ガンプロ5.16王子大会 大家&藤田vs.シバター&三富、GENTAROvs.冨永、今成vs.力
WOW WAR TONIGHT 2015
日時:2015年5月16日(土)
開場:17:30 開始:18:00
会場:東京・王子BASEMENT MON☆STAR
観衆:101人(満員)
▼第1試合 ガンバレ☆シングルマッチ 30分1本勝負
○安部行洋
8分5秒 ティロ・フィナーレ
●タイガーベッドシーン
▼第2試合 答えはNO! スペシャル3WAYマッチ 30分1本勝負
○ミスター・ノー
5分52秒 ダイビング・ヘッドバット→体固め
●菊・門タロー
※もう一人はクズ・ハヤシ
▼第3試合 パワー・オブ・ドリームス対決 力道山三世vsラブホの受付二世再び 30分1本勝負
●力(メビウス)
8分49秒 サムソンクラッチ
○今成夢人
▼第4試合 ゆとりジェネレーションXの真価とは!? 30分1本勝負
○GENTARO(FREEDOMS)
15分55秒 シャープシューター
●冨永真一郎
▼第5試合 運命の再会!獅子王と掃き溜めのブラックジャック 30分1本勝負
○大家健/藤田ミノル(フリー)
11分30秒 炎のスピアー→体固め
シバター(フリー)/[いつどこ権]●三富政行(ユニオン)
※三富の保持していたいつでもどこでも挑戦権が大家に移動
打倒炎上軍のために呼び寄せた藤田ミノルのお陰で大家がいつどこ権を獲得!
試合後、私生活について衝撃告白した藤田は大家に「俺と同じ目に遭ってもらう」
オープニング
選手入場式ではいつものように大家と今成が登場。マイクを持った今成が「今日は都内で多数のプロレス興行がある中、ガンバレ☆プロレスの興行に来ていただき誠にありがとうございます。本日は昼夜興行ということで、私も昼のガンバレ☆女子プロレスの大会に出場させていただきましたが敗れてしまいました。自分がこうなりたいとか、こういう闘いをしたいとかなかなか自分のイメージ通りに闘えない自分がすごく不甲斐ないのですが、今日、力選手とシングルマッチが出来る機会を必ず自分の成長になるように精一杯闘いたいと思います。今日は応援よろしくお願いします」と挨拶。
続いて大家が神妙な面持ちで「僕は人生、プロレスに何度も救われてきました。少しでもプロレスに恩返しがしたい。その気持ちでガンバレ☆プロレスを旗揚げしました。今日、勝つことがプロレスに恩返しする一歩になると思っております! 今日は絶対に勝ちます! 応援よろしくお願いします」と挨拶した。
第1試合
ガッチリ握手を交わして試合が始まると、まずは腕の取り合いを展開。ヘッドロックに捉えたベッシンだが、首を抜いた安部はガブっていく。しかしバックに回ったベッシンは再びヘッドロックに捉える。反転して抑え込んだ安部だが、カウントは2。
飛び付いてのアームドラッグからドロップキックを叩き込んだベッシンだが、安部もカウンターエルボーを返すチンロックに捉える。ロープに逃れたベッシンはエルボー合戦を挑んでいくが、最終的に打ち勝ったのは安部。
レッグドロップを落としていった安部は、スリーパーからフェースロックにスイッチすると、拳でコメカミをグリグリ。さらに首4の字固めに捉えると、ベッシンの両腕も掴んでいくが、ベッシンはロープに足を伸ばして逃れるが、安部hなおも逆水平チョップからボディスラムを狙う。
しかし背後に着地したベッシンは延髄斬りからランニングエルボー。さらに串刺しランニングエルボーからエルボースポーターをかなぐり捨ててエルボーを連打するとダブルリストアームサルトで投げる。さらにボディへのエルボーからスリングショット式アトミコを投下すると、倒立からのダブルニー投下。
