DNA11.28北沢大会 若い力が主人公となるDDTの弟分的な新プロジェクト『DDT NEW ATTITUDE』旗揚げ戦
DNA1
日時:2014年11月28日(金)
開場:18:30 開始:19:00
会場:東京・北沢タウンホール
観衆:294人(超満員札止め)
▼第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○宮武俊
8分23秒 ハートアタック→片エビ固め
●岩崎孝樹
▼第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○勝俣瞬馬
7分51秒 スワンダイブ式Xファクター→片エビ固め
●鈴木大
▼第3試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○樋口和貞
11分14秒 カナディアン・バックブリーカー
●梅田公太
▼第4試合 シングルマッチ 20分1本勝負
●河村知哉
11分29秒 腕ひしぎ逆十字固め
○中津良太
▼第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負
宮武俊/●勝俣瞬馬
17分35秒 カナディアン式のど輪落とし(仮)
○樋口和貞/中津良太
若手中心のDDT新プロジェクト「DNA」旗揚げ戦で角界出身の樋口がいきなり2勝!
2年の時を経てついに正式デビューした宮武は「DNA 2」で葛西純との対戦が決定
オープニング
オープニングVTRは高木大社長から練習生たちに新プロジェクトを発足することを告げられるところからスタート。各選手がプロレス、DDT、さらにDNAへの思いを語った。
VTRが終わると、岩﨑、宮武、鈴木、勝俣、梅田、樋口、中津、河村の順に登場し、ステージ上に並び立ってからリング上へ。選手を代表して勝俣が「本日はご来場、まことにありがとうございます。今日からDNAがスタートします。後輩たちが全員デビューしてプロレスラー生活がスタートします。このDNA、どうなっていくか楽しみでワクワクしています。ですが、今日は僕が一番飛び出して、僕が’DNAを引っ張っていきたいと思います。この場所から新しい歴史が幕を開けます。最後までご声援よろしくお願いします!」と挨拶。
第1試合
先日引退した山本喧一さんのジム「パワーオブドリーム」出身の岩﨑と、2年の時を経てついに正式デビューすることになった宮武の試合がDNAのオープニングマッチ。煽りVでは岩﨑が山本会長から「高木三四郎は信頼できる人間」と言われてDDT入りを決意したことを語った一方、宮武は一家離散状態の家族の共通点がプロレスを見ているということで、自分がプロレスで有名になれば再び家族が集まるかもしれないと語った。
岩﨑は真っ白なハーフタイツとレガース姿で登場。対する宮武は全身シルバーのコスチューム姿で登場。バックの取り合いはお互いに譲らず一旦離れる。リストロックに捉えた宮武だが、足をすくって倒した岩﨑。宮武もヘッドロックに捉えるが、岩﨑はヘッドシザースで脱出。
再びヘッドロックに捉えた宮武だが、ロープに飛ばした岩﨑。ショルダータックルでなぎ倒した宮武だが、岩﨑はアームホイップからミドルキックを叩き込むと、ニーリフトの連打からフロントネックロック。しかし持ち上げてコーナーまで押し込んでいった宮武は逆水平チョップ。
岩﨑の胸板に逆水平チョップを叩き込んだ宮武は、ボディスラムで叩き付けてからストンピングやエルボーを落としていく。さらにボディスラムからのエルボードロップを落とした宮武はジャンピング・エルボードロップ。これをかわした岩﨑だが、宮武は走り込んできた岩﨑にカウンターエルボー。岩﨑もエルボーで反撃に出るとボディスラムの体勢に。
宮武が逆にボディスラムを狙ったが、背後に逃れた岩﨑は走り込んできた宮武にカウンターのドロップキック。さらに串刺し式ランニングエルボーからミドルキックでなぎ倒すと三角絞めへ。そのまま強引に持ち上げた宮武だが、岩﨑はコブラツイストで切り返す。
ロープに逃れた宮武だが、岩﨑はダブルアーム・スープレックスで投げてカウント2まで追い込む。エルボー合戦から岩﨑のミドルキックを受け止めた宮武が豪快なダブルチョップ。さらにジャンプして岩﨑の串刺し攻撃をかわした宮武はジャンピングエルボーアタックでなぎ倒すと「終わりー!」と叫んでから豪快なスピアーを叩き込んで3カウント。
試合後、宮武が握手を求めると岩城も両手で応じてお互いに健闘を称え合った。
<試合後コメント>
岩崎孝樹
「ちょっとやっぱり緊張してですね、ちょっとガチガチになっていたところがあるんですけど、お客さんの声援がすごい聞こえたのでそれを力に頑張れました」
ーー今日の試合でいままでやってきたことを全部ぶつけられましたか?
