【試合詳細】10・16 新日本プロレス両国国技館大会 石井智宏vsジェイ・ホワイト 飯伏幸太vsタイチ オカダ・カズチカvsウィル・オスプレイ 鷹木信悟vs鈴木みのる ジェフ・コブvs高橋裕二郎

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『レック Presents G1 CLIMAX 30』
日程:2020年10月16日(金)
開始:18:30
会場:東京都・両国国技館
観衆:2,863人

▼シングルマッチ 15分1本勝負
○辻陽太
6分52秒 逆エビ固め
●ゲイブリエル・キッド

▼「G1 CLIMAX 30」Aブロック公式戦 30分1本勝負
●ジェフ・コブ【4勝5敗=8点】
10分30秒 ピンプジュース→体固め
[BULLET CLUB]○高橋裕二郎【1勝8敗=2点】

▼「G1 CLIMAX 30」Aブロック公式戦 30分1本勝負
[L.I.J]○鷹木信悟【4勝5敗=8点】
12分29秒 ラスト・オブ・ザ・ドラゴン→片エビ固め
[鈴木軍]●鈴木みのる(パンクラスMISSION)【3勝6敗=6点】

▼「G1 CLIMAX 30」Aブロック公式戦 30分1本勝負
[CHAOS]●オカダ・カズチカ【6勝3敗=12点】
17分4秒 ストームブレイカー→エビ固め
[CHAOS]○ウィル・オスプレイ【6勝3敗=12点】

▼「G1 CLIMAX 30」Aブロック公式戦 30分1本勝負
○飯伏幸太【7勝2敗=14点】
17分12秒 カミゴェ→体固め
[鈴木軍]●タイチ【4勝5敗=8点】
※飯伏幸太が『G1 CLIMAX 30』優勝決定戦進出

▼「G1 CLIMAX 30」Aブロック公式戦 30分1本勝負
[CHAOS]○石井智宏【4勝5敗=8点】
24分35秒 垂直落下式ブレーンバスター→エビ固め
[BULLET CLUB]●ジェイ・ホワイト【6勝3敗=12点】

飯伏がタイチとの159発の蹴撃戦を制して3年連続G1優勝決定戦進出!グレート・オーカーンが凱旋帰国しオカダを蹴撃&オスプレイがオカダと決別!石井がジェイとの死闘に根性勝ち!

第1試合


 ゴングと同時に両者とも突撃していくが、辻がドロップキックで先制しコーナーに押し込んでエルボーを連打。さらにネックロックで固めながら膝を入れていき、首投げからボディプレス。さらに連続フォールでゲイブのスタミナを奪っていく。
 辻はゲイブをロープに振るが、ゲイブは飛びついて回転エビ固め。さらに首固めも辻がショルダータックル。ゲイブは辻の突撃をリープフロッグでかわしてヒップトスで叩きつけ、コーナーに振ってエルボー連打のお返し。さらにビンタで辻をダウンさせると顔面をグリグリと踏みつけていき、スリーパーホールドでギブアップを迫る。これをブレイクされるとゲイブはエルボー、チョップを連打していきブレーンバスターを狙うが、これを耐えた辻がゲイブをぶっこ抜いてのブレーンバスター。
 辻はコーナーエルボー連打からジャンピングエルボー。さらにパワースラムからサンセットフリップ。ゲイブも十字架固めで切り返し、両者正面からエルボー、逆水平チョップの打ち合いに。打ち勝った辻がロープに飛ぶも、ゲイブはドロップキックで迎撃し、ダブルアーム・スープレックスの構え。辻がこれを首固めで切り返すと、ゲイブは「俺はLA DOJOだ!」と意地を叫んで辻をロープに振るが、辻はスピアーで突っ込んでいき、アバランシュホールドからジャイアントスイングで振り回し、そのまま逆エビ固めでどっしり腰を落とすとゲイブはたまらずタップ。

