられるとムチを振りかざすが、朱崇花が奪い取り春日をフォールした。続く下野は、山下にバックフリップ! これは桜花の技でないため、ノーフォール。そこに朱崇花がビックブーツで飛び込み下野を葬った。
桜花の動きを完コピしている朱崇花は、飯田にサクラドロップ☆スーパー(ダイビング・背面エルボードロップ)も放つが、自滅。そこに飯田&小林&山下がビッグブーツで突っ込み朱崇花が退場させられた。
リング上は飯田vs小林vs山下の3人に絞られる。飯田はキルスイッチを山下に放つが、そこに小林がカサドーラで飛び込み飯田をクルリ。小林vs山下となると、小林はビッグブーツを放つが、なかなか山下の顔を捕らえることができない。仕方なくチョップに切り替えるも、山下がバックドロップで応戦していき、カウンターのビッグブーツで勝利を収めた。
試合後、優勝した山下に、桜花から「みなさんのムチの使い方が雑だったので、ムチからのビッグブーツ」がプレゼントされた。
フェアリンピック
今回の種目は尻相撲選手権。フェアリー日本橋実行委員長のもと、水波綾、下野佐和子、宮崎有妃、浜田文子というヒップ1mオーバーの選手たちがエントリーした。1回戦は水波vs下野、浜田vs宮崎という組み合わせ。それぞれ水波、宮崎が勝ち上がり、決勝戦では宮崎が水波を押し出し、優勝した。
第4試合
8月6日に24歳になった夏すみれ。記念試合の相手として希望したのは、尾崎魔弓との対戦だった。尾崎といえばラフファイトを得意とした大ベテラン。今年のCatch the WAVEでもそのスタイルを貫き、存在感を知らしめた。そんな尾崎を相手に、夏はどんな闘いをみせるのか?
入場するなり尾崎は「石黒オメーかよ、ちょっと凶器使っただけですぐ反則負けにしやがって、今日は凶器なんでもOKにしろ。二上いいよな? レフェリーの暴行もいいよな?」と強引にルールを変更してしまう。
スタートからチェーンを持ち出した尾崎は絞首刑にチェーンパンチ。ヘア反則にイス攻撃と自由に暴れまくる。早くも夏が流血するなか、尾崎は場外を連れ回し、いたぶっていく。
リングに戻ると夏も小刻みエルボー、ニーリフトでようやく反撃。ネックブリーカードロップでカウント2。そしてブロンコバスターからコーナーに登るが、尾崎が追いつき雪崩式ブレーンバスター。
再び尾崎はチェーンパンチ! 夏をいたぶったあと、今度は石黒レフェリーを標的に。イスを振りかざすもこれは夏が助けに入る。怒った尾崎は夏にもイス攻撃!? だが、これを夏が避けたため、結局、石黒レフェリーの脳天を直撃してしまう。
リング下に石黒レフェリーが転げ落ちたことをいいことに、夏を絞首刑に捕らえる尾崎。だが、石黒レフェリーも流血しながらカムバック。ならばと尾崎は石黒レフェリーを投げ飛ばす。
尾崎の気がそれている間に、夏が丸め込みにつなげるもカウント2。すぐにロープに走る夏だったが、尾崎がカウンターのバックブローで3カウント!
第5試合
桜花由美の15周年記念興行のメインイベントは、桜花vsダイナマイト関西の一戦。関西が年内引退を発表しているため、これが最後のシングルマッチとなる。桜花はニューコスチュームでの登場となった。
試合は力比べからリストロックの攻防。桜花がめずらしくドロップキックを連発していくと、関西もサソリ固めでステップオーバー。桜花もビッグブーツで立て直しにかかるが、関西はアイアンクローで迎撃。桜花がブレイクするとエルボーのラリーへ。関西のラリアットはカウント2。
桜花はブラ下がりブラディーEXなどで攻勢に転じると、ミサイル発射。クロスフェースで絞り上げる。そして改めてブラディーEX!
