年内最後のストロングスタイルプロレスでスーパー・タイガーが藤田和之から悲願の王座奪還を狙う!35周年の船木と25周年のアレクが一騎打ち!WWE入り目前のSareeeが王者として参戦!

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 「初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレスvol.8」が12月17日(木)東京・後楽園ホールでおこなわれる。新型コロナウイルスの影響で大幅な軌道修正を余儀なくされた今年のプロレス界。ストロングスタイルプロレスは6月26日、無観客での配信試合をおこない、11月9日には東京・神田明神ホールにて8ヵ月ぶりの有観客大会にこぎつけた。そして今回、3・19以来となる聖地・後楽園に有観客試合でカムバック。今大会最大のテーマは、藤田和之に渡ったままの団体の至宝・レジェンド王座奪還にあると言っていいだろう。満を持して王座奪回に挑むのはもちろん、団体のエースであるスーパー・タイガーだ。藤田vsスーパーのタイトルマッチを筆頭に、船木誠勝vsアレクサンダー大塚の初シングル、タッグ王座を獲得したばかりのSareee&世志琥組といった現在の女子プロ最高のタッグチームも継続参戦する今大会。本欄ではこれらのカードをはじめ、全6試合の見どころを探ってみる。

『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレス Vol.8』
日程:2020年12月17日(木)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
▼タッグマッチ 30分1本勝負
スーパー・ライダー(フリー)/間下隼人
vs
日高郁人(ショーンキャプチャー)/高岩竜一(フリー)
▼スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
[鬼に金棒]Sareee(WWE Count Down)/世志琥(SEAdLINNNG)
vs
ジャガー横田(ディアナ)/山下りな(フリー)
▼シングルマッチ 30分1本勝負
佐藤耕平(フリー)
vs
岩崎孝樹(ガンプロ)
▼シングルマッチ 30分1本勝負
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)
vs
阿部史典(BASARA)
▼船木誠勝35周年記念試合/アレクサンダー大塚25周年記念試合 シングルマッチ 60分1本勝負
船木誠勝(フリー)
vs
アレクサンダー大塚(AO/DC)
▼レジェンド選手権試合 60分1本勝負
【王者】藤田和之(はぐれIGFインターナショナル)
vs
【挑戦者】スーパー・タイガー
※藤田は2度目の防衛戦

【各試合の見所】
KOの屈辱を味わわされたアジアパシフィック王者・間下が高岩へのリベンジへ!
第1試合タッグマッチ30分1本勝負
スーパー・ライダー(ストロングスタイルプロレス)&間下隼人(ストロングスタイルプロレス)vs日高郁人(ショーンキャプチャー)&高岩竜一(フリー)

 11・9神田明神でのタッグマッチ(間下隼人&日高郁人組vs高岩竜一&岩崎孝樹組)で、間下は屈辱的なKO負けを喫した。高岩の超竜ラリアットを食らい大の字、立ち上がることなく控え室に運ばれたのである。さいわい大事には至らなかったものの、豪腕の威力をまざまざと見せつけられてしまったのだ。間下はUWAアジアパシフィックヘビー級王者だけに、その悔しさは尋常ではない。6月大会では初防衛に成功しており、次期挑戦者について考えていた矢先の惨敗。それだけに今回は、タッグマッチながら間下の思いが直に反映されるカードになった。間下としてはキッチリと雪辱を果たした上で2度目の防衛戦を迎えたいところだろう。内容、結果次第では高岩が次期挑戦者として浮上する可能性もあり高岩自身もベルトへの興味を示しているだけに、要注目のオープニングマッチである。百戦錬磨の高岩を相手にする間下は今回、大先輩であるスーパー・ライダーをパートナーにリングに上がる。間下がターゲットとする高岩は今回、日高郁人とのタッグで登場。高岩と日高は元ZERO1とあって、息はピッタリ。間下組には厄介な相手になった。しかも日高は間下ではなくライダーの方に意識が向いている。バトラーツ時代に接点があり、対戦となると実に19年ぶりのことになるという。日高はライダーから一本取りたいと息巻いており、藤田和之も一目置いていたライダーの実力を日高が引き出すことも考えられる。間下vs高岩に割って入る日高vsライダー。この図式がどのような化学反応を起こすのか!?

