新日本1.4東京ドーム大会 オカダvs.棚橋のIWGPヘビー級戦、中邑vs.AJのIC戦、石井vs.柴田のNEVER無差別級戦、後藤vs.内藤
WRESTLE KINGDOM 10 in 東京ドーム
日時:2016年1月4日(月)
開始:17:00
会場:東京・東京ドーム
観衆:25,204人
▼第0試合 1分時間差バトルロイヤル〜ニュージャパンランボー(※16:00開始)
○邪道
31分51秒 オーバー・ザ・トップロープ
●田口隆祐
【退場順】(10:26)キャプテン・ニュージャパン→(10:32)藤原喜明→(14:05)タイガーマスク→(14:27)ヒロ斉藤→(14:57)獣神サンダー・ライガー→(15:12)中西学→(22:39)永田裕志→(22:58)小島聡→(23:18)マスカラ・ドラダ→(24:37)キング・ハク→(24:47)天山広吉→(27:02)ザ・グレート・カブキ→(27:19)桜庭和志→(27:51)チーズバーガー→(28:19)YOSHI-HASHI→(31:30)越中詩郎→(31:51)田口隆祐
▼第1試合 IWGP Jr.タッグ選手権試合4WAYマッチ 60分1本勝負
[挑戦者組]●ロッキー・ロメロ/バレッタ
16分42秒 モアバング4ユアバック→片エビ固め
[挑戦者組]○マット・ジャクソン/ニック・ジャクソン
※あとの二組は[王者組]カイル・オライリー/ボビー・フィッシュ、[挑戦者組]リコシェ/マット・サイダル。第43代王者組reDRagonの3度目の防衛に失敗。ザ・ヤングバックスが第44代王者組となる。
▼第2試合 初代NEVER無差別級6人タッグ王座決定戦 60分1本勝負
矢野通/○ジェイ・ブリスコ/マーク・ブリスコ
11分34秒 スプリングボード・ドゥームズデイ・デバイス→片エビ固め
バッドラック・ファレ/高橋裕二郎/●タマ・トンガ
※矢野&ブリスコブラザーズが初代NEVER無差別級6人タッグ王者となる。
▼第3試合 ROH世界選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○ジェイ・リーサル
12分00秒 リーサルインジェクション→エビ固め
[挑戦者]●マイケル・エルガン
※王者リーサルが王座防衛に成功。
▼第4試合 IWGP Jr.ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●ケニー・オメガ
12分48秒 前方回転エビ固め
[挑戦者]○KUSHIDA
※第72代王者ケニーが2度目の防衛に失敗、KUSHIDAが第73代王者となる。
▼第5試合 IWGPタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン/●ドク・ギャローズ
12分49秒 キングコングニードロップ→片エビ固め
[挑戦者組]○真壁刀義/本間朋晃
※第68代王者組アンダーソン&ギャローズが2度目の防衛に失敗。G・B・Hが第69代王者組となる。
▼第6試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○後藤洋央紀
12分16秒 昇天改→片エビ固め
●内藤哲也
▼第7試合 NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●石井智宏
17分19秒 PK→体固め
[挑戦者]○柴田勝頼
※第9代王者・石井が2度目の防衛に失敗、柴田が第10代王者となる。
▼第8試合 IWGPインターコンチネンタル選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○中邑真輔
24分18秒 ボマイェ→エビ固め
[挑戦者]●AJスタイズ
※第12代王者・中邑が2度目の防衛に成功。
▼第9試合 IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○オカダ・カズチカ
36分01秒 レインメーカー→片エビ固め
[挑戦者]●棚橋弘至
※第63代王者オカダが2度目の防衛に成功。
新日本を次のステージに連れて行くのは棚橋ではなくオカダ!中邑は初対決でAJ撃破!
柴田が石井とシバキ合いの末にNEVER奪取!こけし本間が涙のIWGPタッグ王座初戴冠
第0試合
第0試合はシングルマッチからスタートして1分毎に1選手が登場してくる時間差バトルロイヤル。敗れた選手から退場していき、最後まで残った選手の勝利とする。なおトップロープを越えて場外に転落した選手も退場となる。出場選手と順番はテーマ曲によって発表となる。
いきなりライガーが登場してドームが沸き上がる中、『ワルキューレの騎行』が鳴り響き、藤原喜明が登場。ニュージャパンランボーは師弟対決で開幕。いきなりワキ固めを仕掛けた藤原だが、前転して脱出したライガーは逆エビ固めを狙う。しかしコークスクリュー・シザースで投げて防御した藤原。
そこに3番手のタイガーマスクが登場。ライガーが羽交い締めにした藤原にミドルキックを叩き込んだタイガーは、ライガーと一緒にダブルのアキレス腱固め。しかし逆に藤原が両腕でライガーとタイガーをまとめてアキレス腱固めを決めていく。
すると4番手のROHのルーキーだというチーズバーガーが登場。体重がわずか65キロしかないチーズバーガーは果敢に藤原に向かっていくが、張り手一発でダウン。ライガーとタイガーがけしかけてなおも藤原に向かっていくように仕向けるが、藤原は容赦ないヘッドバットから張り手。
5番手にドラディションのヒロ斉藤が登場。ライガーが襲いかかると、ヒロもチョップで応戦。そこにタイガーも向かって行くが、ヒロはブレーンバスターを許さない。ヒロがライガーにセントーンを決めると、藤原と握手。チーズバーガーを取り込んで共闘グループを形成。そこに6番手のYOSHI-HASHIが登場。ヒロに向かっていったYOSHI-HASHIだが、背後からライガーが羽交い締めにしてからボディスラムで叩き付ける。
そこにヒロがセントーンを投下。YOSHI-HASHIはチーズバーガーに逆水平チョップ。そこに7番手のマスカラ・ドラダが騎士風のガウンを着用して登場。ライガーがいきなりケブラドーラ・コンヒーロで叩き付けていくと、シットダウン・コブラツイスト。8番手のキャプテン・ニュージャパンがモノクロのコスチュームで登場。
地獄突きでキャプテン無双を見せたキャプテンだが、藤原のワキ固めに捕まって秒殺ギブアップ。その藤原をほかの選手たちで押さえ込んで3カウント。9番手として中西学が登場。YOSHI-HASHIに逆水平チョップを叩き込んでいった中西はコーナーに登ってブレーンチョップを投下。さらにもう一度コーナーに登った中西だが、ライガーがロープを揺らす。どうにか転落を免れた中西はリングにゆっくりと降りる。
10番手として昨年のニュージャパンランボー優勝者の永田裕志が登場。ヒロがコーナーに登ったところでタイガーが追いかけていくが、ヒロは突き落とすと逆にダイビング・セントーンを投下して3カウント。
ヒロがチーズバーガーにボディスラムを狙ったところでライガーが突き飛ばし、チーズバーガーが上になる格好で倒れたヒロを押さえ込んで3カウント。そのライガーと中西がオーバー・ザ・トップロープ(以下OTR)で失格になったところに12番手の小島聡が登場。小島が羽交い締めにしたYOSHI-HASHIにチーズバーガーがチョップを連打。そのYOSHI-HASHIを小島が攻撃しているところに、13番手の天山広吉が登場。
その間にドラダがチーズバーガーに串刺し低空ドロップキックを叩き込んでいく。小島がYOSHI-HASHIを羽交い締めにすると、天山がモンゴリアンチョップを叩き込む。しかし続くラリアットをYOSHI-HASHIがかわして小島に誤爆させると、テンコジが仲違い。ところが、天山のラリアットを小島がかわしてYOSHI-HASHIに誤爆させると、テンコジは握手。
14番手の田口隆祐が入ってきたところにドラダがヒップアタック。さらに永田が田口の尻を蹴り飛ばすと、天山がモンゴリアンチョップ。田口がやられまくっているところに“元祖尻職人”越中詩郎が登場してヒップアタックでエッチュー無双。田口を呼び込んだ越中はヒップバットの乱れ打ちをほかの選手たちに叩き込む。
15番手としてBULLET CLUBのテーマ曲が流れると、何とBULLET CLUBのTシャツを着たキング・ハクが登場! タマ・トンガの父親であるハクはドラダを逆水平チョップでなぎ倒すと、エプロンからロープ越しに小島にスリーパーを決めているところにハクがラリアット。これで永田がOTRになると、ハクは小島もOTRで失格にさせる。
そこに16番手のザ・グレート・カブキが登場してヌンチャクパフォーマンスからの毒霧噴射。その間いドラダがフォール負けとなり、天山がハクからアナコンダバイスでギブアップを奪ったのだが、田口とYOSHI-HASHIが一緒に押さえ込んで3カウント。カブキが襲いかかってきた田口にアッパーカットを叩き込んでいるところに、12.29 RIZINで青木真也と対戦した桜庭和志が17番手として登場。
まだ顔には青木戦のアザが残る桜庭だが、何とカブキと相対する。ローキックを打って行く桜庭に対し、カブキはアッパーカットから毒霧噴射。これでカブキは反則負けとなり、目が見えない桜庭を田口がスクールボーイで丸め込んで3カウント。
YOSHI-HASHIがスワントーンボムでよく粘ったチーズバーガーから3カウントを奪うと、最終入場者となる18番手の邪道がグリーンのマスクを被ったももいろクローバーZの有安杏果と共に登場。その間にYOSHI-HASHIが失格となったが、側転した有安はマスクを脱ぎ、ももクロトレインで花道から入場。
エプロンまで上がった有安はリング上の越中と田口を挑発すると、ももクロがライブ前に見せる背中への張り手を邪道にお見舞い。越中と田口は二人がかりでヒップバットをお見舞いすると、サンドイッチ・ヒップアタック。さらに越中がダイビング・ヒップアタックを発射。
しかし田口がカウント2でカット。さらに田口のダイビング・ヒップアタックが越中に誤爆すると、邪道が越中をトップロープの上から放り出してOTR。これで一騎打ちとなり、田口がギタってから突進。しかしトップロープを下げた邪道が田口を場外に落としてOTR。見事にニュージャパンランボーを制した邪道を有安もリングに上がって祝福。
マイクを持った有安は「邪道さん、おめでとうございます! ももいろクローバーZの有安杏果です。私ごとなんですけど、2月17日に3rdアルバムと4thアルバムを同時発売します。それを引っさげてドームツアーを開催します。見てくれたら嬉しいです。改めて邪道さん、おめでとうございます!」と言われた邪道は有安をお姫様抱っこで抱え、ご満悦の表情を浮かべた。
<試合後コメント>
邪道 with 有安杏果
——まずは邪道選手、東京ドームのリングで有安さんをお姫様抱っこした今の気持ちを聞かせてください
邪道「いや久々の東京ドームのリングで試合やって、いつも杏果のソロの曲でありがとうのプレゼントっていうファンの皆にありがとうって曲あるんですけど、それを今日は逆に、杏果のおかげで優勝できたから、ほんとありがとう今日は」
杏果「ありがとうございます(笑)」
邪道「杏果がいなかったら優勝できなかったからね、ありがとう。ありがとうのプレゼント」
杏果「ありがとうございます、はい」
——有安さんはドームの花道を歩いてリングに上った今の気持ちはいかがですか?