「そうですね。自分の気持ち、練習してきたこと、それとプロレスに対する気持ち、全力で出すことは出来ました」
ーー初めてあがったプロのリングに感慨とかはありましたか?
「やっぱり自分にとってプロのリングって言うのは聖地じゃないですけど、本当にすごいステージで。ましてやDDTのリングっていうのは本当にそういうステージだと思っていたので、やっと一歩踏み出せたんで、これから頑張っていこうと思いました」
ーー今日の反省点をあげるとすれば?
「ちょっと間ですとか、硬さもあったので、それをしっかり今後の試合に向けて、コーチとしっかり練習してきたいと思います」
ーー今後はどういうレスラー像を目指して?
「やっぱりしっかりと闘いを見せられれて、強い……自分が憧れたレスラー像っていうのは強くて男の憧れなんで、そういうレスラーになっていきたいなと自分も思っています」
ーーテーマ曲が師匠の山本喧一さんの曲だったんですけど。
「はい。やっぱりそこは自分にとって原点ですので。あの方と出会って、あの方からいろいろと教わったからこそ、いまがあると心から思っているので。(山本さんは)引退してしまったんですけど、それを引き継ぐという意味で自分がしっかり闘いを見せていこうと思って(曲を)使わせていただきました」
第2試合
すでに今年4月にDDTでデビューしている勝俣は、元探偵という異色の経歴を持ち、沖縄で1年半のプロレス修業をしていた鈴木と対戦。煽りVでは、時期こそ違うが両者はかつて同じ牛丼屋で働いていたという不思議な縁があることを紹介。
ピンクの吊りパンコスチュームにアロハシャツを羽織って入場した鈴木。対する勝俣は神を赤いメッシュを入れて登場。まずはバックを取った鈴木がリフトしてからグラウンドに持ち込むが、勝俣は一旦脱出して足をすくって倒すとロープに飛んでジャンピングエルボー。しかし串刺し攻撃をかわした鈴木はアームドラッグからランニングエルボーでなぎ倒すと、ボディスラム2連発から執拗にカバー。
何度もキックアウトして勝俣が苦しくなったとことをチキンウイング・アームロックに捉えた鈴木だが、勝俣はロープに逃れる。勝俣のチョップを敢えて受け止めた鈴木は、強烈なチョップを返すとスリーパーに捉えていく。そこからWARスペシャルにスイッチするが、勝俣はロープに脱出。
鈴木の串刺しランニングエルボーからエルボー合戦になると、優勢だった鈴木が足をすくって倒してから邪淫とスイングで回していく。さらに逆エビ固めに捉えると、ロープに手を伸ばす勝俣をリング中央まで引きずっていく。
どうにかロープに逃れた勝俣は、走り込んできた鈴木の顔面に強烈なドロップキックを叩き込むと、サマーソルトキックから串刺し式低空ドロップキック。さらにコーナーに飛び乗ってのクロスボディーから左右のエルボー、張り手を叩き込んでからロープへ。しかしカウンターで卍固めに捉えた鈴木。
倒れ込むようにロープに逃れた勝俣だが、鈴木はブレーンバスターの体勢に。これをDDTで切り返した勝俣はスライディングキック2連発から、片膝立ちの鈴木に飛び付き式ヘッドシザースから鈴木の脳天をマットに叩き付ける。そしてフラフラと鈴木が立ち上がってきたところにスワンダイブ式Xファクター(=相手の頭を掴んでジャンプして決める開脚式フェースバスター)を決めて3カウント。
試合後は握手をして健闘を称え合ったが、鈴木は悔しさとダメージで顔をクシャクシャにしながら引き上げていった。
<試合後コメント>
鈴木大
ーー今日の試合を終えての気持ちから
「皆さんの前に帰ってこられたということがすごく嬉しいんですけど、修行してきたせいかだったりとか、もっと喜びだったりとか、そういうものがまったく皆さんの前に出せませんでしたし、ちょっと不甲斐ないカタチになってしまったと思います。もっと本当に、いままで培ってきたものを皆さんの前に出られなかった1年半の成果を、皆さんの前にいいカタチで出せればと思ったんですけど、自分はまだ力不足だと思います」
ーー戦前「疎外感」という言葉を出していましたが、今日のDNAでもそれは感じましたか?
「入ったときの温かさは感じたんですけど、ふと周りを見たときに自分への声援よりも、やっぱりここ1年か2年、皆さんの前でやってきたみんなのほうが、皆さんの応援だったり思い入れを持たれているんだろうなというのは(感じた)。自分の居場所はまだ作れていないなと、素直に感じました。今日一発で(居場所を)作れればよかったんですけど、その辺までには至らない試合だったと思います」
ーーコスチュームは沖縄?
