【インタビュー】吉岡が崩壊寸前のNEW ERAへの想いと進とのタッグ戦への決意を語る!「稲葉ともいずれ向かい合わなきゃいけない」

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 4.19後楽園大会でアンディ・ウーに敗れ、一度も防衛せずにクルーザーディビジョン王座から陥落した吉岡世起。
 その後、稲葉大樹の無神経な発言により怒りを露わにし、現在はNEW ERAから距離を置いている状態だ。果たして、現在の心境は? 話を聞いてみた。

──NEW ERA内のゴタゴタが続いている中でのインタビューとなりますが、吉岡選手は4.23川口大会でのNEW ERAタイム内で、稲葉さんの「新クルーザー王者のアンディ・ウーさんです」という紹介の仕方に非常に腹を立てていましたよね? 改めてその時の心境を教えてください。
「3月の後楽園大会で初めてクルーザー王座のベルトを取ったんですけど、やっとここからっていう時に一番落としたくない、負けちゃいけない時にベルトを落としてしまったんですよね」

──初防衛戦でしたもんね。
「はい。ベルトを取った時に今まで応援してくれたファンの方も、『やっと取ってくれた』って言ってくれたし、『これから時代を作っていってください』っていろんな方から言われたんですよ。だから、一番負けちゃいけない時だったと思うし、それだけにショックで自分が許せなくてずっとイライラしていたというのがありますけど、しかも相手が一番負けたくないアンディさんだったんで余計にショックでしたね」

──アンディ選手は「一番負けたくない」と思うほど、特別な相手だったんですか?
「僕が全日本プロレスに練習生として入ってから一緒ですし、同じ所で生活をしてきましたからね。向こうも前々から『ライバルだ』って言ってくれてたんで」

──なるほど。それぐらい4月19日の後楽園大会でのクルーザー王座戦は吉岡選手にとっては重要なものだったと。それを知らない稲葉選手との間にはやっぱり温度差があったのかもしれないですね。
「だから、川口の時点では自分でも全然消化しきれてなかったんですよ。それなのにわざわざ稲葉は、『吉岡さんに勝った』って付け加えていましたからね。そこが無神経だなと。それで怒ったんですよ」

──それは余計な一言でしたね(笑)。
「まあ、僕も大人気なかったなと思います。でも、そのあとに児玉さんと稲葉と3人で会見をやったじゃないですか?」

──はい。5月4日の後楽園大会で3人で組んで試合をするために、前日に意気込みを述べるという会見ですよね。稲葉選手を残して、児玉選手と吉岡選手はさっさと姿を消してしまいましたけど。
「あの会見で、稲葉はこのゴタゴタのことを『些細なことだと思うんですよね』って言ったんですよ」

──言ってましたね(笑)。
「その一言にカチンと来て。まあ、児玉さんとの関係がなぜああなっているのかは知らないですけど、やっぱり稲葉との関係性でああなっているわけじゃないですか? 僕も稲葉の発言でピリピリしている時にその本人が『些細なこと』って、あまりにも無神経ですよね。なのに『リーダーとして結束を固めていく』って言ってるし、『どうなの?』って思ったんですよ」

──まあ稲葉選手にしてみればリーダーとしての責任感からの発言なんでしょうけどね。実際にリーダーとして引っ張っていたっていう感じなんですか?
「いや、彼は元々あんな性格なんで。そもそも僕と稲葉とアンディさんでUWAのベルトを持っていた時に、稲葉をサポートしようとしていたんですよ。その時稲葉は無差別級のチャンピオンだったじゃないですか?それで稲葉をサポートしようと思っていたところで、いきなりNEW ERAを始めるって言い出して、僕の知らないところで」

──あ、NEW ERAを結成することは吉岡選手も知らなかったんですか。
「知らなかったですね。まあ、稲葉がやるんだったらって感じで入ったんですけど、周りも稲葉だからしょうがないとか、稲葉だからやってあげようっていう感じだと思うんですよ」