杏果「はい、あの、ほんとにこんなプロレス界ですごい記念すべき、イッテンヨンというのはすごい日だというのを聞いていたので、そんなステージに、誰も通っていない花道を邪道選手と一緒に通れたことを、ほんとにすごい経験だなと思い今すごく興奮をしています」
——そして邪道選手が見事優勝を果たしました
杏果「ほんとに、あっという間にどんどん倒していって、気がついたらリングには邪道選手しか残ってなくて、ほんとにビックリしたし、さすが私の邪道選手だなと思いました」
——邪道選手、私の邪道選手という言葉を聞いていかがでしょう?
邪道「感無量です。いやーあの、僕が入ろうとした時点で2人しかいなかったんでこれはもしかしたら行けるかなと思ったらもしかして行けたんで。そういうでも運をくれたのは杏果のおかげかもしれないですし、全て今日は有安杏果さんのおかげですよ」
——お二人にとって2016年最高のスタートになったかと思いますがどんな一年にしていくか
邪道「そうっすね、今年もやっぱりプロレスも頑張って、ももクロのライブに参戦しようと思います」
杏果「そうですね、先ほどステージ上でも言わせてもらった、やっぱりアルバムが二枚同時発売になるので、沢山の人に聞いてほしいなと思いますし、そしてそれに引き下げ5大ドームツアーを初めてやるので、沢山の人に来ていただいて、さらにももクロのことをもっと広めていけたらなとお思っていて、こういう邪道選手もそうですし、なかなかももクロと結びつかないような世界にいる人達にも、何かパワーを届けていけられたらなと思います」
邪道「去年の漢字の一文字知ってます?なんだか。去年の」
——ちょっと存じ上げません
邪道「去年の漢字の一文字、誰か」
——あれですか?去年を表す漢字一文字、安心の安
邪道「違いますよ有安の安ですよ。今年は絶対あの、杏果の杏って字が来ますから。そんな一年になるわけですよ。今年も杏果の年ですよ」
——有安さん、リングの上から見た東京ドームはどう見えました?
杏果「そうですね、東京ドームは私達単独ではまだやったことのない会場だったんですけど、なんかほんとに全然別物に感じたのと、やっぱり広いなってあったのと、やっぱり普段はカラフルな会場を見ていることが多いので、すごくなんかやっぱりそこにしかも緑の衣装を着て誰もメンバーはいなくて、一人で立ったっていうのはすごく不思議な、ほんとにドキドキ緊張が、あの心臓がずっと鼓動がすごくて」
邪道「バックステージずっと緊張してたもんね」
杏果「はい(苦笑)とても緊張していたんですけど、ほんとにすごい経験をさせてもらったなって思っています」
邪道「僕は全然緊張してなかったんですけど、なんで緊張してないのって言われましたからね」
杏果「ほんとに邪道選手がこうやってももクロの事を知っていて、そして私のことをすごく応援してくださっていたからこそこうやってこういう今日の場ができたと思うので、本当に嬉しいです」
邪道「あのももクロちゃんのメンバーが出てくる時にオーバーチュアって曲が流れるんですけど、今日もそれかかったんですけど、東京ドームで流れたのは今日が始めてらしいです」
杏果「このオーバーチュアっていうのは、私達のマネージャーさんもすごくプロレスが大好きなんですけど、やっぱりプロレス今日初めてどんどんどんどん選手の方が次々に登場してくるのをモニターで見てたんですけど、その時に一発目流れただけで観客がワ〜ってなって、もう誰が来るっていうのがわかるっていうのがすごいなって思ってて、私達もそんなこう、一発目聞いただけで皆がこう湧き上がるようなそういう曲、オーバーチュアを作りたいなと思って、作って、いつもライブで流してるんですけど、それを今日、その原点じゃないけどプロレスの素晴らしいステージでこう東京ドームに響き渡った事は本当になんか私もすごい感無量でした」
——これでソロでやっていく自信がついたとかはないですか?
杏果「そうですね(笑)ほんとにちょっと緊張しいであの、なかなか一人で、今日は邪道選手がいたからすごく心強かったですけど、でも、そうですね、2016年こそは、私の夢でもあるソロコンサートが開けたらなと思っています」
越中詩郎
——今日ドームのリングに上がってみていかがでした?
「いやもう気持ちいいっすよ。最高っすよ、はい」
——入場曲が流れた瞬間、ファンの皆さんの大きな声援聞こえたかと思いますがいかがだったでしょうか?
「ほんとにファンの皆にはね、背中押してもらってね、ほんとにありがたいっすね、はい」
——2016年はどのような年にしていきますか
「まああの、新年早々ね、新日本のリングに呼んでもらえたからね、今年はこれを勢いにして大暴れしたいなと思いますよ」
——リングの中央から多くのお客さんがいる東京ドームを見て改めてどのように思われましたか?
「いやー、すごいっすよ!感激しますよ、はい」
——このプロレス人気の勢いは感じますか?
「そうだね。これだけの人が集まってくれるんだから、全然大丈夫ですよ、はい。気を引き締めて」
——まだまだこれからもどんどん
「勢い良くいきたいと思いますね。2016年はね、はい」
——後輩の若い選手で同じヒップアタックを使ってる選手がいたんですけど、それに関しては
「まだまだだね。まだ青いな。うん」
——そこは譲れないと
「あたりまえじゃないですか。簡単に譲ってなるものですか」
藤原喜明
——まず今日東京ドームのリングに上っていかがでしたか?
「やっぱり、大きい会場はいいなと、感動しました。随分入ってますね今日ね」
——それだけ今人気があるこのプロレス、その人気をどのように思われますか?
「うーん、いいことだと思いますけどね。でも、こんなに人気があるのは新日本プロレスだけのような気がしないでもないですけど。あれ?こんな事言っていいのかな?(苦笑)マズイ所はカットしてください」
——それだけ多くのお客さんから今日も藤原さん入られた時にすごい歓声もあったかと思いますが、その歓声を聞いていかがでしたか
「そりゃ、うん、ありがたいなと。もうね、もうすぐ67歳なんですけど、こうやって呼んでいただいて、まあ、ありがたいなと。ファンてあったかいなと、はい」
——今年はどのような年にしていきたいなと思っていらっしゃいますか?
