【試合詳細】3・13 TTT新木場大会 【CCWカナディアンヘビー級】佐山駿介vs木下亨平 TORU&瀧澤晃頼vs政岡純&竹田光珠 黒田哲広&マスクドミステリー&阿部史典vs藤原秀旺&塚本拓海&竹田誠志

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『ATTACK3』
日程:2021年3月13日(土)
開始:19:00
会場:東京都・新木場1stRING
観衆:140人(札止め)

▼「新木場闘会始」 30分1本勝負
○那須晃太郎(フリー)
8分21秒 逆片エビ固め
●後藤哲也(紫焔)

▼「インディージュニア世代闘争」 30分1本勝負
[Speed of Sounds]ツトム・オースギ(フリー)/○バナナ千賀(フリー)
10分3秒 黄龍
翔太(ガン☆プロ)/●エイサー8(フリー)

▼「最高な世界vsパスポートの無い世界」 45分1本勝負 
黒田哲広(フリー)/●マスクドミステリー/阿部史典(BASARA)
10分34秒 ロマンティックを突き抜けろ!→片エビ固め
[渡鳥連合]○藤原秀旺(アライヴアンドメジャーズ)/塚本拓海(BASARA)/竹田誠志(フリー)

▼「スペシャルタッグマッチ」 60分1本勝負
TORU/●瀧澤晃頼
15分13秒 トラースキック→片エビ固め
○政岡純(紫焔)/竹田光珠(666)

▼「CCW認定カナディアンヘビー級選手権」 60分1本勝負
【王者】●佐山駿介
14分25秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド
【挑戦者】○木下亨平(ダブ)
※第11代王者が初防衛に失敗。木下が第12代王者となる

木下亨平が佐山駿介を制してCCWカナディアンヘビー級王座戴冠!ガッツが来月の復帰&木下へ挑戦表明!TORU&瀧澤の新タッグは黒星発進も手応えアリ!

第1試合


 オープニングマッチは、昨年3月22日にデビューし1周年を控えた後藤が那須に胸を借りるシングルマッチ。
 両者しっかりと握手を交わしてからゴングが鳴ると、両者ジリジリと距離を詰め、那須がローキックで先制しリストを取っていく。さらにヘッドロックからショルダータックルでなぎ倒していくが、2発目を狙ったところで後藤がカウンターのバックエルボー。後藤は那須をボディスラムで叩きつけるとエルボーを連打していき、那須が強烈なエルボーで反撃しても折れずに咆える気迫を見せる。

 那須はニーリフトからミドルキック、サッカーボールキックとU-FILE CAMP仕込みの強烈なキックを連打し逆エビ固め。後藤がブレイクするとコーナーに追い込んで逆水平チョップを連打していき、後藤の反撃のチョップも受けきって地獄突きからバックエルボーでなぎ倒し、スリーパーホールドからキャメルクラッチ。さらにコーナーに振って串刺し攻撃を狙うが、那須をブートで止めた後藤がランニングエルボー。

 後藤は那須をブレーンバスターで投げきり、コーナートップからミサイルキック。さらにボディスラムを狙っていくが、これを振り払った那須がエルボー連打でヒザを付かせ、その喉元にランニングPK。上から体固めに入ろうとしたところで後藤が下から組み付いて首固め。さらにラ・マヒストラルからロープに飛ぶが、那須はカウンターのドロップキック。ダメ押しのPKから逆片エビ固めで絞り上げると、後藤は無念のタップ。

第2試合


 TTT初参戦のエイサー8と沖縄時代から縁ある翔太がタッグでTTTに登場。対するはインディー界の名タッグとして知られるSpeed of Sounds。
 翔太と千賀でゴングが鳴ると、流れる水のように一切止まること無く繋がっていく無駄のない美しいチェーンレスリングが展開され、両者分かれてタッチ。
 ツトムとエイサーの対面となると、互いにロープに飛んでドロップダウンやリープフロッグなど華麗な動きで制空権を奪い合い、これをエイサーがカウンターのエルボーで制するとツトムは命乞いしながらジリジリとロープ際まで下がっていく。すると千賀が手を伸ばしてツトムの体に触れて試合権利を獲得。エイサーが気を取られた瞬間にツトムも飛び起き、千賀&ツトムがダブルのドロップキック。