ニーオンザベリー式のネッククランチからバタフライロックにスイッチしたベッシンは、エルボー合戦を挑んで行く。しかし安部もロープに飛んだベッシンに対して、横から飛び込むようにドロップキック。ベッシンも首固めでいきなり丸め込むと、変形のジャックナイフ式エビ固め。
カウント2で返した安部はオデレータバスター(=フェースバスター式ファルコンアロー)で叩き付けると、ティロ・フィナーレ(=キングコブラホールド)に捉えてギブアップを奪った。
第2試合
『ライオンキング』の曲に乗って歯磨きしながら登場した菊・門タローはサングラスを外し、歯ブラシをケースにしまってからリングイン。そして体格はやや小柄だが、マンガ『タイガーマスク』に出て来るそのビジュアル通りのミスター・ノーが登場すると、思わずざわつく客席。
明らかに不気味なノーには門タローもハヤシもどう絡んでいいか思案している様子。飛び付いてヘッドロックに捉えた門タローだが、突き飛ばしたノーはカウンターエルボー。だが、ハヤシはノーの攻撃をかわすと、頭頂部を殴打。
しかし、かなり硬いようで手を押さえながら「イテー!」と絶叫。門タローも殴りかかるが、やはり自分の手のほうが痛い模様。すかさずその鋼鉄の頭部でヘッドバットを見舞ったノーは倒れた門タローとハヤシにヘッドバットを投下。かわした2人はダブルのドロップキックでノーを場外に追いやると、門タローを踏み台にしてハヤシが場外ダイブを狙うが、門タローが裏切ってカウンターのゼロ戦キック。
さらにマシンガンチョップからラリアットを狙ったが、ショルダースルーで投げていったハヤシ。その背後からノーがイス攻撃を見舞って行くと、門タローに向かってイスを振り上げる。背後からハヤシがイスを奪い取って逆にイスを振り上げるが、鋼鉄の頭でイスごと迎撃したノー。
すると門タローが「先生、こいつをコテンパンにしましょう!」とノーに共闘を呼び掛ける。だが、ハヤシは『まとめて』で2人同時に叩き付けると、ノーにエクストリーム・ツイスト・オブ・フェイト(=捻りを加えたダイヤモンドカッター)を決めてからコーナーに登る。だが、立ち上がったノーが場外に突き落とす。
そこに襲いかかった門タローはペディグリーを狙うが、踏ん張ったノーはヘッドバットをお見舞いすると、倒れた門タローにダイビング・ヘッドバットを投下して3カウント。
第3試合
以前対戦したのを機にタッグチーム「パワー・オブ・ドリームス」を結成した利からと今成が今一度原点回帰とばかりに一騎打ちを行うことに。ガッチリ握手を交わしてから試合が始まると、今成のタックルを切った力がガブっていくが、今成は足をすくってうまく転がしていく。しかし体格で勝る力は押し倒して上になる。
横に回転したスイープした今成だが、力は下から腕を取って腕十字へ。ロープに逃れた今成はヘッドロックに捉えるが、力はロープに飛ばして脱出。今成はショルダータックルでぶつかっていくが、力は真正面から受け止めると、逆に走り込んでショルダータックルで今成を吹っ飛ばす。
溜まらず場外にエスケープした今成に対し、エプロンに出た力はいきなりセーバーチョップ(=ダイビング袈裟斬りチョップ)を投下。さらに逆水平チョップを叩き込むと「来い!」と挑発。今成もチョップやヒザを返してからリングに戻るが、追いかけていった力はスリーパーホールドに捉える。
どうにか脱出しようとする今成だが、力はすぐにスリーパーで捕まえると、そのまま今成を座らせてグイグイと絞め上げるが、今成はロープに脱出。力はエルボーからフライングメイヤーで投げるともう一度スリーパーへ。さらに首4の字固めにスイッチ。