「今年ですか?とりあえず生きていたいなと。もうええ歳なんでね。とりあえず今年も生きる」
——また来年も東京ドームのリングに
「まあ生きてね、まだ動けるようだったら出させていただきたいなと思っています」
——いきなり最初に登場して、相手は昔リングで試合前にスパーリングで懲らしめていた相手でしたけども
「えぇ。自分の歳はコロッと忘れていてですね、こいつ随分歳とったなと思ってですね(苦笑)皆歳とってますね、はい」
ザ・グレート・カブキ
——今日の東京ドームのリングはいかがだったでしょうか?
「いや一年ぶりで楽しかったですね」
——多くのお客さんの声援もあったかと思いますが
「そうですね。すごいあの、いっぱい入っててすごかったですね」
——今年はどのような年にしていきたいなと
「えーとどうですかね、もう、そうですね、また来年ね、呼ばれたら嬉しいかなと思いますけども、もう歳が歳なんで、もうコレが最後になるかどうなるか、ちょっとわからないですけどね」
——来年ももしこのリング上がれるとしたらどのような闘いをしたいですか?
「うーん、そんなあのたいした闘いはできないと思いますけどね。でももし出れるんだったらまた全力でね、いきたいなと思います」
——2年連続毒霧で反則負けという
「ねぇあれ、服部の野郎(笑)くってかかったんですけどやっぱダメですね。レフェリーには勝てないです」
——昔はマネージャーだったのに
「そうですよ(笑)だけど懐かしいですよねやっぱりああいう風にリングで会うと」
——今日はキング・ハクさんもいました。昔フロリダで
「ね。一緒だったんですよ。懐かしい顔ぶれが相当揃いましたけどね」
オープニング
2015年の新日本プロレスの激闘がダイジェストで流れたながら、60秒前からカウントダウンが始まる。『ザ・スコア』が鳴り響く中、カウントが0になると『レッスルキングダムのテーマ』と共に対戦カード紹介VTR。
第1試合
ドーム大会のオープニングマッチは新日本が誇る外国人タッグによる極上の4WAYマッチ。ヤングバックスがセコンドのコーディ・ホールと共にreDRagonに奇襲攻撃を仕掛けていって試合開始。フィッシュを捕まえたヤングバックスはクイックタッチえ代わる代わる攻撃。しかし、うまく分断したフィッシュはオライリーにタッチ。
ニックにダブルのショルダーアームブリーカーを決めるが、サイダルがオライリーをコルバタで投げると、フィッシュにニールキック。しかしオライリーが蹴りを叩き込むとロープへ。
追走したサイダルはジャンピング・ラリアット。だが、六本木ヴァイスが合体攻撃をサイダルに決めると、ヤングバックスに対して「Su●k It!」と挑発。バレッタがサイダルをジャーマンで投げ捨てるとヤングバックスと共に場外に出たサイダルにトペ・コンヒーロを発射。
マットをリングに戻したコーナーに登ったバレッタだが、エプロンからニックが突き落とす。reDRagonをスーパキックで蹴散らしたヤングバックスはバレッタにダブルのスーパーキック。マットがなおもバレッタを攻撃していくと、踏みつけながらマスキュラーポーズ。
さらにヤングバックスはコーナーで控える王者reDRagonに連係攻撃を決めてから、ニックがバレッタにスリーパー。さらにドロップキックを叩き込むと、マットがロメロを「Su●k It!」と挑発。怒ったロメロが入ってきて張り手を見舞っていくが、スーパーキックで場外に追いやる。だが、バレッタが串刺し攻撃を狙ったマットにフットスタンプを落としてからスイングDDTを決める。
ここでリコシェが飛び込んでくるとサイダルも入ってきてその場飛びムーンサルトとその場飛びシューティングスターの同時投下。場外ダイブを狙ったマットをreDRagonが打bるのミドルキックで迎撃。さらにオライリーがロープ越しの腕十字を決めるが、その上からニックが場外ダイブ。
サイダルがコーナーからケブラーダを発射すると、リコシェが飛ぼうとするが、場外からコーディが足をすくって阻止。コーディはリングに上がってくると、アウトサイダーズエッジでリコシェを場外にいる選手たいに向かって投げる。すかさずリコシェをリングに戻したヤングバックスが連係攻撃。さらにマットが抑え付けたリコシェにニックがスワントーンボムを投下。
カウント2で返したリコシェ。そこにサイダルが戻ってきてマットに雪崩式フランケンを決めると、リコシェはニックにノーザンライト・スープレックスからロコモーション式でブレーンバスター。
さらにリコシェが場外ダイブしている間にサイダルがヒア・イット・イズ・ドライバー(=変形MADE IN JAPAN)を決めると、リコシェがシューティングスタープレス。ハイフライヤーズは同時にコーナーに登るがreDRagonが阻止。reDRagonは連係攻撃でヤングバックスを追い詰めると、チェイシング・ザ・ドラゴン(=オライリーがブレーンバスターの体勢で持ち上げたところにフィッシュがミドルキック→垂直落下式ブレーンバスター)を狙う。
これを阻止するとブレーンバスターの数珠つなぎになり、ヤングバックスとハイフライヤーズ側の4人が投げられてしまう。ロメロがオライリーにエルボー。さらにreDRagonとヤングバックスの4人をそれぞれのコーナーに追いやって次々に串刺しラリアット。反撃しようとするヤングバックスとreDRagonだが、ロメロはダブルラリアットで迎撃。
さらにバレッタがサイダルをトップロープに乗せると、ロメロがミサイルキックを発射。サイダルも飛びヒザを返すが、ジャンピングニーを返したロメロはそのままトペ。バレッタのディードバスター(=インプラント)をサイダルが切り返すと、リコシェも飛んできたロメロをキャッチして山折り式のオーバーヘッドキック。
そこからハイフライヤーズはコーナーに登ってエアー・サイダル(=シューティング・サイダル・プレス)を同時投下。これをカウント2でカットしたヤングバックスは、かなりダメージの大きいバレッタにMORE BANG FOR YOUR BUCK!!(=マットのカミカゼからニックが450°スプラッシュ→マットがムーンサルトプレス)を決めて3カウント。ヤングバックスがreDRagonからIWGPジュニアタッグを奪還してみせた。
<試合後コメント>
ザ・ヤングバックス
ニック「今日は非常に嬉しい。ベストなチームだということを示せた。今や世界中の人々が知っている、日本アメリカオーストラリア、世界中の人々が知っている。我々がベストなタッグチームだということを。ベストというのは今だけではない。時と場所を超えてベストなチームは我々なんだ」
マット「いつでもどこでも我々がベストであることを示している。もはや我々がベストなチームであることは伝説となっていると言えるのではないか。色んな意味で我々がベスト。例えばTシャツの売れ行きにしても我々がNo.1になっているんだ。そしてそのことを今日ここ東京ドームで示すことができた。我々のスーパーキックの前ではどんな敵でも倒せる。2人のコンビネーション、これは完璧なものだ。もはや我々に敵はいないんじゃないか」
ニック「見ての通り自分たちがベストなチームだ」
——4WAYマッチはいかがでした?
ニック「我々はベストなタッグチームだ。だから普通のタッグマッチでも最強であることを示している。4WAYであろうと普通のタッグマッチでも自分たちで作戦を考え、そのプロセスを実行している。それだけだ。4WAYでも十分対応することができる。ベストなタッグチームであること、それは12年間チームを組んで、4回もIWGPの王者になっている、この結果が示しているとおりだ」
——東京ドームでベルトをとりましたが2016年どのような年にしていきたいですか?
