【試合詳細】4・14 PANCRASEスタジオコースト大会 【ライト級KOP】久米鷹介vsトム・サントス 【フライ級QOP】端貴代vsシッジ・ホッシャ 北方大地vs曹竜也

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『PANCRASE 304』
日程:2019年4月14日(日)
会場:東京・江東区 スタジオコースト
開始:16:00
観衆:2020人(超満員)

【第25回ネオブラッド・トーナメント】

▼第1試合 ストロー級 3分3R
●アベリュー(パンクラスイズム横浜)
判定0-3
○尾崎龍紀(総合格闘技道場コブラ会)

▼第2試合 ストロー級 3分3R
○アラヤ(チームアラヤ)
判定3-0
●有村 桂(誠流会館)

▼第3試合 フライ級 3分3R
○下田洋介(和術慧舟會総本部)
判定2-1
●西村大輝(ALLIANCE)

▼第4試合 バンタム級 3分3R
○平岡将英(KRAZY BEE)
判定3-0
●髙杉遼介(新潟イエローマンズ)

▼第5試合 フェザー級 3分3R
○鬼山斑猫(KRAZY BEE)
3R 0分57秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●岩本達彦(BLOWS)

▼第6試合 フェザー級 3分3R
○立成洋太(FIGHT FARM)
2R 0分18秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●塩津良介(パラエストラ広島)

▼第7試合 フェザー級 3分3R
●DARANI DATE(Team DATE)
判定0-3
○名田英平(総合格闘技道場コブラ会)

▼第8試合 ウェルター級 3分3R
○渡邊雅祥(パラエストラ八王子)
判定3-0
●山下 剛(マッハ道場)

▼第9試合 ウェルター級 3分3R
●廣野雄大(パンクラスイズム横浜)
廣野の計量オーバーのため、不戦勝
○真王DATE(Team DATE)

【プレリミナリーファイト】
▼第10試合 フライ級 3分3R
○有川直毅(K-PLACE)
2R 2分04秒、肩固め
●中嶋悠真(マッハ道場)

【本戦】
▼第1試合 ウェルター級 3分3R
○髙木健太(リバーサルジム川口REDIPS)
1R 1分31秒、KO(左フック)
●丸山数馬(TEAM LTDR)

▼第2試合 フライ級 5分3R
●ライカ(RIGHT THING ACADEMY)
1R 3分17秒、腕ひしぎ十字固め
○マイラ・カントゥアリア(NEW LEVEL ACADEMY)

▼第3試合 ライト級 5分3R
○粕谷優介(総合格闘技道場CROWN)
1R 1分01秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●菊入正行(NEVER QUIT)

▼第4試合 フェザー級 5分3R
○内村 洋次郎(イングラム)
判定3-0
●亀井晨佑(パラエストラ八王子)

▼第5試合 ライト級 5分3R
●アキラ(MSC/&MOSH)
判定0-3
冨樫 健一郎(パラエストラ広島)

▼第6試合 バンタム級 5分3R
●TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 3分11秒、KO(右ハイキック)
○金太郎(パンクラス大阪 稲垣組)

▼第7試合 ストロー級 5分3R
○藤野恵実(FIGHT FARM)
判定3-0
●クセニヤ・グーセヴァ(Matti Team)

▼第8試合 フェザー級 次期挑戦者決定戦 5分3R
●中島太一(パラエストラ東京)
判定1-2
○カイル・アグオン(Spike 22)
※カイル・アグオンがフェザー級タイトル次期挑戦者に決定。

▼第9試合 ストロー級 次期挑戦者決定戦 5分3R
○北方大地(パンクラス大阪 稲垣組)
判定3-0
●曹 竜也(闘心)
※北方が二度目の挑戦権を獲得。

▼第10試合 セミファイナル 初代フライ級クイーン・オブ・パンクラス決定戦 5分5R
●端 貴代(和術慧舟會AKZA)
判定0-3
○シッジ・ホッシャ(ROCHA TOP TEAM)
※ホッシャが初代クイーンに。

