プロレスキャノンボール11.19大船渡大会 劇場版プロレスキャノンボール2014特別無料興行を大船渡で開催!
プロレスキャノンボール2014 in 大船渡
日時:2014年11月19日(水)
開場:18:00 開始19:00
会場:岩手・大船渡市民体育館
観衆:1150人(超満員)
▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●マッスル坂井(劇場版プロレスキャノンボール2014監督)
7分4秒 エビ固め
○かめっしー(みちのくプロレス)
▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
KUDO(DDT)/○里村明衣子(センダイガールズ)
12分43秒 スリーパーホールド→レフェリーストップ
坂口征夫(DDT)/●赤井沙希(オスカープロモーション)
▼第3試合 6人タッグマッチ
○ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)/ゴージャス松野(DDT)/バラモンシュウ(フリー)/バラモンケイ(フリー)
13分1秒 メシア降臨
ヤス・ウラノ(DDT)/日向寺塁(みちのくプロレス)/佐々木大地(みちのくプロレス)/●郡司歩(みちのくプロレス)
▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○新崎人生(みちのくプロレス)/気仙沼二郎(みちのくプロレス)
10分2秒 念仏パワーボム→エビ固め
●大家健(ガンバレ☆プロレス)/今成夢人(ガンバレ☆プロレス)
▼第5試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
●高木三四郎(DDT)/鈴木みのる(パンクラスMISSION)/葛西純(FREEDOMS)
16分17秒 蒼魔刀→体固め
○HARASHIMA(DDT)/飯伏幸太(DDT)/男色ディーノ(DDT)
HARASHIMA&飯伏&ディーノが高木&鈴木&葛西に勝利!
マッスル坂井監督「本当に奇跡の連続」1か月間大船渡で宣伝活動した大家は涙
オープニング
寒空のもと、東京からもたくさんのファンが駆け付けた岩手・大船渡市民体育館の前には開場時間前から長蛇の列が出来た。そこで急遽早めにロビーを開放したあと、予定より10分早く開場。
会場にはこの大会の宣伝活動をしていた大家健のご両親や、東京から自腹でガンプロ勢の応援に駆け付けたシバターの姿も。さらに予定よりも多くのお客さんが来てくれたため、何度もイスを増設していった。さらにサムライTVの三田佐代子キャスターと村田晴郎アナウンサーが売店の売り子を手伝い、HARASHIMAや男色ディーノが登場してグッズ購入者にサインや記念撮影をしていく。
鶴見亜門GMと井上マイクリングアナが登場し、諸注意をしてから気仙沼二郎を呼び込む。みちのくプロレスのファンで『覆面ワールドリーグ戦』を密航して観戦していたという亜門GMが沼二郎に歌をリクエストすると、復興応援ソングの『しゃぼんだま』と『俺の海』の2曲を披露した。
続いて開会宣言をするために、プロレスキャノンボールの総監督であるマッスル坂井が、たくさんの観客に驚いた表情で登場。「控室の選手、スタッフ、みんなビックリしました。本当にありがとうございます! ぜひぜひ皆さん楽しんで1時間半……2時間で終わらせますので、最後まで楽しんでいってください」と挨拶すると、「プロレスキャノンボール、スタート!」と大会開始宣言。
第1試合
いま開会宣言をするために登場し、一旦はけた坂井がササダンゴマシンのマスクを被り、会場にいた子供を連れてリングイン。リング上で愛息を肩車したところで、滝沢市観光大使(非公認)のかめっしーが陽気なダンスを踊りながら入場。
坂井はササダンゴマシンのマスクを被ったまま試合をする模様。かめっしーは「かめっしー」コールを煽ると、力比べを要求。坂井が応じようとすると反対側の腕をあげてスカす。怒った坂井はササダンゴのマスクを脱ぎ捨てると、「三匹カメ飼っているんですよ!」と叫び、かめっしーへの攻撃を躊躇。
