DNA9 9.22新宿大会 樋口vs.勝彦、井上vs.中津、渡瀬vs.大谷、勝俣vs.井上、宮武vs.ライアン、鈴木vs.岩﨑
DNA9
日時:2015年9月22日(火・祝)
開場:17:00 開始:18:00
会場:東京・新宿FACE
観衆:388人(満員)
▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●鈴木大
7分58秒 キャプチュード→片エビ固め
○岩崎孝樹
▼第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●宮武俊
6分57秒 スーパーキック→片エビ固め
○ジョーイ・ライアン
▼第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●勝俣瞬馬
9分48秒 450°スプラッシュ→片エビ固め
○井上麻生
▼第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●渡瀬瑞基
15分3秒 逆片エビ固め
○大谷晋二郎(ZERO1)
▼第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○中津良太
14分28秒 ジャーマンスープレックスホールド
●梅田公太
▼第6試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●樋口和貞
16分0秒 垂直落下式ブレーンバスター→体固め
○中嶋勝彦(フリー)
樋口を退けた勝彦がタッグ結成を呼び掛ける!井上がデビュー2戦目で勝俣から大金星!
必死で食らい付いた渡瀬に大谷がプロレスの教科書を開く!中津が梅田にリベンジ成功
オープニング
オープニングVTRで対戦カードと見どころが発表されたあと、DNAの選手が一人ずつ登場してステージ上に横一列に並び立つ。最後に岩﨑が登場したところで全員リング上に移動。選手を代表してメインに出場する樋口が「皆さん、こんばんは。今回DNA、2回目の新宿FACEとなりました。皆さん、わざわざ足を運んでいただいてありがとうございます。思えばDNAも新宿FACE大会2回目となり、前回のDNA2とはみんな成長して違った闘いを見せられると思いますので、皆さん応援よろしくお願いします。そして自分は中嶋勝彦選手と闘うのですが、本当に勝ちを狙って闘いますので応援よろしくお願いします! ごっつぁんです!」と挨拶。
第1試合
現在DDTの大阪府立第一大会の営業のため、単身大阪出張中の鈴木。対する岩﨑はライトグリーンの新コスチュームで登場。岩﨑のタックルを切って、逆に片足タックルからテイクダウンを奪った鈴木は腕を取ってリストロック。
足をすくって倒した岩﨑はレッグロックを仕掛けるが、鈴木はヘッドロック。しかし岩﨑はヘッドシザースで脱出。ショルダータックルでなぎ倒した岩﨑だが、鈴木もアームドラッグを返すと、ショルダータックルからのカウンターエルボー。
チンロックに捉えた鈴木だが、岩﨑はロープに脱出。ボディスラムを狙った鈴木を逆にボディスラムで叩き付けた岩﨑は胸板を蹴り飛ばしていくと、エルボーで反撃しようとした鈴木にサッカーボールキック。逆片エビ固めに捉えた岩﨑だが、鈴木はどうにかロープに逃れる。
ブレーンバスターを狙った岩﨑だが、DDTで切り返した鈴木はラリアットを狙う。腕へのフロントキックで防御した岩﨑だが、鈴木は退かずにショートレンジラリアット。さらに串刺しラリアットから卍固めを狙う。
ソバットで防御した岩﨑だが、鈴木はまたも退かずに卍固め。ロープに雪崩れ込んだ岩﨑だが、鈴木はエルボーからロープへ。追走してキチンシンクを見舞った岩﨑はミドルキックから急角度バックドロップで投げ捨てる。掌底からのコンビネーションハイキックをブロックした鈴木はエルボー。
岩﨑はミドルキックの連打。鈴木は左右の張り手を返すとはっドバットからバックドロップ・ホールド。カウント2で返した岩﨑だが、鈴木は右の張り手を連打。しかしカウンターの延髄斬りを叩き込んだ岩﨑は胸板へのミドルキックからキャプチュードで投げて3カウント。
第2試合
現在DDTのサーキットに参戦して話題を呼んでいるジョーイ・ライアンが東京初登場。チュパチャップスを咥え、ティアドロップのサングラス姿で登場したライアンは、エプロンでジャンパーのファスナーを開けて、そのセクシーな胸毛を披露すると、オイルを身体に自ら塗りたくる。