「沖縄の師匠が作ってくださいまして。グルクンマスクさんが作ってくださいまして。本当にお願いしたらすぐに作ってくださいまして。あまりにも早くて、まったく反応出来なくて、『つまんねぇな』って言われました(苦笑)。『(作った)甲斐がない』って怒られました。本当に師匠にはご迷惑ばかりで……本当にみんなよりも何倍も何倍も、いろんなところで闘っているはずなんですけど、何が足らないのかなと。あー、もう情けないですね!」
ーーデビューしてどうのようなレスラーを目指していきますか?
「僕はプロレスがあったから何とかやってこられたと思っていますし、プロレスのお陰で笑顔になれたり、頑張ろうと思えたので、僕を見て帰りに『面白かったなアイツ』であったり、『変な奴がいるな』でもいいですし、ちょっとでも笑顔を取り戻せたらなと思っております。そんな人になれたらなと思っています」
第3試合
DNA最年少でキックボクシングの経験のある梅田と、元力士で北海山の四股名で活躍していた樋口の一戦。まるでキックボクシングvs.相撲の異種格闘技戦のような一戦。
梅田は紫と黒のハーフタイツ&レガース姿で登場。対する樋口は高山善廣ばりに怪獣映画のようなテーマ曲で威風堂々と入場。試合が始めると、梅田が挑発するように前蹴りを出していくが、樋口は一気に組み付いていくと、リフトしてマットに叩き付ける。しかし体勢を入れ替えた梅田は足を取ってレッグロック。
これをうまく逃れた樋口はリストロックに捉えるが、足をすくって倒した梅田は再びレッグロック。樋口も腕十字で切り返そうとしたが、梅田はバックに回り込む。ハンマーロックで切り返した樋口をヘッドロックで捕まえた梅田だが、樋口はショルダータックルで豪快になぎ倒すと、梅田の首を捻りあげる。
ロープに逃れた梅田にハンマーを振り下ろしていった樋口は、高々と持ち上げてのボディスラム。梅田もエルボーで向かっていくが、チョップを返していった樋口。ならばとソバットからドロップキックで樋口を場外に追いやった梅田はプランチャを投下。
場外でも樋口の足を蹴っていった梅田は、リングに戻ると樋口の胸板を蹴り上げる。さらにロープに飛び乗って串刺し式のミドルキックを叩き込んだ梅田はスワンダイブ式ミサイルキック。ミドルキックから走り込んだ梅田だが、一気に肩口まで担ぎ上げた樋口はコーナーに叩き付けてからのオクラホマスタンピートで叩き付けると、一気に逆エビ固めへ。
ロープに手を伸ばす梅田をリング中央まで引きずり戻した樋口は逆片エビ固めへ。だが、梅田はどうにかロープに脱出。梅田をロープに飛ばして顔面にエルボーを叩き込んだ樋口はブレーンバスターを狙うが、これを首固めに切り返した梅田は飛び付き式の横十字固め。さらにハンドスプリング・レッグラリアットを叩き込むと、ミドルキックを叩き込む。
しかし胸を突き出して受け止めた樋口は逆水平チョップで対抗すると、蹴り脚をキャッチしてヘッドバット。ならばと梅田もミドルキックの連打からハイキックでなぎ倒す。10分が経過し、串刺しランニングニーを狙った梅田をキャッチした樋口は豪快に投げ捨てると、串刺しラリアットから立ち合いからぶちかまし。そこから一気にカナディアンバックブリーカーで担ぎ上げると、ガンガン揺さぶっていき梅田からギブアップを奪った。
試合後、樋口が握手を求めるが、その手を蹴りで払った梅田。樋口の新人離れした豪快さに一気に場内が沸き上がった。
<試合後コメント>
梅田公太
「何かもうやれてよかったって感じですね。昔から立ってみたかった舞台に、立ててよかったなっていう感じです。あとは時が過ぎるのが早かったなっていう感じがあります」
ーー今日、自分が出したいと思っていたことはリング上で刺せましたか?
「はい。全力で出せました(笑)」
ーー試合後は樋口選手にかなり悔しさを露わにしていましたが。体格もずいぶん違っていたが、その辺は感じましたか?
「そうですね。ちょっと感じたんですけど、その分気迫で押してやろうっていう気持ちがありました」
ーー「蹴りを見てほしい」っていう言葉がありましたけど、リングで蹴りを出してみてどうでしたか?
「いや〜、それは皆さんが評価することなので、何とも言えないですね(苦笑)」
ーー周りの歓声は聞こえました?
「まあ若干ですね。そんなにモロは聞こえなかったですけど、ワーッて言ってるなぐらいには」
ーーそういうのを聞いて嬉しいとか、それどころではなかった?
「そうですね。ちょっと集中してましたね、だいぶ」
ーー今後はどういうレスラーを目指していきますか?