連続参戦の佐藤耕平にレギュラー参戦の岩崎孝樹がチャレンジ!
第2試合シングルマッチ30分1本勝負
佐藤耕平(フリー)vs岩崎孝樹(ガンバレ☆プロレス)

 11・9神田明神で待望のストロングスタイルプロレス初登場を果たした佐藤耕平が連続参戦。前回はいきなりスーパー・タイガーとのシングルマッチで敗れはしたが、噂に違わぬストロングスタイルで団体側からの高評価も得た。もともと実績、実力とも十分で、このリングに上がったのが遅かったくらい。しかし継続参戦によって今後ますます存在感が増してくることは確実だけに、耕平の動向が見逃せなくなった。今回、耕平と対戦するのは約2年前からレギュラー参戦し、UWAアジアパシフィックヘビー級のベルトも巻いた若手の岩崎孝樹。ガンバレ☆プロレスの武闘派と言っていい頑丈なレスラーである。それだけに、バチバチした打撃戦が期待される。耕平のエルボーにやり返していく岩崎の姿が想像できるが、岩崎が大柄な耕平を投げきる光景も見られるかもしれない。ジャーマンやパイルドライバーの名手としても名高い耕平とのシングルマッチは岩崎にとってさらなる飛躍を期待できる好カード。お互いに格闘技のバックボーンも備わっており、ガッシリしたストロングスタイルが堪能できそうだ。

虎の魂を継ぐWWE入り目前のSareee、師匠ジャガー横田と渡米前最後の対戦!?
第3試合スペシャルタッグマッチ30分1本勝負
Sareee(WWE Count Down)&世志琥(SEAdLINNNG)vsジャガー横田(ディアナ)&山下りな(フリー)

3・19後楽園で初めておこなわれた女子の試合が4大会連続で実現。いまやストロングスタイルプロレスのリングに欠かせない重要な要素と言っていいだろう。今回もまた、現在の女子プロで最高のタッグチームである“鬼に金棒”Sareee&世志琥組が参戦。前回は2度目のタッグ結成だったが、今回はSEAdLINNNGのタッグ王者としての参戦となり、よりグレードを上げてきた。前回はZAPという全日本女子プロレス伝説のヒール軍団と対戦、女子プロのいまを見せつけたSareee&世志琥が今回迎え撃つのは、ジャガー横田&山下りな組である。ジャガーは言わずと知れた女子プロ界のスーパーレジェンド。しかもディアナ時代におけるSareeeの師匠である。ジャガーが当時、ヒールユニットを結成したのもSareeeへの叱咤からだった。そして現在、Sareeeは世界最大のプロレス団体WWEへの登場を控えているところ。黒潮“イケメン”二郎の契約が発表されただけに、Sareeeの渡米もいよいよ“カウントダウン”と思われる。それだけに世志琥とのタッグや師匠ジャガーとの再会はすべてが貴重な瞬間の連続。4度目のタッグとなる今回もまた、プレミアムな時間となりそうだ。この日、ジャガーとタッグを組むのは初参戦の山下りな。女子の中でも特筆すべきストロング志向の選手であり、しかも男子レスラーとのデスマッチもおこなう万能タイプである。ジャガーが女子プロの生き字引なら、山下はいまこそが旬なのだ。これまで、女子では何人もの初参戦選手がこのリングからファンのどよめきを引き出してきた。山下もまた、ふだん女子プロを見ない観客を驚かせてくれるに違いない。Sareee&世志琥組との対戦は女子のいまを知るに最適なカードとも言えるのではないか。なお、Sareeeは初代タイガーマスクのチャリティー活動に共鳴、ストロングスタイル継承を誓い、特別マスクを授与されている。タイガーの魂継承の意味でもSareeeにかかる期待は大きいのだ。いつどの試合が日本ラストマッチになるかわからないだけに、Sareeeのファイトをしっかりと目に焼き付けておきたい。

今大会屈指の異色対決 K・カシンと僧侶レスラー阿部史典、予測不可能な初シングル!

第4試合シングルマッチ30分1本勝負
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)vs阿部史典(プロレスリングBASARA)

今大会で最も予測不可能なのが、ケンドー・カシンと阿部史典の異色対決である。堅実な実力とは裏腹に団体全体をも煙に巻く言動を繰り返してきたカシン。今回はプロレスリングBASARAの阿部史典と対戦するが、阿部もまたユニークなレスラーだ。僧侶の資格を持ち、格闘技スタイルからコミカルファイトまで変幻自在、ホームリングのBASARAを中心に大日本プロレスや全日本プロレスでも活躍、いまや日本で最も数多くの試合をしている1人としても過言ではないだろう。身体こそ小さいものの、切れのいい動きには定評がある。シングルでもタッグでもいける万能タイプで、それでいてなにをしてくるかわからない部分も併せ持っている。ストロングスタイルプロレスにはタッグを組んでいた日高郁人の推薦により初登場を果たしたが、前回はタッグマッチで船木誠勝のハイブリッドブラスターを食らい3カウントを聞いた。カシンとは大きなキャリアの差こそあるものの、ツボにはまればカシンに翻弄されるどころか、反対にやらかしてくれるのではないかとの期待を持たせてくれるのが、阿部史典というレスラーでもある。カシンvs阿部で、いったいなにが生まれるか?