ニック「我々が新チャンピオン。誰の挑戦でもうける。挑戦したいものは名乗り出てくれればいい。とにかく出てきた相手を倒し続けてスーパーキックで倒してやる。2016年このベルトをずっとキープしてやる」
第2試合
新設されたNEVER無差別級6人タッグ王座の初代王者を決める一戦。裕二郎は迷彩柄から黒いビキニが覗くセクシー美女のSHIORIを帯同して入場。矢野はROHから助っ人としてブリスコブラザーズを招聘。
矢野がペットボトルの水をぶちまけると、BULLET CLUBが襲いかかっていって試合開始。いきなりブリスコブラザーズが連係攻撃でトンガを攻撃。だが、マークを捕まえたトンガはファレにタッチ。エルボーを返したマークは矢野にタッチ。
ロープに持たれかかってブレイクをアピールする矢野だが、ひとたび矢野を捕まえたファレは全体重を乗せて踏みつける。この日は迷彩ズボンで揃えてきたBULLET CLUBだが、裕二郎も矢野を踏みつけてから低空ドロップキック。完全にBULLET CLUBに捕まっていた矢野だが、Too Sweetポーズをしている間にコーナーポストを外してトンガを激突させると、早めの「ヤノ・トウ・ルー!」。
マークは裕二郎に鶴の舞いのポーズをして動きを止めると裏投げで投げていく。さらにファイアーマンキャリーで担ぎ上げるが、背後に逃れた裕二郎はフィッシャーマンバスター。タッチを受けたトンガがマークへのタッチを阻止。
しかしマークは場外の裕二郎にエプロンからトペコンを発射。その間にジェイがトンガにショルダーネックブリーカー。フラップジャックを返したトンガはフロントキック。トンガはアラバマスラムからヴェレノ(=ナカユビ)の体勢に。しかしコーナーに押し込んだマークは、トンガをコーナーに乗せると雪崩式バックドロップを狙う。
エルボーでマークを叩き落としたトンガだが、トンガを肩車したジェイ。ロープを掴んで必死に抵抗するトンガだが、場外から矢野がイスを投げつけると、トンガが手を離す。そこにコーナーからマークがダイブしてダブルインパクトを決めて3カウント。矢野&ブリスコブラザーズが初代NEVER無差別級6人タッグ王者となった。
<試合後コメント>
矢野通&ジェイ・ブリスコ&マーク・ブリスコ
矢野「あいつらとはな!年季が違うんだよ!そう!私達のほうが全然若かった。それを勝っちゃったバーカ!あとはこいつらに聞け!」
ジェイ「見ての通りの結果だ。我々の勝利だ」
マーク「見ての通りやってやった結果だ。自分たちが新しいページの1ページを作ったんだ。そしてこの新しいベルト、これを巻くことになったんだ。見ての通りだ」
第3試合
日本で大人気になったエルガンがROHの至宝に挑戦。いきなりリーサルに張り手を見舞った挑発したエルガンは、リープフロッグを狙ったリーサルをキャッチしてパワースラム。さらに串刺しラリアットからブレーンバスターの体勢で持ち上げると、3回上げ下げをしてから投げていく。
リフトアップしたエルガンは、何と右手一本になってからマットに叩き付ける。エプロンに出たリーサルをにープ越しのブレーンバスターを狙ったエルガンだが、リーサルもどうにかエルガンをエプロンに引っ張り込む。
エルガンはエプロンでパワーボムを狙うが、リーサルは何とかリング内に脱出。すかさずリーサルのマネージャーであるトゥルース・マルティーニがエルガンに襲いかかるが、かわして蹴り飛ばすエルガン。だが、ドロップキックでエルガンを場外に追いやったリーサルはトペを発射。マルティーニも加勢してエルガンをかなり痛めつけてからリングに戻ったリーサル。
串刺し攻撃をかわしてリーサルをエプロンに出したエルガンはスワンダイブを狙ったリーサルをキャッチしてエルボー。だが、リーサルも低空ドロップキックを返してキャメルクラッチ。するとエルガンはリーサルをオンブするように立ち上がり、コーナーに叩き付けて脱出。
リーサルはスイングDDTを狙ったが、突き飛ばして阻止したエルガンは串刺し攻撃を狙ったリーサルをキャッチしてエクスプロイダー。ジャンピングエルボーからエプロンに出たエルガンはスリングショット式ボディプレス。走り込んできたリーサルをリフトアップしてアバランシュホールドで叩き付けたエルガンはぶっこ抜きジャーマン・スープレックス。
カウント2で返したリーサルだが、エルガンは後ろから前からショートレンジラリアットを連打。だが、ラリアットを腕えへの蹴りで防いだリーサルはスクリューキック。さらにバックブリーカーからのコンプリート・ショットを決めると、ランディ・サベージばりのダイビング・エルボードロップを投下。
カウント2で返したエルガンはハンドスプリングしたリーサルのバックに回り込むと、ロコモーション・ジャーマン。3発目をどうにか防いだリーサルだが、エルガンはラリアットで吹っ飛ばす。エプロンに出たリーサルをコーナーから捕まえたエルガンはぶっこ抜きファルコンアロー。さらにターンバックル・パワーボムでリーサルを叩き付けると、飛び込んできたマルティーニをあっさり撃退。
そこからパワーボムを狙ったが、リーサルは持ち上げられたところでナックルを打ち下ろし、エルガンは思わずバランスを崩す。すかさずハンドスプリングからのRKOを決めたリーサルが3カウントを奪ってROH世界王座を防衛してみせた。
<試合後コメント>
ジェイ・リーサル with トゥルース・マルティーニ
リーサル「見ての通り、私こそが世界中で1番偉大なレスラーなんだ。数週間前この大会に出ることを発表して私は言った。必ずマイケル・エルガンを倒すと。そして今日それを実行した、それだけのことだ」
マルティーニ「ここにいるジェイ・リーサルこそがグレートでスペシャルな選手なんだ。自分は彼のことを全面的に信頼している。そして彼は応えてくれる。世界のジェイ・リーサルなんだ」
リーサル「もう一言言いたいことがある。世界の人々全てに伝えたい。このジェイ・リーサルこそがNO.1の選手なんだ。自分の前に出てくる敵全てを倒してみせる。この新日本の中、次に挑戦したい奴は出てこい。誰の挑戦でも受けてやる。世界一の私に挑戦してくる。それを待っている。このベルトを取りに来い」
第4試合
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のテーマ曲が前奏になったビッグマッチバージョンのテーマ曲で登場したKUSHIDA。リング上にはラジコンのコントローラーを持ったドクことエメット・ブラウン博士……に扮した田口が!
一方、『ターミネーター』のテーマ曲のような前奏から登場したケニー。するとケニーの背音頭についていたヤングバックスがドク田口にスーパーキックをお見舞い。そのまま試合開始になると、ケニーはKUSHIDAに低空ドロップキック。四つん這いになったKUSHIDAに側転から止まったケニーは手を踏んづけてニヤリ。
KUSHIDAも低空ドロップキックを返してケニーを場外に追いやると、ケニーはリング下取り出したコールドスプレーをリング上のKUSHIDAに向かって噴射。怒ったKUSHIDAはスライディングキックを叩き込むと、エプロンからケニーに向かってダイブするが、ケニーがかわすとヤングバックスがアルミ製のゴミ箱をKUSHIDAに投げつける。
さらにケニーがカミカゼから鉄柵に飛び乗ると、ヤングバックスから受け取ったアルミ製のゴミ箱を持ってケブラーダをKUSHIDAに投下。リングに戻ったケニーはバックブリーカーで叩き付ける。リングサイドではヤングバックスがアルミ製のゴミ箱を『ターミネーター』のリズムで叩く中、ケニーは場外に出たKUSHIDAにノータッチ・トペコンを発射。
リングに戻ったKUSHIDAにコタロー・クラッシャー(=馬跳び式フェースクラッシャー)を決めたケニーはテーピングを使ってチョーク攻撃。KUSHIDAも逆水平チョップを返すが、チョップを返したケニーはブレーンバスターの体勢で持ち上げてから屈伸。どうにか逃れたKUSHIDAはオーバーヘッドキック。
さらに蹴りながらエプロンに出るとジャンピングキックからスワンダイブ式ブレーンチョップ。さらにハンドスプリングエルボーから一気にホバーボードロック(=アームロックの体勢から後転して改めてアームロック)を仕掛ける。ケニーの足がロープに届くと、KUSHIDAはなおもショルダーアームブリーカー。
だが、ケニーはカウンターの逆水平チョップからバックに回り込んでから再びロープへ。KUSHIDAは追走しての倒立キックでケニーを場外に追いやると、コーナーからトペコンを発射。エプロンまで戻ってきたケニーにドロップキックを叩き込んだKUSHIDAは、リング内にダウンしたケニーにムーンサルトプレスを投下。
そこから腕十字を狙ったが、ケニーは強引にジャーマンで投げ捨てる。左腕へのダメージがかなり大きいケニーだが、KUSHIDAをコーナーに乗せて雪崩式を狙う。しかしKUSHIDAはコーナーに上でアームロックを決めると、そのまま雪崩式アームブリーカー。
四つん這いになっているケニーの左腕を下から蹴り上げたKUSHIDAだが、ケニーは飛びヒザ蹴り。これをブロックしたKUSHIDAはグーパンチを叩き込む。一気にコーナーを駆け上がり、ミッドナイトエキスプレス(=スカイツイスタープレス)を解禁したが、これはケニーがかわして自爆。10分が経過し、ケニーは張り手。
だが、KUSHIDAは左腕へのミドルキックからハンドスプリングエルボー。頭を下げて肩車するようにキャッチしたケニーは一気にクロイツ・ラス(=エレクトリックチェア式ジャーマン)。だが、KUSHIDAはキックアウトすると同時にアームロックを決める。
リングサイドからヤングバックスがケニーをロープに引っ張ろうとするが、ドク田口がアルミ製のゴミ箱で殴打してカット。KUSHIDAを肩車したケニーだが、KUSHIDAは必死に脱出。だが、ケニーはそこに飛びヒザを叩き込むと、ほぼ右腕一本でライガーボム。カウント2で返したKUSHIDAにケニーはジャンピングニー。
さらにロープにもたれ掛かるKUSHIDAの側頭部に飛びヒザを叩き込むと、肩車をして片翼の天使(=エレクトリックチェア式ドリラー)を狙う。しかし落とされる瞬間、高角度前方回転エビ固めのような形で丸め込んだKUSHIDAが3カウント。新日本ジュニアを次のステージに進めるため、再びベルトを手にしたKUSHIDAはドク田口ともガッチリ握手を交わした。
<試合後コメント>
KUSHIDA
「このベルト戻ってきました。良かった」
——ついにベルトがその手に戻ってきました。今率直にずっと取り戻したかったベルトを前にしてどんな気持ちですか?