 カットに来た翔太を千賀がコーナーに上げ、ツトムはエイサーをコーナーに上げる。すると千賀&ツトムは翔太を担ぎ上げ「翔太ロケット~!」と歌いながら神輿のように激しく上下しリング上を練り歩く。祭りの空気を感じ取ったエイサーは持ち込んだ締太鼓を叩きながら楽しげに踊って会場を盛り上げていくが、千賀&ツトムのそれぞれの腹部に締太鼓を押し当ててバチで太鼓を打ち鳴らすと強烈な衝撃波が体内を貫き2人はもんどり打って悶え苦しむ。

 翔太からタッチを受けたエイサーは千賀の腹部に狙いを定め、ボディシザースで絞り上げながら翔太にタッチ。
 翔太はトップロープ越しのローリングセントーンから腹部への串刺しショルダータックルを連打。千賀はエルボー連打で反撃していき、翔太の延髄斬り、エルボードロップをなんとか回避してツトムにタッチ。

 ツトムはコーナー上から飛びついてのアームドラッグから自らもハンドスプリングで着地し見得を切る。そしてスワンダイブ式ミサイルキックを発射も翔太が回避。ツトムはロープに飛んだ翔太へカウンターのローリングソバットを放つも、翔太はロープに捕まってタイミングをずらすことで回避し、フェイントを交えながらの延髄斬りを見舞ってエイサーにタッチ。

 エイサーは一人太鼓の乱れ打ちからフェイマサー。さらにコーナー上からダイビングフットスタンプを発射も、ツトムがこれを回避してフランケンシュタイナーでエイサーを場外へ。救援に来た翔太も場外に叩き落とし、未だ腹部のダメージが抜けない千賀を鼓舞して2人同時にコーナートップから場外へのプランチャ編隊飛行。ツトムは千賀にタッチ。

 千賀はエイサーにセントーンを見舞い、ツトムとともにロープに飛んでいくが、エイサーが2人の攻撃を上手くいなして誤爆させ、2人まとめてフェイスクラッシャー。さらにブレイクダウンからダイビングダブルニードロップ。ここに翔太もフロッグスプラッシュで続き、エイサーがミルクムナリを狙うが、千賀が振り払ってトラースキック。エイサーはこれをキャッチしてみせるが、その視界外からツトムのトラースキックが側頭部に突き刺さり、エイサーがたたらを踏んだ瞬間に千賀が黄龍であっという間に丸め込んで3カウント。

 

第3試合


 TTTの第2試合の門番として元FMW勢などの選手たちとシングルマッチを行ってきた黒田が6人タッグマッチで渡鳥連合と初遭遇。

 秀旺が上着を黒田に投げつけて渡鳥連合が奇襲し、全員散り散りになって場外戦を展開。阿部と秀旺がリングに戻ると、互いに両手を前に出しながら距離を詰め掌底で牽制。阿部が低空タックルから足を刈りアキレス腱固めも、秀旺はクロスヒールホールドで取り返していくなど格闘スタイルの攻防を展開。
 阿部が足にダメージを負うと、代わる塚本も膝裏へのガットショット連打から足へのエルボードロップ。竹田にタッチ。