▼第11試合 メインイベント ライト級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分5R
○久米鷹介(ALIVE)
3R 1分08秒、三角絞め
●トム・サントス(Team Brazilian Thai)
※久米が二度目の防衛を果たす。

久米鷹介がトム・サントスを退けライト級KOPを二度目の防衛!ホッシャが端を破り初代フライ級QOP戴冠!北方が二度目のストロー級KOP挑戦権獲得

第1試合


 2011年よりパンクラスに参戦している髙木は、パンクラスのケージ導入以前からケージでの試合を熱望していた。コンスタントに試合をしてきており、勝っても負けても豪快なKO劇を見せている。ここ3戦は1勝2敗だが、今回は若手の壁となることができるか。
 対する丸山は2015年より参戦。同年NBT優勝を果たし、ここ3戦は連勝中。ここでランカーを倒し下克上を目指すか。

 髙木がダイナミックなパンチを見せる。丸山は右ミドル。髙木がローから組むと、突き放す丸山。しかし、ここで髙木の左フックがクリーンヒット! つんのめるように前方へ倒れる丸山。髙木が豪快なKO勝利を挙げた。

第2試合


 元ボクシング3階級女王・ライカはパンクラス5戦目。MMAにフィットするため、打撃も変えてきているという。前回(2018年12月)はエジナ・トラキスに判定勝ち。連勝を狙う。
 初来日のマイラは、柔道、柔術をベースに、ボクシングやムエタイも身につけているとーたりファイター。ジャングルファイト、修斗ブラジルなどで活躍し、サラ・フロタ、アマンダ・レモスと現UFCファイターとの闘いも経験している。フロタには負けているものの判定まで持ち込み、レモスとは引き分けと、いずれも善戦を見せている。
 公開練習では、素晴らしいパワーとスピードの打撃を披露しており「自分は打撃が向いている」と語っていた。激しい打撃戦になるか。

 1R開始すぐ、打撃で前に出るマイラ。圧力がすごい。ボディを殴るライカ。両者組むと、マイラが上に。パンチ、ヒジを落とし、マウント! パウンド、ヒジを落とす。亀になったライカにバックマウント! パウンドを連打するマイラ、防戦一方のライカ。さらにマイラがバックから腕十字! ライカは耐えていたが、ついにタップアウト。マイラが初来日を1本勝ちで飾った。

第3試合


 元UFCファイター粕谷は、2017年よりパンクラスに参戦。しかし、初戦(2017年8月)を松嶋こよみ、次戦(同年12月)はISAOに判定負けを喫し、まだ勝ち星がない。さらに、2018年は試合をしておらず、1年4ヶ月ぶりの復帰となった。今回はライト級での一戦。是が非でも今後につながる勝ち星を挙げたい。

 対する菊入はキッ2017年よりパンクラスに参戦。現在4連勝中(うち3KO)で波に乗る。UFCファイターを破る金星を挙げられるか。

 1R、粕谷がパンチを打って行く。ボディ、ローキックから左ハイキック! 菊入がぐらつくと、粕谷は組んでケージへ押しテイクダウン。パウンドを連打すると、菊入は動けず、殴られるままに。レフェリーが止め、粕谷が久しぶりに快勝した。
 粕谷は思わず感涙。会場に来ていた2人の子供をケージに呼ぶと抱き上げ、勝利の喜びをかみしめた。

第4試合


 33歳・内村はZST初代ウェルター級チャンピオン。打撃を得意とし、コンバ王子(2017年7月)、ダニエル・リケイホ(同年11月)、ヴィトル・トファネリ(昨年8月)らにKO勝利を挙げている。

