施設出身の“女タイガーマスク”ボリショイらPURE-J勢が伊東の児童養護施設で慰問プロレスを開催
“女タイガーマスク”を地で行く施設出身の覆面女子プロレスラー、コマンド・ボリショイが、自ら代表を務める団体PURE-J全選手を率いて、25日、静岡県伊東市川奈にある児童養護施設・川奈臨海学園を訪ね、慰問プロレスを開催し、学園の子どもたちを激励した。
同イベントは、株式会社ザメディアジョン代表で、超戦闘プロレスFMW前代表の山近義幸氏が組織した『里親プロレスプロジェクトチーム』が主催したもの。『児童養護施設の子どもたちをプロレスで元気づけたい!』をキャッチフレーズに、昨年10月と今年2月に、同学園内体育館で2度開催した。
これまでの2回は体操マットを利用してのプロレスだったが、今回はPURE-Jが全面協力。初めて同体育館にリングが設置され、勝愛実VS藤ヶ崎矢子、ボリショイ、Leon組(デイリースポーツ認定女子タッグ王者組)VS中森華子(PURE-J無差別級王者)、ライディーン鋼の2試合が組まれ、KAZUKIはレフェリーを務めた。
選手たちは通常興行と変わらぬ熱戦を繰り広げ、観戦したちびっ子たちは、これまでのマットプロレスとはひと味違った、ド迫力ファイトに熱狂し、大きな声援を送っていた。
全試合終了後には、子どもたちとのプロレス教室が開かれた。そして、選手たちは手話を交えて歌のプレゼント。さらに、PURE-Jが用意したプレゼントを学園の子どもたちに贈ってイベントは終了。その後の、昼食会で、選手たちはサイン、質問攻めにあっていた。
大阪市淀川区にある児童養護施設・博愛社の出身で、中学を卒業するまで、施設で育ったボリショイは、この日がデビュー26周年記念日。試合では、鋼をラ・マヒストラルで丸め込んで(10分30秒)、白星で飾った。これまで、自身と同じ境遇の子どもたちを激励するために、施設慰問を続けてきたが、試合をしたのは初めてのこと。
ボリショイは「私にとっては懐かしい思いでした。子どもたちの気持ちがわかるだけに、複雑な思いもあります。でも、チャンスは平等にあると思うし、夢を見る原動力になってくれたならいい。リング戦う姿を見せられて、プロレスラー冥利に尽きます。また機会があれば、ぜひ訪れたい」と感慨深く語った。
同学園の竹居昭子施設長は「選手の皆さんが真剣に戦ってる姿を見て、子どもたちも感動して、自然に応援していました。なかには臆しやすい子がいて、今までの2回のプロレス教室では、怖がって参加しなかった子も、今日は加わっていました。何か伝わるものがあったのだと思います。出会い、ご縁を大切にして、今後も子どもたちを見守ってほしいと思います」と話した。
なお、試合開始前には、静岡を拠点に活動する4人組シンガーグループ・ORANCHE(オレンチェ)が歌を披露し、子どもたちから拍手喝采を浴びていた。