それでもカウンターエルボーでかめっしーをなぎ倒した坂井はストンピングから甲羅を剥がそうとする。ニーリフトからスリーパーに捉えた坂井は、コーナーで馬乗りになった殴りながらササダンゴマシンのマスクを被せ、カメであることを隠してカメへの情けを振り切る。さらに亀太郎を奪い取って殴っていく。
どうにかかわして亀太郎を救出したかめっしーはドロップキックで反撃すると、エルボーから串刺しラリアット。しかし坂井も垂直落下式リーマンショックを返すと、「あと2回!」コール。だが、坂井のラリアットをかわしたかめっしーはオクラホマロール。肩をあげた坂井だが、そこをエビ固めで丸め込んだかめっしーが3カウントを奪った。
第2試合
坂口と赤井が二世タッグを結成し、KUDO&里村と対戦。先発を買って出た坂口はKUDOと緊張感のある蹴りからグラウンドに持ち込むが、両者譲らない。続いて赤井と里村がリングインし、里村がヘッドロックで絞め上げるが、赤井も長い足を活かしてヘッドシザースで脱出。
だが、里村はニーリフトから逆片エビ固めに捉えていく。赤井がロープに逃れたところでKUDOにタッチ。サッカーボールキックを叩き込んだKUDOは、里村とダブルのミドルキックを叩き込む。里村がキャメルクラッチで追い込むが、ロープに逃れた赤井はキックで反撃。
だが、重たい蹴りを返した里村がKUDOにタッチすると、KUDOは逆立ちからのダブルニーを落とす。劣勢の赤井だが、串刺し攻撃を狙ったKUDOを迎撃するとハリケーン・ラナで投げていき、ようやく坂口にタッチ。
里村が飛び込んできて坂口と蹴り合いを展開。そしてコーナーにホイップすると、KUDOが8×4(=走り込み串刺しジャンピング肘打ち)。だが、坂口は腹パンを返すと、コーナーの上にKUDOを寝かせて串刺しニー。これをかわしてエプロンに降りたKUDOはハイキックを返すと、コーナーからダイビング・ダブルニーアタック。
かわした坂口はハイキック。KUDOもミドルキックを返していくと、坂口と激しい蹴り合いに。最後のハイキックが相打ちになると両者タッチ。赤井はニーリフトを叩き込んでいくが、里村はKUDOにタッチすると、スリングショット式フットスタンプを落とす。続いてKUDOもスリングショット式ダブルニーを投下。
里村がカナディアンロッキーバスターで叩き付けると、赤井もサッキーカッターで里村を叩き付けとランニングローを叩き込むが、里村はカウント1で返す。蹴りで反撃に出た里村だが、赤井もビッグブーツを返す。ならばと里村がロープに飛ぶと、赤井は追走してビッグブーツを里村の顔面に叩き込む。
片膝をついた里村に赤井は二段蹴り式顔面蹴りを叩き込むと、そこからちょめちょめ絞め(=スウェ〜ニョ)。KUDOがカットに入ると、里村が逆エビ固めに捉える。さらに逆片エビ固めにスイッチすると、赤井は悶絶しながらもどうにかロープに辿り着く。里村はダメージで起き上がれない赤井に側転からのダブルニーを落とすと、フロッグスプラッシュを投下。
坂口がどうにかカウント2でカットしたが、KUDOが場外に連れ出す間に里村が赤井をスリーパーに捉える。長身の赤井だが、徐々に力が抜けていき腰を落ちたところでレフェリーが試合をストップ。里村は試合後、赤井の健闘を称えた。
第3試合
バラモン兄弟が水を撒き散らしながら登場。子供に口から吹き出した水を浴びせて大泣きさせたところにマスターのサスケを呼び込む。御輿に乗せられて登場したサスケは松野が掲げた聖杯の中に聖水を注ぎ入れると、子供にはマントから怪獣のおもちゃを出現させて手渡す。
さらにマントの中からチョコレートを取りだし、受け取った子供を抱きかかえたマスターサスケは口づけをする。バラモン兄弟曰く「この子は将来大物になるぞ〜!」。
先発を買ってでたサスケはヤスを気で痛めつけると、さらに大きな気を溜めてからヤスに向かって投げつけるが、ヤスがかわしたため背後のバラモン兄弟や松野に誤爆してしまう。するとサスケがガンジーばりに無抵抗主義を唱えるように自らの頬を突き出すが、ヤスは容赦なく張り手。