転がってロープに逃れた今成がエルボーを叩き込むと、力も鋭角なエルボーを返す。今成は気合いもろとも力をボディスラムで叩き付けると、ランニングエルボーでなぎ倒すがカウントは2。ならばと串刺しラリアット2連発を放つが、2発目を蹴りで迎撃した力は逆にラリアット。
今成も相打ちに持ち込むが、力は走り込んできた今成を迎撃のラリアットでなぎ倒す。さらに逆水平チョップを叩き込んでいった力は、ブレーンバスターで投げていく。「いくぞー!」と拳を突き上げた力はコーナーに登っていくと、セーバーチョップを投下。しかしかわした今成はラリアットを叩き込むと、ダウンした力にスライディング・ラリアット。
カウント2で辛くも返した力はハーフダウンの今成に逆水平チョップ。さらに立ち上がろうとする今成にもう一発逆水平チョップ。それでも今成はラリアットを放つ。力も相打ちに持ち込むが、倒れたのは力だけ。踏ん張った今成は全体重を乗せたラリアットを叩き込むが、それでも立ち上がった力はバックを取る。強引に投げようとした力だが、今成はそこをサムソンクラッチで丸め込んで3カウント。
試合後、マイクを持った今成が「僕はずっとプロレスをやってて、自分の闘いたい闘い、イメージする闘いが頭の中で思ってても全然出来なくて、自分は成長してないんじゃないかなってずっと悩んでいたんですけど、今日力さんが僕のためにパートナーでもシングルでやってくれて、『やりたい』って言ってくれてすごい嬉しかったです。俺の闘いたいイメージの闘いはこういう闘いです力さん! だからこれからもずっとパワー・オブ・ドリームス、時に悩んだらこうやってぶつかり合って分かり合う関係でいたいです。だからまたタッグでばく進していきましょうよ!」と訴えると、力とガッチリ握手。
力もマイクを取ると「今成さん! 今日の試合で今成さんのプロレスに対する思い、全部ぶつけていただきました! 自分はまだまだ本当に未熟ですけど、もっと強くなって自分を磨いて、パワー・オブ・ドリームスこれからも頑張ります。これからもよろしくお願いします!」と返答して最後は今成と抱き合う。この一戦でパワー・オブ・ドリームスはより結束力を高めたようだ。
第4試合
ゆとりジェネレーションXとして学生プロレス界にその名を刻んだ冨永が、学生プロレスの大先輩にして、現在レスリングマスターと呼ばれるGENTAROを相手に真価を問う一戦に挑む。GENTAROから握手を求めると、深々と頭を下げながら両手で応じた冨永。
ノーガードで詰め寄っていくGENTAROに対し、慎重に手四つで組んだ冨永だが、GENTAROがパワーで押し込もうとすると、強引にその手を払いタックルでテイクダウンを奪う。
だが、GENTAROは逆にテレホンロックで切り返し、そこから腕十字へ。逃げようとする冨永をキーロックで捕まえたGENTAROだが、反転した冨永は首を抜いてガブっていく。しかし強引に立ち上がったGENTAROはロープに飛ばしてカウンターエルボー。ロックアップした冨永は、足をすくって倒すとサイドヘッドロックに捉える。
しかし反転したGENTAROは冨永の腕を掴んでグラウンド状態でのアームブリーカー。場外にエスケープした冨永だが、リングに戻ってきた瞬間に襲いかかったGENTAROはコーナーに押し込んでバックエルボー。冨永はどうにかロープに飛ばすが、GENTAROが逆にショルダータックル。