ゴングと同時にエルボーで向かっていった宮武はガブっていくが、「あぁ滑る!」と嘆く。それでもレッグロックに捉えた宮武だが、チンロックで脱出したライアンが英語で何やら挑発。しかし宮武は「分かんないよ」。
しかしライアンはショルダータックルでなぎ倒すとブレーンバスターで投げていく。宮武もロープに飛ぶが、カウンターのドロップキックを叩き込んだライアンは、宮武の首をセカンドロープに押し付けながら踏みつける。宮武もガムシャラにタックルでツッ込むが、ライアンはハンマーを振り下ろすと執拗にカバー。
カウント2で宮武が3回キックアウトすると、なぜか豪快カウントの「シックス!」とアピールするライアン。宮武もカウンターのバックフリップを返すと、串刺し攻撃を狙ったライアンにランニングバックエルボーからブレーンバスター。
足を踏みならした宮武は突進するが、かわして場外に出したライアンはトペ・スイシーダを発射。宮武をリングに戻したライアンはダイビング・クロスボディー。カウント2で返した宮武はライアンのスーパーキックをキャッチ。バックに回ったライアンだが、振り払った宮武はロープへ。
カウンターでスパインバスターを決めたライアンは串刺し攻撃を狙うが、エルボーで迎撃した宮武はジャンピング・バックエルボーからブレーンバスターで投げるとコーナーに登ってフロッグスプラッシュを投下。これをかわして自爆させたライアンは変形の小股すくいスープレックスで投げると、パワーボムで叩き付けたところにスーパーキックをブチ込んで3カウント。
第3試合
両国でデビューした井上はデビュー2戦目で初のシングルマッチ。井上はリングインしてきた勝俣からずっと視線を外さない。さらに勝俣からの握手も拒否してから試合開始。バックの取り合いから一旦勝俣が離れると、お互いにハンドスプリングで相手の伏せかわしを避ける。
そこから井上がウラカンホイップで勝俣を場外に投げるが、井上がプランチャを狙うと呼んだ勝俣は距離を取って警戒。そのままリングに戻った勝俣はジャンピング・ネックブリーカーからジャンピング・フットスタンプを落としてのスリーパー。
ロープに逃れた井上に前蹴りからのエルボーを叩き込んだ勝俣は、井上を座らせての低空ドロップキック。腕取り式の逆片エビ固めに捉えた勝俣。どうにかロープに逃れた井上だが、勝俣は挑発するように蹴っていくと、カウンターエルボー。井上をロープに貼り付けた勝俣は動けない井上にドロップキック。
しかし通常のドロップキックを自爆させた井上は、カウンターでダグ・ファーナス式のドロップキック。場外にエスケープした勝俣に対し、井上はトップロープに飛び乗って投下する宇宙人プランチャ。さらに勝俣をリングに戻してスワンダイブ式クロスボディーを決めた井上は足に絡みついて勝俣を倒しておいてからその場飛びムーンサルト。
一転して肩固めに捉えた井上は、リング中央まで引きずってなおも絞めていくが、勝俣は何とかロープに脱出。エルボー合戦に打ち勝った井上は串刺し攻撃を狙った勝俣をショルダースルーでエプロンに出すが、ジャンピングキックで吹っ飛ばした勝俣はミサイルキックを発射。
ライトニング・スパイラルを狙った勝俣に延髄斬りを狙った井上だが、かわした勝俣はドロップキックからムーンサルトプレス。これを剣山で迎撃した井上は首固め。さらに跳躍力を活かしたジャックナイフ式エビ固めや回転エビ固めからオクラホマロールで丸め込む。
だが、キックアウトした勝俣はカサドーラで丸め込んでからフットスタンプ。さらにスワンダイブで飛んでいくが、ドロップキックで迎撃した井上はドリームキャスト(=スクリューキック)を叩き込むと、リング中央でダウンした勝俣に飛距離のある450°スプラッシュを投下して3カウント!
何とでデビュー2戦目にして先輩から金星を取った井上。敗れた勝俣はショックとダメージで呆然としてながら引き上げていった。
<試合後コメント>
勝俣瞬馬
――まさか後輩に敗れる結果になるとは思ってなかったと思いますが。
「はい、まあ見たまんまっすね。アレが結果です。ビアガーデンの(プロレス)甲子園も樋口に負けて一回戦敗退して、(今日は)DNAのビッグマッチですけど、デビュー二戦目の井上に負けて……。もう、お客さんが見たまんまですね。ひと言悔しいです」
――同じハイフライヤーというか、しかもファイヤーバードで敗れるというのはなおさら悔しいんでは?