もう一度頬を突き出すサスケだが、ヤスは空気を読まずに張り手。それでもリング中央で座禅を組んだサスケに対し、フロントキックを見舞ったヤスだが、サスケは七転び八起きダルマ大使を行使して、そのまま起き上がる。
「豊富な富を解放せよ! マーンデラ! マーンデラ!」とコールするサスケを見てパニックになったヤスは佐々木にタッチ。バラモン兄弟が佐々木を捕まえるが、ヤスらが入ってきて場外に追いやると、4人で松野を抑え込むが、マスターの気が発動して4人を弾き飛ばした松野。
バラモン兄弟はヤスを捕まえると、コーナーに押し込んで股間にアタッシュケースをセットしてボーリングの球を投げてストライク。「あとはお前に任せるぞ!」と松野にタッチするが、ゴージャススター・エルボーはかわされて自爆。それでもカウンターのフライング・クロスチョップを決めた松野はシュウにタッチ。
日向寺が飛び込んできてスピアーでバラモン兄弟を蹴散らしていくと、佐々木と郡司が同時プランチャを投下。リングに戻った佐々木と郡司は2人がかりでサスケに殴りかかる。そして日向寺のダイビング・エルボードロップから合体技を狙った佐々木と郡司だが、バラモン兄弟が阻止。
サスケがダブルエルボーで吹っ飛ばしたあと、シュウが郡司を羽交い締めにして系が道路標識で殴りかかるが、かわされて誤爆。郡司が高角度レッグドロップから裏投げの体勢に入るが、系が壺の中の灰を投げつけてカット。
すかさずシュウがレッグラリアットからゾンビキング(=相手の足を交差してのハリケーンボム)で叩き付けると、マスターサスケを呼び込んで郡司の上にムーの太陽でメシア降臨を投下して3カウントを奪った。
試合後、コーナーの上に座ったサスケは「次、DDTとみちのくプロレスが大船渡に来るときは庭先に黄色いハンカチを吊しておきてください」と“マスターのお言葉”を言うと一人先に退場。残されたバラモン兄弟は「健さ〜ん! 健さんは亡くなったけどたくさん映画は残っているから今度来るときまで見ておくように。でないと、お前ら死んで地獄に落ちて、今度生まれ変わったら蛆虫になるぞ 〜!」と叫んだ。
第4試合
まずは今成と沼二郎がリングイン。ショルダータックル合戦から今成が気合いでなぎ倒すが、沼二郎もヒップアタックを返す。続いて大家と人生がリングイン。ショルダータックル合戦から人生が側転フェイントからトラースキックを叩き込むと、早くも念仏拝み渡りを決める。
大家と沼二郎は激しいエルボー合戦から沼二郎がヘッドバット。さらに人生が逆片エビ固めに捉えるが、大家はどうにかロープに脱出。ならばと沼二郎がブレーンバスターを狙うが、踏ん張った大家は逆に投げていき今成にタッチ。
テーズプレスからニードロップを落とした今成はフィッシャーマンズ・スープレックスでカウント2まで追い込むと大家にタッチ。沼二郎にエルボーを叩き込んでいった大家だが、倒れなかった沼二郎はエルボーで反撃してセントーンを投下。タッチを受けた人生はスワンダイブ式ブレーンチョップからダイビングショルダー。
大家も串刺しエルボーを返すとカミカゼから炎のスピアーを狙うが、正面からガッチリ受け止めた人生は念仏パワーボムの体勢に。腰を落とした大家はリバースで切り返すが、人生は極楽固めに捉える。
何度も背中を反らして絞め上げていった人生だが、沼二郎を振り切った今成が辛くもカット。だが、今成を場外に追いやると、人生は大家をのど輪落としで叩き付けてから、今度こそ渾身の念仏パワーボムで叩き付けて3カウント。
勝った人生はマイクを持つと、「大家、立て。お前がこの大船渡で1か月走った結果が、これだけたくさんの人が来てくれたんだ。本当にお疲れさん!」と大家に声をかける。続いて沼二郎も「チャリティー興行、どこでやろうかって言って、僕が大船渡って言ってしまったから、本当に大家選手、頑張ったよ。ありがとう!」と涙ながらに言うと、大家も「人生さん、沼二郎さん、ありがとうございました! 最初、大船渡って言われて、場所も知りませんでした。でもね! 実際に来てみたら住むところ、車も貸してくださって、御馳走もしてくださって、こんなに集まってくれて、ガンバレって皆さん言ってくださいました。僕はね、皆さんを元気づけようと思って大船渡にやってきた! でもね、逆に元気をつけられました! 大船渡はすごく元気だと思います! でも今日、負けた! 負けて悔しい! だから絶対にまた大船渡に戻ってきます! 戻ってきて勝ちます! 今日は本当にありがとうございました!」と涙ながらに絶叫。そんな大家に大船渡のお客さんも温かい拍手を送った。