「う〜ん……とにかくコイツだったらやれるんじゃないかぐらいの期待されるレスラーになりたいですね」
第4試合
地下格闘技で10戦ほど経験のある中津は、ユニオンプロレスで2013年10月にデビューしている河村と対戦。
赤いキックトランクスに赤のレガース姿で登場した中津。ケガで欠場している期間はあったものの、すでにデビューしてから1年以上のキャリアのある河村は落ち着いた様子で登場。
中津が握手をする素振りすら見せないとニヤリと笑った河村。腕の取り合いから足をすくって倒した河村だが、中津は総合格闘技の動きでスイープ。河村がワキ固めを狙ったもフロントネックロックに切り返す。一旦離れた河村はハンマーロックに捉えるが、カニ挟みで倒した中津はハンマーロックをお返し。
ロープに逃れた河村はショルダータックルでぶつかっていくが、倒れない中津はカウンターのドロップキックを狙う。これを自爆させた河村はアームホイップを狙ったが、これは中津が逆に投げていく。エルボー合戦になると、そこから中津が走り込むが河村はDDTで切り返す。さらに低空ブレーンバスターで投げた河村はセントーンを投下。
中津をコーナー下に座らせた河村は喉元を踏みつけていくと、低空ブレーンバスターで投げていく。ショルダーネックブリーカーからサーフボードストレッチに捉えた河村は、反転しようとする中津をグラウンドに引き込むとチンロックからスリーパー式キャメルクラッチ。ロープに逃れた中津はエルボーを叩き込んでいくが、河村もエルボーで応戦。
すると中津はミドルキックからドロップキック。ミドルキック3連発で河村をダウンさせた中津は、串刺しランニングエルボー。さらにローからのミドルでなぎ倒すとダブルリストロックへ。
ロープに逃れた河村をコーナーに押し込んで串刺し攻撃を狙った中津だが、フロントキックで迎撃した河村は、さらにランニング・フロントキック。さらに串刺し式ダブルニーからリバーススプラッシュを投下すると、バタフライロックを狙ったが、中津は決められる前にロープに脱出。エルボー合戦から中津がミドルキックを出せば、河村はフロントキック、追走式エルボー、さらにランニングエルボーでなぎ倒す。
10分が経過し、ノーザンライト・スープレックスでカウント2まで追い込んだ河村は、今度こそリング中央でバタフライロックに捉える。どうにかロープに逃れた中津に対し、河村はムーンサルトプレスを投下。しかしかわした自爆させた中津は飛び付き腕十字。一旦はエビ固めで抑え込もうとした河村だが、はね除けた中津は改めて腕十字を極めて河村からタップを奪った。
先輩からタップを奪った河村に「折ってやるぞ」というジェスチャー。怒った河村はフロントキックを見舞っていくと、さらに至近距離から顔面に張り手を叩き込んで怒りと悔しさを露わにした。
<試合後コメント>
河村知哉
「あー、ちくしょう! 今日デビューした後輩なんかに負けてしまいました。クソッ! 自分はまだまだ無名のレスラーですけど、これでもキャリア1年あるんですよ。何だよ、クソッ! 今日、本当はムーンサルトプレスなんて出さなくてもギブアップ取れそうだったのに、ちょっと焦ってムーンサルトプレスして避けられて不意を突かれたけど……ちくしょう! もう今日は人生で最悪の日ですね!」
ーーちょっと油断というか舐めていた部分があった?
「舐めていた部分……正直、ありますね。それが自分の敗因ですね。アイツ、普段はかわいい後輩なんですけどね。俺に勝った瞬間、急に表情変えてニコニコしやがって。やっぱり後輩とはいえ、舐めちゃダメですね」
ーー今後DNAを自分が引っ張っていきたいという気持ちは変わっていない?