「そうですね、悔しいですね。もうわけわかんないですね。まあでも結果は結果なんで、負けは認めます」
――決して油断があったわけではない?
「まあ、新人相手だから、油断せずに闘おうとは思ったんですけど、ちょっとでも勝てるって自信が出て油断しちゃったかなっていうのはありますね。いやー、僕は特に言うこともないですもう。これが結果なんで。ありがとうございました」
井上麻生
「とにかくビックリしすぎて、嬉しいとか、なんていうか感情がごちゃごちゃになりすぎて、リング上に居て控室に戻るまではもうほんとにもうなんか何も考えられなくなりました。キャリア全然上の先輩にこう、勝って、勝つことができて、いやほんとに初シングルで全然、前回の両国は6人タッグでまあ、そうあまり見せる場も多くはなかったのであれでしたけど、シングルだとこう色々全部自分でやらなきゃいけないとかスタミナとか不安が結構あったんですが、勝つことができて本当に第一に出てきたのはビックリしたでした。ビックリしすぎてもう、ごちゃごちゃになって、それなんで、あまりこう、感情を出すっていう面ではあまりできなかったかなと思います。僕の次の試合、さっきの大谷さんとの渡瀬さんの試合が、同じくデビューした渡瀬さん、すごい熱い、気持ちを全面に出した試合をしてお客さんの心をしっかりと動かせていたので、僕もああいう気持ちをもっと前に出して、お客さんの心に何か伝えられる選手になれたらいいなと思います。これからも頑張っていきます。楽しんでいきますよろしくお願いします。ありがとうございました」
――今日もかなり非情に色々な多彩な技を出していましたが、まだまだ余裕があるように感じられたんですがまだできることっていうのはありますか?
「その時の自分のリミッターの外しようです」
――今日は外せた方ですか?
「今日は初シングルということでかなり気合いを入れていきました」
――ファイヤーバードは狙っていましたか?
「あれはもうずっと狙おうと思って。こう、跳躍力をこう活かした何かをやろうと思ってたので、飛距離のあるファイヤーバードスプラッシュを狙ってみました」
第4試合
井上と同じく両国大会でデビューした、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の芸人コンビ「てのりタイガー」の渡瀬は、DDTの彰人やスポルティーバの岩本がデビューしたときに対戦したZERO1の大谷晋二郎との一騎打ちというビッグチャンスをもらった。
ゴングと同時に突っ込んでいった渡瀬はエルボーから大谷を寝かせると、ジャンピングニードロップを落とす。しかしボディスラムを上げさせない大谷は逆に軽々とボディスラムで叩き付けると、蹴り飛ばしてからストンピング。
さらに踏みつけてから逆水平チョップを叩き込んだ大谷は、渡瀬のエルボーを受け止めると「もっと来い、コラ!」と一喝してから張り手。渡瀬もエルボーで向かっていくが、大谷は強烈なチョップと張り手を叩き込むと、一本足頭突きからアームホイップ。そして渡瀬の背中を蹴り飛ばすと踏みつけ式逆片エビ固めの体勢に。だが、ステップオーバーせずに自ら離した大谷。
エルボーで向かっていく渡瀬だが、大谷は受け止めた上で強烈なエルボーから胸板にチョップ。心が折れそうになる渡瀬だが、それでも立ち上がってエルボーで向かって行く。しかし大谷は自ら前進してエルボーを受け止めてからチョップ。
さらに渡瀬をコーナーに逆さ吊りにした大谷は低空ドロップキック。渡瀬に檄を飛ばすセコンドに「うるさい!」と一喝した大谷は渡瀬の顔面を踏みつける。渡瀬は立ち上がってエルボーで向かっていくが、大谷は張り手とニーリフトから串刺しエルボー。座り込んだ渡瀬に対し、大谷は顔面ウォッシュの洗礼。