ヘッドスプリングで立ち上がってみせた冨永だは、「イッテー!」と背中を押さえて悶絶し場外にエスケープ。ロープを開けて真似切れようとするGENTAROだが、冨永は「結構です」と拒否して違う箇所からリングイン。ロックアップでロープに押し込んだGENTAROは慎重に離れるが、逆にカニ挟みで倒してロープに激突させた冨永はすかさずカウンターエルボーからスリーパー。
どうにか脱出したGENTAROだが、なおも踏みつけていった冨永はアッパーカット。GENTAROもナックルパートを返していくと、倒れた冨永の上に乗って両足で踏みつける。場外に出たGENTAROだが、冨永は逆水平チョップを叩き込むとGENTAROを客席に叩き付ける。
さらに目の前でイスに座ってふんぞり返ってみせる。「この野郎」とムッとしたGENTAROを見て、素早くリングに戻った冨永はカニ挟みでテイクダウンを奪うとヒザ十字固めへ。だが、逆にGENTAROがアキレス腱固めに捉えると、冨永がロープに脱出。すかさずレッグブリーカーから冨永の右足を持ち上げて踏みつけていったGENTARO。
冨永も足を引っ張るGENTAROを下から首固めで丸め込むが、GENTAROもアンクルホールドで捻り上げてからニークラッシャー。しかしシャープシューターを狙ったGENTAROを倒してヒザ十字固め。
かなり決まっていたが、GENTAROも弓矢固めで切り返す。身体を捻ってGENTAROの上半身に覆い被さっていった冨永はフェースロック。だが、首を抜いたGENTAROはダブルアーム・スープレックスで投げていく。カウント2で返した冨永だが、GENTAROはバックドロップを狙う。
身体を捻って押し潰した冨永はナックルを叩き込むが、GENTAROもエルボースマッシュで応戦。そこにオーバーヘッドキックを決めた冨永はJK(=座っている相手の肩をつかみ、ジャンプしてのヒザ蹴り)を叩き込む。
GENTAROがカウント2で返すと冨永はムーンサルトプレスを投下。これをかわして自爆させたGENTAROはジャンピング・ネックブリーカーから急角度のバックドロップ。だが、冨永はカウント2で返す。もう一発バックドロップを狙うGENTAROだが、必至に抵抗する冨永。ロープに飛ばされるのも拒否した冨永は、逆にGENTAROをロープに振ってドロップキック。
15分が経過し、もう一度JKを狙った冨永だが、キャッチしたGENTAROはそのまま反転して逆片エビ固め。リング中央でガッチリ決まると、GENTAROはそこから冨永の両足をクロスさせてシャープシューターにスイッチ。これで冨永もついにギブアップした。
冨永に向かって両手の親指を立てて合格のサインを出したGENTARO。握手を求めていったGENTAROに笑顔で応じた冨永だが、GENTAROはそのまま場外に放り投げる。しかしロープを開けて再びリングに招き入れると、改めて握手をしてから冨永の健闘を称えた。
第5試合
メインイベントでは打倒炎上軍のためにガンプロの大家は助っ人として藤田ミノルを招聘。自撮り棒を持って入場したシバター、そして“いつでもどこでも挑戦権”の証であるアームカバーをして登場した三富が登場。
続いて藤田がガンプロユニバースの大歓声で迎え入れられると、最後に大家が登場。炎上軍を警戒しながらリングインしたが、炎上軍は奇襲攻撃を仕掛けていき、いきなり場外乱闘に。三富は大家を客席に叩き付けてから蹴り飛ばす。リング上ではシバターのパンチを受け止めた藤田が張り手からショートレンジラリアット。
そして「散々悪口を言ってくれたみたいなだな」と言ってからシバターの後頭部に低空ドロップキック。タッチを受けた大家が飛び込んでいくが、シバターは蹴りで迎撃すると、コーナーに追い詰めてパンチを連打。タッチを受けた三富はチョップから顔面を踏みつけると、チョーク攻撃をお見舞い。さらにストンピングの連打から踏みつけていくと、その様子をシバターが自撮り棒の先についたGoProで撮影する。
