DNA5 5.1北沢大会 旭vs.勝俣、中津vs.青木、火野vs.宮武、岩﨑vs.鈴木、高橋vs.梅田

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DNA5
日時:2015年5月1日(金)
開場:18:30 開始:19:00
会場:東京・北沢タウンホール
観衆:204人(満員)

▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●梅田公太
8分33秒 肩固め
○高橋匡哉(ASUKA PROJECT)

▼第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○岩崎孝樹
7分2秒 ダブルアーム・スープレックス→片エビ固め
●鈴木大

▼第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●宮武俊
8分38秒 ラリアット→体固め
○火野裕士(K-DOJO)

▼第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●中津良太
13分48秒 腕ひしぎ逆十字固め
○青木篤志(全日本プロレス)

▼第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●勝俣瞬馬
20分27秒 ひまわりボム→ジャックナイフ式エビ固め
○旭志織(K-DOJO)

樋口欠場で緊急出場した旭と対戦した勝俣!厳しい攻撃に耐えて20分も食らい付く
中津は青木の腕攻めに腕攻めで対抗!宮武は火野と真っ向からチョップの打ち合い

オープニング

2015-5-1DNA5北沢_欠場の挨拶をする河村と樋口試合に先立ち、今大会を欠場する河村知哉と樋口和貞が登場して欠場の挨拶。河村は右腕を三角巾で吊って登場。

河村「こんにちは。DNAの河村知哉です。今大会を欠場することになりまして誠に申し訳ございません。以前から肩を痛めてまして精密検査を受けたところ、肩甲骨関節窩という肩を覆っている骨が折れてしまっていまして、3日前に手術をしました。復帰する予定なのですが、最低でも半年かかりまして。半年以上お休みするカタチになってしまいます。長いことお休みしますので、その間いろんなことを経験して(いきたいと思います)。例えば映画をたくさん観たりとか、例えば新宿二丁目で働くとかという、表現者としてひと回り成長して、またこのリングに帰ってきたいと思います。それまではよろしくお願いします」

樋口「皆さん、こんばんは。この前のDDTの後楽園大会でヒザを負傷してしまい、今回DNA欠場することになりました。それに伴い、ファンの皆様、関係者各位、そして今日対戦相手だった勝俣選手には大変申し訳なく思っております。ホントすみませんでした。しかし! 5月10日には復帰します! そして! 必ず札幌で(KO-D無差別級の)ベルトを獲って、この北沢タウンホールに帰ってきますので、皆さんそれまで待っていてください! よろしくお願いします!」

2015-5-1DNA5北沢_オープニング両選手が欠場の挨拶をしてリングを降りると、場内が暗転してオープニングVTRがスタート。VTRでこの日の対戦カードが紹介されたあと、DNAの選手が一人ずつ登場してステージ上に並び立つ。そこからリング上に移動すると、選手を代表して梅田がマイクを持ち「本日はご来場まことにありがとうございます! 二人欠場という形になってしまったんですが、僕ら第1試合から盛り上げていくんで応援よろしくお願いします!」と挨拶。

第1試合

2015-5-1DNA5北沢_第1試合ASUKA PROJECT所属ながら大日本プロレスなどでデスマッチファイターとして活躍する高橋匡哉。まずグラウンドでのバックの取り合いから高橋が腕を取るが、梅田も切り返す。ロックアップからヘッドロックに捉えた高橋をロープに振った梅田だが、高橋はショルダータックル。しかし梅田もアー宇ドラッグで何度も投げるとミドルキックで高橋を場外に追いやってプランチャ。
リングに戻った梅田はミドルキックを打っていくが、キャッチした高橋はヒジを落とすとボディスラム。さらに腰にエルボードロップを連続で落とした高橋はキャメルクラッチでなおも梅田の腰を痛めつける。

どうにかロープに逃れた梅田はエルボーを打っていくが、「来いやオラ!」と敢えて受け止めた高橋は逆にエルボーでなぎ倒す。それでもエルボー合戦を挑んだ梅田はロープに飛んだ高梨にカウンターのドロップキック。串刺し攻撃を狙った梅田をショルダースルーでエプロンに追いやった高梨だが、梅田はスワンダイブ式ミサイルキック。
そして立ち上がろうとする高橋の胸板に渾身のミドルキックを叩き込んで倒すと、ロープに飛ぶが、高橋は正面飛びのドロップキックで迎撃。串刺しラリアットからブレーンバスターでカウント2まで追い込んだ高橋は逆片エビ固めへ。