 22歳・亀井は2018年NBT同級優勝。長身から繰り出す打撃を得意とする。新旧ストライカー対決はどちらに軍配が上がるか。

 1R。フェイントを掛け合う両者。内村はロー。亀井はパンチ。右ハイキックはカットされたものの、パンチで一気に攻め込む。内村はスリップダウンしてしまう。亀井は上になりパウンド。立った内村をケージへ押し込む。内村がヒザを入れたところで終了。
 ジャッジは三者10-9で亀井。

 2R。やや疲労の色が見える内村だが、右パンチがヒット、亀井ダウン! ラッシュをかける内村。亀井はなんとか回復し打ち返して行く。
 内村は組み、ケージ際で引き倒しテイクダウン。サイドから抱える。カメの姿勢になっている亀井だが、振りほどいて立地、正対して離れる。
 ケージ際でパンチ連打する亀井。内村は組んでケージへ持って行くが離れる。両者打ち合う。亀井跳びヒザ! ケージ際の攻防となりブレイクがかかる。
 残り時間は30秒。内村は鼻から血を出しているが、右パンチ! 亀井ダウン!内村ラッシュ! しかし終了。
 ジャッジは二者10-9、1人が10-8で内村を支持。

 3R。内村が組んでケージへ。しかしブレイク。パンチで出る亀井。打ち合い、内村が危ない場面も。しかし退かない両者へ会場から大きな拍手が湧き上がる。
 鼻から出血している内村は、パンチから組んでケージへ。テイクダウン! しかし、亀井は前に回り、足関節を狙う! さらに盛り上がる会場。しかし内村は足を外して立つ。追いかけて行く亀井は組んでケージへ。しかしブレイク。
 残り1分。お互い鼻血を出しながら最後のラッシュ! 会場の大きな拍手に包まれて終了。
 判定は二者29-28、1人が29-27で内村を支持、3-0で内村が勝利を挙げた。

 11歳差の両者だが、お互い一歩も退かない打ち合い。ひたすら殴り合う両者の姿に格闘技の原点を見た。
 試合なので勝敗はつくが、両者ともに勝者だと言いたくなるようなシンプルな1試合。なぜ格闘家は闘うのか? という大命題の答えを教えてくれたかのような一戦だった。

第5試合


 ゴツゴツしたフィジカルと豪快な打撃が持ち味のアキラ。昨年はヒカルド・チルロニに判定勝ち(2月)したが、前戦(11月)はサドゥロエフ・ソリホンにKO負けを喫している。ここで星を獲り、勢いをつけたいところ。

 対する冨樫は、昨年トム・サントス(5月)、上迫博仁(10月)にTKO負けし、現在3連敗中。連敗を止められるか。

 1R。アキラが大きくパンチを振っていく。しかし、飛び込んで行くアキラに冨樫の右パンチがヒット、アキラがダウン! 冨樫はかぶさってパウンド。アキラは密着してしのぐが、冨樫はコツコツ殴っていく。
 残り1分。一気に立ったアキラ。しかし冨樫がケージへ押し込みヒザ。アキラは踏ん張るが、攻撃できず終了。
 ジャッジは三者10-9で冨樫。

 2R。冨樫は遠めの距離からパンチを出していく。プレッシャーをかけ、飛び込んでパンチを打つアキラ。着実にパンチを当てている冨樫。アキラがケージへ押し込むが、冨樫は離れてジャブ。攻められないアキラ。
 一旦ブザーが鳴ったものの、直前のタイムストップということでアキラがドクターチェックを受ける。1〜2秒ほど対時して終了。
 ジャッジは三者10-9で冨樫。

 最終ラウンド。大きくパンチを振っていくアキラだが、いい距離に入れない。
ペースを保つ冨樫。打ち合う場面もあるものの、攻めきれないアキラ。
 残りわずかでアキラがタックルからケージへ押し込む。ヒジ! 冨樫が鼻から出血。アキラはテイクダウン、パウンドを打ち込むものの終了。
 判定は三者29-28で冨樫が勝利。