観客の「もう一丁!」コールに応えて二連発でお見舞いした大谷だが、渡瀬もカウント2で返す。鼻血を出した渡瀬に串刺しフロントキックを叩き込んだ大谷だが、絶叫しながら立ち上がった渡瀬。大谷はなおも串刺しフロントキックを連発。
その度に立ち上がる渡瀬だが、大谷はボディスラムからコーナーへ。だが、追いかけていって渡瀬はエルボー。突き落とした大谷だが、それでも立ち上がって追いかけた渡瀬。なおも突き落とした大谷だが、三度追いかけていった渡瀬はエルボー。しかしチョップで叩き落とした大谷。
しつこく追いかけていった渡瀬に、さすがの大谷も嫌そうな表情。ゾンビの如く何度も追いかけていった渡瀬に、大谷が「しつこいな」と漏らすと、渡瀬は走り込んでのドロップキックでついに大谷を転落させる。
そこからブレーンバスターを狙った渡瀬だが、踏ん張った大谷は張り手を連打。だが、大谷がブレーンバスターを狙ったところを逆に投げた渡瀬はランニングエルボー。しかし大谷は倒れない。ヨロめきながらも踏ん張る大谷にランニングエルボーを連発した渡瀬だが、大谷のフロントキックをかわした渡瀬はそこからランニングエルボー2連発でついに大谷をなぎ倒す。
カウント2で返した大谷に渡瀬はミサイルキックを発射。拳を握った大谷にエルボーを連打した渡瀬だが、大谷は走り込んできた渡瀬にキチンシンクを決めると「立て!」と絶叫。立ち上がろうとする渡瀬をボディスラムで叩き付けた大谷は逆エビ固めへ。
しかし渡瀬は何とかロープに辿り着く。ならばと大谷はキャメルクラッチへ。渡瀬の身体を捻ってより強烈に絞め上げた大谷だが、渡瀬はこれもロープに逃れる。なおもエルボーで向かっていく渡瀬だが、走り込んできたところに大谷はカウンターのフロントキック。さらに強烈な逆片エビ固めに捉える。
これも何とかロープを掴んだ渡瀬だが、大谷はシャチホコ式の逆片エビ固め。これにはついに渡瀬もギブアップ。レフェリーからの勝ち名乗りを拒否し、渡瀬の目の前で勝ち誇ってみせた大谷だが、渡瀬が自力で立ち上がると一礼して握手。そして渡瀬を抱きしめると腕をあげて健闘を称えた。
「みずき」コールが起こるマイクを持った大谷は「オイ、渡瀬とか言ったな貴様! ホントかお前? 本当にお前デビューしたばっかりなのかオイ? めちゃくちゃつえーじゃねぇかよオラ!(※歓声が起こる)今日、こんな温かい大会に参戦させてくれまして、僕を求めてくださいまして、本当にありがとうございました! 何か楽しくて楽しくて仕方ねぇから、プロレスの教科書を発表させてください。……久しぶりだぞ、プロレスの教科書……」と久しぶりに大谷が持っていると言われるプロレスの教科書を開くことに。
お客さんも一緒になって「プロレスの教科書! 279ページ、プロレスラーの一生懸命、お笑い芸人も一生懸命。胸張って二足のわらじを履く奴は、みんなに最高の勇気と元気を与えるんだ!」と言うと、「そう書いてありました。オイ、もう先輩後輩関係ない。渡瀬選手、今日は胸に染みるプロレスをありがとうございました!」と言うと、渡瀬と向き合って座礼をした。完全燃焼した渡瀬は両肩を担がれて退場していった。
<試合後コメント>
渡瀬瑞基
「正直、試合は、よく覚えてないです。(泣きながら)でも、最後に、大谷さんが僕の事を、プロレスラーって、言ってくれたことが嬉しくて…芸人もそうですけど、ほんとに、プロレスラースタートしたんだなって、それが嬉しくて。それだけです」
――嬉しさと厳しさ、辛さ痛さ色んな物を今日味わったと思いますが。
「正直、勝てる所は何一つないってわかっていたんですけど、負けた時すごい悔しくて、もっともっと強くなりたいなって、でかくなりたいって思いました」
――大谷選手からかけていただいた言葉は勇気になりました?