「今日負けて、ハッキリ言って立場上一番最低、一番最下位だと思うんですよ。自分が(今日)デビューした後輩に負けるなんて、もう最低最悪ですよ。でも今日からスタートだ! 1日でも早くDNAのトップに立って、ドンドンドンドンDNAを盛り上げていきたい! そう思っています」
第5試合
DNA旗揚げ戦のメインはシングルマッチで勝った4選手によるタッグマッチ。宮武はリングインするなり筋肉ポーズを披露。早くもテーマ曲が鳴っただけで場内がざわつく樋口。組み合わせは宮武&勝俣vs.樋口&中津と発表される。
「任せろ」と勝俣が先発を買って出ると、まずは中津とバックの奪い合い。そこからヘッドロックに捉えた中津だが、勝俣はうまく脱出。アームドラッグで投げてからドロップキックを発射した中津は樋口にタッチ。勝俣も宮武にタッチする。
お互い真っ向から逆水平チョップを打ち合うが、やや樋口優勢。ならばと宮武はショルダータックルでぶつかっていくが、樋口は倒れない。樋口もぶちかましでぶつかっていき、宮武をなぎ倒す。倒れた宮武の腹の上に中津を肩車して乗っかっていった樋口。続いて中津がニーオンザベリー式のネッククランチに捉えるが、宮武は何とかロープに逃れる。
宮武もボディスラムを返してどうにか勝俣にタッチ。中津の顔面にスライディングキックを叩き込んだ勝俣は、樋口がカットに入ってくると、エルボーで迎え撃って場外に投げ捨てる。さらに中津を蹴りあげた勝俣は宮武にタッチ。
アームホイップで投げた宮武はボディスラムからジャンピング・エルボードロップ。さらに勝俣が中津の顔面を踏みつけてからカウンターエルボー。背後と正面から連続でスライディングキックを叩き込んだ勝俣は羽根折り固め。中津もミドルキックで反撃するが、勝俣はカウンターのドロップキックを叩き込んで宮武にタッチ。
逆水平チョップからキャメルクラッチに捉えた宮武だが、中津はロープに脱出。中津はエルボーで反撃するが、逆水平チョップでなぎ倒した宮武。10分が経過し、ローの連打からミドルで蹴り倒した中津はようやく樋口にタッチ。飛び込んできた勝俣をビッグブーツで吹っ飛ばした樋口は、宮武に豪快なドロップキック。さらに宮武に逆水平チョップ合戦を要求。
宮武もダブルチョップで応戦するが、ヘッドバットでなぎ倒した樋口は逆エビ固めへ。逆片エビ固めにスイッチしたが、宮武はどうにかロープに脱出。ここで樋口は中津にタッチすると、トレイン攻撃を決めていく。中津のローキックと樋口の逆水平チョップのサンドイッチ攻撃から中津がミドルキックを連打。そこからジャーマンを狙ったが、エルボーで逃れた宮武はフロントネックロックに来た中津を水車落としで投げると、コーナーにホイップ。
だが、コーナーに飛び乗った中津は宮武に飛び付きフロントネックロック。どうにか勝俣がカットしたが、樋口が勝俣を場外に連れ出す。走り込んだ宮武にミドルキックを叩き込んだ中津だが、それでもロープに飛んだ宮武はジャンピングエルボーを返していき、両者タッチ。勝俣を逆水平チョップでなぎ倒した樋口は串刺し攻撃を狙うが、かわした勝俣は三角跳び式ミサイルキック。さらにサマーソルトキックからコーナーに飛び乗ってのクロスボディー。
コーナーに登った勝俣を追いかけた宮武は樋口を引きずり降ろしてスピアーを狙ったが、樋口はフロントネックロックで捕まえると、コーナーからダイブしてきた勝俣を逆水平チョップをはたき落とす。だが、宮武がブレーンバスターで投げると、勝俣がミサイルキック。だが、樋口も勝俣のスワンダイブ式Xファクター(=相手の頭を掴んでジャンプして決める開脚式フェースバスター)をキャッチすると、肩口に担ぎ上げてコーナーに叩き付けようとするが、背後に逃れた勝俣はスクールボーイ。
カウント2で返した樋口をカサドーラで丸め込んだ勝俣だが、カウント2で返した樋口はもう一度飛び付いてきた勝俣をアトミックドロップの体勢でキャッチすると、コーナーに投げつけていく。さらに対角線上から立ち合いで突進するとぶちかましで勝俣を吹っ飛ばす。勝俣もカウント2で返す意地を見せたが、カナディアンバックブリーカーで担ぎ上げた樋口は、そこからのど輪落としで叩き付けて3カウント!
エンディング
試合後、DNAの選手を全員リングに上げた鶴見亜門GMが選手たちに声をかける。
GM「何とか無事に旗揚げ戦を終えることが出来ました。今日の大会が成功だったのかどうかは、観に来てくれたお客さんが判断してくれると思います。(※場内から大きな拍手)このDNAというプロジェクトが大きなものになるかどうかはキミらに懸かっているので、もっともっと努力してください。期待しています。
樋口、デビュー戦で2勝、しかも先輩からの勝利。本当にすごいことだと思います。ポテンシャルはお前が一番持っていると思うので、期待しているから頑張って。
河村、お前が今日一番悔しい思いをしたんだろうと思います。この悔しさを活かすも殺すも今後のお前の努力次第だと思うので、腐らずに頑張って。
宮武、お前がデビューするなんてよ、100万年早いんだよぉ! ……何て言ってたのによ、本当にデビューしちゃったな。100万年早かったな、意外とデビューおめでとう。頑張れよ!
