【インタビュー】HEAT-UPvs2AWのタッグ王座戦で“ヤマネコ宅急便”兼平大介&大谷譲二が吉田綾斗&花見達也を迎え撃つ心境を語る!「対抗戦とかじゃない純粋な闘いを見せます」

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 8月某日、HEAT-UP年間最大のビッグマッチである8月25日のカルッツかわさき大会で2AWの吉田綾斗&花見達也組をHEAT-UPユニバーサルタッグ王者として迎え撃つ“ヤマネコ宅急便”の兼平大介&大谷譲二に話を聞いた。

 プロレスリングHEAT-UPは、神奈川県川崎市の地域密着団体として障害者支援・福祉活動・警備活動・子供達への支援など社会貢献活動をプロレスを通じて行っている団体であり、障害者雇用の一環として場内設営・開場時の配布物手渡しや場内案内などを依頼して就労に応じた賃金を支払うという生活支援を実施しており、昨年10月のとどろきアリーナ大会では川崎市都市ブランド推進事業として認定されるなど地元・川崎からの信頼は厚い。

 そのHEAT-UPのタッグ王座であるHEAT-UPユニバーサルタッグ王座を現在保持しているのは、兼平大介&大谷譲二のタッグチーム“ヤマネコ宅急便”。
 兼平は、柔術や総合格闘技のバックボーンがあり、総合格闘技団体・DEEPでプロの総合格闘家として活躍。2014年にHEAT-UPでプロレスラーとしてデビューしてからは新日本プロレスが主催する若手選手中心の大会『LION´S GATE』にも出場して永田裕志や小島聡とも対戦するなど業界の注目を集め、わずか4年目で団体の至宝たるシングル王座・HEAT-UPユニバーサル王座を戴冠するなどエースとして活躍している。
 そして、大谷は学生プロレス時代に “ギャル男コレクションA.G. ”として活動したバックボーンを活かしてガッツワールドプロレスリングに入門し2015年にデビュー。2018年にガッツワールドの解散を受けてHEAT-UPに入団し、ミスター雁之助やダイスケから受け継いだ技術と真っ直ぐなファイトスタイル、そして人懐こい柔和な人柄で選手やファンから愛されている。

 この日は、ヤマネコ宅急便の二人が“ヤマネコ”の名にあやかり、京王井の頭線の明大前駅から徒歩5分ほどのところにある老舗喫茶店『山猫珈琲店』に訪れて作戦会議をしているところでその意気込みを聞いた。

――現HEAT-UPユニバーサルタッグ王者組の“ヤマネコ宅急便”ですが、結成のきっかけはなんだったのでしょう
大谷「僕の記憶が正しければ、GOING-UPの旗揚げ戦(2018年5月27日)で組んだ気がするんですよね」
兼平「あぁ、そうだったなあ。あん時が初めてかもしれないね」
大谷「相手がガッツさん(ガッツ石島)とバッファローさんで世代闘争みたいな感じで」
兼平「そう考えると意外と長く組んでるんだね」

――組んでみたら馬が合って、タッグ結成となったということでしょうか
大谷「どうスか?どうスか?(笑)」
兼平「そうっすねえ、性格もキャラクターも全然別々なんで、お笑いで言うとボケとツッコミみたいなちょうどいいバランスで(笑)僕は喋りがそんなに得意じゃないんで、そういうところをうまくカバーしてくれたり、大谷くんは小回りがきいてスピードが速いんで、僕はその分攻撃力だったりとかでお互いにカバーしてる感じですね」
大谷「あるねえ!連携技とか組む前から『兼平さんと組んだらこんなの出来るなあ』ってメチャクチャあって、組んでからもどんどん思いつく感じがあってやりやすいですね」
兼平「司令塔はこっち(大谷)ですもんね」
大谷「司令塔だねぇ。めっちゃ司令出してる(笑)」
兼平「ヤマネコ宅急便の頭脳は大谷くん。マイクとか『これを言え』って言われて僕が言わされてるっていう(笑)」
大谷「それ言っちゃダメでしょ(笑)」
兼平「多分なんですけど、上手く行かないタッグチームは『アレもやりたい、コレもやりたい』みたいな人が2人だから上手く行かないと思うんで、そこは99%大谷さんが司令出してくれて上手く回ってる感じですね」
大谷「チビがおっきいの動かしてるんですよ」

――その後、ヤマネコでHEAT-UPのタッグトーナメントで優勝、そのままタッグ王座奪取まで上り詰めました
大谷「僕は結構前からTAMURAさんとかHEAT-UPとかに『兼平さんとタッグリーグ出たい』っていうのは言ってましたね。……私はね?(兼平を見やりながら)」
兼平「僕もちょうどその時期によくタッグを組んでいた近藤さん(近藤“ド根性”洋史)が引退して組む人がいなくて、『じゃあ大谷くんしかいないだろう』ってことで僕からも打診してました。タッグリーグの開催が決まったときに『大谷くんと組ませてくれたら嬉しいです』って言ってて、発表されたら組まれてたんで」
大谷「そうなの?嬉しい~!」
兼平「それで優勝できて、そのままチャンピオンの“タムラドラゴン”(TAMURA&藤波辰爾)を倒してベルト取りましたね。大谷くんと結果が出せて嬉しかったですね」
大谷「タムラドラゴンかあ。すごい前のことみたいだ……」
兼平「防衛も今回で3回目かな?最初がヒデ選手と定選手(ヒデ久保田&定アキラ)、次が熱波軍(松田慶三&YUJI KITO)で、3回目で吉田さんと花見さんですね」

