「残りのプロレス人生の時間を全て新日本プロレスの発展に捧げます」WWE帰りのKUSHIDAが新日本へ電撃復帰し石森太二のIWGPジュニア王座へ挑戦表明!
21日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『NEW JAPAN ROAD』が開催され、高橋ヒロムを破ってIWGPジュニアヘビー級王座を防衛した石森太二の前にKUSHIDAが現れ挑戦表明を行った。
5月にエル・デスペラードからIWGPジュニアヘビー級王座を奪取した石森の初防衛戦。
その直後から開催されたジュニアヘビー級の祭典・BEST OF THE SUPER Jr.(BOSJ)に王者としてエントリーした石森だったが、Aブロック公式戦でヒロムにレフリーストップ負けを喫し、同点ながらも直接対決の結果により決勝進出を逃してしまう。
そして、石森を破ったヒロムはそのままBOSJ3連覇で4度目の優勝を果たし、文句なしの実績を引っ提げて石森へ挑戦状を叩きつけた。
石森は試合開始直後から場外でのステップ式アームブリーカーや金具むき出しのコーナーを使ったラフファイトを交えて腕&首&肩を徹底は開始必殺技のYes Lockに向けての布石を打つ。左腕にダメージを負ったヒロムはDなどの関節技でチャンスを作り、トラースキックやヒロムちゃんボンバーなどで流れを変えつつコーナーデスバレーボムやTIME BOMBを決めていくという堅実な試合運びを見せ、試合は30分過ぎまで一進一退。
終盤は互いの命を削り合うかのような死闘になり、石森はヒロムのTIME BOMB IIをBone Lockで、ヒロムは石森のブラディークロスを変形スタナーで切り返すといった互いを知り尽くしているからこその切り返しの応酬を見せるが、石森はハングマン式ドラゴンスリーパーからの雪崩式リバース・ブラディークロスという大技を解禁。大ダメージを負ったヒロムにブラディークロスを叩き込んで36分20秒の死闘に終止符を打った。
マイクを取った石森は「このベルトは、そこ(放送席)にいる前王者・エル・デスペラードから取り、そして今日スーパージュニア3連覇した高橋ヒロムもこのザマだ!事実上のトップ2人を倒したぞ。ってことはよ、次のチャレンジャーいねーんじゃねーか?この俺から一発で取れるやついるか?出てこいよ!それともお前(デスペラード)、リマッチするか?(笑)」と高笑い。
本部席のデスペラードがヘッドセットを外して席を立った瞬間、会場に聞き覚えのある入場曲が鳴り響き会場は驚きと歓喜の声に満ちる。なんとリングに上ったのは、約3年半ぶりに新日本プロレスへ現れたWWE帰りのKUSHIDA。
KUSHIDAは2019年1月末を以て新日本プロレスを退団しWWEへ。NXTを主戦場として活躍し、NXTクルーザー級王座を戴冠するなどの実績を残した。その後、今年4月にWWEとの契約解除が発表され、去就に注目が集まっていた中での新日本復帰に会場は大きく沸いた。
リングに上ったKUSHIDAは、「お久しぶりです。KUSHIDAです!今、契約書にサインしてきました。新日本プロレスに復帰します!ロスに引っ越して、残りのプロレス人生の時間を全て新日本プロレスの発展に捧げます」と宣言。
そして「強すぎちゃって、挑戦者がいなくなっちゃったんじゃないですか?どうです?いるんだよ、ここに俺が!」と石森に挑戦表明を行った。
しかし、石森は「ちょっと待てよオイ。いきなり来てすぐ挑戦?虫が良すぎね―か?だがよ!次期シリーズ、G1 CLIMAXを挟んでその次のシリーズと、時間をかけて自分がチャレンジャーとしてふさわしいか、俺が査定してやるよ!」と返し、2人は額を突き合わせて睨み合った。
バックステージに戻った石森は、久々の札止めとなった今大会を受け「ヒロムがよぉ、カッコつけずに枚数も出して、超満員札止めになるように呼びかけただろ?それに俺も乗っかった。そのおかげで今日、札止めになったんだと思う。だから、ヒロムの功績は大きい」とヒロムをリスペクトしつつ、ヒロムの『ジュニアのベルトを巻いたままヘビーのベルトを巻いてゴールデンタイムで試合をする』という野望に対しては「俺がここにいる限り、ぜってぇさせねぇ!」と牙をむく。
そしてKUSHIDAに関しては「勝って、気持ちよく帰ろうとしたらよぉ、アイツだよ。KUSHIDAだよ!てか、空気読めよホントによぉ!これから時間かけて査定してやっから。チャンピオンとして、チャンピオンの権限として、すぐに挑戦は、ない!」とピシャリ。
対するKUSHIDAは「今まだ家がフロリダのオーランドにありますんで、ロサンゼルスに引っ越して、そこから試合のたびに来日するという形になると思います。残りの僕のプロレス人生、その時間、経験も全て、この新日本プロレスの世界進出、発展に捧げたいと思います。アントニオ猪木さんの有名な言葉で、『ジャングルを守るより、むしろ作れ』(というのがあります)。面白いことができるんじゃないかって、これから楽しみですね」と現況を報告。
そして、「3年半前に新日本プロレス・ジュニアを離れて、新日本プロレス・ジュニアを盛り上げたいと。その役目はもう、ヒロムとデスペラードでしょう。ベルトを獲らないことには、この新日本プロレスの中で居場所は生まれないでしょう。居場所確保のために頑張ります」と目標を掲げた。