「全日本プロレスにはびこるパワハラと過去にすがるジジイどもを駆逐する」“ツインタワーズ”石川修司&佐藤耕平が世界タッグを防衛も若者たちが下剋上の狼煙!
29日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2022 SUPER POWER SERIES』が開催され、世界タッグ王座の初防衛に成功した“ツインタワーズ”石川修司&佐藤耕平の前に芦野祥太郎が立ちはだかった。
現在の全日本プロレスでは、2005年にTARUを中心に全日本で結成された極悪非道のヒールユニット“VOODOO-MURDERS”(第1期)が復活し再び侵略を開始している。
元は今年3月の大田区総合体育館大会での“一夜限りの復活”ということであったが、久しぶりにVMの狂気に触れた諏訪魔には思うところがあった様子。全日本の専務就任、株式会社Evolutionでの女子プロレスラー育成プロデューサー就任など、人の上に立つ立場になったことなどから近年丸くなっていたが、諏訪魔はかつての“暴走”の魂を思い出してしまった。
VMの狂気から逃れるべく諏訪魔は過剰に優等生たろうとしてパートナーの芦野祥太郎と衝突を繰り返し、今月15日の札幌大会で“ツインタワーズ”石川修司&佐藤耕平に敗れて世界タッグ王座から陥落。芦野とのタッグ解消を宣言するも、VMから全日本を守るために芦野&Evolutionと迎撃の姿勢を見せていた。しかし、25日の保土ケ谷大会で諏訪魔は突如VM入りを表明して残虐の限りを尽くし、全日本の風景を大きく変えてしまった。
ツインタワーズの世界タッグ王座戴冠の背景には、こうした全日本の時代のうねりが存在する。
この日のセミファイナルでは、石川修司&佐藤耕平vs土肥こうじ&羆嵐の世界タッグ王座戦が実施。“土肥羆”は貴重な日本人巨漢タッグであり、WRESTLE-1時代にはタッグ王座最多戴冠を誇った強豪チーム。デカい男たちがぶつかり合う全日本らしい試合となった。
普段は反則ファイトも辞さない土肥羆だが、この日は正々堂々の真っ向勝負でバチバチとして肉弾戦を展開。息ぴったりのコンビネーション攻撃でツインタワーズを追い込んでいき、耕平に雪崩式バックフリップを狙う土肥を羆嵐が肩車式バックドロップで叩きつけるという合計体重約350kgの恐るべき合体攻撃を放つなど大立ち回りを演じる。
しかし、ツインタワーズも終盤には体制を立て直し、ダブルのニーリフトからサンドイッチエルボーという黄金連携を決め、最後は石川がファイヤーサンダー→カミゴェ→ランニングニー→ジャイアントスラムと必殺技フルコースで羆嵐から3カウントを奪った。
見事王座防衛を果たしたツインタワーズの前に現れたのは、諏訪魔やEvolutionとの縁を断ち切り、立花誠吾&本田竜輝とWRESTLE-1時代の後輩を引き連れた芦野。芦野は世界タッグ前王者として挑戦権を主張するが、石川は実績を持たない立花&本田の世界タッグ王座戦線参戦に不満顔。
石川は「本田お前、ニヤニヤすんな。試合前だけにしとけよ俺と耕平さんがボコボコにしてやるからな」と威圧するも、芦野は「『ニヤニヤすんな』っていうのは、今の時代パワハラなんだよ。VOODOO-MURDERSもパワハラジジイどもだからよ、お前らのパワハラには屈しません」と一歩も引かず。6月12日の6人タッグトーナメントを3人で制したら挑戦を認めるよう一方的に通告してリングを去った。
バックステージに戻ったツインタワーズの2人は、土肥羆の健闘は高く評価するも芦野らの挑戦表明にはやはり難色を示し、石川は「『ニヤニヤすんな』っつーのは時代遅れだったら言わないですけど、リング上で闘いを見せてくれたら受け入れますよ。おじさんたちがちゃんとしたプロレスを教育してやらないと」と妥協。
耕平は「なにを言っても、やれパワハラだコンプラだ言われる時代ですけど、リング上でそれは関係ないと思いますんで。『おじさんと組むの辞めた』って芦野言ってましたけど、そのおじさんたちがベルト持ってんだからあまりおじさんたちをナメないでいただきたいと思います」と不満顔で語った。
一方、芦野は「諏訪魔なんてジジイと組んでもしょうがないから。先無いでしょ。5年後、10年後を見据えないと。引退してんだろ、アイツら。もう足を引きずって歩いてんだからよ、全員。どこが痛え、あそこが痛え、すぐ疲れただの。俺は30代になったばかり。コイツらは20代。若さがあるから、そこで圧倒的に行けますよ。あんなパワハラなジジイどもに負けないんです。全日本プロレスにはびこるパワハラと、過去にすがるジジイどもを俺たちが駆逐してやるから。過去にすがってちゃダメなんだよ。前を向かないと。未来に向かって進んでいくんだよ」と若い力で下剋上して全日本を変えていく覚悟を語った。