<試合後コメント>
辻陽太
「今日で、俺の『G1 CLIMAX』で組まれてる試合は終わりだ。俺は成長できたのか。それは俺が決めることじゃなく、俺の試合を見てくれたファンの皆さんが決めることだ。それともう一つ、俺は今大会、『G1』には参戦してないけど、棚橋さんの付き人として、セコンドとして、棚橋さんと一緒に戦ってきた。でも、やっぱり俺はレスラーだ。そう、俺の年始に立てた3つの目標。3つ目は、棚橋さんと『WORLD TAG LEAGUE』に出場すること。リングの下からはもちろんだけど、やっぱり俺はレスラーとしてリングの上で一緒に戦いたい。ゴールデン☆エースが今後どうなるか俺には分からないけど、棚橋さん! 俺とタッグを組んで、『WORLD TAG LEAGUE』、一緒に出場してください!(※深々と頭を下げる)」

ゲイブリエル・キッド
「LA道場の仲間の期待に応えられなかった。申し訳ない。辻を潰してやるつもりが、逆に爆発した辻に俺が潰された。少しのダメージも与えることができなかった。やっぱり辻は強い」

第2試合


 ロックアップで組み合うもコブが圧倒的なパワーで裕二郎を突き飛ばすと裕二郎は苦笑い。裕二郎はエルボーを連打していくが、コブのエルボー一発で怯んで場外に逃げようとするが、コブが引き戻してヘッドロック。裕二郎は指に噛み付いて脱出しコブの顔面を小突いて挑発。ロープに飛ぶもコブがカウンターのドロップキックで場外まで吹き飛ばす。
 裕二郎は場外で逃げ回りながらコブを挑発し、先にリングに戻ってコブを待ち受ける。コブがリングインするなり裕二郎がエルボードロップを放つが、コブはこれを回避して場外ブレーンバスターを狙う。裕二郎はこれをリバースDDTで切り返し、顔面かきむしりで痛めつけてから先にリングへ戻る。
 裕二郎はコブがリングに戻るとギロチンドロップ、エルボードロップ、ヘッドドロップと続け、フェイスクラッシャーからロープに飛ぶが、コブはバックエルボーでカウンターしてその場飛びムーンサルトプレスを発射。これを回避した裕二郎がロープに飛んで顔面へスライディングキックを叩き込み、串刺しフロントハイキックから再びスライディングキックを放つが、これをかわしたコブがショルダータックルを連打し、串刺しスパインバスター。さらにフロントスープレックスで投げ飛ばし、串刺しバックエルボーからランニングバックドロップ。さらにジャーマン・スープレックスを狙っていくが、裕二郎はこれを脱出すると突っ込んでくるコブをロープスタンガンで迎撃し、フロントハイキックからラリアット、ソバット、フィッシャーマンバスターと畳み掛け、マイアミシャインを狙っていくが、コブが耐えると指に噛み付き、フロントハイキック。
裕二郎はさらに突っ込んでいくが、コブが身をかわして串刺しラリアットからアスレチックプレックス、その場飛びムーンサルトプレスと続けるが裕二郎は意地のキックアウト。コブはツアー・オブ・ジ・アイランドを狙うが裕二郎は首固めで切り返し、レフリーを引っ掴んでコブにぶつけ、無法地帯となったリングにステッキを持ち込んでコブを殴打。さらにマイアミシャインからピンプジュース。裕二郎が5年ぶりのG1 CLIMAXでなんとか1勝をもぎ取った。

<試合後コメント>
高橋裕二郎
「(※自分でイスを持ち込み、それに座って)言っただろう、なぁ、『G1 CLIMAX』、最後まで、なぁ、諦めないってよ! 今日の勝ちはよぉ、でけぇんだよ。あぁ? 『G1 CLIMAX』? 0勝よりもよぉ、0勝よりも、1つ、しかもよぉ、あのジェフ・コブに勝てばよぉ、来年の、『G1 CLIMAX』の出場権利を獲得の可能性も上がっただろう。な? な? それがよぉ、0勝じゃ、来年出場できねぇんだよ。でもよぉ、1回勝ったんだよ。だから、来年の『G1 CLIMAX』出場も、脈アリだよ!」