「これからのレスラー生活で忘れない言葉になります」
大谷晋二郎
「彼のコメントは終わったのかな? 鼻折れてなかった? 大丈夫? アゴ折れてなかった? どっか怪我してなかった? してない? (※笑顔で)スゲーなやっぱりプロレスラーだな! いや、なんかさ、今日試合このカード言われてね、正直、彼のこと僕知らなくて、皆言うのがお笑い芸人でもあるんですと。でもだからってね、それ聞いただけでプロレスナメるななんてね、そんな軽いこと俺言わねーよ。だからね、確かめてみたかったんだよ彼とあたって。もう、試合始まって、もう何発かわかんないけど、彼がぶち込んできたエルボーによってね、そのエルボーが、強力だとか、効かないだとかそんな問題じゃないんだ。彼のエルボーは…沁みたね。彼のエルボーに、やっぱね、もしかしたらもっと派手な技いっぱいやりたかったかもしれないけど、彼のエルボーに込められた沁みる思いが僕に、体中に沁み渡ってさ。なんかね、こういう言い方、アレかもしれないけど、もっともっと闘いたいなと思ったね! すごい上手い表現の仕方がわからないけど……うん、僕はね、おそらく彼はね、僕も今日はじめて会って、分からないけど、多分、色々言われる事もあると思うんだよおそらく。ね? お笑い芸人っていうのやってて。でもさ、そんな奴にはさ、そんな事言う人にはさ、今日みたいな彼のプロレス見せてやればいいんだよ。これがいい加減にやってるように見えますかってな。ある意味僕は彼に教えられたよ。二足のわらじってな、ちょっと、ネガティブな、嫌なイメージ与えるかも知れないけど、胸いっぱいさ、二足のわらじ履く奴はさ、もしかしたらもっとも勇気のある奴なのかもね。もしかしたら彼に教えられたかもしれない。40半ばのおっさんが、まだ、二十歳ちょっとでしょ多分。教えられたね〜。僕ね、歳をとればとる程、若い奴に教わることいっぱいあるんですよ。今日も、これほどある意味僕は彼から教わることがあるとは試合やって終わるまでわからなかったけど、こういう舞台をね、用意していただいたDDTさん、DNAさん、ほんとに感謝したいと思いますね。もしかしたら僕のこういうスタイルが、そぐわないかもしれないわかんないよそれはでも、もし、大谷晋二郎を必要として、大谷晋二郎求めてくれたのであれば、僕は、喜んで、またこの団体の敷居を跨ぎたいと思いますね。いやね、うん、ねぇ三田(佐代子)さん、思わない? ずっとさ、僕もジュニアの頃から考えてさ、心に沁みる闘いをする度にさ、プロレス好きになるんだよね。うん。もう俺24年目だよ? なのに、またさらに好きになるんだよ。不思議な世界だねプロレスって! だからまだまだやりたいね。今日はね、偉そうな事いうつもりはない。若い彼から、良い意味で喝を入れられました。また彼と触れてみたいね。もしかしたらね、同じコーナーに立ってもいいかもしれないしいや、闘いたいかな彼とは。あのさ、このクソジジイみたいに向かってくるあの顔! (※嬉しそうに)大好物なんだよ俺。また彼のあの必死な顔に表情に、会いたいと思いますね。そして、そんな一生懸命な思いで、頑張ってるであろうお笑い芸人の方僕いつか見に行ってみたいな。熱い、熱い芸やんだろうね! それを見に行ってみたいなという気がしましたね。いいねプロレスって。うん。これ以上話続けると1時間以上話すんで、今日は本当にありがとうございました。彼を称えてあげてください。よろしくお願いします」
DNA新メンバー発表
第4試合の試合後、緊急決定としてDNAが旗揚げから1年経ったということで、DDTからの参戦を解禁することが発表され、10.12北沢大会に現KO-D無差別級王者の坂口征夫の参戦が決定した。
セミファイナルの前には高木三四郎大社長が登場し、「今日はDNAの新メンバーを紹介したいと思います!」と言うと、「あの男です!」と会場奥のピンスポット係を指差す。ピンスポ担当だった男は草プロレス団体「nkw」で活躍していた1998年1月9日生まれの17歳、現役高校生の下村大樹。
下村がリングに上がると高木大社長は「もともとnkw、アマチュアプロレスをやっていた彼なんですけど、年齢も17歳と若いですし、うちの入門テストを受けたときもたぶん過去最高の成績を収めたってことで、この度DNAと契約を致しました。DNAはもっともっと自由な空間にしていきたいんで、アマチュアプロレスとか学生プロレスとか関係なく、どんどんいろんないい選手を入れてやっていきたいと思っていますので応援よろしくお願いします」と説明。