ほかのメンバーももっともっと練習して、それぞれの個性磨いて、自分がこのDNAを引っ張っていくんだくらいの心持ちで臨んでください」
そう言ったGMは今後のDNAの大会スケジュールを2015年1月9日に新宿FACE、2月5日に北沢タウンホールと発表すると、現時点で決定していることは1.9新宿大会『DNA 2』では他団体の選手を呼んで試合を組むこと。交渉中の中で決定しているカードとして、葛西純vs.宮武が発表されると、宮武はかなり驚いた様子。
GMから感想を聞かれた宮武は「感想ですか? 生きて帰れるように頑張ります」と答えるのが精一杯。
最後は旗揚げ戦で2連勝した樋口が「今日はDNA1ご来場、ご観戦本当にありがとうございます。自分は相撲界に入って引退して一度は夢をほぼ諦めかけていました。そんなときにこんな自分をDDTが、そしてこのDNAがこうやってリングに立たせてくれて本当に感謝しています! 先輩方、そしてこのプロジェクトを考えて送り出してくれたDDTの方々、ありがとうございます! 自分たちDNAはほかの団体に負けないように、これからも全力で突っ走っていきます! 応援どうかよろしくお願いします! 今日はどうもごっつぁんでした!」と挨拶して旗揚げ戦を締めくくった。
<試合後コメント>
樋口和貞
――デビューしていかがですか?
「正直新プロジェクトでデビューするというのが緊張してたんですけど、正直リング上がったらすごい楽しかったです。楽しかったのひと言です」
――お客さんの声援も非常に大きかったと思うがそれを感じることはできましたか?
「そうですね、こんな応援してくれるんだと思ってほんとありがたいですね。嬉しかったです」
――カナディアンやオクラホマや決め技などは考えていたんですか?
「そうですね、考えてはいましたね」
――実際に決められて3カウントを奪ったわけですが
「まさかと思いましたけどね。偶然とはいえ綺麗に決まったんで、もしかしたらとれるかなと思ったんですけどとれまして、信じられなかったですね、自分のオリジナル技でああやってとれるというのは」
――何か影響があってああいう技をやろうと?
「そうですね、やっぱ身体も大きいですし、影響されたプロレスラーが身体がでかい人ばかりなんで、やっぱりそういう人を見てたら自分もこういう技使いたいなと思って。ああいう形になりました」
――最後は先輩をくだしてデビューした日に勝利を飾りました
「いやちょっと自分でも信じられないですね。こんなになんていうか、先輩から勝利を奪って1日で2勝もできて、夢を見てるみたいです」
――実際に闘ってみて、相撲の時と比べて相手からのプレッシャーであったりだとか試合の違いはありましたか?
「そうですね、どっちも緊張したんですけども、プロレスに上がってるほうがやっぱり楽しいですね。やっぱり相撲ってある程度なんていうか、ほんとに格式高いというか、堅苦しいじゃないですか? プロレスっていうのは本当に自由にできるんで、僕はもうなんかほんとに楽しかったですね」
――今日は自分がやりたかった事というのは色々できましたか?
「ほぼ100%、出来たと思います」
――宮武選手とチョップの打ち合いやタックルのぶつかり合いなど、これは負けられないというものを感じましたが、力と力の勝負では負けられないという思いですか?
「そうですね、もっとデカイ人とも相撲で勝負してきてるんで、負けちゃいけないなと思いました。先輩とはいえ」
――今後どういうレスラーを目指して?
「今後ですか? そうですね、とにかく、立派なヘビー級のプロレスラーになりたいですね」
――目指すはKO-D無差別級王座?
「まあ、恐れ多い話ですけど、獲ってみたいなというのはありますね」
中津良太
――デビュー戦いかがでした?
「疲れましたね。はっきり言ってあんまり記憶が、今蘇ってない状態ですね。とりあえず、バーンって行ったら腕が取れそうだったんで取ったら、勝っちゃったという感じですね」
――先輩から金星をあげる結果になった
「はっきり言って嬉しいですね。嬉しいですけど河村さんも油断があったと思うんで、あそこで落ち着いてムーンサルトを決められてたら僕は負けてたと思いますし。油断を上手くつけたからよかったのかなという感じですね」
――デビューした日で2勝奪えるチャンスもあったと思うが、それを同期の樋口選手にとられてしまいましたが
「でも、取られたって感じは別に。こっちが勝ったんでよかったなと。チームが勝ったからよかったかなと。負けてないですし。しかもね、一日でデビューして経験させてもらえる時点で、ありがたいので、いい経験になったので、欲を言えば勝ちたいですけど、あそこは樋口さんがガーンといってくれて満足です」
――これまで地下格闘技のリングには上がっていたと思いますが、改めてプロレスラーとしてリングに上って違う喜びはありました?