 竹田と塚本はダブルのヒップトスから塚本のトラースキック、竹田のギロチンドロップと連撃していくも黒田が飛び込んできてカット。阿部は竹田に怒りのゲンコツを見舞うが、竹田もゲンコツで阿部の頭をゴツリ。阿部をコーナーに振って串刺しジャンピングニーからソバット、さらに飛びつき式でチキンウイングアームロックに捕らえていくが、阿部が強引に持ち上げボディスラムで叩きつけて脱出。両者正面から顔面への張り手を打ち合っていき、阿部がソバットでこれを制して伊良部パンチを発射も、竹田はこれをキャッチしてコンプリートショット。阿部は叩きつけられながらも竹田の腕に組付き腕十字を狙っていくが、竹田はローリングで切り返しながら足を取ってアンクルロック。阿部が片足で立ち上がって反撃の素振りを見せると自ら解放し、走り込んでロッキンポを発射も、これをキャッチした阿部が電光石火のカウンタードラゴンスクリュー。阿部は黒田にタッチ。
 
 黒田は竹田にラリアットから哲っちゃんバスターを狙うが、秀旺&塚本が慌ててカット。黒田は2人まとめてダブルラリアットで排除しようとするが、2人同時にガードしてダブルのガットショット。秀旺が黒田を羽交い締めにし、塚本がランニングエルボーを発射も黒田が寸前で回避したため誤爆。その隙を見逃さず黒田がダブルラリアットで叩き伏せて排除。さらに竹田をコーナーに上げてサイレント哲っちゃんカッターを見舞うとジャーマンを狙っていくが、竹田が後ろ足を蹴り上げてローブロー。黒田が怯むとドロップキックで吹き飛ばして塚本にタッチ。

 塚本はドラゴンリングインから黒田の顔面へビッグブートを叩き込み、フィッシャーマン・バスターからバックドロップを狙うが、これを暴れて脱出した黒田が河津落としで叩きつけ、ミステリーにタッチ。

 ミステリーは塚本をコーナーに振って串刺しジャンピングバックエルボーを発射も、塚本が回避して秀旺にタッチ。
 秀旺はミステリーをビッグブートで吹き飛ばしてコーナーに追い詰め、袈裟斬りチョップを連打していくが、ミステリーもリバースして怒りのチョップを連打。さらにミステリーがブレーンバスターで叩きつけトップロープ越しのセントーンアトミコ。さらにラリアットを放つが、秀旺もラリアットで迎え撃ち大型パワーファイター同士のラリアットがバチンバチンとぶつかり合う。やや優勢となった秀旺が大ぶりのラリアットで決めにかかるが、ミステリーはカウンターのパワースラム。

 ミステリーはさらにラリアットを狙ってロープに飛ぶが、場外から塚本がミステリーへ足払いを狙う。寸前で察知して転ぶことは回避したミステリーだったが、その背後から竹田がバックスライドを狙う。ここに阿部が飛び込んできて竹田の顔面に伊良部パンチを叩き込むと、黒田がラリアットで追撃して排除。ミステリーは満を持してチョークスラムを狙っていくが、背面着地した秀旺がフライングニールキックを叩き込み、ジャンピングDDTからロマンティックを突き抜けろ!で叩きつけて3カウント。

 この決着に納得が行かない黒田は試合後も渡鳥連合に突っかかっていくが、渡鳥連合は3人がかりで黒田を場外に放り出す。阿部が「アイル・ビー・バック!アイル・ビー・バック!」と鼓舞すると黒田はギリギリまで粘るものの成功はせず、くやしそうな表情を浮かべながら退場していった。

第4試合


 前々回大会でTTT所属となった瀧澤はTORUとのタッグ結成を熱望。TORUは瀧澤に対し「軽い感じがして、プロレスやってる中で気持ちがこもってないように俺には見えてた」という印象を持っていたが、前回大会で瀧澤とのシングルマッチを行ったことで瀧澤の熱を感じ、今大会では瀧澤との初タッグで出陣。相手はTORUの紫焔時代の後輩である政岡と、TTTレギュラー参戦でILNP王者でもある光珠と勢いのある若手選手たちが揃うカードとなった。