――現在、“HEAT-UPvs2AW”の対抗戦のような形になっていますが、吉田綾斗選手と兼平選手が対峙するきっかけはなんだったのでしょう
兼平「僕が6月に海外遠征から帰ってきて最初に2AWさんに参戦したんです。そのときの最初の対戦相手が吉田さんと花見さんで、試合終わったあとに僕がマイクで吉田選手に『また闘いましょう』って言ったら、吉田さんも『またやりましょう』って言ってくれたんです。それで次の週のHEAT-UPの大会に吉田さんが来て『あの闘いの続きをしよう』とリングで言ってくれたので、僕も『今度はこっちでもやりましょう』って応えたらそれがタイトルマッチになってしまいました」
大谷「展開早かったねぇ~」

――吉田選手は新日本プロレスに上がっていた時期もありましたし、兼平選手も同時期に新日本プロレスの若手興行であるライオンズゲートに上がっていました。奇妙な縁があったのかもしれません
大谷「前に近藤&兼平でトークイベントをやったときに、『闘いたい選手は誰ですか』って質問に『吉田綾斗選手』って言ってたよ」
兼平「あっ、言ったわ!言ってた言ってた。そのイベントがちょうど僕がライオンズゲート出てた時期で、同じ時期に吉田選手も新日本さんに上がっていたので『僕は吉田選手とやれたらいいな』と思った気がします。よく覚えてるねえ」
大谷「覚えてるよぉ。普通叶いそうな相手を言うのに、全く叶いそうにない選手の名前出すから『コイツ頭悪いなあ』って聞いてたもん(笑)」
兼平「それがちゃんと繋がるっていうね(笑)」
大谷「だね(笑)」

――お二人はとても仲が良いように見えますが、プライベートでも遊びに行ったりはするのでしょうか
兼平「試合後に飯行ったりしますね」
大谷「一緒に飯行ったりする!飯メッチャ行くよね~。あと近藤さんと3人でゲーセンとかも行きましたね」
兼平「大谷くんからは結構誘いが来るんですけど……」
大谷「ことごとく断られる(笑)」
兼平「僕は家が好きなんで『家にバリヤンアッキが来るからダメだ』って適当な嘘を言ったりして全部断ってます(笑)」
大谷「僕はメッチャ誘ってるんですけどねぇ~?(チラチラと兼平を見ながら)」
兼平「健気だね(笑)」
大谷「健気でしょぉ?」
兼平「基本的に僕は家に人を入れないんですよ。近藤さんですら入れない」
大谷「そういうこと言うからぁ」
兼平「大谷くんの家に行くのはOK?」
大谷「おっ!全然OK!来てくれぇ」
兼平「今後行きます」
大谷「二人ともお酒飲まないからね」
兼平「大谷くんが飲まないのは意外だよね(笑)」
大谷「よく言われるぅ~」
兼平「……しかし、インタビュー映えするエピソードがあんまないって言うね(笑)」
大谷「こないだお風呂行こって行ったでしょぉ~!それ断るからぁ~(笑)ゲーセンは行ったりするし、二人でジム行ったりするけど、それ割と普通っぽいですよね」
兼平「会場とかではよく話すんですよ。プライベートでもいつも一緒とか、そんな深い絆で結ばれてるとかじゃないけど、普通に仲いい友だちっていう感じですね。そういう気負わない気楽な関係だから僕たちは上手く行ってるんだと思います」
大谷「(兼平さんは)何歳か年上なんすけど、めっちゃナメてますからね(笑)」
兼平「タメ口だもんね(笑)」
大谷「気を使わないのがいいんすかねえ」

――デビューは兼平選手の方が先?
大谷「何ヶ月か先でしょ?俺、兼平大介見たもん」
兼平「3ヶ月位かな?ほぼ一緒でしょ」
大谷「まあいいじゃん。友達だから、友達(笑)」