これもどうにかロープに逃れた梅田は不適な笑みを浮かべて高橋と真っ向からエルボー合戦。さらに高橋のチョップにミドルキックで対抗すると、串刺し攻撃を狙ったが、かわした高橋はバックドロップ。さらに立ち上がってきた梅田にスピアーを決めると、肩固め式の袈裟固めに捉えてギブアップを奪った。
試合後、握手を求めた高橋に対し、素直に応じた梅田。自分よりもキャリアもパワーの上の選手に真っ向勝負を挑んでいった満足感はあったようだ。

<試合後コメント>
梅田公太
「高橋選手は全然蹴っても蹴ってもビクともしない相手で、すごい強かったです」
ーーこれまで対戦した選手とは違ったタイプだと思いますが、パワーファイターの高橋選手に正面から蹴りで向かっていきました。そういう作戦だったんですか?
「やっぱ正面から蹴って勝ちたいなっていうのがあったんで、逃げずに全部受け止めて蹴り勝とうと思ってました」
ーー試合後、高橋選手から握手を求められて応じていましたが、真正面からやり合えた満足感というか手応えみたいなものがあったから?
「何て言うんですかね……正直悔しいですけど。やっぱ負けたんで。あと僕の思っていたよりも、全然上の頑丈さがあったんで。そういうので負けた!っていうのがあったんで握手しました」

高橋匡哉
「梅田選手、僕より下手したら10コくらい(年が)違うんですかね? 19、20の選手? 1回映像で見させていただいて、蹴りがすごいんだろうな、食らってみたいなと思って、今日何発も受けたんですけど、やっぱりまだまだ。すごいいい蹴りを持った選手だなと思うんですけど、僕のこの頑丈な体にはまだまだ無理だな、と。もっとトンデモない、頭のおかしい狂ったことを、それこそブロック塀投げられたりとか(苦笑)、ラダーの上に叩き付けられたりとかしてますから。まだまだあれぐらいの蹴りじゃビクともしないですね。もっと強くなって、またぜひ(対戦したい)。僕は1年365日、もう絶好調ですので。いつでも呼んでいただければ闘いますので。ぜひまたよろしくお願いしますって感じです」
ーーDNA初参戦でしたが、雰囲気はいかがでしたか?
「いいですよね。ASUKA PROJECTも結構若い選手だけの団体って感じなので。どんどんASUKAの選手もチャンスがあれば呼んでいただきたいんですけど。こういう若い選手とも、僕もまだまだ若手なんで、どんどんいろんな選手とやって、いろんなスキルつけて、どんどん僕もさらに上を目指していきたいと思ってますので、今日はすごいいい経験でした」

第2試合

2015-5-1DNA5北沢_第2試合今大会唯一のDNA同士の対決。試合開始のゴングが鳴ってから「お願いします」と満面の笑みで握手を求めた鈴木。岩﨑が応じると、ガットショットから首固めで丸め込んだが、カウントは2。レフェリーに抗議する鈴木に、当然抗議する岩﨑だが、あらぬ方向を指差してよそ見させた岩﨑はグーパンチを叩き込む。
チンロック、フェースロックと決めていった鈴木は、岩﨑をコーナー下に座らせると両足で踏みつける。さらに背中を向けてレフェリーに「何もしてない」とアピールしながら後ろ足で岩﨑を蹴っていくと、そこから逆片エビ固め。

ロープに逃れた岩﨑だが、腰に乗っかって踏みつけた鈴木はトップロープに顔面を擦りつけていく。怒った岩﨑がエルボー合戦を挑んでいくが、鈴木は首筋へのチョップから予告付きブレーンバスターを狙う。これを逆に投げた岩﨑はエルボーの連打から、ロープに飛んだ鈴木を追走してキチンシンク。
さらにバックドロップから変形のチキンウイング・フェースロックに捉えた岩﨑だが、ロープに逃れた鈴木。ならばとダブルアームの体勢に入った岩﨑だが、踏ん張った鈴木はフェイントを入れてからヒザへの低空ドロップキック。さらにエアプレンスピンで回していった鈴木は、もう一度ブレーンバスターを予告。