 TORUと政岡でゴングが鳴ると、ロックアップからじっくりとしたリストの取り合いを展開し、TORUがヘッドロックからショルダータックルで先制。政岡はネックスプリングで即座に跳ね起きて両手を広げ余裕をアピール。さらにタックルでぶつかっていくTORUだったが、政岡はこれをひらりとかわし場外へ。間をとってTORUの攻め気を削ぎ、両者タッチ。

 瀧澤と光珠の対面となると、瀧澤が光珠の足を刈ってロープに飛び、光珠の攻撃をリープフロッグで身軽にかわした瀧澤がフランケンシュタイナー。ここにTORUが加勢に入り、光珠へダブルのバックエルボー。政岡が飛び込んできて1vs2でのエルボー合戦を挑むが、瀧澤がカニバサミで倒すとTORUが即座にフットスタンプ、瀧澤のオクラホマロールに合わせてTORUが低空ドロップキックを見舞うといった華麗な連携を見せる。

 瀧澤と光珠のエルボー合戦が開戦し、瀧澤がボディへのエルボーでこれを制すと亭ロックで痛めつけてからロープに飛ぶが、政岡が場外から足を取って引きずり出し頭から鉄柱に叩きつけてからエプロンで首4の字固めで絞り上げながら観衆へ「撮れ撮れ!」とシャッターチャンスをアピールする挑発を行う。

 タッチを受けた政岡は瀧澤の両手をマットに付けてフットスタンプ。さらに指と指の間にロープを挟んでこすりつけるという反則攻撃を経て光珠にタッチ。
 光珠は四つん這いになった瀧澤の腕をローキックで蹴り払い、腕取り首投げからヘッドシザース。さらにコーナーで瀧澤の顔面をグリグリと踏みつけてから政岡にタッチ。
 政岡は観衆へ瀧澤への手拍子を煽りながら両手を広げて瀧澤のエルボー連打を受け止める余裕を見せ、顔面かきむしりからロープに飛ぶも瀧澤がカウンターのドロップキックを叩き込んでTORUへタッチ。

 TORUはランニングエルボー、ランニングバックエルボー、フロントスープレックスと連撃し、救援に来た光珠にもフロントスープレックス。さらに政岡へダイビングフットスタンプを見舞い、背後から政岡の腕を取りながらシットダウンして叩きつける変則的なネックブリーカー。さらにDガイストを狙うが、政岡はアームドラッグで切り返しボディへのエルボーで倒してフットスタンプ。光珠にタッチ。

 光珠はTORUをショットガンドロップキックでコーナーに吹き飛ばし、串刺しスピアーからミサイルキック。さらにハリケーンドライバーを狙うが、TORUが着地して延髄斬り。光珠もトラースキックをTORUの側頭部にクリーンヒットさせるがTORUは倒れず踏ん張り、組み付いてDガイスト。瀧澤にタッチ。

 瀧澤は光珠にコンビネーションチンクラッシャーから串刺しビッグブート。さらにロープに飛んでランニングビッグブートを光珠の顔面にめり込ませるとチルト3の体勢へ。これを暴れて脱出した光珠はソバットから投げっぱなし式のストマックブロック。さらにカットに来たTORUにはスピアーをお見舞いし、政岡にタッチ。


 政岡と光珠のトレイン攻撃から、光珠のハリケーンドライバーに政岡がトラースキックを合わせる連携攻撃。さらに政岡が瀧澤の頭頂部への踵落としからAmbitionsの体勢も、瀧澤がスクールボーイの形で勢いよく政岡を転がし、TORUがすかさずその顔面へシャイニング・ウィザード。さらにTORUのフラップジャックに瀧澤がRKOを合わせる合体攻撃が炸裂し、瀧澤がチルト3で叩きつける。これを光珠にカットされるとTORUがドロップキックで排除して勝負を瀧澤に託す。