三富は再び大家を場外に連れ出すと鉄柱に叩き付けてから馬乗りになって大家の額を叩き割る。流血した大家をリングに戻した三富はニードロップを投下。続いてシバターが額の傷にパンチを振り下ろす肘グリ。
三富はガンプロユニバースを挑発しながら大家に張り手を連打。大家も反撃しようとするが、エプロンからシバターが羽交い締めにすると、三富が大家を寝かせてフットスタンプを落とす。執拗にカバーする三富だが、カウント2で必死に肩をあげる大家。ならばとサッカーボールキックを叩き込んだシバターはマウントポジションから腕十字を狙う。
「大家」コールの中、三角絞めにスイッチしたシバターを盛り上げて、何とか叩き付けていった大家だが、シバターはミドルキックの連打からハイキック。これをかわしてバックドロップで投げた大家は藤田にタッチ。串刺しジャンピングエルボーから串刺しラリアットを叩き込んだ藤田は、逆に串刺し攻撃を狙ったシバターをラリアットで迎撃。
さらにシバターの頭をコーナーに叩き付けると、後頭部に串刺しニー。シバターもミドルキックを返していくが、蹴り脚をキャッチした藤田はBONYARDに捉える。これを三富がカットすると、シバターは浴びせ蹴りを叩き込んで三富にタッチ。マンハッタンドロップから急所にヘッドバットを落とした三富はブレーンバスターの体勢に。
これを踏ん張った藤田はフジタドライバー(=みちドラII)で叩き付けて大家にタッチ。エルボーの連打から絶叫してロープに飛んだ大家だが、場外から河村が足をすくって倒す。10分が経過し、三富がDDT2連発を決めてからニードロップを投下。
藤田が「ガンバルんだろうが!」と檄を飛ばす中、大家は流血した額でヘッドバットを叩き込むが、三富もフロントネックロックで切り返す。だが、大家はそこから強引に三富をぶっこ抜いてブレーンバスターで投げると、足を踏みならしてから炎のスピアーを狙う。これをイスを投げつけて迎撃した三富。シバターが入ってきて藤田にショルダーを叩き込んで排除すると、三富が大家にイスを振り下ろす。
さらにシバターのランニングローから三富は「これで終わりだよ」と宣言してからイスの上に垂直落下式ブレーンバスターで叩き付ける。カウント3寸前でどうにか返した大家だが、三富は後頭部ラリアットから正調ラリアット。
しかし絶叫しながら倒れずに踏ん張る大家。三富はなおもラリアットを叩き込むが、相打ちに持ち込んだ大家。それでも三富が打ち勝って倒すがカウントは2。ならばと三富はコーナーに登っていくが、藤田がエプロンから足を掴んで足止め。その間に立ち上がった大家が三富を追いかけるが、三富は突き落とす。
シバターを抑え付ける藤田の「負けるな!」の声に応えるように何度も叩き落とされてもコーナーに登っていった大家はヘッドバットを見舞ってから雪崩式ブレーンバスター。15分を経過し、大家と三富はお互い両ヒザをマットについたまま張り手の打ち合いに。立ち上がった三富は左右のパンチを叩き込むとロープに飛ぶ。
これをスピアーで迎撃した大家。シバターがカウント2でカットに入ると、藤田が入ってきてシバターを場外に放り投げる。そして三富を捕まえた藤田は「誰だか分かんねぇけど、SAYONARA!」と叫んでからSAYONARA(=ツームストン・パイルドライバー)で叩き付ける。朦朧としながら立ち上がった三富に大家は渾身の炎のスピアーを叩き込んで3カウント!
