Girls S-cupが今年も開催!RENA、MIOが強敵に揃って勝利もKO出来なかったRENAは「不完全燃焼!」
7月7日、シュートボクシング女子選手の真夏の祭典「Girls S-cup」が東京・TDCホールで開催された。
今大会はRIZINの全面協力のもと「霊長類最強女子」ギャビ・ガルシアや、RIZINでRENAがMMAルールで対戦したイリアーナ・ヴァレンティーナとハンナ・タイソンが参戦。また「神童」那須川天心の妹、那須川梨々が、天心と父弘幸TEPPENGYM会長をセコンドに従えて第一試合(セミプロルール)に登場するなど話題の多い大会となり、TDCホールには2344人(主催者発表)の観客が詰めかける盛況ぶりとなった。
注目は、今やシュートボクシングの顔となった女王RENAと「RENAちゃんを倒すのは私」と「追いつき、追い越せ」を公言する妹分MIO。共に強敵を迎えての1戦となった。
まず、セミに登場したMIOは強打のハンナ・タイソンと対戦。パワーで優るタイソンはアグレッシブにパンチで攻め込むが、MIOはことごとくかわしてパンチやキックを返して主導権を握る。2Rには得意の右ストレートでダウンを奪い、その後もパンチを顔面やボディに散らし、ハイキックを狙ったが倒し切れず。だがジャッジが三者とも30-27を付ける完勝を収めた。
メインのRENAは、強敵のイリアーナ・ヴァレンティーナに苦戦した。サウスポーで懐深く構えるイリアーナはパンチとローをコツコツと当ててプレッシャーを掛けてくる。これに対してRENAは前蹴りを合わせ、投げや肩固めでイリアーナを揺さぶる。2RにはRENAが鮮やかに一本背負い投げを決めてシュートポイント1を奪取。3RにはRENAのボディ攻めでイリアーナの手数が減ると、RENAはパンチを当て、バックドロップを狙った。バックドロップは決まらなかったが、イリアーナにペースを渡すことなく、判定3-0でRENAが勝利した。
試合後、RENAは反省しきり。「総合で対戦した時にストレートを貰った印象が強くて、(相手も)ただただ左ストレート狙ってきてて、見えすぎててどうしよう、と。今、SBでは冷静になりすぎるのが反省点ですね。MMAだとこれやろう、あれやってみよう、と思うんですけど。SBでは『ちゃんとした試合をしないといけない』って。私が背負わないといけないので、そこの葛藤はあります。あ~、不完全燃焼です(苦笑)」
SBの女王として、後輩たちの成長に目を細めつつ、妹分MIOには苦言も。
「他団体のベルトに挑戦する選手も出てきて、若手が伸びていますね。でもまだ『この選手に追い付かれる』と思う選手はいません。MIOも倒した瞬間『KOで終わるな』と思ったんですけど。これでMIOが倒してたら、差を詰められたと思うんですけど、今日の内容だと『現状維持だよ』と(笑)」
次に見据えるのは、10月から始まるRIZIN女子トーナメント。
「まだ優勝します、とは言えないです。すべて強化して、10月の1回戦に勝ってから。6月からウェイトを始めて、それぞれのパーツがバラバラにならずに全て繋がっているので、いい方向に持って行っている感じはします」
RENAがRIZINで「シュートボクシング」と「女子格闘技」をアピールしている間、MIO、Union朱里(あかり)、MISAKIが順調に育ってきた。シーザー武志会長も、女子選手たちの成長に手応えを感じている。
「今日のMVPはMIO。もっと早くボディを攻めていれば倒せたと思うけど、成長したね。未奈やMISAKIも良かった。女子だと大きな会長では出来ないと思ってたけど、RENAの活躍があって、RIZINさんの協力もあってTDCホールで開催出来た。来年は両国国技館でやってみたいね」という。
Girls S-cupも来年で10周年を迎える。RENAとMIOを中心に、それぞれの活躍次第でさらなる大会場進出も夢ではない。それだけの勢いが今のシュートボクシング女子にはある。
(スポーツライター茂田浩司)
『Girls S-cup2017』
開催日:2017年7月7日
開始:18:00
会場:東京・TDCホール
観衆:2344人(超満員)
▼第1試合 SBセミプロマッチルール 女子43kg契約 2分3R(延長1R)
●那須川梨々(TEAM TEPPEN)
[判定0-3(29-30×2,28-30)]
○田川女神(TIA辻道場)
*14歳対決は、田川がミドルと組んでからの膝でポイント。那須川は3Rに投げとパンチで見せ場を作るも及ばず。
▼第2試合 女子ミニマム級(48kg)3分3R(無制限延長R)
○MISAKI(GSB名古屋/J-GIRLSミニフライ級10位、SB女子ミニマム級6位)
[2R 2分06秒 TKO]
●奥脇奈々(はまっこムエタイジム)
※MISAKIがパンチ連打で3度ダウンを奪う
▼第3試合 女子スーパーバンタム級(55kg)3分3R(無制限延長R)
○三浦彩佳(TRIBE TOKYO M.M.A)
[判定3-0(29-27×2,30-27)]
●小田巻洋子(クレイン)
※三浦が1Rに2度、2Rに1度、前方への投げでシュートポイント
▼第4試合 女子スーパーフェザー級(60kg)3分3R(無制限延長R)
○未奈(秀晃道場/SB女子バンタム級(52kg)2位)
[判定3-0(30-27×2,30-28)]
●杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
※2、3R、未奈が前方への投げでシュートポイント1ずつ。
▼第5試合 女子52㎏契約3分3R(無制限延長R)
○Union朱里(GSB名古屋/2位、WMCI-1アジア女子51kg&54kg級王者、MAX FC女子-52kg級暫定王者)
[1R 0分58秒 KO]*左ボディ
●ジオン・シユン(韓国)
▼第6試合 女子ヘビー級(体重無差別)3分3R(無制限延長R)
-ギャビ・ガルシア(ブラジル)
[1R ノーコンテスト]
-薮下めぐみ(FIGHT CHIX)
※グラウンド状態でのギャビの蹴りで藪下が右腕負傷。アクシデントによるものとしてノーコンテスト
▼第7試合 女子49kg契約 3分3R(無制限延長R)
○MIO(シーザージム/SB日本女子ミニマム級(48kg)王者)
判定3-0(30-27、三者)
●ハンナ・タイソン(ポーランド)
▼第8試合 女子50kg契約 3分3R(無制限延長R)
○RENA(シーザージム/SB世界女子フライ級王者)
[判定3-0(30-28×2,30-29)]
●イリアーナ・ヴァレンティーノ(イタリア)