ジェフ・コブ
「俺としたことが油断してた。あいつは切羽詰まってたし、勝つためなら手段は選ばないに決まってる。 あいつはバレットクラブなんだから」

第3試合


 NEVER無差別級王座を巡って神宮で激闘を展開したみのると鷹木がG1 CLIMAXで早くも再戦。
 ゴングが鳴るなり一直線に歩み寄って突き飛ばし合い、そのまま足を止めてのエルボーの打ち合いとなり、突っ込んできた鷹木を引き込んだみのるがぶら下がり式腕十字から場外に放り出して場外でエルボー合戦。みのるはエルボー連打で圧倒して一本足頭突きを叩き込んで鷹木をダウンさせる。
 みのるは鷹木をリングに戻すとミドルキックを叩き込んでいき、チョップを放ってくる鷹木の腕を取ってロープを使ったアームロック。さらに串刺しブートからフロントネックロックで固めるが、鷹木はぶっこ抜いてブレーンバスター。鷹木は串刺しラリアットを叩き込むも、攻められた右腕が痛み追撃が遅れるも、即座に左腕での龍魂ラリアットに切り替える。鷹木は「立て鈴木!寝てんじゃねえ!」と顔面を蹴り飛ばしていくと、みのるはニタニタと笑いながら立ち上がり、一転して鬼の形相となって強烈なエルボー。互いにフルスイングでのエルボーを打ち合っていき、鷹木がラリアットを放つも右腕が痛んで追撃が遅れ、その隙を見逃さずにみのるがスリーパーホールド。さらにゴッチ式パイルドライバーを狙うが、鷹木がショルダースルー―からスライディングラリアット。これをかわしたみのるがスリーパーホールドからゴッチ式パイルドライバーの体勢も、鷹木が下から担ぎ上げてデスバレーボム。
 鷹木はスライディングラリアットから右腕を押さえながらパンピングボンバーを放つが、みのるはその腕をキャッチして飛びつき腕十字。さらに三角絞めに切り替え、鷹木はバスターで返そうとするも腕に力が入らず崩れ落ちる。みのるは顔面へのフロントハイキック連打からフジワラアームバー。鷹木はなんとかロープへ逃れる。
 鷹木は敢えて痛む右腕でラリアット、チョップを放っていき、みのるは倒れずに耐えて雄叫び。みのるが左右の張り手連打から一本足頭突き。もう一発を放っていくが、鷹木がカウンターのヘッドバッドで迎撃し、走り込んだみのるがスリーパーホールド。鷹木が落ちかけるとみのるは技を解いて「喰らえ!」と右ストレートを放とうとするが、鷹木はカウンターのナックルを顎先へ叩き込み、ぐらついたみのるをそのまま担ぎ上げてラスト・オブ・ザ・ドラゴンで叩きつけ、これで3カウント。
 鷹木は倒れ伏すみのるへなにかを囁き、これを聞いたみのるは舌を出しながらニタニタと笑い、NEVERのベルトを咥えて見せつけながら退場していった。

<試合後コメント>
鷹木信悟
「(※「あー!」「クソ!」「チクショー!」などと叫びながらインタビュースペースへ。手首を押さえながら)クソッ! 最後勝って、“有終の美”か! ふざけんなよオイ! 勝つには勝ったが、全然スッキリしねぇよ! 鈴木の野郎、3つ取られてもニヤニヤしやがって! どんな状態になっても上から目線か、あの野郎! 気に食わねぇ! 勝つには勝ったが、全然満足しねぇな! 神宮の借り? 関係ねぇな! こんな勝ちじゃ、アイツに対して、この感情は収まんねぇよ! 激烈の『G1』! 激烈の秋! 俺の『G1』は終わりかもしれねぇが、正直、秋はまだ終わらせたくねぇ! 秋を! このまま、終わらすつもりはねぇからな!」

鈴木みのる
※おぼつかない足どりでバックステージに登場して
「次、誰だあああ! オイ、俺の相手、誰だ! オイ! 『G1』! 俺の次…、次の対戦、相手誰だ……(と言いながら控室へ)」

