手負いの遠藤哲哉が『D王GP』開幕戦で白星発進し優勝宣言!「残りの公式戦すべて勝って、再びDDTの頂点に登り詰める」
DDTプロレスのシングル最強決定リーグ戦『D王 GRAND PRIX 2022』が11月1日、東京・後楽園ホールで開幕。Aブロックで出場した前KO-D無差別級王者・遠藤哲哉が、昨年の準優勝者でDDT UNIVERSAL王者の上野勇希を破って白星発進し、早くも優勝宣言が飛び出した。
両者の一騎打ちは5月1日、横浜武道館でのKO-D無差別級選手権(王者・遠藤VS挑戦者・上野)以来となったが、その半年間で2人を取り巻く環境は一変。遠藤は「サイバーファイトフェスティバル」(6月12日、さいたまスーパーアリーナ)で脳震とうを起こし、その後の試合を欠場となり王座を返上。7月24日の後楽園で復帰を果たしたが、新型コロナウイルスに感染し再度欠場。8月20日の東京・大田区総合体育館では新王者の樋口和貞に挑戦するも敗退。『D王』を目前に控えた10月26日の東京・新宿FACEでは左足首を捻挫し、10・30君津大会を欠場するなど不運が続いた。一方の上野はUNIVERSAL王座に返り咲きを果たし、2度の防衛に成功し、上り調子で『D王』を迎えた。
上野はラリアットで遠藤を場外に落とすと、コーナー最上段からムーンサルトアタックを敢行し、リングに戻るとフロッグスプラッシュを繰り出すなど果敢に攻め込んだ。さらに上野がトップロープ越えのトペコン・ヒーロを見舞うと、これをキャッチした遠藤は場外でコンバイン(変型逆エビ固め)で絞り上げた。上野はハーフネルソン・スープレックスホールド、ミサイルキックとたたみかけるも、遠藤はオーバーヘッドキック、カナディアン・デストロイヤー、旋回式トーチャーラックボムで怒涛の攻め。最後はバーニングスター・プレスでトドメを刺した。
遠藤は「この1勝はデカいぞ。D王、俺は覚悟をもってこのリングに上がってる。D王、その先にはKO-D無差別級、EXTREME、UNIVERSALも眼中に入ってる。そのすべてを手に入れるために俺は必ず優勝する。次は11・3横浜、相手は佐々木大輔。俺のことを覚えてくれてたみたいだから、それをカリスマのやさしさだと受け取って、思いきり甘えさせていただきます。残りの公式戦、すべて勝って、再びDDTの頂点に登り詰める」と優勝宣言。
バックステージで遠藤は「前回対戦したときとは、立場が逆転してるんですけど、彼なりにチャンピオンとしての道を歩んできたのかなと。次は佐々木大輔。リング上で対峙したら、あのときの懐かしい気持ちをお互いに思い出せるんじゃないかな。(左足首は)試合になれば大丈夫という感じ。俺は我慢することを美徳とは思わないんで、痛いものは痛いと言うし、つらいときはつらいと言うし。自分の思った感情を伝えるので。痛いなか、本調子じゃないなか、戦ってたんだなって感じで同情してください」と話し、不安要素も垣間見せていた。
また、小橋建太大会実行委員長が“優勝候補”として名を挙げた吉村直巳がDDT初参戦のRSP(リッキー・シェイン・ペイジ)と公式戦で対戦。193センチ、136キロと超大型のRSP相手に真っ向勝負を挑んだ吉村はショルダータックル、チョップ連打、フロント・スープレックスなどで攻め立てた。吉村は払腰で勝負を決めにいくも、カウント2で返したRSPは顔面蹴りから、チョークスラムで落として蹴りを叩き込む荒技GTFで3カウントを奪った。吉村は「負けました。悔しい。デカくて力がすごい外人選手、大好き。でも、負けたら意味ない。俺がもっと強くなったとき、またシングルやろうや」と悔しさを露わにしながらも前を向いた。
なお、11・12大阪での公式戦で当たる佐々木とジョーイ・ジャネラがタッグマッチ(佐々木、MJポー組VSジャネラ、坂口征夫組)で前哨対決。ジャネラのイス攻撃が坂口に誤爆し、怒った坂口は退場。佐々木組は2人がかりでイスを使ってやりたい放題。ジャネラは佐々木に急所攻撃を見舞い、収拾がつかない状態となりレフェリーがノーコンテストを宣した。ジャネラは「ササキ、オマエが超えたことないような一線を超えてきてる。D王のトロフィーは俺のものにしてやる」と怪気炎。さらに、「何でD王にアキヤマは出てないんだ? 年を取りすぎたのか? 俺は50歳でも60歳でも75歳が相手でも素晴らしい試合をしてきた。アキヤマを出せ!」と『D王』に不参加の秋山準を挑発していた。