「そうですね、やっぱりこっちのほうが喜びというより痛いですね。勝った喜びは一緒なんですけど、痛さのレベルが半端ないですからね。まだ甘い方ですけどもこんな(胸が腫れたり)ならないですし、ただやっぱりそのぶん試合時間も総合より長い分、勝った時の喜びは総合の時よりこっちのほうが大きかった気はします」
――これからどういうレスラーに?
「あの、レスラーといっても色んなスタイルがあるんで、とりあえず今は関節なりキックなり、格闘技のバックボーンを活かして、後々スタイルを変えるなら変えるでしょうし、このまま行けそうなら行きますし。とりあえず強い闘いを見せるレスラーになっていきたいと思います」
勝俣瞬馬
――残念ながらメインイベントがあのような結果になってしまいました
「もう一言です。ただただ悔しいです! めっちゃ悔しいですね! いやでも、今日が全然終わりじゃなくて、今日がスタートなので、これからまた、上に上がってDNAを引っ張って行きたいと思ってるんで、まだまだ夢を諦めません僕は」
――1回目終わって先輩としてDNAを引っ張っていく覚悟は決まりました?
「そうですね、僕が引っ張って行きたいです。もうほんとに。やっぱり、樋口、強かったっすね(苦笑)ちょっと自分も最後どうなったのかよくわかんないですけど、強かったです。いやでも、僕はここで終わる男じゃないので、やっとプロレスラーになってここまでこれたので、まだまだ、これから突き進みまくります。絶対に上に上がりますよ」
――髪の毛赤くなってますが
「昨日ASUKAで試合だったんですけど、家帰って1人でブリーチして! 自分で気合いを! やっぱりただの若手で終わらせたくなかったんで、イメージチェンジをちょっと。見た目からでもしてやりたかったなって。でも、こういうDNAっていうのは練習生がまた入って、夢が叶う場所でもあると思うんですよ。僕昨日違う団体で後楽園で夢が叶う場所を見て、改めてプロレスをやってよかったと思いましたし、好きになってよかった、好きでよかったって思ってて、今日もデビューした奴らに負けちゃいましたけど、夢が叶うってことは素敵だなと思って、樋口の最後のマイクも、悔しいですけどよかったなと。夢は諦めなければ絶対叶うってまた教えてもらいました。なので僕は絶対に諦めずに上に突き進みます」
宮武俊
「ハァ…ハァ……フゥ……(筋肉は)キレてますか? ちょっと本番に向けての絞りが甘かったかなと思うんですけど、デビューはようやくデビューできて、正直長かったかなというのが正直な感想ですけど、なんとかデビュー出来てとりあえずはよかったです。ただ、まだあのようやくスタートに立った、それには違いないので、これからもっと誠心誠意頑張っていきたいです」
――怪我の不安とかはなかったですか?
「そうですね、途中メインの試合で逆エビされた時は腰大丈夫かな?って何回か思いましたけど、なんとか完治してたみたいなんで、そこはまた折れる事はなかったです。ちゃんとトレーニングしてきたんで大丈夫です」
――ずっとトレーニングしてきたぶんやりたいことあったと思いますが、自分のやりたいことは出せました?
「そうですね、自分の中ではえーと、怪我から半年ぐらい、半年近く空いたんですけど、その半年分の思いがどう伝わったかわからないですけど自分の中では出せたかなと思います」
――樋口選手のパワーはいかがでした?
「いやすごかったですね。最初タックルした時余りにも衝撃で鎖骨が折れたんじゃないかなと思いましたけど、なんとか走れたんで、鎖骨は折れてなかったみたいです。でも、やっぱりチョップ一発一発が重くて、心が、折れそうになりました」
――次回大会で早くも葛西純戦が決まりましたが
「そうですね〜、いや〜……怖いですね。(小声で)とりあえずあの、作戦を練って、生きて帰れるようにとりあえずはそれを考えて、トレーニングに励みたいと思います。ほんとに生きて帰れる、それを目標に次回の大会に向けて調整をしていきたいなと思います」
――試合中パンツを気にして直す場面が数多く見られましたが、コスチュームはまだ着慣れないですか?
「やっぱりそうですね、あの思った以上にケツに食い込んだんで、あと、なんかインナーのTバックもなんかこうあってなかったんじゃないかなって。次回はもっとこうインナーを変えて、紐パンにしようかなって思います。もっとポップな色で。水色とかの紐パンに、見えてもなんか『変なパンツはいてる』って思われないような色を履きたいと思います」
――デビューして練習生Tシャツを脱ぐわけですが、これからどんなレスラーを目指しますか?