第6試合


 TSUNEは2015年よりパンクラスに参戦。コンスタントに試合を行い、上田将勝戦(2017年7月)を除き6勝を挙げてきた。しかし、昨年7月、瀧澤謙太にTKO負け。タイトルへは手が届かなかった。今年は再びベルトを目指す。

 対する金太郎は2012年から参戦。土肥潤(2017年12月)、合島大樹(2018年7月)、アラン・ヤマニハ(同年10月)に3連勝と波に乗る。今年の目標はベルトとONE参戦。1位のTSUNEを倒してアピールしたいところだ。

 1R。金太郎が右ハイキック。TSUNEはジャブ。金太郎はボディ、ハイキックとダイナミックな動きを見せる。
 金太郎のローキックにタックルを合わせたTSUNE。金太郎は尻もちをつくがすぐに立ち、ケージへ押し込んでいく。ブレイク。
 金太郎がパンチから右ハイキック! これがTSUNEのアゴにクリーンヒット! 仰向けに大きく倒れるTSUNE。追い討ちをかけようとする金太郎をレフェリーが止めた。金太郎が見事なKO勝利を挙げた。

▼金太郎 ケージ上コメント
「実は(ハイキックを)狙っていました! 昨日の夜、これを狙おうとホテルで決めました。次はONEかタイトルマッチをやりたいです。是非よろしくお願いします」

第7試合


 藤野は2004年にMMAプロデビュー。SMACKGIRL、VALKYRIE、JEWELSなど日本の女子格闘技とともに歩んできた歴史の証人的存在だ。パンクラスでは昨年8月、ヴィヴィアニ・アロージョとの王座決定戦に臨んだ藤野。殴られても退かない「男前ファイト」を繰り広げたが、無念のTKO負け。初代女王の座に就くことはできなかった。
 しかし、現役を続行。「格闘技を続ける限りは強い相手とやりたいし、より上の選手と闘いたい」と言う藤野。まだまだ上を目指し、闘いを重ねていく。

 一方、クセニヤはアマチュアムエタイがバックボーンで、昨年8月に初参戦。ライカに判定勝ちしている。本来はストロー級の選手だと言い、今回から適正階級で闘う。

 1R。先にパンチを出す藤野。組んでケージへ押し込む。テイクダウンできないクセニヤ。ブレイク。
 リーチの長いクセニヤのパンチがヒットしている。しかし、藤野は怯まず打っていき、パンチ連打で離れる。
 藤野がタックルからケージへ押し込み、ヒザ連打。クセニヤはヒザを返すものの、脱出できないまま終了。
 ジャッジは三者109で藤野。

 2R。クセニヤのパンチで顔が腫れている藤野。しかし自分から打っていく。藤野のパンチもヒットしている。しかし、このラウンドも藤野が押し込んで膠着ブレイクされる展開。
 残り2分、藤野がタックルをそいかけるが、クセニヤが入れ替え。しかし藤野が入れ替えてケージで押し、ヒザを入れ合って終了。
 ジャッジは三者10-9でクセニヤを支持。藤野の顔に傷が増えている。

 3R。お互いパンチをだす。藤野が組んでケージへ押し、首を取っている。しかしこれは外し、おアンチで離れるクセニヤ。
このラウンドも藤野が押し込んでいく。しかしブレイク後、藤野がパンチ連打、さらにクセニヤの蹴り足をキャッチしテイクダウン! パウンドを落とす。
 クセニヤがここで腕十字を狙う! しかし、外した藤野は潰してパウンド。さらにハーフからヒジ連打で終了。
 ジャッジは三者29-28で藤野が判定勝利を挙げた。