そこから意表を突いて首固めで丸め込むと、続けてスクールボーイ。カウント2で返した岩明は串刺し攻撃を狙うが、かわした鈴木はロープに足をかけてのスクールボーイ。カウント2で返した岩﨑は走り込んできた鈴木にカウンターのミドルキック。さらに左右のエルボーを叩き込むと、ボディにニーリフトを叩き込んでからのダブルアーム・スープレックスで投げて3カウントを奪った。

第3試合

2015-5-1DNA5北沢_第3試合DNAでは様々な団体のトップクラスと対戦することが多い宮武は、今回現在KAIENTAI DOJOのCHAMPION OF STRONGEST-K王者である火野裕士と対戦。
まずロックアップすると火野がロープまで押し込み、バンバンと叩いてからクリーンブレイク。すぐに宮武はショルダータックルでぶつかっていくが、火野は余裕の表情で受け止める。すると宮武はロープを指差して「来い」と挑発。火野のショルダータックルをどうにか受け止めた宮武だが、お互いにロープに飛んでのショルダータックルで打ち勝ったのは火野。

そこから逆水平チョップを叩き込んだ火野は、レフェリーに中指を突き立てながらスリーパーを決めると、グラウンドに持ち込んでサイドヘッドロックで絞りあげる。反転して火野の肩をマットにつけていった宮武だが、キックアウトした火野は背中にチョップを振り下ろす。宮武も串刺し攻撃をかわしてブレーンバスターを狙うが、逆に投げた火野は宮武の胸板にチョップを振り落とす。
宮武も逆水平チョップを打っていくが、手を後ろに組んで受け止めてみせた火野。宮武は「倒すぞ!」と渾身の逆水平チョップを何発も叩き込むと、エルボーを打っていくが、ロープに飛ばした火野はカウンターの逆水平チョップからセントーン。

これをかわした宮武はショルダータックルで向かっていくが、またもカウンターの逆水平チョップを叩き込む火野。それでもジャンピング・バックエルボーをお見舞いした宮武は「あげるぞー!」と叫んでブレーンバスターで投げていくと、串刺し攻撃を狙う。蹴りで迎撃した火野は突進するが、スパインバスターで叩き付けた宮武はハートアタック(=スピアー)。
しかし正面から受け止めた火野は背中にチョップを落とす。「クッソー! 負けるか!」と叫んで逆水平チョップを叩き込んでいった宮武だが、火野は受け止めた上でより強烈な逆水平チョップを返す。宮武も倒れず意地を見せる。

両手を広げて受け止める火野。胸板をドス黒く腫らし、片膝まではマットについた宮武だが、決して倒れずに逆水平チョップを返す。しかし渾身の逆水平チョップでロープまで後退させた火野は、パワーでロープに飛ばすとラリアットを叩き込んで3カウント。火野から余裕を奪うことは最後まで出来なかった。

<試合後コメント>
火野裕士
「若手なんですよね? あんま分かってないんですけど、今日の大会は若手中心の?」
ーーそうです。
「あのね、若手にしては……名前なんでしたっけ、対戦相手の……」
ーー宮武ですね。
「宮武君は若手にして力があるなとは思ったけども、若手っぽい元気さがないなぁと思ったり。それがいいのか悪いのか分からないっすよ。自分も昔は『若手にしては元気ないな』って言われ続けながら、今こんな感じになったんで、いいのか悪いのか分からないけど、若手を中心とした大会やから、お客さんは若手って感じの元気な闘いを観に来ているでしょうね。だったらもっと元気出したほうがいいのかな……って感じです(苦笑)」
ーー宮武選手のチョップは?
「チョップはカスですね、まだまだ。でも力強いんで、強くなるんじゃないですか? まぁチョップで自分を超えるってことは、まぁ何があってもないですけどね」
ーー宮武選手に対して物足りない感じ?
「物足りないかどうかで言うと、そりゃ物足りるわけないでしょう。だって若手選手なんですから」
ーー元気とかどういった部分でも?
「さっき言ったように若手にしては力強い感じはあるなと思ったけど、元気が少ないなっていうのが……分からないですけどね。自分はそう思いましたね」
ーー宮武選手のことは知って……
「知らないです。名前も今、忘れてたくらいです」
ーー自分の中でグッとくるものがない?
「グッとくるもの……でも水平チョップを一生懸命使ってはったんでね。ちょっとその辺は楽しみですけどね。ただ、さっきも言ったように自分を超えることはないですよ水平チョップで」
ーーDNAの雰囲気や興行については?
「大会を観たわけじゃないんで。自分は試合しただけなんで。その自分の試合した分では、雰囲気……また違いますよねDDTとは。DDTからオファーをもらって来たんで、そういう雰囲気を楽しみにしていたというか期待してたら、また違う雰囲気で。でもこれはこれですごいいいと思いますけどね。すごいなと思うし。こんな雰囲気があったり、いつもの後楽園の賑やかな雰囲気があったり。すごい団体ですねDDTは!」
鶴見亜門GM「ありがとうございます」
「フフ……」