 瀧澤は政岡へステップ式延髄斬りから再びチルト3を狙うが、政岡がココナツクラッシュで切り返すと、レフェリーをひっつかんで瀧澤へとぶつけようとする。すんでのところで衝突を免れたもののレフェリーの視線がリングから離れた瞬間に政岡が瀧澤の急所を蹴り上げ、うずくまった瀧澤の側頭部をトラースキックで撃ち抜いて3カウント。ラフファイトに徹しきった政岡がTORUの眼前で勝利を決めてみせた。

第5試合


 2020年のTTTをメインイベンターとして支え続けてきた佐山は、前々回大会でのCCWカナディアンヘビー級王座決定戦を制しついにTTTのトップに立った。しかし、前回大会のメインイベントで行われた気鋭の若手が集う6人タッグマッチで木下のジャーマン・スープレックス・ホールドで敗北するという不覚を取り、木下の挑戦表明を受ける形でこの日はベルトをかけてのシングルマッチが実施された。

 試合前に互いに両手でガッチリと握手を交わしてからゴングが鳴ると、ロックアップから腕の取り合い、グラウンドで目まぐるしく上下が入れ替わる首の取り合いと互いのバックボーンを感じさせる濃密なグラウンド戦を展開。これを佐山が制してショルダータックル、木下の延髄斬りも耐えて再びショルダータックル。しかし3発目は木下がドロップキックで迎撃する。

 佐山はエプロンに転がり出ると、追ってきた木下と入れ違いにリングインしてビッグブートで場外に蹴り落とす。さらにエプロンを駆けての空対地ミドルキックを叩き込み、リングに戻して木下にサッカーボールキックを連打。さらにチンロックで痛めつけてからコーナーでの顔面踏みつけからクロスフェイスと着実に首へのダメージを蓄積させていき、フィニッシュのバズソーキックに向けての布石を打つ。

 佐山はランニングエルボーを狙うが、木下がカウンターのドロップキックで迎撃し、さらにショットガンドロップキックでコーナーに吹き飛ばしてからロープを踏み台にスイングDDT。続けてフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドからジャーマン・スープレックス・ホールドを狙って組み付いていく。クラッチを切った佐山が振り向きざまのハイキックを発射するが、木下はこれを回避すると脇固めで組み伏せてからクロスフェイス。先程自身が苦しめられた技と同じ技で反撃する負けん気の強さを見せつける。

 佐山がこれをブレイクし、コーナーを背に立ち上がると木下は串刺しエルボーを狙って突っ込んでいくも、佐山が回避してジャンピングハイキック。さらにランニングエルボーでなぎ倒してPKを叩き込み、バックドロップの体勢に入るが木下が暴れて脱出。両者正面から一歩も引かずに打ち合っていくエルボー合戦を展開する。どちらかがロープに飛ぶともう一方が追走式の打撃を叩き込むなどさらに熱を増していくが、そのさなかで佐山がカウンターのハイキックをクリーンヒット。しかし佐山のダメージも大きく、両者前のめりにバタリと倒れ込んでダブルダウン。

 両者ふらふらと起き上がってエルボー合戦を展開も、木下が雄叫びを上げながらの右ストレート。木下がロープに飛ぼうとすると佐山がタイツを掴んで引き寄せ、ひねりを加えながらの急角度バックドロップを2連発からバズソーキック。これを木下が根性でキックアウトして見せると、必殺コンボを返された佐山は驚愕の表情。

 佐山は再びバズソーキックを発射も、これをかわしてバックを取った木下がジャーマン・スープレックス・ホールド。これを返されると即座にもう一発ジャーマン・スープレックス・ホールドで叩きつけ、これでカウント3。観衆は思わず大きな歓声を上げた。