▼藤野 ケージ上コメント
「BBA舐めんな! このあと、本物のBBAが出てくるので、見届けてください!」

第8試合


 ランキング2位の中島と3位のアグオンが、フェザー級タイトルマッチ次期挑戦者の切符を懸けて激突する。
 2012年からパンクラスに参戦する中島は同年NBTバンタム級優勝。2015年のハワイ大会を最後に外国の大会に参戦していたが、昨年9月、パンクラスに復帰。元フェザー級王者・田村一聖を判定で下した。
 以前はあくまで外国のイベントでの試合を望んでいたが、『いまはパンクラスのチャンピオンになるっていう気持ちでやっています』と言う。海外への通過点として日本で獲って置かなくてはならないという気持ちになっている。絶対に負けられない一戦だ。

 対するアグオンは2017年よりパンクラスに参戦。地味だが強いという印象。3戦目(2017年12月)、松嶋こよみに敗れたのみで、暫定王者ISAO(同年8月)、田中半蔵(2018年10月)に勝利している。
 公開練習では、レスリング、ボクシングなどそれぞれの競技に個別に集中して磨き、どの分野でもアグレッシブに攻めていきたいと話していた。
 勝者は『PANCRASE 305』(5月26日、スタジオコースト)で行われる王者地統一戦、ナザレノ・マレガリエ対ISAOの勝者に挑戦することとなる。

 1R。パンチで前に出るアグオン。中島はすれすれのところで避けている。やや遠くからローを出す中島。
 アグオンがパンチ、中島がかわすという展開が続く。中島は相手をかなりよく見ている。しかし、中盤になり、アグオンの右をもらいぐらつくシーンも。
 片足タックルでケージへ押し込む中島。脱出したいアグオンだが、中島がキープして終了。
 ジャッジは二者10-9で中島、1人が10-9でアグオンを支持。

 2R。パンチで攻め込もうとするアグオン。中島は注意深くかわし、組んでケージへ。崩したいが踏ん張るアグオン。
 アグオンは、離れるとパンチをヒットさせ、中島が吹っ飛ぶ。しかしすぐに立ち、タックル。ケージへ押してバックに回る。
 中島は何度も押し込みヒザを打ち込むが、倒すには至らない。あまりもらっていないが、ジャッジは三者10-9でアグオン。

 3R。大きくパンチを振っていく中島。パンチからタックルを仕掛けていく。やや疲労の色が見えるアグオンだが、中島はテイクダウンを奪えない。
 食らいついていく中島。ケージへ押し込むが、入れ替えるアグオン。さらに入れ替える中島。ここが根性の見せどころだ!
 残り20秒。中島がパンチから片足タックルに入ったところで終了。
 ジャッジは2-1でアグオンが勝利。中島は惜しくもあと一歩及ばなかった。

第9試合


 2016年12月、砂辺光久の持つベルトに挑戦した北方。砂辺を苦しめたが、ジャーマンからのチョークで一本負けを喫してしまった。しかし、悲願のベルトを目指し、八田亮(2017年4月)、ダニエル・パックマン(同年10月)、井島裕彰(2018年5月)に3連勝し、再チャレンジのチャンスをつかみ取った。

 対する曹は古く2006年からパンクラスに参戦している。2014年12月、判定負けを喫した砂辺との対決を目指し、ストロー級まで落としてきた。「タイトル戦出なくてもいい。チャンピオンともう一度闘いたい」。その思いで、早坂優瑠(2018年4月)、井島裕彰(2018年11月)にフィニッシュで勝利を挙げ、ついに砂辺との対戦目前まできた。
 パンクラス軽量級のパイオニアにして絶対王者・砂辺と闘うのはどちらなのか。

 1R。左右スイッチしながら様子をみる曹。初めてスパッツで試合に望んだ北方は落ち着いている様子。曹がパンチを出すと、北方が入って連打。曹が組んでケージへ押し込む。北方はロー、肩パンチ。
 離れた北方は前蹴り、大きく左パンチから右ハイキック! 曹はタックルに入るが、北方はこれを切ってチョーク。ケージへ押して絞めるが、極まらず時間切れに。
 ジャッジは三者10-9で北方。