そう紹介された下村は「いまご紹介に預かりました下村大樹と申します。いままでは1年半ほどnkwというアマチュアプロレスをやっていたんですけど、これからはプロのプロレスラーになれるように精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします」と自己紹介したが、高木大社長から「普通だな。何か自己PR出来ないの?」と言われると、下村はコーナーに登ってバック宙を披露してみせた。
第5試合
タッグパートナーのKUDOの負傷により、ノアのジュニアタッグリーグ戦は不本意な結果に終わった梅田だが、昼のノア後楽園大会での試合を終え、この日2試合目。ホームのDNAでライバルの中津とシングルマッチ。
握手を交わしてから腕を取ってハンマーロックに捉えた中津。そのままエビ固めで丸め込むが、キックアウトした梅田はレッグロックに捉える。ボディシザースで切り返した中津は後転してバックマウントを取るが、梅田はうまく脱出。
梅田が前蹴りを出すと、中津は片足タックルでテイクダウン。ニーオンザベリーからボディにパンチを落とした中津はワキ固めへ。ロープに逃れた梅田だが、中津はその左腕にローキックを連打。さらにハンマーロックの状態から左腕にフォアアームを叩き込んだ中津はレッグドロップを落としてからのアームロック。
ロープに逃れた梅田だが、中津は梅田の左腕をロープに巻き付けてから、場外に降りながらのアームブリーカーを決めていく。梅田も右腕だけでエルボーを打っていくが、中津は余裕の表情で左腕を蹴り飛ばす。
中津の串刺し攻撃を蹴りで迎撃した梅田はロープに飛び乗ってのジャンピングミドル。さらに串刺し式ミドルキックからスワンダイブ式ミサイルキック。ゴリースペシャルボムで叩き付けていった梅田だが、中津もフェースクラッシャーを返すとランニングロー。さらに梅田のハイキックをかわして武者返し(=スタンディング式肩固めからの大外刈り)で叩き付けた中津は、ハーフダウンの梅田にスライディングのレッグラリアット。
そこからチキンウイング・アームロックに捉えていくが、梅田はどうにかロープを掴む。中津がエルボー合戦を仕掛けていくと、梅田も右腕だけのエルボーで応戦。さらにミドルキックを叩き込むと、中津もミドルキックを返していく。中津は執拗に梅田の左腕を蹴るが、蹴り脚をキャッチした梅田はドラゴンスクリュー。
さらに飛び付いていって中津が突き飛ばしたところにドロップキック。これで場外に出た中津に梅田はトペ・コンヒーロを発射。場外でも蹴っていった梅田は中津をリングに戻すと、コーナー際でミドルキックを連打。さらい座り込んだ中津に串刺し低空ドロップキック。エルボー合戦からミドルキック合戦になると、お互いに額をくっつけての睨み合いから交互に蹴り合う。
梅田はミドルからスピンキックを狙ったかわした中津はジャーマンで投げ捨てる。着地した梅田はスピンキックを叩き込むとハイキック。だが、かわした中津は飛び付き腕十字。そこから腕固めにスイッチしたが、何とか防御する梅田。しかし素早く立ち上がった中津はバズソーキックを叩き込むとジャーマンスープレックスで投げて3カウント。
試合後、握手をして抱き合って健闘を称え合った両者。ライバル同士らしい熱戦だった。
<試合後コメント>
梅田公太
「中津さんにこないだ勝って、まだ全然時間経ってないですし、お互いに成長したと思うんですけど、今日は、完全に負けましたね。僕も、ここ1か月NOAHに参戦して、成長したと思ってるんで、でも今日の負けは悔しいので、またこの負けを糧にして、色んな人と闘って、また、頂上目指して頑張りたいと思います」
――NOAHに参戦したことで成長した実感とかはありますか?
「実感? やっぱり、なんていうんですかね? やっぱいつもと、DDTとかDNAとか出るのと違って、全然ホームゲームじゃないので、そういうプレッシャーとか、そのなんて言うんですかね?敵として来てるので、かなり緊張感あって、負けれないというのもあって、すごくいい経験だったと思います」
中津良太
「えー、梅田とは一回やって負けてるんで、今日リベンジできて、めっちゃ嬉しいですね。ただ、梅田は今日NOAH帰りなんですよね。NOAHで試合してこっち来てるんで、まあ多少僕のほうが有利だった場面はあるんで、これで一勝一敗。もう1回、きちっと決着じゃないですけどやりたいと思ってます」
――梅田選手はNOAH参戦していましたがそこを意識する場面はありましたか?