――試合の話に戻りますが、対戦相手である吉田選手&花見選手の印象は
大谷「僕は結構色んなプロレス団体見てるんですけど、新日本さんでの吉田選手の試合とか、ニコプロさんで2AWさんもほぼ毎回見てるんです。だから吉田さんがどれだけ2AWで中心選手なのかも知ってるし、新日本プロレスでは第1試合を任されていたのは知ってるし、やりたかった選手と言えばそうなんですけど、吉田さんはもう『映像で見ていた選手』って感じですね。ちょっと精神的に距離が遠かったっていう(笑) 花見くんは他団体でもやったことあるんですけど、元気があって技に頼らない良い選手だなあって思ってて、またいつかやるのかなって思ってたらこういう感じになって驚いてますね。タイトルマッチっていう。吉田さんとはキャリアは僕と同じくらい……最上九(※大谷の学生プロレス時代の後輩)と同じくらいですもんね?それで2AWのトップみたいになってるのスゴイですよね。頼もしいなあって……。タッグでもシングルでも、タイトル戦でもそうでなくても、メインを張ってきてるのを見てて、すごく堂々として風格もあって。若手なのに“立ち向かう”という感じよりは、もう“受けて立っている”みたいな感じに見えますね。あれは自分にはない感覚だと思います」

――兼平選手、吉田選手は団体のエースとして先輩とも言えますが、どのような選手だと考えていますか
兼平「びっくりするほどクセがないというか、“正統派”ですよね。対戦相手なんですけど嫌な部分がないんですよね。清々しいと言うか。『団体の意地を見せるぞ!』とか『潰してやる!』みたいな感じじゃなくて、ただ純粋にどっちが強いのか競ってみたくなる感じですよね。ああいう感じでエースになれる人って少ないんじゃないかな」
大谷「ガッツワールドにいたころ、ガッツさんが『吉田選手ってイケメンだよな』って言ってて、僕は正直『そうかあ?』って思ってたんですよ。でも、KAIENTAI DOJOさんに出させてもらったときに目の前にいるのを見たら『うわあ!イケメンだ!』って思いましたね」
兼平「なんの話なんだよ(笑)」
大谷「いや、変な意味じゃないですよ?(笑)ただ『イケメンだなぁ』って思っただけです(笑)」
兼平「まあ、駆け引きとか言葉のやり取りがなくても、ただ純粋に試合が出来ればいいかなって思いますね、あの人に関しては。インディー界ではこういう人は少ないので貴重だと思いますね」
大谷「僕は吉田さんが横浜大会に来てくれて参戦を直訴してきたときに、『対抗戦だからもっとバチバチなんのかな』って思ってたら、兼平さんも温厚な人間なのでそうはならなかったし、吉田さんも正統派な人間なのでやっぱりバチバチにならなかった。僕はなると思ったんですけど『そういう感じかあ~!』って(笑)」
兼平「でも、それでいい気がするんですよね。僕らは」
大谷「まあその分、花見くんが吼えてますからね。僕も吼えますから」

――今回のカルッツかわさき大会は、障害者スポーツの普及と理解の推進イベントである『カルッツ★パラスポ サマーフェスタ』とともに行われる大会で、障害者福祉に力を入れてきたHEAT-UPとしては絶対に成功させたい大会だと思います。大会全体についてお二人の想いは
大谷「僕は東京出身だし、ずっとガッツワールドでやってきて、HEAT-UPに入団したのも去年だし正直今まで川崎市と縁がなかったんですよ」
兼平「僕も石川県出身だし、僕も大谷くんもTAMURAさんたちと違って元々は川崎に全然縁がなかったんですよね(笑)」
大谷「それな(笑)でも、とどろきアリーナ大会や、新百合ヶ丘大会、カルッツかわさき大会と神奈川県で大きな試合をやらせてもらってきましたし、HEAT-UPファンの方も僕が入ってすぐ受け入れて応援してくれたし、それが本当に嬉しくてだんだん川崎への愛着が湧いてきたと言うか、もっと川崎のことを知りたいと言うか、もっと川崎のことを好きになりたいみたいな気持ちになってますね。大会のポスター貼ってもらえないか色んなお店を周ったりしてて『結構HEAT-UPって地元で知られてるんだな』って思ったんですよ。でも、もちろん知らない人もいて、知ってる人がいてくれるからこそ、逆に『もっと広めていきたいな』って思うようになったんですよ」
兼平「確かに。知られてるのが嬉しいからこそ知られてないのは悔しいですからね。もっとこう、川崎駅にHEAT-UPの広告とかバーンと出せるような規模になりたいですね(笑)」
大谷「なるほどぉ(笑)そのためにはね、カルッツにいっぱいお客さんを呼んで『HEAT-UPって団体があるんだぞ!』っていうのをもっともっと広めていかなきゃですよね」
兼平「まずはそこが第一歩だよね。僕らが出来ることは、まずしっかりといい試合をお客さんに見せていくことだから。大きい話はTAMURAさんに任せて、僕らはしっかり足元を固めていきたいと思います」

――最後になりますが、タイトルマッチに向けての意気込みをお願いします
大谷「吉田さんは手強い相手ですけど、兼平さんに任せます。僕は花見くんの気持ちを正面から受け止めた上で勝つ姿をお客さんに見せられたらと思います。応援よろしくお願いします!カルッツをパンパンにするぞっ!」
兼平「僕は吉田さんと小細工無しで正面からぶつかって、ただ『どっちが強いのか』っていうのを競う試合を見せたいですね。団体対抗戦とか、エース対決とか、そういうのにとらわれない純粋な闘いをしますので、是非カルッツかわさき大会までお越しください!」

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