「ずっと、近年ね、このベルトには、悲しい思い、させてきたんで、特に、近々の12月シリーズ、全国回れなくて、それは、僕自身はそれもチャンピオンの勤めだと思ってるから。このベルト、色んな人に見てもらって、全国の、巡業に持って行って、大いにアピールしたいですね」
——BULLET CLUBの介入などもあり厳しい険しい闘いだったが
「プロレスでは、色んなプロレスがあるけど、4WAYも経験してきた。アレックス・シェリーとジュニアタッグ散々しのぎを削ってきましたよね?そこでやっぱり大事なのはここ(ハート)だから。真壁さんもよく言うように、ジュニアの中でそこに気がついたの、去年一年間で気がついた財産ですね。そこの勝負だったんじゃないですかね」
——そして今日の闘いではアレックス・シェリーではないパートナー、強力なパートナーという風に戦前おっしゃっていましたが
「ドク・ブラウンですね」
——あれはドク?
「僕はあれは10月ぐらいだったですかね?西澤さんに。西澤管理部長にドク・ブラウン呼んでくれと」
——ドク・ブラウンでよろしいですか?
「ドクですねどっからどう見ても」
——我々が見る限りちょっとこう見たことがあるよな動きだったり仕草だったりがあったような
「ちょっと頭打たれてわからないですね今。試合中のこと言われても」
——ドクによって助けられた助けられた、まさにバック・トゥ・ザ・フューチャーばりに未来を掴んだという形になりましたが
「いや一つやっぱり、ケニーの武器であるセオリーにない動き、奇想天外な動き?そこをやっぱり闘う前からやっぱ自分にないものだし劣ってるものだし、俺はやっぱり身体が小さい、飛び技も大してすごくないから。何で勝負するかって言ったらやっぱり、理詰めの勝負。腕にダメージを与えて勝つっていう。だから、そういうね、変化球の部分でも負けたくなかった」
——そしてベスト・オブ・ザ・スーパージュニアをとった時もヘビーと同じレベルにまで、あるいはそれ以上にまでジュニアを引き上げていきたいという決意表明もありました。改めてベルトが目の前にあるその状況で、どんな目標掲げていますか?
「やっぱり、口では散々言ってきましたから、2016年は実行の年でしょう。2015年言いまくって言いまくって、うざいほど言いまくって、それでも実現できなかったから。残すは皆さんの、目に見える形で、東京ドームのメインだったり、スーパージュニア、去年G1の決勝でもできたこと今年もやりたいですし、ジュニアもKUSHIDAも可能性の固まりですよ。やっと年が明けました。もう2015年、チャンピオンが前哨戦にいなかったり、タイトルマッチに誰かの介入があったりヘビー級使ったり、スーパージュニア出なかったり、そんなものはもう、クソ食らえですよ。新しいスタート、2016年スタートですね、はい。期待してくださいこれからのジュニア。期待と可能性しか無いです」
——BUSHI選手が他のベルトを取ってIWGPへの道にしたいと言ってますけど
「結構なことじゃないですかね。挑戦者がいてこそ輝くベルトですから。KUSHIDAより、輝かせる自信があるものは全員、外国人でも日本人でも全員受けて立ちます」
第5試合
WORLD TAG LEAGUE 2015で優勝した真壁&本間のG・B・Hが満を持してIWGPタッグ王座に挑戦。優勝トロフィーを担いで入場してきたG・B・H。一方、白いガウン姿で登場したアンダーソン&ギュアローズは、ギャローズ夫人であるアンバー・ギャローズを帯同して入場。
アンダーソンと本間の先発で試合が始まると、本間はボディスラムからいきなり小こけしを狙ったが、これはアンダーソンがかわしてギャローズにタッチ。ボディブローを連打していったギャローズに続き、アンダーソンが自らの頭を叩いて小こけし……と思わせておいてセントーン。
だが、かわして自爆させた本間は真壁にタッチ。串刺しラリアットからコーナーで馬乗りナックルを見舞った真壁だが、ショルダーブロックでアンダーソンを蹴散らすと、本間がギャローズにチンクラッシャーを決めてからサンドイッチ・ラリアット。そこから場外戦になると、ギャローズは真壁のチェーンを奪い取り、右腕に巻いてチェーンラリアットを真壁にお見舞い。
さらに地獄突きを見舞ってからリングに戻すとアンダーソンがナックルパート。馬乗りナックルを見舞っていったアンダーソンに続き、ギャローズもナックルを打ち下ろす。場外でダウンしている本間は頭部が出血して動けない。
その間にギャローズに羽交い締めにされた真壁にアンダーソンがジャンピング・フロントキック。古傷があるアゴを抑えてダウンする真壁に旋回式ガンスタンを狙ったアンダーソンだが、どうにか脱出した真壁はカウンターのラリアット。そして本間に立ちすると、本間はアンダーソンとギャローズをボディスラムで叩き付けてから、アンダーソンに小こけしを投下。
しかし串刺し攻撃を蹴りで迎撃したアンダーソン。本間はなおもロープに飛ぶが、リング下からギャローズが足を引っ張る。すかさずアンダーソンが串刺し式ジャンピング・フロントキック。さらにギャローズも入ってきてバックドロップとネックブリーカーの合体攻撃からフラップジャックとジャンピング・フロントキックの合体攻撃。
アンダーソンの旋回式ガンスタンをカウント2で返した本間にマジックキラーをエラッタ王者チームだが、真壁がカットしてギャローズを場外に連れ出す。ロープに飛ばされた本間は逆にこけしロケットでアタック。見事に命中するとコーナーに登っていくが、ここでギャローズが入ってきて地獄突き。そこからアンダーオンが追いかけていって雪崩式ガンスタンを狙うが、本間はエプロンに逃れる。
だが、リングに戻ってきた本間にランニング式ライガーボムを決めたアンダーソン。これもカウント2で返した本間は、ガンスタンを踏ん張るが、アンダーソンはエルボースマッシュ。しかし本間は返す刀で人間魚雷のようなこけしロケットを下から突き上げる。
タッチを受けた真壁はギャローズにラリアットを連打。ギャローズもカウンターのトラースキックからネックハンギングボムを決めると、アンダーソンが入ってきて合体攻撃を狙う。しかしダブルラリアットでまとめてなぎ倒した真壁はギャローズとラリアットの相打ちを繰り返したのち、カウンターのラリアットでなぎ倒す。
さらに倒れている本間を引き起こすと、ギャローズに向かってホイップ。こけしロケットでタックした本間。さらに真壁がアンダーソンを肩車すると、コーナーから本間がダブルインパクト式こけしロケットを発射。そして本間が満を持してこけし(=頭を斜めにして前のめりに落下するダイビング・ヘッドバット)を投下すると、続けて真壁がダメ押しのキングコング・ニードロップを投下して3カウント!