35周年の船木と25周年のアレク 約29年前の出逢いから運命の一騎打ちへ!
第5試合セミファイナルスペシャルシングルマッチ60分1本勝負 船木誠勝35周年記念試合/アレクサンダー大塚25周年記念試合
船木誠勝(フリー)vsアレクサンダー大塚(AO/DC)

35周年の船木誠勝と25周年のアレクサンダー大塚が、意外にも初のシングルマッチをストロングスタイルプロレスのリングで敢行する。新日本プロレスでデビューの船木は海外遠征からUWFへ移籍。UWF分裂後はプロフェッショナルレスリング藤原組に籍を移し、その後パンクラスを旗揚げするのだが、藤原組でデビュー前のアレクと顔を合せていたという。当時のアレクはバツグンの身体能力でテストをクリアーするも、入門を辞退。その後、藤原組でデビューを果たすのだが、リング上の船木とは入れ違いになってしまったのだ。あれから29年。船木もアレクも格闘技で実績を上げプロレスのリングに戻ってきた。2人にとってリアルジャパンは重要なリングであり、「初代タイガーマスク不在の団体を守る」と宣言した船木はレジェンド王座の価値を上げる役割を担ってきた。その船木よりも早くレジェンド王座のベルトを巻いたのがアレクだった。それだけにタイトルマッチになってもおかしくないカードだが、今回に関してはこの時期における初シングルに感慨深いものを感じざるを得ない。プロレスからプロレスラーを代表して総合格闘技に進出、そしてプロレスでキャリアを積んできた両雄が、初代タイガーマスクが起ち上げたリングで対戦するのも興味深い。ともに満を持しての対戦と言っていいほど機は熟している。これまでなしえなかった両者の一騎打ちで、いったいなにが生まれるのか。メインに匹敵する好カードである。

至宝流出から1年3ヵ月ぶりにこぎ着けた再戦 S・タイガーの藤田超えなるか!?
▼第6試合メインイベント レジェンド選手権試合
〈王者〉藤田和之(はぐれIGFインターナショナル)vs〈挑戦者〉スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)
※第14代王者2度目の防衛戦。

 いまから1年前の19年12・5後楽園で、藤田和之が船木誠勝を退けレジェンド王座の初防衛に成功した。それに先立つ3ヵ月前の19年9・19後楽園、藤田に至宝を明け渡してしまったのがスーパー・タイガーだった。さらには19年6・20後楽園でもタッグながらスーパーは藤田に惨敗。振り返ってみれば1年半にわたり、ストロングスタイルのリングは藤田によって乗っ取られているのである。たとえそこに藤田がいないとしても、ぽっかりと穴が空いた感覚なのは、いるべき王者がそこにいないためだ。今年3・19後楽園でもタッグで返り討ちに遭ったスーパー。6月、無観客での8人タッグマッチで一矢報いたものの、藤田からの直接勝利でなければカタルシスにはほど遠い。実際、前回大会に藤田の姿はなかった。が、今年最後の試合でようやく再戦が組まれることに。挑戦者は前王者のスーパー。もうこれが最後のチャンスと言っていいだろう。ここでまた敗れることにでもなれば、もう二度と至宝は戻ってこないかもしれないのだ。決戦に備え、スーパーはより身体を大きくして臨むという。これまでの対戦経験から、まずは体格で圧倒されてきたことを自覚。そのハンディを克服し、実際、前回は大型の佐藤耕平を撃破し、自信を深めた。満を持してのタイトルマッチ。調印式に藤田の姿はなかったものの、もう王者を倒すことしか考えていない。藤田は「いつまでたっても変わらない」と挑発的メッセージを送りつけてきた。その印象を変えた上で、レジェンド王座をその腰に取り戻すことができるのか。スーパーにとってキャリア最大の大勝負が迫っている。2020年最後のストロングスタイルプロレス、エンディングで待っているのは藤田の咆哮再現か、それともスーパーによる歓喜の王座奪還か!?

新型コロナウイルス禍にありながらもしっかりと対策をとって3ヵ月連続の東京大会を開催中のストロングスタイルプロレス。その中間地点となる12・17後楽園には上記のような豪華カードが出揃った。レジェンド王座の行方はもちろん、船木vsアレクの初対決、カシンvs阿部の異色対決、さらにはSareee&世志琥組が御大ジャガーと遭遇など、見どころいっぱい。2020年のストロングスタイルを占う意味でも、今大会は見逃せない!

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