WWEネットワークの散歩道 第28回
- 2018-5-8
- WWEネットワークの散歩道
プロレス界の年間最大イベント、レッスルマニアも終わり、WWEは新たなシーズンを迎えました。アスカ選手は連勝がストップし、中邑選手はWWE王座戴冠どころかまさかのヒール・ターン。UFCにカムバックするという噂のあったブロック・レスナーもユニバーサル王座を防衛した後に、WWEとの契約更新が発表されました。
全米を騒然とさせたロンダ・ラウジーのプロレス転向も、敵味方のスーパースターたちのサポートもあり、これ以上ないほどの大成功をおさめたデビュー戦となりました。もしかしたらいつかは日本公演でその雄姿を見ることができる日も来るかも知れません。
ロンダのデビュー戦の成功ををいい意味での裏切りとすれば、今回は『裏切りのレッスルマニア』としてのちのち記憶されることになるのかもしれません。1年の総決算でもあるレッスルマニアは、基本的にはハッピーエンドで終わることがほとんどですが、中にはアン・ハッピーエンドで終わってしまったこともあります。今回は『裏切りのレッスルマニア』をテーマとして何試合かを紹介していきましょう。
最初にレッスルマニアでアン・ハッピーエンドとなったのは16回目の開催となるレッスルマニア2000。当時のトップ選手であるスティーブ・オースティン、ジ・アンダーテイカーの2人が欠場したため、ザ・ロックをのぞく3人がレッスルマニアのメインイベントを初めて任されました。
そのメインイベントはフェイタル4WAY・イリミネーション・マッチ形式で行われたWWE王座戦。対戦カードはザ・ロック対HHH対ミック・フォーリー対ビッグ・ショー。それぞれにセコンドとしてロックにはビンス、HHHにはステファニー、ミックにはリンダ、ビッグ・ショーにはシェーンと、マクマホン一家がそれぞれがつくという家族内抗争をテーマとしたものでした。
ロックはレッスルマニア直前までこの試合への出場は確定していなかったものの、出場権をかけた試合でビンスのサポートを得ることで勝利し、自身2度目のメインイベント登場となったのでした。しかし・・・。
さて、この時のメインイベント以外ではレッスルマニアの歴史に残るようなすばらしい試合もありました。ひとつはトリプルスレッド・ラダーマッチ形式のWWFタッグ王座戦。対戦カードはエッジ&クリスチャン対ダッドリー・ボーイズ対ハーディー・ボーイズ。もうひとつは2フォール・トリプルスレット形式のWWFインターコンチネンタル&WWFヨーロピアン王座戦でこちらはカート・アングル対クリス・ジェリコ対クリス・ベノア。
もう名勝負が保障されているようなメンバーですが、この2つの王座戦に出場した全選手がレッスルマニア初出場であるところが、WWEがWCWとの戦争に打ち勝ち、全米制覇した理由のひとつと言えるでしょう。
レッスルマニア2000
http://network.wwe.com/video/v31356305
アン・ハッピーエンドのレッスルマニアはまさかの翌年、レッスルマニアX-7でも起きてしまったのでした。こちらのメインイベントはレッスルマニア15以来2年ぶりとなるザ・ロック対スティーブ・オースティン。この試合の結末がひと目でわかってしまうような写真が週刊プロレスの表紙に速報的に使われたため、当時は2週間遅れで放送される字幕付き放送を楽しみにしていた、WWEしか見ない層のファンから猛抗議が来たそうです。
この時のレッスルマニアでもビンスとシェーンの親子対決、前年の形式をさらに越えるトリプルスレッド・TLCマッチ形式でのWWFタッグ王座戦の再戦と、歴史に残る試合が行われたのでした。
レッスルマニアX-7
http://network.wwe.com/video/v31599441
『裏切りのレッスルマニア』と言いつつアン・ハッピーエンドの大会ばかり選んでいました。メインイベントがハッピーでも、中盤に行われた試合で裏切りと観客が感じてしまった試合もあります。それはレッスルマニア20で行われたブロック・レスナー対ゴールドバーグ。WWEとWCWが育て上げたモンスターふたりの対決で、ドリームマッチとしてそれこそレッスルマニアのメインイベントを飾るべき試合のはずだったのですが、試合が近づくにつれてふたりがこの試合を最後にWWEを離れることが明らかになり、試合途中からは両者にブーイングが起きてしまうという異常な空間になってしまいました。
この大会では今や映画スターとして数々のヒット作に出演しているロックことドウェイン・ジョンソンとバティスタことデイヴ・バウティスタのレッスルマニア唯一の対戦や、カート・アングル対エディー・ゲレロ、クリス・ベノア対ショーン・マイケルズ対HHHの王座戦もラインナップされています。
レッスルマニア20
http://network.wwe.com/video/v31362293
いつでもどこでもWWE王座に挑戦することができる権利が得られるのがマネー・イン・ザ・バンク。これまでにもさまざまなタイミングで使用されてきました。復活ECWのメインイベントでの指定試合としてキャッシュ・インしたロブ・ヴァンダム。獲得したその日のメインイベントが終わった瞬間に、キャッシュ・インしたディーン・アンブローズ。そしてありそうでなかったレッスルマニア31のメインイベント途中でキャッシュ・インしたセス・ロリンズ。
いまひとつ盛り上がりに欠けたブロック・レスナー対ローマン・レインズの時だっただけに、またあまりにも意外なタイミングだっただけに観客にとってはうれしい裏切りだったのかも。
この大会ではこれまでWWEには登場しなかった最後の大物、スティングがHHHと対戦するスペシャルカードが中盤にラインナップされています。月曜テレビ戦争と言われたWWEとWCWの抗争の決着をモチーフとしてるいるため、ディジェネレーションXとNWOの主要メンバーがこの試合を彩ります。
レッスルマニア31
http://network.wwe.com/video/v57482783