【コラム】佐々木健介・北斗晶夫妻から全日本プロレスへ「三日遅れて」届いた白い花束

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東京・湯島にある全日本プロレスオフィス。取材のため訪れ入り口のドアを開くと、受付のテーブルに白い大きな花束が置かれていた。

先週訪れたさいは見かけなかった花束だ。見ると、花束の上にプラカードが掲げられている。そのカードには、こう書かれていた。

『青木篤志選手 有難うございました 佐々木健介・北斗晶』

スタッフに尋ねてみる

「この花束は?」

「佐々木健介さんと北斗晶さんご夫妻からさっき届いたものなんですよ!」

この日から遡ること三日前。昨年6月に交通事故で他界した全日本プロレス・青木篤志さんの追悼大会が後楽園ホールで開催されたばかりだった。本来ならばそこへ届けられるにふさわしい文面を掲げたこの花束が、なぜ大会から三日後に全日本プロレスオフィスへ届けられたのか?

「なんでもお花屋さんが日付を間違えて三日遅れで後楽園ホールさんへ配達してしまったらしいんです。困った後楽園ホールさんが連絡してきて、ここへ運んでいただいたわけなんですよ!」

我々の知り得る限り、亡くなった青木さんと佐々木健介さんの接点はプロレスリングNOAH時代。それから長い月日が経つ。そして、青木さんの追悼大会がおこなわれた後楽園ホールへ届けられるはずだった花束が、いまこうして「あえて」全日本プロレスオフィスへやってきたのだ。

かつては全日本プロレスでも大いに活躍した佐々木健介・北斗晶夫妻。三日遅れで届いた花束は、そんな大物OBがいまでも全日本プロレスを気にかけ、そこで起きていることを認識している証しでもある。

三日遅れで届いた白い大きな花束。それは

「健介さんと北斗さん夫妻も見守ってくれているぞ、みんな頑張れよ!」

と、つねに周囲への気配りを欠かさなかったという亡き青木さんから、全日本プロレスオフィススタッフへの『粋なはからい』なのかもしれない。

青木さんの遺志を引き継ぐ全日本プロレス。23日・日曜日には埼玉の上尾で、次の闘いが待っている。

文・日々樹アキラ

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