第4試合


 ゴングが鳴るなりオスプレイはショットガンドロップキックでオカダを場外に吹き飛ばし、サスケスペシャルで追撃。即座にオカダをリングに戻し、ピッピーチェリオからストームブレイカーの体勢も、オカダがショルダースルー。オスプレイはすぐに起き上がってハイキックからオスカッターも、オカダがキャッチしてこらえ、マネークリップ。オスプレイはすぐにロープを掴んでブレイクし場外に逃げるも、オカダが追っていってエプロンを使った断崖式DDT。
 オカダは先にリングで待受け、オスプレイが戻ってくるとスイングネックブリーカー、スライディングキック、チンロックと痛めつけてロープに走るが、オスプレイはショルダースルーで切り返し、マンハッタンドロップからのダブルチョップでなぎ倒してその場飛びのシューティングスタープレス。さらにロープへ振っていくが、オカダはオスプレイのエルボーをかわしてランニングバックエルボー。
 オカダはDDTからリバースネックブリーカーを狙うが、これを振り払ったオスプレイがロープに飛んでハンドスプリング式オーバーヘッドキック。オスプレイはオカダのショットガンドロップキックをかわしてオカダをコーナーに座らせ、地対空ドロップキックでオカダを場外に突き落とす。オスプレイはコーナーと鉄柱を超えて飛び込むノータッチ・トペ・コンヒーロを見舞い、オカダをリングに戻してコーナートップから後頭部へピッピーチェリオ。さらにストームブレイカーの体勢も、オカダが振り払ってエルボーを放つと両者足を止めてのエルボー合戦へ。オスプレイがサマーソルトキックから延髄斬り、オカダのドロップキックを回避して自爆させてからその場飛びシューティングスタープレスも、オカダはこれを剣山で迎撃するという目まぐるしい攻防が展開。オカダは改めてドロップキックを放つも、オスプレイはこれを空中でキャッチしてライガーボムの形で叩きつける離れ業を見せ、トラースキックからサイレントウィスパー。さらにヒドゥンブレイドを放つもオカダはこれをかわし、ストームブレイカーも着地してショートレンジラリアット。さらに正調ドロップキックからツームストンパイルドライバー。満を持してマネークリップで絞め上げるも、オスプレイはなんとか足を伸ばしてロープブレイク。
 オスプレイはふらつきながらも立ち上がって張り手を放つが、オカダはショットガンドロップキックで吹き飛ばし、ローリングラリアットを放つもオスプレイはこれをキャッチしてスパニッシュフライ。オスプレイはストームブレイカーを狙い、オカダはこれを回転エビ固めで切り返して見せるがオスプレイは背後から飛びついてリバースフランケンシュタイナー。さらにオスカッターを叩き込むも、オスプレイは首のクラッチを離さずそのまま立ち上がりストームブレイカーの体勢。オカダは背面着地してマネークリップで絞め上げる。オスプレイはなんとかこれを脱出して再びストームブレイカーを狙うが、オカダはこれも着地してローリングラリアット。
 オカダはこだわりのマネークリップで絞め上げるが、なんとここへスターダム所属でオスプレイとの交際を公言しているビー・プレストリーがリングサイドに現れてオスプレイへ声援を送り始め、オカダはこれを一瞥してから旋回式ツームストンパイルドライバーからビーに見せつけるようにマネークリップ。
 ビーがリングへ上がろうとするとレフリーはこれを止めることに気を取られ、リング内からレフリーの目が消えた瞬間にリングへスーツ姿のグレート・オーカーンが登場し、オカダの顔面をアイアンクローで絞め上げながらチョークスラムの形で叩きつける。
 救出される形となったオスプレイもなにが起こったのか分からない様子で困惑の表情を浮かべるが、またとないアシストを受けたオスプレイはオカダをストームブレイカーで叩きつけて3カウント。