関西もカウンターの張り手で流れを変えると、胴締めスリーパーに持ち込む。なんとかブレイクした桜花は顔面蹴り、カカト落としにつなげてカウント2。桜花はスプラッシュマウンテンをキックアウトしてみせるも、グリーンフォールは返すことができなかった。
桜花「関西……関西。私、アンタに負けてメッチャ悔しい。だけど、アンタは本当に強い。引退するのが惜しいくらいです。もうシングルマッチできないと思うと本当に悔しいけど、引退までケガせずにちゃんとリングを降りろよ」
関西「ありがとう。今日も片ヒザ引きずりながらで万全とはいえないけど、桜花と試合できたことは、オレも30年間、お前も15年、オレはその倍、このリングでやってきた。だから桜花にももっといろんな試練いっぱい待ってると思う。でも、それもすべて自分の肥やしだと思って、オレを越える、30年越える選手で頑張ってくれ。そうしたら、オレもその時はお祝いに駆けつけるから、頑張って」
桜花「アタシ、アンタみたいな怪物じゃないからあと15年も頑張れないよ! 私、15年もやったら50越えとるわ! 無理やわ。OZのリングでも当たることはないかもしれないけど、アンタが引退するまでもし当たらなかったら、場外でいっぱいやってやるからな!」
エンディング
試合後はバースデーガールの夏すみれと、桜花の15周年をお祝い。二上社長は「夏すみれ24歳、桜花由美あと15年頑張りましょう。おめでとうございます」とマイク。尾崎も急きょ加わり、顔面ケーキで祝福した。
夏「20歳で入門したと思いきや、いつの間にか24歳になりまして、こないだ大畠さんとしゃべっていたんですけど、オーディションのときはみんな『コイツはデビューせずにやめるだろう』と、オーディションに合格させるのもどうなのかと審議になってたと、最近聞きました。でも、こうやって入れてもらえて、入門前から夢みていた尾崎さんとの対戦を叶えてもらえて凄くうれしいです。今日で入門前に抱いていた夢が、WAVEに入ること、デビューをすること、桜花さんと対戦すること、桜花さんとタッグを組むこと、で今日の尾崎と対戦すること全部叶えることができました。凄く嬉しく思います。でも、今日でまた新たに叶えたい夢ができました。尾崎さん、帰っちゃったので聞いてらっしゃるかわからないですけど、尾崎さんが私のことをただの顔がいいだけの若手だと思ってるかもしれませんけど! 確かにそうです!! 私は、まだいまはただ顔がいいだけの若手です。でも! 必ず尾崎魔弓を、私がプロレスをやめるまでに尾崎魔弓を必ず倒します。それが私の今後のプロレスラーとしての夢になりました。今日はありがとうございました」
桜花「よかったよ、今日でやめるって言わなくて……。ありがとうございました。私はプロレス界に入って15年。アストレスという女優の足かけとして入ってきて、プロレスラーごっこだの、凄くバカにされてきました。でも、頑張っていればいつかみんなが認めてくれる。みんなが認めてくれなくても誰か一人でも認めてくれたら、私はその人のために頑張ろうと思う。15年間やってきて、こんなにたくさん……。WAVEも9周年で2人ではじめて、いまZABUNグループ全部で19人。こんなに沢山ついてきてくれる人ができたので私は本当にみんなのために頑張りたいと思うし、もっともっとWAVEを広げていきたいと思っています。私は自分のためじゃなく、みんなのためにこれからもプロレスをやっていきたい。そして、夏にベルトを巻かせてやりたい。まだ時間はかかる。本当に顔がいいだけの、ビジュアルだけの、運動神経もないけど、アンタは本当にカメだから。アナタはカメよ。成長が遅い。でも、ちょっとずつ成長していて、みんなもわかってくれているから、アンタは急がなくていい。カメでいいから前に進んでいってください。これから16年目に入ります。あと15年はできません。(ファンの『えー』の声に)お前ら15年間、見に来ないだろ!? 来るんだったら……やらねーよ。15年もできないけど、WAVEは来年で10周年。なのでまだまだ頑張っていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました」
記念撮影のあと桜花が「私は16年目に入ります。WAVEも10年目に入ります。これからも私もWAVEも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。いくぞ、これがWAVEだ!」と大会を締めた。
<試合後コメント>
桜花由美
「ありがとうございました。私の15年間を、最近見ている人も、昔から見ている人もわかってくれたのかなと思います。やっぱりダイナマイト関西は強いです。強いけど倒したかった。倒して引退を見送りたかった。スプラッシュ(マウンテン)だけじゃなかったー、用心しなきゃいけないのは……」
——あと15年?
「やりませんよ。52歳ですよ!? 来てくれるんですか? あと15年は現役ではできないと思いますけど、WAVEが続く限り私は裏方とかで、やりますよ」
(記事・写真提供 プロレスリングWAVE)