エンディング


 死闘を終えた木下は仰向けに寝転びながら両拳を天に突き上げて歓喜の雄叫び。
 負傷欠場中のガッツ石島から木下の腰にベルトが巻かれると、木下がマイクを取る。

木下「勝ちましたァ~~ッ!!『ベルト獲るぞ!』ということしか考えてなかったので、いざ手元に来ると訳がわからないですけど、僕はチャンピオンとしてまだまだこのリングに帰ってきても、大丈夫ですか?!(※観衆が大喝采で応える)自信持ってこのベルト巻いて、このリングにまた帰ってきます!」

ガッツ「えー、なんで俺がここにいるかと申しますと、次回4月17日、TTT新木場大会で、私TTTのリングに帰ってまいります!そこでッ!そのCCWのベルトは、元々俺のベルトだ!俺はな、誰にも負けないでそのベルトを返上したんだよ。おい、新チャンピオン!亨平!4月17日、そのお前のベルトに俺が挑戦する!ここで答えを出してもらおうか!YES or NO!!」

木下「……いきなりガッツさんですかぁ?(笑)まあ、今の自分はすごい勢いに乗ってます。自分で言います。どんな敵であろうと、なんだかやれる気がします!もちろん答えはYES!やりましょう!」

ガッツ「俺もね、このベルト獲ってね、ちょっとやりたいことがあるんで、是非4月17日、正々堂々と!メインで!俺のTTT復帰戦、タイトルマッチ、宜しくお願いします!」

(※両者は固く握手をかわし、ガッツが木下の手を掲げ上げる)

木下「この僕がガッツさんをジャーマンで投げて、ここにいる全員あっと言わせますんで、来月をお楽しみにィ!今日はどうもありがとうございましたァッ!」

<試合後コメント>

TORU&瀧澤晃頼
――初めてのタッグ結成となりましたが、試合結果は奮わないものとなってしまいました
瀧澤「まあ、そんな簡単にプロレスって勝てるものじゃないので……。でも、TORUさんとタッグ組んでみて収穫はあったので、これからもっと2人でタッグとして磨いて行けれれば自ずと勝利は近づくと思うので、これから一緒に頑張ってくれますか?」
TORU「いや、一方的に言われてるだけなんでアレなんですけど(笑)でも今日はホントに、タッグチームの初戦としては十分内容は残せたかなと。最後は普通に個人の力量の差で瀧澤が政岡から取られましたけど、タッグマッチやったら全然個人の力量差は埋めていけると思うし。今日はホントに出だしとしては上々。最後は、な。チンコ蹴られんかったら……」
瀧澤「へへへ(笑)そ!ちんちん蹴るから!」

――得られた収穫はどのようなものだったでしょうか
瀧澤「やっぱり連携とか試合中に見てもらったら出せてたと思うんですけど、それ以外にも要所要所でアイコンタクトで意思疎通が出来ていたと思うので、僕は良かったかなと思います」

――試合中に見せた連携攻撃・合体攻撃は練習の賜物でしょうか
TORU「まあ、正直練習はしてないですね。ぶっつけ本番です(笑)まあ、お互いの得意な部分を色々組み合わせたらああいう形の技になったって感じですね」

――TORU選手、大阪時代の後輩である政岡選手とは久々の試合だったと思います
TORU「そうですねえ。アイツとは、デビューする前からの付き合いなんで、15年くらいになるんですけど、僕が東京に引っ越して、アイツはまだ大阪にいて。そういう中で、また自分が所属した団体でぶつかり合うってのは、特別な感情を抱く部分があるんですけど、やっぱチンコ蹴ってくるアイツを見たら……ちょっとオイオイオイ!と。『お前をプロレス界に戻したの俺やぞ!』と(笑)言いたいことは山々ありますが、今日はまあ政岡に一杯食わされましたね」

――今日の政岡選手&竹田選手組はダーティな攻め方をしてきましたが、それは想定外?
TORU「まあ、アイツも色々スタイルあるし、紫焔ではヒールユニットを率いてますんで、全然伸び伸びやってほしい。アイツがいろいろ考えてたどり着いたのがあのスタイルだと思うんで。そのスタイルのアイツと試合したのは初めてで、刺激的でした。何回も今まで試合してきましたけど、今日の政岡純は刺激的でした。あっ、チンコ蹴るのは許さんからな!」