第5試合
ディーノ、高木、飯伏、葛西、HARASHIMA、鈴木の順に入場。ディーノは学生服姿の観客に片っ端から襲いかかったあと、セコンドの郡司にも襲いかかり、まさぐりながら腰を振っていく。
リングインするなり睨み合っていたHARASHIMAと葛西の先発で試合開始。お互いに腕の取り合いを展開。葛西が高木にタッチすると、HARASHIMAはディーノにタッチ。「マジかよ!」と嫌がる高木はリストロックに捉えていくが、バックを取ったディーノは腰を振っていくと、高木のタイツをめくりあげて腰を振る。
「やめてくれ! 恥ずかしい!」と言いながらロープに逃れた高木は、カウンターでフライング・クロスチョップを叩き込むと、ロープにもたれ掛かったディーノに619。高木が鈴木にタッチすると、ディーノは飯伏にタッチすると、鈴木のお尻を触ってから素知らぬ表情で逃げる。場外まで追いかけていった鈴木だが、リングに戻ると飯伏と緊張感のある間合いからお互いにローを出していく。
そこからニーリフトを叩き込んでいった鈴木は、飯伏がロープに押し込んで反撃しようとしたところでぶら下がり式腕十字。ここから高木、葛西が入ってきてHARASHIMA、ディーノに襲いかかり場外戦へ。鈴木は飯伏を場外に座らせるとランニングロー。
HARASHIMAと葛西が激しくやり合っていると、ディーノがそっと近づいてきて葛西の尻を触ってから羽交い締めに。そこにHARASHIMAがフロントキック。飯伏をリングに戻した鈴木は逆水平チョップから対角線にホイップして串刺し攻撃を思いきや、ストップして張り手。さらにランニングローを叩き込む。
飯伏はカウンターのドロップキックを返すとHARASHIMAにようやくタッチ。コーナーから「チェストー!」とダイビング・カンフーキック。さらに高木と葛西が飛び込んでくると、ドロップキックでまとめて吹っ飛ばす。鈴木をコーナーに乗せたHARASHIMAだが、鈴木はコーナー上からHARASHIMAをフロントネックロックに捉えていき、HARASHIMAは宙づり状態に。
コーナーから降りてもスリーパーに捉えた鈴木は葛西にタッチ。観客に向かって「いくぞ田舎者!」と叫んでからHARASHIMAを肩車してから前方のコーナーに投げつけた葛西は、リバース・タイガードライバーで叩き付けてからコーナーへ。だが、ディーノが追いかけていってリップロック。HARASHIMAが「もういいよ」と言っても「もうちょっと」とリップロックを続けるディーノだが、そのディーノに降りてもらったHARASHIMAは、コーナーに登って雪崩式ブレーンバスター。
ここでディーノが「あれしかない! 祭りの始まりじゃ〜!」と叫び、漢タイツを脱いでTバック姿でコーナーに登り、尻を突き出す。HARASHIMAが葛西をホイップしようとするが、体勢を入れ替えた葛西。ギリギリでストップしたHARASHIMAは突進してきた葛西をかわしてディーノのケツに顔面を激突させる。
さらに飯伏がその場飛びシューティングスターからウラカンホイップで投げていくが、高木がドラゴンリングイン。そしてコーナー上のディーノの背後からカンチョーをお見舞いすると、走り込んできたHARASHIMAをディーノのケツに押し付けてエプロンに落としてからロープ越しにぶっこ抜きブレーンバスター。
さらに鈴木がスリーパーで捕まえると、高木がラリアットでなぎ倒し、葛西がパールハーバー・スプラッシュを投下。だが、飯伏がオーバーヘッドキックで鈴木と葛西を場外に落とすと三角跳びケブラーダを発射。リング上ではHARASHIMAが高木にエルボーからハイキック。高木もラリアットを返すとHIMAWARI-BOMBを狙う。だが、背後に逃れたHARASHIMAは高木をディーノのケツに押し付けると、グッタリする高木に蒼魔刀を発射して3カウント。