宮武俊
「いやー、痛かったですね。この胸を見ていただければわかると思うんですけど、もう、胸が裂けてるんじゃないかと……何回か血とか出てるんじゃないかなと思ったんですけど、どうやら血は出てなかったみたいです。やっぱ、逆水平チョップが世界で一番痛いですね火野さんは。火野さんは、僕の目指す、プロレスラーの中である意味理想型、完成形だと思うんで、僕は今日負けてしまいましたけど、火野さんみたいなそういうスタイルをどんどん追求していきたいなと。ある意味、僕の目指す方向性というのが見えました。だからこそもっと体重を増やして、もっとパワーを上げて、もっと人を痛がらせるような、そんな逆水平チョップを使えるようにもっともっと練習していきたいです。とにかく今日の火野さんも強かったです。ただ、心は今日折れなかったんで、そこは一歩踏み出せたんじゃないかなと思ってます」
——最後のチョップはダウンするのを耐えてなんとか立っていましたが、それは意地で倒れないと。
「そうですね、最後思わず膝がついてしまったんで、そこはやっぱ鍛錬が不足してるなって。ただ、心より先に身体が、身体がダウンしたんで、心は強くなったんじゃないかなと思います。ただ、チョップに耐えれる耐久力をやっぱ身体に身につけるしかないです。今日、チョップをされて三発目ぐらいのチョップで喉元に食らって、ちょっと能に響いてしまったんで、だいぶ頭のダメージが心配なんですけど、今日は、なんとか病院に行かずにすみそうです。そんな感じですね。ある意味僕の目指す方向が、なんとなく見えてきました。僕の中でアルティメット・ウォリアー、ハルク・ホーガン、火野裕士選手、そこは目指すべきレスラーなので、そこに向かってもっと頑張って、試合練習をこなしていきたいです。何かありますでしょうか?」
——火野さんから元気が無いと言われていたが。
「元気がない? 元気がない……」
——萎縮してた?
「萎縮はしてましたねやっぱり。僕よりふた回りでかいじゃないですか? 僕は今だいたい95kg前後あるんですけど、火野さんはたぶん120kg、そのぐらいはありますよ。ふた回りでかいっていうのはやっぱ、動物として、嫌でも劣等感を感じなきゃいけないですね。だって、そうでしょ? パンダがライオンに勝てないでしょ? それと一緒で、僕はやっぱまだライオンに勝てないぐらい身体ができてないんす。だから肉食動物、肉食動物に勝つには僕も肉食動物にならないといけないんですよ。だからもっと毎日肉を食らって、どんどん弱い人達を食べていかなきゃなって。そこが当面の目標、目標ですね」
——毎日肉を食らっていかなきゃいけない
「そうですね、火野さんは1日どれぐらい肉を食べてるのか知らないですけど、僕は今、毎日1kg肉を食べてます。ただ(1日)1kgで95kgってことは、あと20kg分の肉を食わなきゃいけないんで。やっぱ、その20kg分、そこを埋めるためにはまだまだ食い足りないかなと思ってます」
——肉が?
「肉が。肉を食って、でかくなって、弱いものを蹴散らしていく。それが、男の理想像だと思ってます。僕の目指すべき男の理想像というのはそういう男です。火野さんは男らしかったです」

第4試合

2015-5-1DNA5北沢_第4試合①セミファイナルでは中津が全日本プロレスの前世界ジュニアヘビー級王者の青木篤志と対戦。まず組み合った両者だが、そこから青木が押し倒す。腕を取って捻り上げた中津だが、青木もヘッドロックで切り返す。首を抜いて青木の左腕をハンマーロックに捉えた中津は、さらにその左腕を蹴っていく。
片足タックルを狙う中津だが、テイクダウンを許さない青木は逆に払い腰で投げて素早く腕十字。すぐにロープに逃れた中津は左腕を集中的に蹴って行くと、ショルダーアームブリーカーから、青木の左腕をロープに巻き付けてのアームロック。