――これから政岡選手とシングルで戦っていきたいという思いはありますか
TORU「もちろんやりたいです。もちろんやりたいですけど、然るべき場所でやりたいですね」
瀧澤「僕もやり返したいですね。政岡さんとは、シングルはまだ無いんで。ちんちん蹴り返すというわけにはいかないですけど、一個星を返したいですね」

――メインイベントでは、佐山選手が敗れCCWカナディアンヘビー級のベルトの流出を許してしまいました
TORU「皆さんがどういう捕らえ方をするのか分からないですけど、木下の勝利がサプライズ、金星なのか。今の2人の状況を見ると順当な結果なのか。それは見る人によって違うと思うんですけど、僕は順当だと思うし、木下のサプライズの勝利ではなかったと思いましたね。そうやって他団体の若い選手がどんどんかき乱して面白くしていってほしいですし、今日はいいモンが見れたなと思います」
瀧澤「僕はちょっと、セミの試合後のダメージで試合を全部は見れてないので内容についてはあまり言えないんですけど、木下さんからすればここはアウェーで不利な状況じゃないですか。そこで勝った木下さんはただ単純にスゴイなと思いますね」

――タッグチームとしての次なる目標はなにになるでしょうか
TORU「瀧澤とのタッグはまだ生まれたばかりの、タッグチームと呼んでいいのか分からないくらいのタッグなんで、今後もっとコミュニケーションを深めていったりして、今じゃ間違いなく勝負にならないんですけど、Speed of Sounds(千賀&ツトム)だったり、クレイジーラバーズ(竹田&塚本)だったり、PSYCHO&CHANGOだったり、この団体にはインディーを代表するスゴいタッグチームが出てるんで、どうせやるならその人たちと勝ち負け出来るくらいまで上げて行きたいですね」
瀧澤「そうですねえ」
TORU「いつか勝ち負け出来るチームになりたいと思います」

――TORU選手、今日の第1試合では後藤哲也選手のセコンドに付いていました
TORU「アイツが1年前にデビューしたときに、僕がデビュー戦の相手したんですけど、僕は13年目なんですけど、初めて『TORUさんに憧れてプロレスラーになりました』って言われたのがアイツだったんで。瀧澤もそうなんですけど、やっぱり来てくれる後輩ってのはすごいかわいいんで、ぶっちゃけ後藤がこのTTTに出てるのも僕が推薦して出てるので、もっともっと印象残してほしいし、俺のことも利用して欲しい。今日も頑張ってたし、いいんじゃない?」


木下亨平
「いやぁ~、『獲って帰ってやるぞ!』って、その気持しか無かったんで、変にリラックスしていた自分がいたんで、それが勝因だったと思います。ダブプロレスというところに自分はいるんですけど、TTTのリングとはまた違った、各々が『俺はプロレス好きだぜ!』っていう楽しみ方が表情とかプロレスとかにも出てたのかなっていうのが、今自分がベルトを持ってる理由なんだと思うんで、必ずこのスタイルを貫いて守り抜きたいと思います」

――CCWカナディアンヘビー級のベルトは歴史の深いベルトですが、その重みは感じますか
「まだ実感とかは(笑)手元にベルトがあるっていう実感が無いんで、色んな所で『アイツがあのベルト持ってんのか!』って思われるように、色んな人の目を変えてやりたいと思います!」

――次回のTTTの大会までの約1ヶ月間、大阪・広島など様々な地域でそのベルトを持ってリングに上がることと思います
「大阪、東京、広島、神戸もあります。次のタイトルマッチまでに色んな所で試合が決まってるんで、『こんな若手がそんなベルト巻いてるんや』って、ちっちゃい子から、プロレスを昔から見ていた大人まで、みなの心を躍らせるプロレスをしたいと思います!」