「僕は特には。あの、向こうも、向こうはNOAHとか出て活躍とかしてますけど、僕は酒場とかユニオンとかで、DDT・ユニオン(系の選手)以外の人と当たる事も多いので、まあその点では、梅田が外から吸収するっていう感じも僕にはわかるので、お互い吸収したものを出せたかなと思います」
第6試合
DNAのビアガーデンプロレスで行われたプロレス甲子園で優勝した樋口への副賞は、DNA2で対戦した同世代の中嶋勝彦と対戦。しかも今度はシングルマッチ。勝彦が差し出した手を両手で握った樋口。ロックアップからロープに押し込んだ樋口はクリーンブレイク。再びロックアップすると、またも樋口がロープまで押し込むが、チョップをかわした勝彦は体勢を入れ替えてクリーンブレイク。
ヘッドロックに捉えた勝彦は執拗に絞め上げると、樋口はロープに飛ばして脱出。勝彦はショルダータックルを狙うが、受け止めた樋口に「お前が走れ」と指示した勝彦は素直に入ってきた樋口にフロントキック。だが、樋口は返す刀でショルダータックル。
さらにボディスラムからハーフダウンにした勝彦に逆水平チョップ。だが、勝彦も樋口の攻撃をかわしてのフロントキック。さらにエプロンに出た樋口をフロントキックで場外に蹴落とすと、エプロンからランニングロー。なかなかリングに戻れない樋口にエルボーを落としてからイスに座らせると強烈なミドルキック。
リングに戻った樋口にサッカーボールキックを叩き込んだ勝彦は、その後もフライングメイヤーからのサッカーボールキック。ロープに勝彦を飛ばした樋口だが、勝彦はヒザへの低空ドロップキックからSTF。どうにかロープに逃れた樋口だが、勝彦はなおも左ヒザにストンピングを落としていく。
片膝立ちになった樋口の胸板に強烈なローキックを叩き込んでいった勝彦だが、立ち上がった樋口は強烈な逆水平チョップ。勝彦も反撃しようとするが、樋口はカウンターのドロップキック。さらに立ち合いの体勢からスモータックルで吹っ飛ばすとジャンピング・ボディプレスを投下。勝彦の顔を鷲掴みにして樋口は合掌捻り。
10分が経過し、ロープに逃れた勝彦だが、担ぎ上げた樋口はコーナーポストに一度叩き付けてからのオクラホマスタンピート。そこからコーナーに登った樋口だが、勝彦は下からR15。さらに串刺しフロントキックを叩き込んでから「オイ、楽しそうだな新宿」と言ってニヤリと笑った勝彦はミサイルキックを発射。
ダメージの大きい樋口だが、バックドロップ狙いの勝彦を振り払って突進。しかし勝彦はカウンターのミドルキック。すぐに立ち上がった樋口は逆水平チョップ。「イッテーな!」とミドルキックを叩き込んだ勝彦だが、逆水平チョップを返した樋口は「来いよ!」。勝彦のミドルと樋口の逆水平の打ち合いになると、樋口はラリアットを狙う。
腕へのフロントキックで防御した勝彦だが、樋口は勝彦の首をヘシ折らんばかりのショートレンジラリアット。さすがの勝彦も朦朧とする中、のど輪でコーナーに乗せた樋口は一気にシットダウン・ノド輪落としで叩き付けるがカウントは2。15分が経過し、樋口は轟天(=カナディアンバックブリーカー→高角度のど輪落とし)を狙ったが、のど輪落としで叩き付けられる前にうまく脱出した勝彦はミドルキック。
樋口もショートレンジラリアットを何度も狙うが、勝彦はすべて腕へのミドルキックで迎撃。さらに蹴りで樋口をシットダウンさせるとランニングローを叩き込む。カウント2で返した樋口だが、勝彦はダメ押しの垂直落下式ブレーンバスターで叩き付け、馬乗りフォールで3カウントを奪った。
エンディング
マイクを持った勝彦が「樋口選手、また会ったね」と言うと、樋口はマイクなしで「お久しぶりです」と礼儀正しく返答。思わず笑顔になった勝彦は「でも俺はこんなに礼儀正しくて真っ直ぐな闘い方でこのリングに上がっているお前の気持ち、俺は好きだよ。まだ2回しか会ってないけど、二度あることは三度あるよね。何が見たいの? 三度目? シングル? いや、まだだね。レスラーからしたらこんだけ熱い試合したら組みたいんだよ。次のここのリングでもいいし、いつでもいい。一緒にやってみない? いや、でもでもでも礼儀正しいからすぐに返答するのは彼の好みじゃないと思うから、俺がしゃべるのはここまでにするよ。あとはあんたが締めて」と言って樋口にマイクを渡す。
樋口は「中嶋選手、まずこの場で闘ってくれたことを感謝します。ありがとうございます。いまタッグを組もうって来たんですけど、いま考えるのは無理っす。もうちょっと待っててください。しっかり答え出すのでその時まで待っていてください」と返答すると、勝彦は花道から「待ってるよ」と言ってバックステージへ。
改めて樋口は「まず皆さん、だいぶ大きいこと言ったんですけど負けちゃいました。すみませんでした! でも負けたっすけど、まだデビューから1年も経っていない。でも負けたから負けは負けです! 何も言えません。この負けを糧にして、また次、どんどん上を目指して頑張って行きますので、今日は新宿まで来てくれてどうもありがとうございました。ごっつぁんでした!」と言って大会を締めると、中津の肩を借りて引き上げていった。
<試合後コメント>
樋口和貞
――試合負けてしまいましたが、改めて中嶋勝彦という選手は?