 2R。北方のパンチでぐらつく曹。北方は蹴りとパンチで攻め込む。バックを取られた曹だが、回ってケージへ押し込む。しかし展開なくブレイク。
 両者パンチを出して行く。組んでケージへ押した曹は、ボディ、ヒザ。残り30秒で北方は入れ替え、パンチを打ち込む。1Rに続き、グラウンドの展開にならないまま終了。
 ジャッジは三者10-9で北方。このまま北方が押し切るか、曹に一発逆転はあるのか。

 3R。曹が前蹴り。北方はローから右ミドル。曹の蹴り足をキャッチし、テイクダウン! すぐにパスしハーフマウントからマウント! 回って返す曹だが、北方はしっかりバックをとっている。首を狙うが、曹は抜けてバックから首を狙い返す。上に乗り殴るが、北方返した! バックに回る。しかし逃げて上になる曹。残り40秒。
 返した北方が後ろから首を狙う。脱出した曹が立って蹴り。しかし終了。
 ジャッジは3-0で北方が勝利!

北方 試合後コメント
「ホッとしました。でも、悔しいです。というのは、倒しに行くより、勝ちたいという気持ちの方を優先してしまったからです。闘うことは、ただ勝つことじゃない。1試合1試合、いい作品を残していきたいです。そう思っているのに、勝ちたい気持ちを優先してしまった。そこが悔しいです。自分はもっとできると思っているので、なおのことです。
 その分、タイトルマッチでは大爆発したいです! ぜひ期待して欲しいです。とにかく練習して、もっと強くなります。
 スパッツですか? デビューから今まで、スパッツで試合をしたことはなかったんですけど、不意に『スパッツって渋いな』と思って。やってみると動きやすいですし、気に入りました。渋いですよね」

第10試合


 端は2004年にCROSS SECTIONでプロデビュー。以降はSMACK GIRLを主戦場として闘い、Strikeforce、ROAD FC、Invicta FCなど海外の大会も経験している。また、元SMACK GIRLミドル級女王、元DEEP JEWELSバンタム級女王と、豊富なキャリアを持つ日本女子格闘技界の生き証人といっていい存在だ。
 パンクラスには2018年2月に初参戦、Invictaファイターのバーバラ・アシオリーを2Rチョークスリーパーで破っている。パンクラスは端Invictaへの女子選手派遣を発表しているが、端はまずパンクラスでのタイトルマッチに挑むこととなった。端の試合は1年2ヶ月ぶり。
 対するホッシャは2018年12月にパンクラス初参戦。鈴木万李弥に2RパウンドでTKO勝利している。MMAのキャリアはまだ3年だが、ブラジルでプロバレーボールの選手として20年も活躍してきたアスリートだ。格闘技のバックグラウンドはないが、グラウンドも得意としている。

 1R。パンチで出てくるホッシャ。畳み掛けてくるパンチに、端は打ち返しながらも下がり続けてしまう。ケージに詰められ、パンチをもらい鼻から出血する。残り時間わずかで、ホッシャが組んで大きく投げテイクダウン! マウントからパウンドを落とし、立ったところで終了。
 ジャッジは三者10-9でホッシャ。

 ホッシャは2R以降も打撃で前に出続ける。下がる端。苦しいが、チャンスを待つしかない。端が組んでケージへ押し込む場面もあるが、それ以上の展開がない。端はかなりパンチをもらっている。
 4Rでは、寝技に行けとアドバイスを飛ばす端陣営。しかし、糸口が見つからない。
 もうあとがない最終ラウンド、端が組みにいくが、ホッシャはグラウンドに入らずかわす。端の片足タックル。再度タックルから倒した端だが、ホッシャが上に。端は三角を仕掛けるが、ホッシャに立たれてしまう。
 残り時間わずかで端が組みにいき、ケージに押し込むが、振り切ったホッシャがパンチを振り終了。端はホッシャと抱き合い、ホッシャの手をつかんで挙げた。
 ジャッジは3-0でホッシャ。奇しくも同年対決となった初代クイーンの座は、ホッシャがガッチリつかみ取った。