――佐山選手の急角度バックドロップなど、強力な攻撃を幾度も食らいながらの勝利でした
「自分も必殺技はジャーマンなので、お互いがお互いに、似たような技で戦って勝ったのが僕だったんで、ギリギリ紙一重やったと思うんですけど、なんとか勝てて良かったと思います!」

――前回大会から引き続いてTTTのメインを任されたということについてどう思いますか
「1回目から呼んでもらってる時点で『自分が一番目立ってやろう』という気持ちには変わりないので、1試合目だろうが、メインイベントだろうが僕には関係ないので。それで結果的にベルトが絡んで一番目立てたと思うんで、次はベルト、タイトルマッチが無くても『やっぱり今日は木下やったな』ってみんなに言わせたいと思います!」

――早速次の挑戦者としてガッツ石島選手が名乗りを上げてきました
「いやぁ~……まあ、チャンピオンは追われる過酷な立場だと思いますんで、チャンピオンベルトに育ててもらう選手ではなくて、ベルトの価値を上げていける選手になりたいと思ってますんで、誰が来ても勝ってやろうって気持ちは同じです!」

――そのベルトを持った上でなにかビジョンはありますか
「やっぱり自分は、ちっちゃい頃にプロレスラーを見て『カッコいいな』って思ってプロレスラーになったんですよ。今は、中々ちっちゃい子どもたちに見てもらえる機会っていうのが少なくなってるのかなと思うんで、個人的な話にはなるんですけど、来月から関西でいくつか無料興行とかする機会がありますんで、そこでベルトを持って色々と転々とするのが目標かなと。そして、もちろんベルトの価値も上げていきます!」


ガッツ石島
――今大会は前回に続いて若い選手にメインが任されました
「最後の試合しか見てないから、最後の試合は、実力がある方が勝つっていう世界だから、『所属選手の佐山が負けたから残念』みたいな気持ちは無いですね。いいんじゃない?これが逆にリング上を活性化してるからね。やっぱ、木下には勢いと一発があるからね。そこは挑戦者の方が、ジャーマンも一発返されたけど諦めずにもう一発行ったから、それが結果としてよかったんじゃないかと思いますね」

――ガッツ選手もそのメイン後には復帰宣言と同時に王座挑戦を表明されました。怪我の容態はいかがでしょう
「怪我は、正直見切り発車ではあるんですけど、そのへんはTTTのリングに帰ってくる前に2試合くらいあるので、その中で上手く自分の中で感を取り戻すためにやっていきたいですね。体調はいいです」

――いきなりタイトルマッチですが、なにか木下選手に感じているものはありますか
「そうですね。やっぱね、気迫が素晴らしいですね。今の若い子はね、気迫をうちに秘める人が多いんだよね。やっぱおとなしい子が多いんだけど、彼は気持ちを試合の中で声に出してるんで、そこが僕が彼を買ってる部分なんでね。僕の体調がどうなるかわからないですけど、タイトルマッチも面白い試合になると思いますよ」

――木下選手は「ガッツ選手をジャーマンで投げてみせる」と宣言していました
「もちろん、それが得意技だったら狙ってくると思うし、こっちもそれなりにキャリアがあるんでそんな都合良く食らうと思ったら大間違いですよっていうのを試合の中でガッチリ教えてあげたいと思います」

――今日はPPVで生中継がありましたが、そこを意識した部分は?
「こういうご時世で会場に来られない人もいるし、逆にね、普段どおりのTTTを見せられたらと思ったんで、ラインナップ的にもPPVってのを意識するよりは普段どおりのものを見せるってことを考えたんで、インディーの若い選手を集めた上でベテランも自己主張するって感じなんて、そのいつもどおりのTTTを見せられたのかなって感じがしますね」

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