──NEW ERAってそんなチームだったんですか?(笑)。
「そうですよ。だから、本人も僕らがサポートしているっていう自覚があったんでしょうけど、『変なことを言ったら正してね』とかリング上でマイクを持っている時も『助けて』みたいな(笑)。まあ、引っ張るというよりは稲葉の人間性に『しょうがないな。助けてあげるか』っていう感じだったと思います」

──それはそれで稲葉選手の人望ですよね(笑)。
「もちろん若手でW-1を盛り上げようという志はみんなあったので組んでいましたけど、元々そんなにチームチームしたようなユニットではないんですよ」

──どちらかと言うと、当時W-1チャンピオンシップのベルトを持って大変な立場になった稲葉選手をサポートしようと。それと一緒にみんなが上がっていけばいいかなということで組んだユニットということですか?
「そうだと思います。まあ、メンバーはそれぞれいろんな気持ちを持っていたと思うんですよね。稲葉を利用して自分が上がってやろうと思っていた人もいたかもしれないし、そこの部分は一致してなくてもいいんですよ。無差別のベルトを持っているっていうことで注目もされたし、発言力もありましたからね」

──なるほど。みんなが支えてあげてるのにリーダー面すんなよみたいな不満もあったんですか?
「いや、そこまでは思わなかったですけどね。リーダーとしての自覚が芽生えてくれればこっちの負担も減りますし、引っ張ってくれるならそれはそれでいいんですけど。でも、引っ張られようという気持ちの人はNEW ERAにはいないと思います。ただ、間違いなくあいつはNEW ERAの中心にいる人間ですからね。その人間が気の使いどころを間違ったんじゃないかっていうことですよね」

──稲葉選手って昔から結構そういう無神経なところがある人なんですか?
「昔からポンコツって言われてましたからね」

──ポンコツなんですか?(笑)。
「ポンコツでしたね。稲葉はW-1旗揚げの日に日本デビューをして、その次の大会で僕は再デビューしているんで、同期だと思っているんですよ。なので、元々仲良くて、Twitterとかでもいろいろ稲葉の失敗談とかあげたりしてたんですよ。結構変なことを言い出すんで、『ポンコツ』って言って遊んでたこともあって。だから、逆に仲が良かったからこそ、イラッときたのかもしれないし、僕があんなに当たれるのは稲葉しかいないかもしれないですね。思っていることを言えるのは」

──そういう意味では特別な存在だと。まあ、ベルトも土肥選手の持っているリザルト王座以外はみんな手放しちゃいましたし、NEW ERAの勢いが落ちたような印象も受けるんですけど、現在のチームの雰囲気はあまりいい感じではないんですか?
「今はNEW ERAから距離を置いているので、チームとしての雰囲気はわからないです。でも、土肥さんは次も無差別のタイトルマッチがありますし、全然前を向いてやっていますね」

──そういう中で5月28日の長野大会ではFREEDOMSの進祐哉選手と組まれたじゃないですか? 進選手は東京に来る前に一緒にやっていた仲間ですよね?
「そうですね。広島のレッスルゲートでやっていた時の先輩です。デビュー戦のタッグパートナーも務めてくれたんですよ。スクランブルタイムっていうタッグチームを一緒に組んでやっていたし、博多にある華☆激っていう団体のタッグベルトを一緒に巻いたりして、一番一緒にタッグを組んでいた先輩かもしれないですね。J-STAGEでも組んだりしてたんですけど、ずっと優しくしてくれてた先輩で、FREEDOMSに移籍する前から東京で試合をするようになっていて、僕が東京に行く道を示してくれた先輩です」

──なるほど。でも、その進選手から長野大会の試合後に厳しい言葉をもらいましたよね。
「普段は優しくて、厳しいことを言う先輩ではないんですけど、たぶん気にかけてくれたり、期待してくれていた部分もあったんでしょうね。だからこそ、『前とは違った。お前はそんなんじゃないだろう』と僕に失望してしまったんだと思います。せっかく組んでくれたのにちょっと申し訳ない気がしますね」