だが、場外に叩き落とした青木は、逆に中津の左腕を鉄柱に叩き付けていく。痛みで顔を歪ませながらリングに戻った中津だが、左腕を掴んで投げていった青木は左ヒジを踏みつけると、ハンマーロックの状態からコーナーに投げつける。倒れながらも下から青木の左腕を蹴っていった中津は、立ち上がって左腕へのミドルキックとエルボーを連打。
これに怒った青木は中津の左腕にヒジを落とすと、下から蹴り上げる。中津も左腕を蹴っていくが、キャッチした青木は張り手からショルダーアームブリーカーを決めるとV1アームロックへ。

ヒザを叩き込んで脱出した中津はエルボーから左腕へのミドルキック。しかし中津の左腕にショルダーをぶつけていった青木はジャンピング・アームブリーカーから腕固めに捉えていくが、中津は何とかロープに脱出。青木の串刺し攻撃を蹴りで迎撃した中津は、ロープに飛んでジャンピングライダーキックを叩き込むと、串刺しジャンピングニーから青木の胸板を蹴り飛ばしてから腕十字。
ロープに逃れた青木はジャーマンを狙う中津をワキ固めに捉える。しかし左腕のダメージで完全に極められず中津はロープに脱出。10分が経過し、エルボーを連打していった中津は左腕への蹴りからロープに飛ぶが、かわしてロープに飛ばした青木はドロップキック。

2015-5-1DNA5北沢_第4試合②串刺しランニングエルボーから低空ブレーンバスターで投げた青木は、ハーフダウンの中津にベースボール・スライド(=スライディング式ドロップキック)。バックドロップを狙う青木だが、踏ん張った中津は額をくっつけて睨み合いになるとエルボー。しかし青木のエルボーでマットにヒザをつく。
それでもエルボー合戦を挑んでいった中津だが、青木は左腕へのオーバーヘッドキック。返す刀でハイキックを叩き込んだ中津はチキンウイング・アームロック。丸め込みで切り返した青木に飛び付き腕十字を仕掛けた中津だが、これも丸め込みで切り返した青木。ならばと中津もスクールボーイで丸め込むが、ワキ固めで切り返した青木は中津が踏ん張ったところを腕十字にスイッチしてギブアップを奪った。

敗れた中津は足早に退場。勝ったとはいえ青木は左腕をずっと抑え、苦痛に顔を歪ませるほどのダメージだった。

<試合後コメント>
青木篤志
「いや面白かったです。まあ腕狙い、自分のよくやるパターンと似てるっちゃ似てるんで、久々に、攻められて、僕も意地になって攻めてって感じだったんで、僕もやってみて面白かったです」
——相手の中津選手は総合格闘技の経験もある選手でしたが技術的にはどうでした?
「そうですね、やっぱり形入って関節取った時やっぱこう極まるものはあったんだけど、やっぱりどうしてもこうね、プロレスと格闘技違うから。常にもつれるわけでもないし離れてる時もあるし、何か一発バシンと止める時もあるし、やっぱそういう部分ではプロレスのリングで勝負したら自分のほうがやっぱ上になってしまうのは仕方ないんだけど、まあそこは最初からできる人はいないからさ、自分とやった事が彼にも少しでもものになってくれれば、自分はちょっとやったかいがあるかなと思うんで」
——DDTの若手主役の興行というDNAの大会はいかがでした?
「特に今回なのか毎回なのかわかんないけど、チャレンジマッチがどうしても多いような感じがするんでね、チャレンジマッチってどうしても皆ただくってかかるだけど試合になりがちなんだけど、そこらへんは当たり前のことだし、そこで一個でも二個でも違う個性を出した人間が俺はここを飛び抜けていくと思うんで、そういう意味ではちょっと自分の全日本の中にも後輩はいるんで、まあちょっと今日はいい参考にさせてもらいました」