 勝利したオスプレイは場外に仁王立ちするオーカーンに笑いかけ、オーカーンは真顔でうなずいて返す。
 オスプレイは場外でビーとキスを交わすとニヤリと笑い、リングに舞い戻ってオカダの後頭部へ決別のヒドゥンブレイドを叩き込み、中指を立てて「F●ck you!」と叫ぶ。そしてオスプレイはオーカーン、ビーとともに3人で退場していった。

<試合後コメント>
ウィル・オスプレイ&ビー・プレストリー&グレート-O-カーン
オスプレイ「驚いたか? ショックだったか? 俺はもうずっと長いことオカダを倒す準備は出来てた。2番目でいる気持ちがお前らに分かるか? 俺はずっとあいつの影に隠れてた。俺が素晴らしい試合をしても、いつだってスポットライトを浴びるのはオカダだった。オカダはブシロードと新日本の顔だ。でも俺だってあいつに全く引けをとってない。今こそ変化の時だ。ここでみんなに改めて紹介させてもらおう。イギリスのレスリングシーンを支配し、凱旋帰国したばかりの無敗の男、ザ・グレート-O-カーン! 2年間ぶりに新日本マットに戻ってきた。さぁ言いたいこと全部言ってくれ。」
グレート-O-カーン「見りゃわかんだろ! 侵略開始だ……」
オスプレイ「さっきはナイスなサポートありがとな。それからもう一人紹介させてくれ。彼女のことを見たことあるファンも多いだろう。美しいだろう? でも彼女はダンサーじゃないぞ。彼女は外国人選手で唯一、週プロのトップ10女子選手のランキングに入った。過去にはスターダムのタッグ王者だった。俺が『G1』で闘っている間、彼女はスターダムのマットを支配した。ワールド・オブ・スターダムのベルトも手にしたことがある。そして今現在SWA世界王者だ。俺の美しいガールフレンド、ビー・プレストリーだ」
ビー・プレストリー「素晴らしいご紹介ありがとう。私のボーイフレンド、オスプレイは新日本トップのレスラー。いや正確には世界トップのレスラーよ。そして強い男の後ろには必ず、強い女がいるものよ」
オスプレイ「ここで正式に言わせてもらおう。俺はもうCHAOSのメンバーじゃない! オカダに尽くすのなんてもうまっぴらゴメンだ! 俺が中心になって新しいユニットを立ち上げる。よく見とけよ。少しずつ、でも確実に俺の帝国を築く。俺たちはスタートを切ったばかり。興味があるレスラーは俺に連絡してくれ」