エンディング
ガンプロ勢の勝利と共に三富が保持していたいつでもどこでも挑戦権を大家が獲得! この大逆転劇にガンプロユニバースは大爆発! 大歓声の中、左腕にいつどこ権のアームカバーをつけた大家は「勝ったぞーーー! 藤田さん! 藤田さぁん! あなたが組んでくれたお陰で勝つことが出来ました! ありがとうございます!」と言って、藤田にマイクを渡す。
藤田は「健さん、呼ぶのが遅いってちょっと。俺、どんだけ待ったと思ってるの。ガンバレ☆プロレス熱いねぇ、やっぱり。この場を借りて言うのもアレなんですけど、俺はアルファベットでFUJITAとして東京愚連隊で所属という形でやってますが、藤田ミノルという形だと『フリー』なるわけですよ。ガンバレ☆プロレス、そこの今成さんと健さんの二人だっけ? 何か入ったり出たり入ったり出たりしてるんでしょう? 知ってるんだよこっちは! 俺も“藤田ミノル(ガンバレ☆プロレス)”ってしてもらうってはどうでしょうかね?」と言って握手を求める。藤田のガンプロ入りをユニバースも大歓迎。
大家がその握手に応じ、藤田のガンプロ入りが決まったと思われた瞬間、藤田はサスケだまし(=ワンハンドクラッチ式三四郎スタナー)で叩き付ける! 見覚えのある光景だが、藤田は「あ、間違えた! ごめんなさい。いつもの癖! 悪い癖が出たよ。今成ちゃん、あがってきなさいよ」と言って、謝りつつ今成を呼び込んだ藤田は今成にも握手を求める。
「“藤田ミノル(ガンバレ☆プロレス)”になりたいんだ俺は。信じてくれ。ビリーブミー」と言う藤田の握手に今成が応じたが、藤田はやっぱり張り手をお見舞い。そして「おい、ワケ分からねぇだろ? この状況! 待て、今からたっぷり説明してやるよ」と言うと、リング上の大家と今成、そして観客も唖然とする中、藤田は語りはじめた。
「健さん、呼ぶまでが…(ガンプロが)旗揚げしてから何年経ってんだよ? 遅過ぎるんだよ! それによガンバレ☆プロレスに出たいとは言った。旗揚げ当初からずっと言ってる。お前に個人的に言ってる。表に出ないところでずっと言ってる。でもな、お前と組みたいとはひと言も言ってないんだよ。その前にさ、先月俺がここに出場する(って発表した)とき、お前余計なこといっぱい言ってくれたみたいだね。家族がいるとか、家族を守るためにどっか地方に住んでるとか、勉強してるとか。俺、自分のこと話すのすげー苦手なんだよ。そんなの言ってほしくなかったんだよね本当は。おい、健さん。お前のことは友達だと思っているよ。でもな、プロレスラーとしては俺のほうが先輩なわけ。年は同級生かもしれないけど、(手でかなり差があるジェスチャーをしながら)健さん、(それよりかなり上に手を置いて)俺ぐらいあるわけだよ。まあ家族を守る……家族守ったことあるの? ないよね。俺はあるよ。なぜなら家族、本当にいるからね。健さん、あんた子供を持ったことあるか? ないよね。結婚してないんだもんね。俺には何と二人のドーターがいる。4歳と1歳のそれはもうカワイイ娘さんがいるんだよ」とまで一気に語った藤田は、話が長くなるから座ろうと提案。
そう言って大家も一緒にリング上で座り込むと、藤田は「まあカワイイもんだよ。『お父ちゃん、一緒にお風呂入ろうよ』とか言ってくれたり。そりゃ守んなきゃいけないわな。だからって言っても子供が20歳になるまであと20年間くらいプロレス出来ると思う? 分かんねぇよな。だからよ俺は確かにお前の言う通り、学校に行ってるんだよ。接骨院の先生になって、そこで免許を取ってそこで接骨院でも開ければ、まあ死ぬまで働くことは出来るよな。それを目指して学校に行ってる。そしてあのシバターの言う通り、その合間を縫ってプロレスやってんだよ。やっぱり片手間はキツいな。……俺、何言おうとしてたんだっけ?(苦笑)」と言い出したため、大家が「家族を守るために!」と教える。
藤田は「そうだよ。俺は東京に住みたかった。でも家族はそれを許さなかった。やっぱりよ、だから地方に行った。福岡県に行ったんだよ。そして学校行って、仕事もするんだ。時給でな! でも時給で頑張って頑張って頑張ってみても、まあたかがしれているんだけど。まぁそれはいいとして。でもよ、朝、子供を保育園に連れていった。そして夕方まで時給で働く仕事をする。そしてそれが終わったら学校に行く。それが終わったら家に帰る。そしたら家族は寝てる。そして暗闇の中、俺は飯を食うんだ。そうやって俺はずっと頑張ってきた」と語っていると、頷きながら聞いていた大家が号泣!