「そうですね、やっぱり、同い年ですけど大先輩じゃないですか? 経験の差をまた見せつけられた感じですかね。ほんとに自分は、勝つつもりで行って、正直、ある程度は追い込めたと思うんですよね。でも最後の詰めの部分で、地力というかそういうのがやっぱ違うのかなと。ただ、DNA2では見えなかった背中、背中ちょろっとしか見えなかったんですけど、今日はだいぶ追いついたと思います。次は、もう、頑張りたいですねもっと強くなって」
――試合後には向こうからタッグを組みたいとラブコールもあったわけですが。
「そうっすね。リング上では待ってくれみたいなこと言いましたけども、自分としてはやっぱり、ほんとに先輩からのそういう誘いなんで、自分はいつでも組んでやってみたいですね中嶋さんとはほんとに。とても面白いタッグになると思うんですよ。それで、なんですかね?なおかつ、組んで、中嶋さんの良いところを吸収して、いつか超えてみたいですね、中嶋勝彦を」
――1回だけでは終わらせたくないと?
「終わらせたくないですね。ここまで、ここまで来たんで、なんならもう、越えたいですね。ただタッグについては自分はほんとに組みたいです。組みたいんで、会社に後は、任せます」
中嶋勝彦
「久々のDNAということで、本当に楽しかったですし、相手がね、あの、樋口選手で良かったなって思いますね。前回タッグで当たったんですけど、そん時はね、2か月? デビュー2か月かそれぐらいですごくいい選手だなと思ったし、それずっと僕の中であったんで、今回シングルと聞いてちょっとね、ワクワクしてた部分あったんで、やってみて、自分の想像通りというかそれ以上の真っ直ぐな奴だし、ほんとに、気持ちのいい選手だなと思ったんで、是非組みたいなと思いましたね。しかもね! あんなでかくて、同じ、タメだったんだね。それがね、すごくね、あの、共感持ったし、なんか一緒にやっていきたいなという気持ちにもなったんで、あのリング上での言葉はそのまんまの自分の素直な気持ちを言ったつもりなんで。楽しかったです」
――どういう部分に惹かれました?礼儀正しいという部分含めて。
「うん、そうだね、ほんとにそのまんま真っ直ぐなスタイルというか、もう、なんだろう?こう、ごまかしのない、あの真っ直ぐな気持ちと闘い方が、すごく、やってて気持ちよかったし、僕もどっちかっていうとそんなにね、細かい器用な試合はしないんで、そういう部分でも共感持ったっていう部分ですかね僕は」
――タッグ組みたいということで、闘う舞台は? 次のDNAは10月もありますし。
「10月いつあるんですか?」
――10月12日ですね。
「あー、もうすぐだ! 僕はあの、その日でもいいですし、彼のね、気持ちもあると思うんで、なんでその返事を僕はもらうまで待ってます。待っててくださいと言われたんで、俺も待ってます!」
――OKだったらタッグで?
「やりたいね! 楽しいと思います。またシングルとは違う楽しさが彼との中に生まれるんじゃないかなと思いますね。タメだしね! それがなんか嬉しいね。いや今までね、年上ばっかりだったんですよ! 後輩でも! なんかね、こう12年経ちましたけど、同じ年齢でね、同じプロレスやってるって部分がほんとに、先輩後輩関係なく、嬉しいんです。昭和最後の、63年でしょ、きっと彼は。(19)88年だから、63年か(平成)元年かわからないけど、63年だね。多分ね。同じ昭和最後のレスラーとして、やっぱりいいタッグチームになるんじゃないかなって思います!」