ついにIWGPタッグを戴冠した本間は真壁と抱き合って喜ぶ。真壁も誇らしげにベルトを掲げ、本間はまさしくこけしでハッピーになったドームの観客に向かってベルトをアピール。感慨深い表情で腰にベルトを巻き、WORLD TAG LEAGUE 2015の優勝トロフィーを掲げてみせた。
<試合後コメント>
G・B・H
真壁「超カッコよくね?超カッコよくね?見ろお前!取ったぜ!取ったぜ、これで文句言わせねーぞ!ナイス拍手!いいね!なんかあるか質問?」
——ついにやりましたけれども、真壁選手としてはG・B・Hとして取るベルトはもちろん初めてですが
真壁「まああの俺が一人になって、本間がついてきて、こいつどうしようもね〜野郎だなと思ったけど、俺についてきてこいつに助けられた事もいくつもある。それでタイトルとったこともいくつもある。そう思ったらよ、やっぱこいつの男を咲かしてやりてーなと思うじゃん。だから、ワールドタッグリーグもそう。これはワールドタッグリーグはこいつが取ったしな。自力でとったよな?俺のナイスフォローもあったぜ、もう一回だけ言うよ?俺のナイスフォローもあったぜ、でもやつは自力でとったんだよ。そう思ったらよ、今日の年頭、一年かけて1番でかい大会だよ。なぁ、東京ドーム、ただな、タッグベルトとらなきゃよ、話まとまりがつかねーだろ。そういう事考えて、今日その一年だけで考えたけどな、闘ったけど、いいんじゃねーの?」
——真壁選手から見て本間選手は1番何が変わりましたか?本間選手のサポートはいっぱいあったと思うんですが
真壁「試合に対しての、自分がのし上がりてーって気持ちだよな。その気持が無かったら上には上がれねーんだ絶対。この世界競争社会だろ?競争社会なんだから、いくらでもさ、もう飽きるほど練習して、飽きるほどプロレスの事考えて、そんな毎日を過ごしてみろよ、そしたらよ、こいつ一番下だぜ?もうさ、G・B・H、旧G・B・H入った時なんかさ、何の役にも立たねーこんなやつ。それをこいつ努力に努力を積み重ねてここまで来たんだぜ?だから言ってんだろお前、努力は嘘つかねーって。練習は嘘つかねーんだよ。そのとおりだろ?なぁ、IWGPのこの王座だってよ、誰もが取れるようなもんじゃねーんだぞお前。わかるだろ!誰もがプロレスラーになって取れるしろもんじゃねーんだよ。そんな中で磨かれて磨かれて苦しい思いしてよ、やっととれるもんなんだよ。それで今日とったろ。ワールドタッグリーグ、そしてIWGPのヘビーのタッグ、もういうことねーだろ、なぁ。これ巻いてればプロレスラーとしてもう、一つ花咲いただろ。なぁ現実のものになったろ。もう他のやつに真似できることじゃねーからな言っとくけど。絶対真似なんかできねーぞ。俺当初まだG・B・Hの旧G・B・Hの頃なんか本間がしょぼい試合したらボッコボコにぶっ飛ばしてたからな。これ放送できるかどうかわからねー。だけどこいつは辞めねーで歯食いしばって自分の努力を重ねてさ、ここまでのし上がってきたんだよ。これは本物だろう。いやーでも、何しろ、年頭に、こうやって一つ勲章取れてよかったと思うよな」
——ほんとに今日は本間選手のサポートも沢山ありました。真壁選手から本間選手にあえて一言だけ声をかけるとしたらどんな言葉になりますか
「なんだろうな、一つは、よく頑張ったってことだよ。これだよな。この一言に尽きると思うぜ。さっきもよ、試合始まる前、もしベルト取れたらどうするお前って話してたけどさ、こんなね、チャンスを僕に与えてくれてるこの会社ももちろんそうだし、観客の皆さんに感謝しかないって言ってんだよこいつ。わかる?その気持ちを動かすのは奴のファイトだけなんだよ。俺がゴリ押ししてさ、チャンピオンシップ組めよって言ったって組むわけねーんだ。本間の努力が実ったからこそ、会社がよしわかったいこうって組むわけだろ?な?ワールドタッグリーグだってそうだよ。取れたロ?文句ねーだろ?って。ってことだよな。あともう一つ言えることはよ、こうやって初めて新しくベルトとって、こっからがまた闘いだよな。新しい闘いだ。これは本間のここまでの闘いだったと思うんだよな。あとは、こっから、ベルトをいかにインパクトあるものに。俺はよく言ってるけどよ、長期政権なんかクソ食らえだと思ってるんだ。長期政権なんか誰がお前期待してる?そんなのどうでもいいんだよ。その試合でものすげーインパクト見せてその試合でものすごい衝撃見せたら文句ねーだろ。俺と本間のタッグチームはそういうチームだからよ。今日刺激的だったろ?それだけだよ。俺の言いてえことはそれだけだよ」
——そして、本間選手、やりましたね
本間「小さい頃から夢だった、IWGP、そして、東京ドームで取れたってことがすごく嬉しいです。夢の様な話で。でもやっぱり、ここまでこれたのはほんとにもう真壁さんのおかげですし、ほんと真壁さんと取れて最高に嬉しいです。今の俺があるのは真壁さんのおかげだと思ってるんで」
——真壁選手の話にもありましたが本当に色々苦しかった時期、悔しかった事もあったと思います。どんな気持ちがこみ上げてきますか?
本間「ほんとに、試合は楽しかったんですけど、俺自身が弱くてもう苦しいことしか無かったんで、ほんとにもう100%に近い、俺の力なんて0.001%もないんですけど、少しでも力になれたら嬉しいですし、チャンピオンとして、恥ずかしくないような試合をしたいですし、少しでも、少しずつでもこのベルトとともにに強くなっていければなと思っています」
——山形のお母さんがIWGPの冠のついたベルトをとることが母親の夢だとかつておっしゃってました。良い報告ができますね
本間「さっそく、実家に、ベルト持って、うちの母親に巻いてあげたいと思います」
——真壁選手、本間選手、数多くのメディアがお二方に注目されてる中で、非常に注目の的になるかと思いますが、どういう防衛ロードを刻んでいきたいかと、どういうアピールをしていきたいかと
真壁「さっき言ったとおりだよ。防衛ロード、そんなもんよ、正直俺たちの実力もそう、俺たちだって人一倍身体作ってるしよ、負けねーよ。力じゃ絶対負けない。技でも負けない。ただ、やっぱりよ、勝負は時の運だしよ、な?一瞬のさ、今日も見たろ?俺の古傷平気であいつら殴ってくるんだろ?まだ痺れてんだぞお前?だいたいよ、ひとの顎狙うか?折れてんのによ。わかるかお前?日本人がそんな事やったら控室でボコボコにされるのわかってんだろ。だからあいつらビビっちゃって何にもやんねーけどよ、外人関係ねーからな、そんなのな。そう思うとよ、試合ってのはわかんねーんだ。あれもう一発二発大きいのくらったら多分顎砕けてっからな。試合なんかできねーだろ。やっぱそういうのでわかんねーんだ。だけど、俺さっきも言ったとおり、本間と組んでな、長期政権なんかよクソ食らえだ。できりゃ最高だよな。ただよ、俺と本間が組んでよ、他の奴らと違うこと、なんだかわかんだろ?インパクトが違うんだよ。試合のインパクトが違うんだよ。こんだけよ、俺たちメディアに出てんだろ?試合は、メディアに出ようが出ていまいがスゲーよ確かに。ただメディアに出てたらよ、超有名人だろ?なあ。道端歩いてたって皆声かけんだろ。ぶっ飛ばすけど俺はよ。そんな話どうでもいいんだよ。だけどよ、それぐらいよ、プロレスを押し上げてーんだよ。俺と本間さっきも言ったとおりよ、控室でよく話すんだよ。昔な、この東京ドーム見に来たって、試合をプロレスを見たくてよ。その夢を持った、夢を見てたプロレスの世界に入って、ベルト巻く立場になったんだ俺たち。そこまで努力したからな。だけど、そのインパクト、今の見てるガキどもによ、見せてーんだ。そのインパクト凄さプロレスラーってすごいねって、それ見せてーんだ。だからよ、長期政権なんかどうでもいんだ。その一試合一試合、全力を出してよ、ボコボコにしてやるよ。そしたらよ、自ずとベルトついてくんだろ。それだけだよ」
本間「真壁さんは、あの、長期政権なんてクソ食らえって言ってますけど、俺は、ずっと守りたいです。最高の試合をしてずっと守りたいです。そして年末の最優秀タッグ狙いたいです」
真壁「おい笑わすな顎いてーんだ」
本間「もし、真壁さんが顎砕けたら、俺が真壁さんの顎になります」
真壁「あの、言ってる意味が全然わかんねーんだけど(笑)」
——今本間選手もう笑ってらっしゃいますけど、最初涙を流されてましたが、一緒にやってきた本間さんの涙はいかがでしょう