「お前が泣くところじゃねぇ」と注意し観客が爆笑する中、藤田は「俺はそんな生活を3年間続けてきた。頑張って頑張って、頑張ったつもりだよ。でもな何か頑張ってたつもりでも、頑張ってなかったのかな? 歯車が狂うんだよ。オイ健さん、お前留年したことあるか? 俺はあるぞ! 片手間でやってるプロレスが楽し過ぎて、そっちに没頭して勉強が疎かになった。ただいま2回目の2年生を今やっているところだ。まあ情けねぇよな。
まだあるぞ情けない話。健さん、お前離婚したことあるか?(場内から「えー!」という驚きの声があがる)ねぇよな、結婚したことねぇんだから。俺はあるぞ! 頑張って頑張って頑張ってたつもりが、まあ人のさじ加減っていうのは分からねぇもんだな。俺の奥さんにとっては、俺はしこたま浮気をしていたらしい。……そうだな。プロレスの浮気、本当の浮気、どっちもそうかもしれねぇな! 気が付いたら俺は何もかも失っていたんだよ。気付いたらパチンコ屋の寮に一人で住むことになってた! おい、悲惨だなこりゃ。沼みたいなもんだよ。まあ沼っちゃパチンコ思い出すけどよ。まぁそれで俺に残されたものは何かって言ったら、まあプロレスしかないわけだよな。こうなったら家族もねえ。でもな、それも出来ねぇんだよ。何でか分かるか? 俺、学校に行かなきゃいけねぇんだよ! 俺のお父さんとお母さんに言われた。『離婚したのは仕方ない。でもちゃんと学校だけは卒業しなさい』って。
なあ、プロレスしかねぇからもう1回ライオンマークのところに一人で乱入しようともしたが、それすら出来ない俺の今は! ……本当に泥沼になって這い上がることも出来ねぇんだ、今の俺は。そんな中、某携帯サイトでガンバレガンバレガンバレって言ってる同級生のお前を見つけたんだよ。俺は……心底お前が羨ましかった。お前のことが輝いて見えた。お前がメールくれたよな? 『プロレスキャノンボールで今度福岡に行きます』。お、また(映画の撮影)やるのかと思ったら、ただ福岡で映画上映するだけじゃねぇかよ。まあ言われても俺はそれ観に行ったよ。こんなにボロボロで汚い格好悪いお前が、俺にはとっても眩しく見えた! だから……お前に助けを求めようと思ったんだよ。どんな助けだか分かるか? 友達として俺と同じ目に遭ってもらいたいんだよ。お前が頑張って頑張って頑張っても、気が付いたら独りぼっちになってる状況をお前にも味わってもらおうと思ってな。
これ何て言うか分かるか? ただの逆恨みだよ。健さん、お前とは試合はやんねぇよ。でもな、これからお前の家族、そこにいる今成キャメラマン、そして名前は分からねぇや(=ベッシンや安部たち)。そんなお前の家族、一人ずつぶっ潰して、お前の家族みんなバラバラにして、お前を独りぼっちの状況にさせてやるよ。お前が今まで築き上げた三流の青春ドラマは今日が最終回だ。次回からドロドロとした胃もたれするような昼ドラみたいなドラマを、ここガンバレ☆プロレスで俺が作っていってやる! でもお前とは闘わない。なぜだか分かるか? 友達だからだよ」と吐き捨てると、藤田は立ち去っていった。