中津良太
「強くて上手かったですね。これが全日本プロレスなのかって感じですね」
——1点腕攻めは予め考えていた?
「そうですね、あんまりしたことは無いんですけど、実は僕も腕攻め割りと得意な方なので。青木さんも腕攻め得意なんで、どこまで腕攻めが通用するのかやってみようという気持ちはありました」
——かなり青木選手も腕を苦しそうに抑えてる場面もありましたが、手応えはありました?
「そうですね、いけるかなって思ったんですけど、まあ強かったですね。僕に青木さんぐらい腕攻めの引き出しがあればまだもっと追い詰められたのかなっていう気持ちはあります」
——逆に腕を攻められてしまった。
「そうですね(苦笑)。僕の一番の得意技の腕ひしぎで決まったので、結構屈辱的っちゃあ屈辱的な負け方ですね」
——吸収するものは多かったですか?
「そうですね、すごい勉強になった試合でした。スタイルが似てるし、わりと背丈とか体型とかも似てるほうなので、すごい参考にはなりましたね。今後の攻め方だったり技のバリエーションだったりというのは、はい」
——いちばん差を感じた部分は?
「引き出しの多さと、あとは細かいところのレスリングのテクニックですね。するするってジャーマンに行こうとしても脇固めでとられるし、どの体勢からでも青木さん腕に攻撃しかけられるんだなっていうのが一番感じましたね。そこですね。打撃では負けてなかったと思うんですけど、全てはレスリングテクニックの大きな差があったかなと思います」

第5試合

2015-5-1DNA5北沢_第5試合①当初はいまだデビュー以来無敗の樋口とシングルマッチを行う予定だった勝俣。樋口の負傷欠場により、急遽前DDT EXTREME級王者のKAIENTAI DOJOの旭志織と対戦することになった。
まず腕を取ってハンマーロックに捉えた旭は、勝俣が切り返したところをカニ挟みで倒していく。体固めからクロスフェース、ヘッドロックと決めていった旭は、リング中央で袈裟固め。どうにかヘッドシザースで脱出した勝俣だが、反転した旭はすぐにもう一度ヘッドロック。

さたにスリーパーにスイッチすると、そこからニーオンザベリー式のキャメルクラッチへ。ロープに手を伸ばそうとする勝俣だが、旭は両腕とも足の下に持ってきて抑え込む。それでもどうにかロープに逃れた勝俣は、ロープに飛んでアームドラッグで投げると、ロープに飛び乗ってから飛び付いてのアームドラッグ。さらにドロップキックからエプロンに蹴り出してスライディングキック。
これをかわして勝俣を場外に出した旭は、そのままソバットを叩き込むと、場外に出て勝俣の腰をエプロンに叩き付けていく。リングに戻った旭はフェースロックに捉えるが、勝俣はロープに脱出。

そこからコーナー下に座らせた旭は足をバタバタさせて勝俣を蹴っていくと、勝俣の両手を持ったままコーナーに登って顔面を両足で踏んでいく。勝俣の顔面を挑発する旭が蹴っていくと、ムッとした表情でエルボーを叩き込んでいった勝俣。旭もムッとしたような表情で対抗するかと思わせておいて、鶴の舞から再びスリーパーに捉えると胴絞めチキンウイング・フェースロックへ。
ロープに逃れた勝俣はエルボーで向かっていくが、旭は鶴の舞からスリングショット式フットスタンプ3連発。3発目をかわした勝俣だが、逃げたところにフットスタンプ。さらにカバーした旭は勝俣がキックアウトする度にダブルニーを落としていく厳しい攻撃。

シットダウン式卍固めに捉えるが、勝俣はこれもどうにかロープに逃れる。勝俣の首筋や脳天にヒザやヒジを落としていった旭は、さらにエルボーを落としていく。勝俣もエルビーで向かっていくが、首筋に縦のエルボーを落としていった旭は勝俣の串刺し攻撃も蹴りで迎撃してエプロンに出す。
しかし勝俣もジャンピングキックを返すとミサイルキックで旭を場外に追いやり、そこからコーナーに登ると鉄柱越えのプランチャを投下。15分が経過し、旭をリングに戻した勝俣はサマーソルトキック、モンキーフリップから顔面への低空ドロップキック。ムーンサルトプレスは旭がかわしたが、勝俣は着地。

2015-5-1DNA5北沢_第5試合②すると旭はかつまたの両手を掴んで一人サボテンの花で蹴り上げる。さらに勝俣の下半身をエプロンに出し、セカンドロープの上から上半身だけリング内に入れると、またも一人サボテンの花のような形で何度も顔面を蹴り上げる。阿吽(=低空延髄蹴り)をキャッチした勝俣は、二発目をジャンプしてかわすとトラースキック。
ならばと旭は逆さ押さえ込み。これも後転して逃れた勝俣は低空ドロップキックからのムーンサルトプレス。カウント2で返した旭にXファクター(=相手の頭を掴んでジャンプして決める開脚式フェースバスター)を狙うが、旭がかわすと丸め込みからバズソーキック。担ぎ上げようとする勝俣だが、踏ん張った旭。