ホッシャ ケージ上コメント
「とても難しい試合でした。皆様にお礼を言いたいです。メッセージをくれた人や、そして神にもお礼が言いたいです。
 ONEからオファーをいただいたら即答で受けます。ONEでも試合がしたいです。そして、パンクラスにもお礼が言いたいです。是非また呼んでください」

第11試合


 王者・久米は、昨年7月に元UFCファイターのアントン・クイバネンとノンタイトル戦を行いKO負け。再起戦がタイトルマッチとなった。
 当初、クイバネンの挑戦が予定されていたが、左上腕二頭筋断裂により欠場。代わってトム・サントスが挑戦することとなった。
 サントスはムエタイをベースとし、KOを狙っていくアグレッシブなスタイルのファイターだ。パンクラスには昨年3月より参戦し、井上雄策、冨樫健一郎にパウンドでTKO勝ちを収めた。
また、2017年にはROAD FC、2018年にはRIZIN、HEATなどアジアの大会に出場しており、HEATではこの3月、ライト級王者となったばかりだ。「パンクラスのベルトを巻くためにHEATのベルトを獲る」と語っていたサントス。果たして2本目のベルトを手に入れることができるか。

 1R。久米が細かく動きながら翻弄する。左ハイキック! 崩れたサントスにかぶさり、ハーフマウントからボディ、ヒジ、パウンドと攻め続ける。サントスは防戦のみで終了。
 ジャッジは二者10-9久米、1人が10-8で久米を支持。

 2Rも久米が体を振り、パンチからタックル、テイクダウン! ケージ際で殴り、ヒジで削る。サントスは蹴り飛ばして脱出しようとするが、久米は逃げる隙を与えずかぶさって殴り続ける。脱出できないサントス、殴り続ける久米。この状態のまま終了。サントスに疲労の色が見える。
 ジャッジは1人が10-9で久米、二者が10-8で久米。

 3R。久米のパンチでサントスがダウン! すぐにかぶさった久米は、パウンド、ヒジを落としながらマウント! さらに三角を極めると、サントスがタップ。王者対決は、横綱相撲で久米がKO勝利。二度目の防衛を果たした。

久米 ケージ上コメント
「前回負けてしまったので、ホッとしています。名古屋や全国から駆けつけてくれた人たちに感謝しています。
 ONEについては、この防衛戦に向けて全てを用意してきたので、まだ考えていません。応援してくださる人たちのモチベーションになれるよう頑張っていきます」

久米 試合後コメント
「ホッとしている部分が大きいですね。(日沖)発さんにしっかりプランを立ててもらったので、過度な緊張もなく、いい感じで闘えました。足が止まって相手のマトになることが一番良くないので、動く中で自分のタイミングでアタックしていくという作戦がドンピシャでハマりました。パウンドで相手を削る、確実にダメージを与えるということを意識して闘いました。
 テイクダウンも、プラン通りに動きを作って、自分のタイミングで打撃を出していくように動きました。
 ダウンを取った右のパンチは練習していました。1R、2Rでしっかり布石を打てたので、当たるだろうと思いました。発さんの言う通り、チームと自分を信じてやるだけでした。
 マウントからの三角は練習していますし、パンクラスでも中村戦(2012年6月、中村晃司戦)でも使いました。
 1R、2Rでしっかり削れたので、ああいうチャンスが来ると思いました。そこを逃さなかったのが良かったです。
 ONEについてですが、僕は今、いろんな人に支えられていて、僕が闘うモチベーションはその人たちの存在なんです。なので、いろいろな状況も踏まえてゆっくり考えたいです。とにかく、僕は自分を高めていくだけです。その中の巡り合わせで考えていきたいです」

(写真・文/佐佐木 澪)

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