真壁「これはわかってんだよ。俺もベルトとった時ほんとに泣いたしな。そう思うんだよ。ただよ、初めてはそれでいいんだよ。ただよ、こっからはよ、取った次の瞬間によ、次の闘い始まってんだ。だから今はいいよ。いいじゃねーかって思うんだよな。ただ、次からよ、ほんとにベルトホルダーとしてよ突き進まなきゃいけねーんだ。その瞬間的に覚悟決めねーと、この新日本プロレスのさ、クソ野郎達見てたらわかんだろ?色んな奴いるしよ、平気で反則する奴もいるし正攻法でくる奴も居る。色んな奴がいるんだ。飲まれちゃよ、マズイだろ?とかいってよ、飲まれるわけねーけどな俺と本間だったらな。このインパクト見てみ?このキャラクター見てみ?誰が抜けるかってふざけんじゃねーぞバカ野郎。俺口悪いけどよ、俺と本間はハートが良いからね。よろしく。以上です」
試合後、2016年のビッグマッチが発表された中で『G1クライマックス』の終盤戦は2015年同様、8.12、13、14と両国3連戦に決定したことが発表された。
第6試合
今年のドーム大会、本戦全9試合の中で唯一タイトルマッチでないのがこの試合なのだが、ある意味ではタイトルマッチに匹敵するほど注目度の高い試合。昨年の新日本マットで台風の目となった内藤哲也率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン。その内藤を成敗するために立ち上がったのが後藤洋央紀。
例によって内藤のテーマ曲が鳴り響いても内藤の姿はなく、黒いスーツ姿のEVILが出て来る。さらに巨大な鎌をモタBUSHI、そして最後に白いスーツに今年の干支でである猿のような面をした内藤がようやく登場。テーマ曲がちょうど終わった頃にリングイン。
ステージ上でガウンを脱ぎ捨て、花道で早くも臨戦態勢となった後藤はリングインと同時に襲いかかるが、内藤は場外に避難。するとEVILとBUSHIが背後から後藤に襲いかかる。そこに哀悼が戻ってきてアームホイップを狙ったが、逆にアームホイップで投げた後藤がローキックを内藤の胸板に叩き込む。
しかし内藤は場外にエスケープ。後藤が追いかけていくが、EVILが鉄柵に叩き付けていく。後藤のセコンドについたキャプテンもBUSHIにやられてしまっている間に、EVILは後藤にマンモスホームラン(=相手の首にイスをかけ、もう1脚のイスで殴打)。
さらに内藤がテーブルをリングサイドにセットし、後藤をエプロンに連れてきてテーブルの上にネックブリーカーで叩き付ける。ダメージの大きい後藤をBUSHIがリングに戻すと、内藤がクルックヘッドシザース。さらに低空ドロップキックからのチンロックに捉えた内藤は、串刺し攻撃で反撃しようとした後藤をヒラリと飛び越えてロープへ。
だが、時間差で追走した後藤はラリアットを叩き込む。ミドルキックから串刺し式村正(=ニールキック)、ブルドッキングヘッドロック、バックドロップと畳みかけた後藤だが、内藤はカウンターのマンハッタンドロップからコンプリート・ショット。さらにミサイルキックを発射した内藤はコーナー下に後藤を座らせると、振り子式串刺し低空ドロップキック。
後藤をコーナーに乗せた内藤は雪崩式ブレーンバスターの体勢に。後藤もエルボーで抵抗すると、ノータッチヘッドバットで内藤の動きを止めてから雪崩式回天(=スペル・ラナ)。カウント2で返した内藤は延髄斬りからジャンピングエルボーアタック。もう一度後藤をコーナーに乗せた内藤は雪崩式フランケン。
カウント2で返した後藤に内藤はグロリア(=リストクラッチ式変型エメラルドフロウジョン)を狙ったが、後藤は振り解いてエルボー。内藤もエルボーで応戦してから走り込むが、後藤は牛殺しで叩き付ける。10分が経過し、後藤は昇天の体勢。うまく逃れた内藤だが、後藤は腕を掴んでエルボー。
だが、蹴り脚をキャッチした内藤はレフェリーにぶつける。レフェリーが倒れている間にEVILとBUSHIが乱入するが、誤爆を誘い込んだ後藤はBUSHIは牛殺し。だが、内藤が急所を蹴り上げてからジャックナイフ式エビ固め。カウント2で返した後藤は急所攻撃のダメージで苦しそうな表情を浮かべる。内藤はデスティーノ(=変形アサイDDT)を狙ったが、後藤はヘッドバット。そこから渾身の昇天・改(=マットに叩きつける際にエルボードロップになる昇天)で叩き付けて3カウントを奪った。勝った後藤は帰りの通路でキャプテンと共に万歳三唱してみせた。
<試合後コメント>
後藤洋央紀
——後藤選手のたまった鬱憤をはらす勝利になったと思いますが
「まあ、内藤にというよりも、今回でレッスルキングダム10回目。10回目なのにまだ一度もメインイベントという立場に上がれたことはないし、今年も第6試合、そしてノンタイトルなのは俺の試合だけだろ。このポジションから抜け出せずに居る自分自身に一番腹立ってます」
——そうした中で今日の勝利というのはその先に大きく繋がる勝利だと思いますが
「2016年、この試合を機に俺はもう一度トップ戦線に上がり込みたいと思います」
——具体的に狙いを定めていくベルトはありますか?
「それはもちろん、一つしかないでしょうよ。わかるでしょう」
——またロス・インゴ・ベルナブレスとの因縁も一つ片付けられたかと思います
「あいつらが次どういう手をうってくるか俺わからないけどさ、俺はもっと高い夢を持ってるからさ、お前らにかまってる暇はないんだよ」
——このドームで悔しい思いもあった中の勝利でした。この先へ向けてお願いします
「そうだね、今日の対戦相手の言葉を借りると、2016年、新日本プロレスの主役は、俺だ」
第7試合
会場がドームであろうと、小さな体育館であろうと、この両者のシングルマッチは恐らく肉を切らせて骨を断つような真っ向勝負になると思われる石井vs.柴田のNEVER無差別級王座戦。石井がリングインするなり柴田が詰め寄っていき、至近距離で睨み合い。
ゴングと同時に両者ダッシュ。柴田が飛び蹴りをするが、クリーンヒットはしない。そこから両者掌底の打ち合いになると、柴田がロープに飛んでフロントキックを狙うが、かわした石井がショルダータックル。柴田も蹴り返していくが、石井は紙一重でかわしてみせる。
エルボー合戦からロープに飛んだ石井にキチンシンクを見舞った柴田は石井の頭を足蹴にして挑発。石井はサッカーボールキックを叩き込むと、自らしゃがみこんで背中を向ける。そこにサッカーボールキックを叩き込んだ柴田も自らしゃがんで背中を向ける。石井はサッカーボールキック。この意地の張り合いをどんどん強めにしてやり合った両者。
石井が前のめりにダウンすると、柴田は逆水平チョップ。だが、立ち上がった石井が逆水平チョップを返すと、柴田は片膝立ちになって受け止める。石井渾身の逆水平チョップでダウンした柴田だったが、ヘッドスプリングで立ち上がってエルボー。
だが、石井もバックドロップを返してマウスピースを吐き出すと、柴田にチョン蹴り。そこから逆水平チョップとエルボーを交互に叩き込んでいった石井だが、柴田も体勢を入れ替えるとエルボーの連打で石井をしゃがませて。串刺し低空ドロップキックを狙う。走り込んできた柴田に向かってダッシュした石井だが、柴田はフロントキックで迎撃すると、スリーパーに捉える。
さらにコブラツイストにスイッチした柴田は、そこから卍固めに。どうにかロープに逃れた石井だが、柴田は擦りつけるような顔面ウォッシュから逆水平チョップとエルボー。だが、石井はむしろ前に出てすべてを受け止める。「来いよ!」と挑発して前に出てきた柴田をエルボー一発で後退させた石井は顔面ウォッシュをお返し。
しかし柴田も立ち上がって前に出ていくと、柴田はエルボーの連打で石井をコーナー下にしゃがませる。串刺し低空ドロップキックを叩き込んだ柴田だが、石井は返す刀でエルボー。だが、柴田も蹴って行くと腕十字から三角絞めを狙う。持ち上げようとした石井だが、逆に極まってしまい、どうにかロープに脱出。バンバン石井を蹴っていった柴田はロープに飛ぶとフロントキック。だが、倒れない石井はラリアットを返す。
柴田も倒れずにフロントキックを返すと、突進してきた石井にカウンターのフロントキック。石井もラリアットを返すが、柴田は投げ捨てジャーマン。朦朧としながらも石井もジャーマンで投げ捨て、ダブルダウン状態に。
それでも立ち上がると、石井は柴田にのど笛への逆水平チョップから師匠・天龍さんばりのパワーボム。カウント2で返した柴田をコーナーに乗せた石井だが、柴田は腕を取ってアームロック。そのまま雪崩式ショルダーアームブリーカーを決めたが、背後からヘッドバットを見舞った石井は珍しくミサイルキックを発射。