※オカダはダメージが深く、両肩を担がれてノーコメントで控室へ直行。

第5試合


 並々ならぬ気迫を感じさせる様子のタイチは、ゴングが鳴っても動かずじっと飯伏を睨みつけ、師匠・川田利明のような屈伸運動を見せる。そのままゆっくりと歩み寄って至近距離でにらみ合うと、飯伏が「来いよ。やれよ」とキックを促し、互いにローキックを撃ち合いながら互いにノーリアクションでにらみ合う。
 激しくローキックで蹴りあった両者は一旦距離を置き、再び至近距離でのローキックの応酬。またも両者は一旦距離を取る。飯伏が「来いよコラ」と挑発すると、今度は両者フロントハイキックのラリーを展開し、互いに倒れながらもすぐに起き上がって蹴り返す打ち合いから両者大の字に。
 するとタイチは長座の形で座り、飯伏へサッカーボールキックを要求。飯伏はサッカーボールキックを叩き込むと自ら座り込んでタイチへサッカーボールキックを要求。互いに順番にサッカーボールキックを受け合う意地の張り合いを見せ、互いに起き上がってミドルキックの打ち合いとなるとノーガードで受け合って両者ダウン。起き上がった両者は再びミドルキックの打ち合いを始め、タイチがミドルキック3連打で飯伏を膝から崩れ落ちさせるとデンジャラスバックドロップも、飯伏は一回転して着地し「来いよ。蹴ってこいよ!」と挑発。投げ技ではなくあくまでも蹴り技での勝負を望む。
 タイチは起き上がってローキックを放つと、飯伏もローキックで応戦。タイチがソバットを放てば飯伏もソバットで応戦し、互いに突っ込んでくる相手の顔面をカウンターのフロントハイキックで蹴飛ばしていく。両者ハイキックを2発ずつ叩き込み、両者ばたりと倒れ込んでダウン。
 飯伏は足を押さえてフラフラと立ち上がりながらも「来いよオラ」と挑発。互いにローキックを打ち合っていくと、タイチがパンタロンを脱ぎ捨てて素足を晒し、対等な格好での蹴り合いを要求。互いに足に力が入らずふらつきながら意地だけで蹴り合っていき、ロープに掴まりながらローキックの応酬。タイチが4連打から大ぶりの5発目を出そうとするが、飯伏がカウンターで軸足へクリーンヒットさせるローキック。悲鳴を上げて倒れ込んだタイチへ飯伏がカミゴェを狙うが、タイチは下から水面蹴りのように飯伏の足を刈り取りダブルダウン。
 両者ロープに掴まりながら起き上がると、再びローキックで打ち合い、飯伏が膝をつくとタイチがバズソーキックを発射も、飯伏がこれをキャッチしてがら空きのボディへ強烈なミドルキック。倒れ込んだタイチへ飯伏がお返しのバズソーキックをクリーンヒットさせ、崩れ落ちたタイチを無理やり引き起こしながらのカミゴェを叩き込み、この試合初めてのフォールで3カウント。

 ローキックは飯伏が48発、タイチが56発。ミドルキックは飯伏が7発、タイチが9発。フロントハイキックは飯伏が12発、タイチが13発。サッカーボールキック、ハイキックは各2発。ソバット、バズソーキックは各1発。飯伏のカミゴェが1発。タイチの変形水面蹴りが1発。2人合わせて159発のキックが飛び交う壮絶な蹴撃戦となった。

<試合後コメント>
飯伏幸太
「(※左脚のダメージが深く、壁伝いにゆっくりとインタビュースペースに到着すると、座り込んで左脚に手を当てながら)7勝目。まだでも分かんないから。次の試合で、決まるから。まだ現段階では分からない。とりあえずでも、優勝決定戦、残れる可能性はできたから。それ見て、決めますよ。俺は諦めない、絶対に。最後まで、絶対に諦めない。(※と言って立ち上がろうとするが、左脚の痛みでしばらく静止。何とか立ち上がり、また壁伝いにヨロヨロと控室へ)」

タイチ
「(辻におぶられてバックステージに来るも)テメェなにおぶってんだオラッ! 恋人かテメェ(と辻を突き飛ばして横になり)。……もうどこが痛えかわかんねえ。どこが痛えかわかんねえ。クッソ、何やってんだ俺。何やってんだこんなことして。クッソ! 終わったか……。終わったか……。頭狂ってる飯伏おまえはやっぱり、頭おかしいよ。普通じゃねえおまえ……。神にでも何でもなってこいこの野郎、好きに……。勝手にやってろ! ああ痛え……(左足を庇うように雄叫びをあげつつ控室へ)」