「理想の目標とはまたちょっと違いますけど、僕の憧れてる選手はアルティメット・ウォーリアーであったりハルク・ホーガンであったり、強さの象徴、でかくて強いそういう選手が僕の中での理想のプロレスラーなんで、それに近づけるように日々の栄養管理、そしてトレーニング、そういうのすべて怠らずに、これからも頑張っていこうと思います」
<高木三四郎大社長総括>
高木三四郎
「本当に想定の範囲内だった部分もあれば、本当に想像を超えるぐらいのなんていうんだろうな?プロレスラーになってたなという感じですね。正直ココぐらいまではやってくれるだろうのはあったんですよ。でもそれをほんと突き抜けてて、こんなにやっちゃうんだこいつらみたいな! やっぱりこういうDNAという新しいプロジェクトで、僕が一番やりたかったことっていうのがこれは彼らにも言ったんですけど、お前らは新人だと思うなよと。若手だと思うなよと。もう今日がデビュー戦だけども、リングに立ったからにはもう一人のプロレスラーとしてお客さんを満足させる立場なんだからと。それは俺たちもお前らも変わらないからって事を言ったんですよ。だから、新人だけを集めた興行にするつもりはなかったんですよ。いわゆるプロレスラーとして優れたね、ものを提供する集団にしたかったんです。DDTは今これだけの人材を抱えていて、人材育成といった部分で他の団体に比べて抜きん出るものを持ってきてたっていうのを見せたかったというのがありますね。だから彼らは別個で、プロレスの技術を教えてる人間が居て、体づくりに関しては六本木にあるボディプラントというHARASHIMA君が肉体改造した所ですね。そこにあずけて肉体改造をイチからやらせてるんですね。コスチュームに関してもうちのほうでトータルコーディネートして、その筋の人間がトータルコーディネートしてるという感じで。それぞれのプロフェッショナルが集まって彼らは形成してるんで。彼ら自信のポテンシャルを最大限に引っ張ってるっていうのがもう今回のDNAのコンセプトだと思うんで。単なる新人だけを集めた、若手だけを集めた興行にしたくなかった。だからそういった部分で彼らは想定以上の活躍をしたと思います。プロレスの一番大事なプロレスのレスリングの部分に関しては、名前は明かせないですけどもやっぱり僕らはディック東郷さんがうちの団体に居た時から、ディック東郷さんが教えてた技術をそのまま継承してる人間にコーチにつけて教えさせたんで。だから彼らのベースにはディック東郷のレスリングスタイルが脈々と受け継がれている。僕らのベースはそこだと思うんで。だからそれは大事にしてたと思うんで、ほんと想定以上でしたね」
――高木社長の中で目に止まった選手を一人あげるとすれば
「でもまあやっぱり樋口でしょうね。樋口がやっぱり頭二つ分ぐらい抜けていましたね。やっぱりその、パフォーマンス能力から、フィジカル、あとやっぱり身体、タッパのでかさからその他諸々全部合わせて一番、大相撲スゴイなって思いましたね(笑)。ほんとに。いややっぱり国技、大相撲スゲーなって思いましたやっぱり。だから彼のポテンシャルというのはすごかったんじゃないかなと。その次は、その次はそうですね、皆わりと横一線かな。今日出た人間皆よかったし、河村とかだって負けたけどあの表情は良かったし、皆それぞれ何かを得たDNAの興行だったかなと感じますね」
――今後は彼らはDNAのみに出場して本戦には出ない?
「いやいや、違いますよ。DNAはDNAは彼らを中心にした興行なんですよ。だからDNAの興行にDDTとユニオンの選手が出ることはないです。で、DDTやユニオンの興行、そして他の団体の興行に彼らが出て行くことはあります。だから、ダークマッチ? 11月30日の後楽園ホールでダークマッチ組みますんで。今日出た6人……勝俣と鈴木を抜かした6人。鈴木は今日この後帰ったら台湾のほうに行って、プロレスやる……鈴木に似た人が(苦笑)。もう色々それぞれもう、それは個々の活動なんで、別に河村はユニオンとガンプロに出続けるだろうし、まあ、今日出た中でもうちらがチョイスすることはあるかもしれないし、ひょっとしたら他所の団体が上げたいというのがいれば出すし。そこは自由です。ただDNAの興行に関してはDDT本体やユニオンの選手が出ることはないですね。だけど次は葛西選手と宮武って言ったように、どんどん他の人間はあてていくんで。そこは大物も呼ぼうと思ってますし、どんどんあてていきますんで。僕は本当に新人だけの興行にする気はないんで。これだけで、DNAだけで一つのパッケージとして、もうDDTやユニオンを食うぐらいの存在になってもいいんじゃないかと思ってるんで。それぐらいの競争意識持ってやってます」
――宮武選手に葛西選手をあてた意味などは?
「だって面白そうでしょ?(笑)あとアイツが一番いいリアクションするだろうなと思って(笑)。いいリアクションしてましたね。あいつには完全ナイショにしてたんで。まあでも、今後も、もちろん今日出た人間他の7人全員にも、今度の新宿FACEは他所の人間あてていきますんで」