コロナ感染拡大に揺れるプロレス界に天龍源一郎が喝!「団体が選手を守ってやらないと、あまりにもレスラーがみじめだよ」
28日、東京都・新木場1stRINGにて天龍プロジェクト『SURVIVE THE REVOLUTIONVol.7』が開催され、天龍源一郎がプロレス界でのコロナ感染拡大について持論を語った。
天龍プロジェクト(天プロ)は、天龍源一郎の個人事務所及びプロレス団体であり、2015年に天龍が引退を迎えてからはプロレス団体としての活動を休止していた。しかし、昨年11月の天龍の引退5周年記念大会の開催を機に精力的な活動を再開し、今年4月から定期的に大会を開催中。
コロナ禍の中で復活した天プロでは感染症予防対策を徹底しており、会場の換気や関係者・選手・来場者の体温測定・手指のアルコール消毒等はもちろんのこと、ライフイノベーション社の協力を得て各試合後にリングマット、ロープ、コーナー、場外マットに至るまで隅々まで消毒。「安心感を持ってプロレスを腹いっぱい楽しんで欲しい」という想いから、映像配信等での観戦も積極的に推進するなど“プロレスファンファースト”の対応を取り続けてきた。
東京都では、ここ最近感染者数が爆発的に増加しており、大会当日には新規感染者数が3177人と初めて3000人を超えたことが発表されたばかり。
この情勢はプロレス界にも影響を与えており、この1週間あまりで男子・女子問わずプロレスラーのコロナ感染報告が相次ぎ、大会の当日中止や急遽カード変更が行われるなど各団体・選手は緊急対応を迫られていた。天プロでも例に漏れず、今大会では前日に全5試合中3試合のカード変更が発表された。
大会オープニングでは天龍の娘であり、天プロ代表の嶋田紋奈氏がリングに上り、「感染者が多く見られる状況の中でもプロレスを、天龍プロジェクトを見ようと決めてくださったお客様が、どれだけの覚悟を持って今日この会場へと足を運んでくださったのかと、思えば思うほど感謝だけでは足りないほどの気持ちを頂戴しております」と涙で声を詰まらせながら挨拶すると、観衆は拍手で激励。
そして、「主催者として、団体の長として、プロレスラーの家族を持つ者として、最低限のルールとして検査の実施を強くこの業界内に求めたいと思います。ワンマッチを消化するためではなく、その選手の人生や時間を重んじて、検査等での水際対策と保障・安心を提供すべきではないかと思います。今日、もしかしたら私たちが発生源になり得る興行でもあります。誰かを責めたいわけでもありません。でも、少しでも選手個人のリスクを減らし、活躍の場を奪わないための対策をとることは主催者の義務と考えています」と業界内に提言。この日は出場選手がリング上で一堂に会する恒例の入場式も行われず、大会が開始された。
大会終了後、天龍は昨今のプロレス界での感染拡大について「プロレス団体を持ってる長の人たちも、コロナ禍の中で選手をいかに(感染症から)守っていくのかってことを声を大にして言いたいですよ。紋奈代表がリング上でいみじくも喋ったけど、自分とこの興行だけ(感染症対策を)やって、終わったら知らんぷりしてっていうんじゃ、あまりにもレスラーがみじめだよ。こんだけリングの中で闘ってるんだから、最低限の予防とかをしてやらないと、レスラーが浮かばれないよ、この職業」と真剣な面持ちで語った。