第6試合


 セミファイナルでの飯伏の勝利により、ジェイが勝てば飯伏と同点となり直接対決の結果からジェイの優勝決定戦進出が決まるというこの試合。
 ジェイとともに当たり前のように外道も一緒にリングに上がり、石井があとから入場してくるとジェイはエプロンに逃れて挑発するも石井はじっとにらみつけるだけ。石井はキャリア初の両国メインの臨む気迫を見せるが、ジェイはゴングとともに場外にエスケープ。
 石井はリングのど真ん中でジェイの挑発行為をただじっと見つめ、ジェイが笑いながらビンタを見舞うと石井は強烈なエルボーで返答。ジェイが再び場外へ逃れると今度は石井が追っていくが、ジェイの鉄柵攻撃で一時ダウン。
 ジェイは石井がリングに戻るとボディスラムからギロチンドロップ。さらにコーナーで顔面を踏みつけていくが、石井は「来いよコラ!」と吼える。ジェイはスイングネックブリーカー。場内から起こる石井コールを表す手拍子のリズムに合わせて石井の頭をペチペチと叩く挑発を行う。
 石井がロープに飛ぶとジェイは追走エルボーを見舞い、石井のラリアットもブートで迎撃して突っ込んでいくも、石井はカウンターのパワースラム。石井はジェイをコーナーに押し込んでチョップ+エルボーを交互に連打し、コーナーに振ろうとするジェイをショルダータックルでなぎ倒す。ジェイが場外に逃げようとすると石井が追っていくが、ジェイはロープを使ったネックブリーカーで迎撃し、リング内でDDT。ジェイは串刺しバックエルボーからブレードバスター。さらにジェイは石井の負傷箇所であるヒザめがけてレッグスクリュー。
 石井がヒザを押さえて転がりまわるとジェイは執拗に石井のヒザへストンピングを見舞っていくが、石井はすっくと立ち上がって「来いよコラ!」と雄叫び。ジェイは石井にエルボーを放っていくが、石井は微動だにせず耐え、一発食らうたびに一歩前に進み出て逆にジェイをコーナーまで追い込んでいく。しかしジェイは冷静にヒザへのエルボードロップ、ショルダーレッグブリーカー。ジェイは石井の正面からラリアットを放ち、石井が正面から受け止めてスライディングラリアットを放つが、ジェイはこれをかわしてコンプリートショット。さらにぶっこ抜いてジャーマン・スープレックスで投げ捨てる。
 ジェイは倒れ伏す石井の頭をペチペチ叩きながら「カモン!ウェイクアップ!カモ~ン!」と挑発し、張り手を見舞っていくが石井がカウンターのエルボーバッドをクリーンヒットさせる。石井はラリアットを狙うが、ジェイはこれをキャッチして裏投げで叩きつけ、コーナーへ叩きつけるダブルアーム・スープレックス。さらにコーナーへのSSSを狙うが、逆に石井がコーナーへのジャーマン・スープレックス。続けて石井は雪崩式ブレーンバスターを狙っていくが、外道の暗躍からジェイはエプロンにこれを逃れて石井のヒザへエルボーを叩き込むことに成功。さらに石井の足をロープに引っ掛けてのドラゴンスクリューを見舞いトップロープ越しに組み付いていくが、石井はリング内からヘッドバッドでジェイを場外まで吹き飛ばす。
 石井はジェイをリングへ放り込むと、改めて雪崩式ブレーンバスターで叩きつけラリアットを狙うもジェイはその場でバタリと倒れ込む死んだフリ。しかし石井は冷静にヘッドドロップを見舞い、ヘッドバッドから延髄斬りを放つが、ジェイは石井の足をキャッチしてドラゴンスクリュー。ジェイは石井のヒザに巻かれたテーピングを引っ剥がすとドラゴンスクリューからITO。石井は大苦戦しながらもなんとかロープまで這っていく。
 ジェイは石井のエルボーを耐えてSSSで投げ捨て、キーウィークラッシャーからブレードランナーの体勢も、石井がジェイの足を取ってお返しのドラゴンスクリュー。さらにキーウィークラッシャーの形から自分のヒザへジェイのヒザを叩きつけるニークラッシャーという意趣返しの諸刃の技を見せ、さらにショルダーレッグブリーカーもやり返してからマッケンロー。さらに足首を固めながらの逆エビ固め、ヒザ十字と足攻めの逆襲。
 ジェイがレフリーを掴んで視界を塞ぐと外道がリングイン。石井は技を解いて外道に詰めより、レフリーも外道へ注意しに行って3人が一直線に並ぶ形になり、その隙を見逃さずにジェイがショルダータックルで3人まとめてなぎ倒し、レフリーが昏倒。
 石井は外道を垂直落下式ブレーンバスターで排除しようとするが、ジェイがこれをカット。石井はジェイを外道にぶつけて同士討ちさせるとジャーマン・スープレックス。石井はレフリーを引き起こしてからスライディングラリアット。さらに垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、ジェイが背面着地してローブローを叩き込み、レッグロックスープレックスホールド。これを返されると、ジェイはブラディサンデーの構えも、石井はヘッドバッドで迎撃。石井はラリアットを放つが、ジェイがキャッチしてSSS。しかし石井も即座に起き上がって再びラリアットも、ジェイがまたもキャッチしてSSS。互いに垂直落下式ブレーンバスターとブレードランナーのポジションを奪い合う目まぐるしい攻防となり、石井がブレーンバスターの体勢で担ぎ上げてからのスタナーを繰り出す機転を見せ、介入してきた外道を冷静にラリアットで迎撃。さらにロープに飛んでジェイにもラリアットを叩き込み、最後はこだわりの垂直落下式ブレーンバスターで突き刺して死闘に終止符を打った。
 この結果を受け、飯伏幸太のAブロック制覇が確定し、優勝決定戦に駒を進めた。