──進選手は吉岡選手に「迷いがあるんじゃないのか」とおっしゃっていました。やはりあの一件以来、モヤモヤしたものを抱えている状態なんですか?
「そうですね。いろいろ考えちゃって……。自分のプロレスのスタイルに何が足りないのかとか、どう変えていったらいいのかとか、考え続けたら深みにハマっちゃったっていう感じですね。そんな状態だから、進さんにしてみたらおもしろくなかったんだと思います。『プロレスを楽しんでない』、『昔はもっとギラギラしてたでしょう』とか『こっちも楽しめない。ワクワクしない』って言われっちゃったんで、本当に申し訳ないです」

──そういう先輩からの叱咤激励がありましたけど、今後の方向性は見えてきそうなんでしょうか?
「進さんにあれだけ言われて何もできなかったら、それこそ申し訳ないので。進さんはもう一度組もうって言ってくれたんで、6月6日の後楽園でまた組むことになりましたけど、それまでに何か変えていかないといけないですね。考えすぎだと言われたんで、もっと『プロレスを楽しむ』っていうふうにしないといけないと思います」

──本来ならアンディ選手にリベンジといきたいところなんでしょうけど、そのアンディ選手もMAZADA選手に負けてベルトを落としてしまっているし、目標が定まりづらいというのもありますよね。
「それも自分の気持ちをどう持っていっていいのかわからなくなった要因の一つかもしれないですね。明確なラインがなくなっちゃったんで難しいですよね。でも、進さんとのタッグで何かを見出したいですね」

──結局、NEW ERAに心はないっていう感じなんですかね?
「どうなんですかね? 自分でもわからないです」

──でも、正式に抜けたわけじゃないですよね?
「稲葉とのゴタゴタがあって気まずいというか今は合流する気にはならないですけど、やっぱり進さんとのタッグとあの言葉を受けて、変わらなくちゃいけないというのは考えています。少し自分の中でも気持ちが動いてきたので、稲葉ともいずれ向かい合わなきゃいけないし。でも、まずは進さんを失望させないところからですかね」

──まあ、稲葉選手は今は脳震盪で欠場中なのに、児玉選手からNEW ERAを一緒にやめようと誘われているし、いろいろと複雑な状況のようですけど。
「そうですね。まあ、そこで抜けるのは本人次第なんでそれはいいですけど、NEW ERAは自分がやろうと言って始めたユニットなんで、ある程度責任を持ってほしいですね。やめるならやめるで解散するのか、けじめはつけていってほしいです。脳震盪は心配っちゃあ心配ですけど」

──わかりました。とりあえず後楽園大会の進選手とのタッグに注目しています!

『WRESTLE-1 TOUR 2017 OUTBREAK』
日時:2017年6月6日(火)
開始:19:00
会場:東京・後楽園ホール

▼WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
【第11代王者】芦野祥太郎
vs
【挑戦者】土肥孝司
※第11代王者、3度目の防衛戦。

▼WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第9代王者組】河野真幸/伊藤貴則(ACE)
vs
【挑戦者組】征矢学/タナカ岩石(ACE)
※第9代王者組、初の防衛戦。

▼WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第9代王者】MAZADA(東京愚連隊)
vs
【挑戦者】カズ・ハヤシ
※第9代王者、初の防衛戦。

▼ジャケット・コントラ・ファンサービス シングルマッチ
黒潮“イケメン”二郎
vs
近藤修司

▼タッグマッチ
木村花(ACE)/安納サオリ(Beginning)
vs
才木玲佳(フリー)/万喜なつみ(Beginning)

▼タッグマッチ
吉岡世起/進祐哉(FREEDOMS)
vs
NOSAWA論外(東京愚連隊)/ジェイ・フレッディー

▼8人タッグマッチ
アンディ・ウー/児玉裕輔/熊ゴロー/藤村康平
vs
三富政行(愛媛)/頓所隼(ACE)/一(ACE)/皇壮馬(ACE)

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