一人残された大家は顔を涙と血でくしゃくしゃにしながら「あぁ! うぅ……はぁ〜。うわ! ……俺はっ! 藤田ミノルの気持ちは分かんねぇよ! 結婚もしたことねぇ! 子供もいねぇ! 離婚もねぇ! でも、この話聞いて悲しかったよ。逆恨みだろうが上等じゃねぇかよ。でもな藤田ミノル! 逆恨みじゃ何も生まれねぇ! 俺たちは生きてる以上! 生きてる以上、どんな状態になったって絶対に、絶対に、絶対にチャンスはある! 希望はあるんだよ! 俺は藤田ミノル! お前に俺の気持ちを伝えたい! 伝わるまで伝え続けたい! だからな、アイツが次いつ来るかそれは分からねぇよ。でもな、藤田ミノルがガンバレ☆プロレスに参戦して俺と試合しねえって言うんなら、今成だって、タイガーベットシーンだって、誰だってみんな試合やるよな?(※リングサイドで今成たちは頷く)俺たちの気持ち、藤田ミノルにぶつけるよな? それで俺は藤田ミノルの心を絶対に開きますっ! 俺が藤田ミノルをプロレスで救います!」と絶叫すると、ガンプロ戦士をリングにあげてから「いくぞー! ウィアー、ガンバレ☆プロレース!」と叫んでから『BAD COMMUNICATION』に乗せて足を踏みならした。
ガンプロ集会
大会終了後、エプロンに今成と共に座った大家がガンバレ☆集会を開催した。
大家「今日は勝ってな、三富&シバター倒したぞー!」
※歓声をあげるガンプロユニバース
今成「大家さん、(※いつどこ権を指差して)これは……」
大家「いつでもどこでも挑戦権!」
今成「KO-D無差別級に挑戦出来る権利じゃないですか」
大家「これは俺がな、ガンバレ☆プロレスを、いやプロレスをメジャースポーツにするために然るべきところで俺は使わせていただきます!」
※歓声をあげるガンプロユニバース
今成「これがれば……これはプロレスをメジャースポーツにするための鍵ですよ」
大家「そうだよ、お前! これ使ってKO-Dのベルト獲って俺はプロレスを! メジャースポーツにする!」
今成「よっしゃ!」
大家「なあ?」
今成「なあ?」
※歓声をあげるガンプロユニバース
大家「だからよ、これを……手に入れたことを俺はとても嬉しいです! そして藤田ミノル、オイ! そんな状況になってるって俺は全然知らなかった! でもアイツがガンバレ☆プロレスに上がりたい・上がり続けたいと言うのなら、俺はアイツに気持ちが届くまで永遠にガンバレ☆プロレスに上がり続けさせます! 今成、藤田ミノルに俺たちの、俺たちの気持ちを伝えようぜ!」
今成「はい。藤田さん! 紙面で伝えさせてください。史上最強の学生プロレスラー・藤田ミノル! 俺らはあなたのことを感情移入出来ないかもしれない。でも! プロレスは悪くないです。だからガンバレ☆プロレス、またここに上がってきて俺たちとやってください」
大家「そうだろ! そうだろ藤田ミノル。お前も! プロレスに救われてきた! だったらやっぱりもう1回俺がプロレスで藤田ミノル、俺はお前をプロレスで救いたい!」
※ユニバースたちから拍手が起こる
大家「そしてガンバレ☆プロレス、どんなに迷っても悩んでも俺は! 絶対にガンバレ☆プロレス、プロレスをメジャースポーツにします!」
今成「よし、そうだ!」
※ユニバースたちから拍手が起こる
大家「そういう意味を込めていつものやつで締めるからお前ら立て! いくぞー! ウィアー、ガンバレ☆プロレース!」