<試合後コメント>
石井智宏
※石井はヒザのダメージのため、花道奥でしばらく仰向けになって動けず。何とか起き上がるも、這って控室へ直行。ドアの奥からは「あぁ~……」という悲痛な声が響く)

ジェイ・ホワイト
「こんな椅子なんか用意して俺にケンカ売ってんのか? 俺の脚が負傷してるからか? 自分の脚で立てるんだよ! お前ら記者は、俺が負けるのを望んでたんだろ? そうなんだろ? ファンもそうだろ。分かってんだよ。でも俺はラスト・ロックン・ローラでキングスイッチだ。俺1人の力でMSGを完売させた。石井の力じゃなければ、飯伏の力でもない。飯伏、お前は胸を張ってAブロック1位と呼べるのか? 全部運で勝っただけじゃないか。俺が負けたのも全てレフェリーのせいだ! もうこれは明らかに会社が仕組んだものだ。”このままだとまたジェイが勝ってしまう。レッドシューズ、絶対にそれだけは避けてくれ”。 これでAブロックの1位は飯伏か。Bブロックは…まだEVILにも可能性があるのか。もしEVILが1位通過したら、頑張ってくれよ。(皮肉なトーンで)俺は絶対にお前を応援する。だけどレフェリーには十分用心しろよ。あいつらはBULLET CLUBが大嫌いだからな。俺のものになるはずだったのに、飯伏に横取りされた。クソ…でも俺が誰か忘れない方がいいぞ」

飯伏幸太
「3年連続、優勝決定戦進出。僕の目標である、2連続優勝。必ず、成し遂げてみせる。明日、誰が上がってくるか、待ってる。絶対に、逃げない、負けない、裏切らないから」

──『G1』2連覇となれば、また神に近づけると思いますが。
「そうですね。優勝して、僕は、本当の神になります。これは本当に、本当の神に」

──改めて2連覇への意気込みを。
「気持ちは、絶対に、何年も言ってるけど、諦めない。気持ちを見てもらいたい。今日も気持ちで勝った。これを見てもらいたい。今、こういう状況で、こういう中でプロレスができるということを、俺は諦めないから。諦めなければ、もっともっと、プロレスも広がっていくし、ここで優勝すれば、もっと僕の発言力も上がっていくから」

──タイチ選手と蹴りの応酬になりましたが、足の状況は?
「関係ないです。ダメージは、正直ありますよ。でもそんなこと言ってられない。明日、誰が来るか分からないけど、その選手もダメージを負うだろうし、条件としては変わらないから」

──優勝を願うファンに向けてひと言。
「何度も言ってますが、僕は逃げない、負けない、諦めない。そして裏切らない」

──Bブロックは内藤選手、EVIL選手、SANADA選手に可能性が残っていますが、誰と戦いたいというのはありますか?
「いやもう誰が来てもいいんですけど、うーん……久々に、内藤哲也。このへんはちょっとやってみたいかなと思ってますけどね。その3人、誰でもいいです。ホントに。誰が来ても、対策は練ってあるんで。気持ちです、気持ち。負けない気持ち」

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