エンディング
マイクを持ったHARASHIMAは「本日はプロレスキャノンボール大船渡大会、たくさんのご来場ありがとうございます! すごいこんなに人がいっぱい集まって、これ映画の撮影だから監督……みんな、選手のみんなリングに上がりましょう!」と呼び込む。
ムーの太陽を除く出場選手がリングに上がってくると、今成はビデオカメラを回しながらリング上へ。マイクを渡されたマッスル坂井監督は、東京行きの最終バスの出発時間が近づいていることもあり、「皆さん、ご起立ください! 今日は本当に最後までご観戦ありがとうございました。皆さんのお陰で本当にいい作品が出来たと思います。ここまで本当に奇跡のような連続でした。こうやって今日、たくさんの人に来てもらったのも僕たち奇跡だと思っています。これから編集して(苦笑)、映画公開して、本当に俺らサクセスして、もっと大きい奇跡を皆さんに見せつけてやろうと思います。今日は本当にありがとうございました! 最後、ベタですけど、プロレスキャノンボールと拳を突き上げてもらいたいと思います。キャメラマン、リング上がって! 今日はどうもありがとうございました! せーの、プロレスキャノンボール!」と雄叫びをあげて無料興行を締めくくった。
<試合後コメント>
大家健
「いや〜、もう本当にね! ……僕がもしかしたらものすごくいかがわしい人間かもしれないんですよ。分かります? ねぇ。一応、本当に(大船渡の人たちに)『僕はプロレスラーやっているんですけど』って言って話し掛けるわけですよ。最初は『え?』みたいな顔するんだけど、みんな『ああ、そうなんだ』って言って話聞いてくれるんですよね。その人を疑わないっていう、その大船渡の人たちがね。一生懸命やってんだなっていうのを本当に……分かってくれているのかは分からないですけど、『ああこの人、一生懸命だな』っていうのは感じ取ってくれるんですよ(涙)。だから……嬉しいの、嬉しいんですよ! 嬉しいの!(涙)ウソうつてるわけじゃないの、僕は! それを本当に伝えたいという気持ちが伝わって、これだけの人が来たわけじゃないですか! それが嬉しいんですよ!」
※背後を通ったマッスル坂井が嬉しそうに笑う
「本当に! 何もいかがわしいことないから。プロレスは本当楽しいから。だから盛り上げようって言って。僕らプロレスしか出来ないから。だからプロレスやりに来ましたって言ってね! 入場無料でね。だからみんな『盛り上がろうぜ!』みたいな、その気持ちが伝わったんですよ! だから来たわけでしょ! それがもう本当に嬉しい! 本当に嬉しいの!(涙)だから……もう何て言うのかな。俺、負けちゃったからもう偉そうなこと言えない。でもね、いいいいいいいい……また次ね、来るチャンスなわけじゃん、これが! これが大船渡に戻ってくるチャンスなわけよ。復興が進んでいるのか進んでいないのか、どれぐらいなのか、人によって(感じ方は)違うんだよ。でも大船渡、元気なのね。元気なの、すごい元気なの。生きるしかないと思っているの。でも、もっともっと元気になれるはずなの! もっともっと東北、盛り上がるはずなの! だから俺も元気になるよ! 俺も東北…東北だけじゃない日本だよ! 世界中を盛り上げるよ! だったら大船渡の人も大船渡を盛り上げて、東北盛り上げて、日本盛り上げて、世界中みんなで、俺たち、俺と大船渡の人たちで盛り上げよう! もう地球を全部盛り上げようよ! だから俺、絶対(大船渡に)戻ってくるからな! 絶対戻ってくるからな、オイ! だから気を抜くなよ! 俺も気抜かねぇよ! 一生懸命やるから元気になろうぜ! もっともっと盛り上がって、もっともっと元気になりましょう! 以上です。ありがとうございます!」
マッスル坂井
ーー監督、一応これで全部の撮影が終わったと思いますが。
「終わった……帰り道もちょっと撮るくらいかな。何かDVD用に」
ーーでは、この特別興行の感想を。