そこからエルボー合戦になると、旭は松井レフェリーを盾にして延髄斬り。しかし走り込んできた旭にライトニング・スパイラルを決めた勝俣はファイアーバードスプラッシュ。かわした旭は阿吽。カウント2で返した勝俣は阿吽を狙う旭をカサドーラで丸め込む。丸め込みで切り返した旭はそこから阿吽。20分が経過し、これもカウント2で返した勝俣だが、旭はHIMAWARI-BOMBで叩き付けると、そこからジャックナイフ式エビ固めで抑え込んで3カウント。

エンディング

2015-5-1DNA5北沢_エンディング試合後、マイクを持った旭は「24時間前にオファーをいただきました旭志織です。何しろプロレスって、いろんなことがあるんですよ。トラブルもなんもかんもいろんなことがいつでも起こる可能性があるんですよ。前日に対戦相手が欠場になることもあれば、Xで発表されたのに正体ばらされたりすることもあれば。でもいろんな、そういう経験を踏んでこそのプロレスラーだと思います。まだ1年や2年ぐらいの経験しか積んでないでしょ? これから長いこと経験(を積んでいく機会)があると思うんで、そのままたくさん経験積んで、またどっかで試合しましょう」と言うと、握手を求める。勝俣が応じると旭は退場。
そしてDNAの選手たちがリングに上がると、勝俣が「スミマセン負けてしまったんですけど、ちょっとマイクを持たせてください。今日はご来場まことにありがとうございました。今回、1か月前に樋口選手との試合が決まって、僕は樋口戦のために対策を練ったり、いろいろしてきました。だけど樋口選手は欠場になって、カードが変わって、旭選手と闘うことになりました。さっき旭選手も言ったけど、これも含めてプロレスなんだなと実感しました。そして僕は旭選手と闘えて本当に良かったと思います。今回の試合で僕はまだまだな部分が自分の中でいっぱい出てきました。ですが、これからももっともっと練習して、もっともっと強くなって、このDNAのテッペンに立ちたいと思います! これからも勝俣瞬馬、そしてDNAのみんな…みんなで頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いします! ありがとうございました!」と挨拶。
するとスクリーンで次回6.4北沢タウンホール『DNA 6』で、勝俣瞬馬vs.ツトム・オースギ、宮武俊vs.岡林裕二、中津良太vs.梅田公太が行われることが発表された。

<試合後コメント>
旭志織
「1年、2年ぐらいであんなことができるってこと自体僕は驚きなんで。なんでしょう? 僕、自分があれってわけじゃないですけど、僕本当に1年目は股裂きって技しか使ってなかったというか、使いきれなかったんで、そういうことから考えるとすごいなと(思う)。あんだけ多彩な動きがあって、場慣れもしてて、メインイベントで初対決の他団体の人間とあんなに堂々とできるんですから、たいしたもんですよね。ただ、今日、あえてうちの吉野コータローっていう若い選手をセコンドで連れてきたんですけど、うちの若いのもDNAの大会を通してみて、きっと何か感じてくれるものがあったと思うんで、そういう感じたものをうちの団体で、若手同士で高め合って、そして彼らがね、経験を積んだら、今日みたいに経験を積んだDNAの選手と、どっかでぶつかれば、それがプロレス界のためにも業界のためにもなるのかなと思いますんで、若い選手の頑張りをね、期待しつつ、この中年の、我々もまだ負けちゃいられないぞっていう気持ちで、これからもまだ精進していこうと思います。今日は僕らの方こそいい経験になりました。ありがとうございました」
——若い選手に対して厳しい攻撃が目立ったように見えましたが。
「そうですね、それはやっぱりちょっとした僕の意地でもあるんですけど、10年以上プロレスやってきて、1年ちょっとの選手と互角にやってたら、僕の10年間なんだったんだろうって話になりますので、やっぱりそれは今日はあえて厳し目に行ったつもりです。で、今日欠場になった樋口選手はもっと僕なんかよりもパワーがあって、体力もある、サイズもある選手なんで、そういう選手と試合しても彼はきっとこういう厳しい闘いになったと思うんで。まあ僕を踏み台にしろっていうんじゃないですけど、次樋口選手と彼が闘う時の足しになればいいなと、糧になればいいなと、僭越ながら思ってます」
——24時間前の急なオファーでしたが、DNAに出てみていかがでした?
「先程も言いましたけど、成長が早いんでしょうねきっと。うちでやってる選手と比べるわけじゃないんですけど、やっぱりうちの若手も見てますけども、やっぱり比較しても成長が早いなっていうのはあるんで、そういう若手だけの大会みたいなもので、経験を積んでる事が大きいのかなって思いますからね。やっぱそういう経験を、うちの若手にも積ませたいなと思いました。それを肌で感じたんで、うちに還元できたらと思います」
——20分かかると思ってました?
「いやいや思ってなかったですね。びっくりしました。僕の手応えの中では、3分早く終る予定でしたね。あと3分早く仕留めれると思ったんですけど、そこの粘りもやっぱり彼もメインイベントでって思いもあったんでしょうね。そういう気持ちはやってて気持ちいいです。そういう若いガッツっていうのも昔は僕ももってた気がするんで、そういうものを思い起こさせてもらって、いい経験になりました僕も」