「俺は1回目にやりたかった。1回目にやりたくて、2泊3日の3日目のその勢いでやっちゃえってなったんですけど、やっぱりやっていくうちにちゃんとみんなに出てほしい人がいっぱい出てきて、やっぱりしっかりと準備して。逆に言うと1か月空くっていうんで、大家さんを残してやるっていうふうになって。でも最後の大家のさっきのコメントの、あの何か過剰な涙を見ていて、本当にこれでよかったんだなっていうか、これがやりたかったっていうのが僕の、プロレスキャノンボールっていうそのプロレスの持つ泥臭さというか、そういう根源的な部分って言うんですかね。人間のプリミティブな部分っていうか、プロレスラーの持っている人間力の強さみたいなもの。俺、プロレスラーって本当面白い奴らだと思うんですよ。プロレス業界から離れてみて、プロレスも当然楽しかったけど、プロレス業界にいるみんなの面白さっていうか、居心地の良さって言ったらアレですけど……まあ厳しい世界ですけど、DDTにいたときのことが楽しくて、辛かったことなんて忘れちゃうんですよ。楽しかったことしか覚えてなくて。その楽しかった記憶が詰め込まれた映画になるのかなっていうか、いまの一番プロレスラーの楽しい部分っていうか、申し訳ないけどプロレスラーってやっている僕らが一番楽しいんですよ。辛いこともいっぱいあるけど、移動して、その土地土地のいろいろと誰と試合やろうかって言って、試合やって、そういう僕の考えるプロレス……っていうかプロレスラーの面白い部分、カッコイイ部分、そういうところがいっぱい詰まっている。だから最後、大家がああやって旅の中でいろいろな問題とか、やっぱりダメだったっていう部分にブチ当たって、これで終わったら大家は格好悪かったんですよ。実際、映画の中で。それでも『自分に何が出来るか』って言って、最後に大家が1か月(大船渡に)残るって言って、そこからまた始まっている部分もあって。その1か月っていうのは映画の中ではそんなにアレしないかもしれないけど、それがこの最後のクライマックスの……アクションシーンですよ! アクションシーンなんですよ(笑)。最後のシーンにつながれたっていうのは本当に嬉しいというか、素晴らしい仲間と一緒に。撮影から奇跡の連続というか、アレはTwitterとかでみんな盛り上がって、本当に広告費とか宣伝費とかなんてない映画ですよ。制作費も本当に少ない映画の中で、ここまで話題になって、撮影の時点でみんなに楽しんでもらえて、もう映画は本当に編集はたぶん大変でしょうけど、もう……僕がやりたかったのはコレなんで。あとはコレをどういうふうにまとめるか……まあ大変でしょうね。大変だと思うけど、頑張ってまとめてもっとこれが作品として面白いものに仕上げるという……ここまでは本当にすごくうまくいってるというか、偶然というか奇跡が続いていて。だからもっともっと続けるのが僕らの仕事なんで。いい映画にしたいと思います。そして皆さん、今日たくさん大船渡まで来てくれてありがとうございました」
ーー大家代表を選んだのは本人が「残りたい」と言ったのか、それとも誰かが指名したのか?
「まあ僕らで大家に残ってもらいたいなって。それは映画の中でも出て来るんですけど。僕らの意思で、大家に残ってほしかった」
ーーそれは(大家の)カリスマ性を見込んで?
「カリスマ性を見込んでというか、やっぱり大家っていうのはガンプロではカリスマ性を出していく。やっぱりこういう鈴木さんとか飯伏とか高木さんとかHARASHIMAさんとかディーノとかと並んじゃうとやっぱり……ちょっと、アイツも遠慮してる部分っていうか。その中でアイツにしか出来ない泥臭さっていうのがこういうことだと思うので。別に『同じ条件でやれ』なんてひと言も言ってなくて、同じ条件だったら僕らは鈴木さんとか高木さんとか飯伏とかディーノには勝てないけど、大家みたいに1か月かけてじっくりやれば、同じぐらい応援してもらえるっていうこと。生産性の低さが生む熱狂って、やっぱりあるから! 僕らはそこなんで。僕らはやっぱり大家健に自分をずっと重ね合わせていましたよ。映画ではどうなるか? それって編集ではたぶん活きない部分かもしれなくて。その中で……そんな感じです(苦笑)。いい作品になればいいなと思ってます! ありがとうございました」