勝俣瞬馬
「ほんと、自分のダメなところとか、すごくわかった試合でした。具体的にどうって言われたら難しいですけど、でも自分の中でわかったので、さっきマイクで言ったとおり、もっともっと強くなって、DNAの皆でDNAを頑張って行って、そして俺がDNAのてっぺんに立つっていう、さっき言ったとおりですけど、旭さん強かったですね! キツかった。強かったです」
——旭選手は「自分のほうがキャリアが上なので、いつものより厳しめに行ったが、自分の予想より3分多くかかった」と発言してました。追い込めた手応えは?
「ありましたね、ちょっと。うん、そう言ってたんですね? それは僕、この前(デビュー)1周年になったんですけど、2年目に好スタートを切れたんじゃないかなと。負けは負けですけど、でも相手にそう思わせたらこれはこれでよかったかなと思います」
——樋口選手とシングルマッチが組まれてましたが、今回旭選手と闘えた事で樋口戦にプラスになった部分はありました?
「ありましたね。多分、まあ、この日までに僕は樋口に対しての対策を練ってきました。ただ、普通に負けてました。ただ、今日旭さんと闘って、自信がつきました。まだ僕はイケるなと、まだもっともっと上目指せるなと思ったので、良かったと思います」
——次回大会でツトム・オースギ選手と対戦が決まりました。対戦相手が今回とはまたタイプが違う選手ですが。
「楽しみですね! めっちゃ楽しみです! ツトムさんとかSOSの皆さん、オースギさんと(ヘラクレス)千賀さんはすごい憧れはあったので。スピード! スピードの部分ではリスペクトしてる部分はすごいあったので、自分の闘いたいリストの中には入ってましたやっぱり。だからすごい楽しみです」

樋口和貞
「こういう形になりまして申し訳ないですね。どうしても出たかったんですけど……。強行で膝をガチガチに固めて出ようと思ったんですけど、やっぱりあの、部位が部位だけに医者からストップがかかりまして、こういう形になってしまいましたね。ほんとにファンの方々関係者各位、その他色んな方に迷惑をかけたなと思って反省しております今回は」
——欠場することで初めてDNAを客観的に見たと思いますが、いかがでしたかDNAは?
「そうですね、見てて、全員の試合見てましたけど、メインももちろんすごかったし、セミも中津さんとかもすごかったし、勝俣さんもすごかったし、第1試合とかもすごかったですからね。そうですね、なんで自分がいないんだろうとすごい悔しい部分がありましたね。あとやっぱりリングにこうやって上がれて闘ってるんですけど、それ自体でももうありがたいんだなと、こう怪我をして今回欠場ってなって、リングに上がれないのが辛かったですね今回は、はい」
——勝俣選手が旭選手と20分以上の試合をやりました。怪我が治ったら対戦することになると思うが、より手強い勝俣選手になってるような気がしませんか?
「そうですね、今日の試合見てても前の勝俣瞬馬さんではなかったですね。ほんとに。経験とほんとに、なんですか技術的にもかなり上がってると思うんで、自分も万全な状態で治して、次また当たる機会があればそのうえで全力で叩き潰そうかなと思ってます」
——10日の復帰までに万全な状態にできそうですか?
「そうですね、部分断裂という状態なので、とりあえず全治1ヶ月なんでそこらへんはシコふんで冷やして治そうかなと思ってますんで。必ず膝直して、札幌で挑戦して、ベルトをDNAに持って帰ってきたいと思います」

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