それでもロープに飛んだ柴田をラリアットで迎撃した石井だが、カウント1で柴田が返すと石井はスライディング・ラリアット。垂直落下式ブレーンバスターを狙った石井だが、ヒザを落として防御した柴田はフロントネックロック。バックに回った石井だが、柴田はオーバーヘッドキック。
石井も蹴ってくるが、蹴り脚をキャッチした柴田はショートレンジラリアット。さらに珍しくデスバレーボムで叩き付けた柴田はスリーパー。前方に投げて逃れようとした石井だが、柴田はそのまま回転してスリーパーで絞め続ける。15分が経過し、石井はロープに逃れるが、ミドルキックで蹴り倒した柴田はPKを狙う。石井がかわすと背後からランニング式サッカーボールキック。
さらに正面からPKを狙ったが、キャッチした石井はノータッチヘッドバット。後頭部ラリアット→正面からのラリアットを叩き込んだ石井だが、倒れない柴田はノータッチヘッドバット。石井もヘッドバットを返すと突進するが、柴田はカウンターのドロップキックからロープへ。
石井はカウンターのラリアットを叩き込み、カウント1で返してきた柴田になおもラリアット。これもカウント2で返した柴田だが、石井は延髄斬り。柴田もカウンターでレッグラリアットを叩き込むと、片膝立ちの石井にFK。石井がそれでも起き上がろうとしたところに渾身のPKを叩き込んで柴田がついに3カウントを奪った。
ゴツゴツとした死力のぶつかり合いを制したのは柴田。新日本プロレスに戻ってきてからシングル王座初戴冠の柴田だが、ベルトは腰に巻かず。だが、柴田によってNEVERのベルトがどう変わっていくが楽しみだ。
<試合後コメント>
柴田勝頼
——会場が大歓声に包まれていました。石井選手からあの闘いで取ったベルト、今の気持ちをお聞かせください
「どっちが勝ったかよくわかんねーよ。自分的にはベルトがかかっていようがいまいが、やることは一緒。そのスタンスは変わらない。変わらないんだけど、石井の意識はこのベルトがあることによって、あそこまで引き上げられたのかなと、感じております。意地、意地、意地のぶつかり合いで、どっちが勝ってもなんか、どっちが負けても、よくわかんない。なんか、そんな感じの試合でした」
——試合前に柴田選手が話されてましたが、命を削りあうようなそんな試合だったと思います。改めて石井選手は柴田選手にとってどんな相手でした
「なんか、魂を削って試合を一試合一試合している、そんな選手だと思いますね。別に褒めてるわけじゃないけどね」
——先ほど柴田さんが意地というお話をしていましたが、えげつないレベルの意地を多くの東京ドームに集まったファンに届けたと
「いやわかんない。届いたのかぶっちゃけわかんないんで今日。今、今この瞬間なんか、お互いに技を出して、受け止めてる、間に意識が飛んで行く、なんか薄れゆく意識の中で、なんか、必死で立ってるっていうのは、そんな、うん、レベルのなんか、高いのか低いのかわかんねーけど、そんな闘いだったと思います」
——愚問かもしれませんが、そんな意識が遠のいていく中でそれでも立ち上がる理由はなんなんですか?
「負けたくないから。ただそれだけだね。負けたくない。石井もね、意地っ張りかもしれないけどね、俺も意地っ張りだからね」
——ベルトを手にされました。今後そのベルトをどうされていく
「いや、このベルトね、今取ったからってね、浮かれていられないんだよ。俺は去年ここで、ドームでベルトを取って、次のシリーズで失ってるからね。俺はまだ今巻くわけにはいかない。まだ俺のベルトって気がしねー。とりあえずそのことだけはわかってる。ベルトの話はそれからだ」
第8試合
新日本プロレス参戦以来、棚橋、オカダ、飯伏らと極上の闘いをやってきたAJスタイルズだが、ついに中邑真輔と初対決が実現。タッグマッチですら2回しか当たったことがない両者。気になるのはAJが昨年末に腰を痛めて欠場していたことだが、BULLET CLUBマスクを被って登場したAJはコーナーに登って両手を重ねるお馴染みのポーズ。
中邑は黒いロングタイルに赤井ノースリーブを羽織り、滾りながら入場。「飾りはいらない」と言っていただけに、例年のドーム大会に比べるとかなりシンプルな入場となった。
まずは牽制の蹴りを出して行く中邑。そこから組もうとするが、AJがガブっていく。飛行機投げでグラウンドに持ち込んだ中邑はヘッドロック。ヘッドシザースで切り返したAJだが、中邑は首を抜いて脱出。腕を取った中邑だが、AJはすぐにロープエスケープ。ヘッドロックに捉えたAJだが、投げて逃れた中邑は蹴りを出す。
紙一重でかわしたAJは逆さ押さえ込みを狙うが、着地して逃れた中邑は下から蹴り上げる。だが、これもかわしたAJ。ロープにAJを押し込んでからクリーンブレイクした中邑は手招きして挑発。するとロープに飛んだAJは中邑をかわして矢のようなドロップキック。
中邑もフェイントを入れた蹴りからニードロップを落とすと、AJの両手を重ねるポーズ。コーナーに登ったAJだが、足を掴んで引きずり降ろした中邑。これでAJを爆弾を抱える腰を強打。中邑がレフェリーに下がるように言われて下がったところにAJがダッシュして襲いかかる。
ニヤリと笑ったAJはニードロップを落とすと鎌固め。ロープに逃れた中邑にエルボーを叩き込んだAJは、串刺しジャンピングエルボー。エルボー合戦から中邑はスリーパーを仕掛けると、AJはすぐに脱出。しかし中邑は瞬間的にバックブリーカーを決めてAJの腰にダメージを与える。
場外にエスケープしたAJだが、中邑は場外に出るとAJを鉄柵まで押し込んで腰にさらなるダメージを与えてからリングに戻し、ミドルキックから延髄斬り。さらにコーナー下での踏みつけバイブレーションからニースタンプを落とした中邑はフロント・ブレーンバスターで叩き付ける。10分が経過し、ボマイェはかわされたが、AJを仰向けにしてコーナーの上に寝かせた中邑は腰をニーリフトでカチあげる。
今度はうつ伏せ居にしてコーナーに乗せて突進したが、エプロンに逃れたAJはスワッMD愛撫式エルボーアタック。さらにブレーンバスターで中邑をコーナーポストに投げつけたAJは、カーフキラー(=変型回転足4の字固め)を狙ったが、ロープが近かった。ロープを掴む中邑の腕を下から蹴り上げたAJだが、中邑もスピンキックを返すとリバースパワースラムを狙う。
AJが防御するとバッククラッカーで腰にダメージを与えてからリバースパワースラム。滾った中邑は狙いを定めてダッシュ。かわしたAJはなおも至近距離からのボマイェを狙った中邑の足に絡みつきながら回転してカーフキラー。だが、中邑は腕十字で切り返してみせる。顔面にエルボーを落として脱出したAJはスタイリングDDT(=ライオンサルトで飛び付いてのリバースDDT)を狙ったが、中邑をキャッチできなかったため着地して即エルボー。さらにトーチャラックボムで叩き付ける。15分が経過し、スタイルズクラッシュを狙うが、リバースで切り返した中邑は至近距離からボマイェ。
かわしたAJは串刺し攻撃を狙ったが、蹴りで止めた中邑はコーナー二段目からダイビング・ボマイェを発射。意地のエルボー合戦からスーパーマンエルボーを狙った中邑だが、かわしたAJはクリフハンガー(=カナディアンバックブリーカーからの変形フェースバスター)。
カウント2で返した中邑だが、AJは蹴りと掌底とバックブローの乱れ打ち。中邑も蹴り返すと、スピンキックから飛び込むようなボマイェを発射。ファイアーマンキャリーで担いだ中邑を横回転十字固めで切り返したAJは、キックアウトして飛び込んだ中邑にカウンターのヒザを叩き込むと、続けて450°スプラッシュを投下。どうにかカウント2で返した中邑だが、20分を経過してAJはバックブローから掌底。しかし中邑は飛び付き腕十字で切り返す。
足を抱え込みながらクラッチを切ろうとした中邑だが、AJが上体を起こしたため三角絞めにスイッチ。だが、そのまま立ち上がったAJは強引にスタイルズクラッシュ。足のフックが完全ではなかったためカウント2で返した中邑だが、その衝撃に表情が一変。
すかさずブラディサンデー(=垂直落下式インプラントDDT)で叩き付けたAJは、今度こそ正調スタイルズクラッシュを狙うが、中邑が崩れ落ちてしまうため技に入れない。ならばとコーナーに登ったAJは中邑を引っ張りあげて雪崩式スタイルズクラッシュを狙ったが、中邑はジャンピングキックで回避すると、逆に雪崩式ランドスライドで叩き付ける。
AJもカウント2で返すと、中邑はどうにか立ち上がり、AJの死角に回り込んで後頭部にボマイェを発射。朦朧とするAJに対し、真正面から完璧なボマイェをブチ込んだ中邑が3カウント。勝った中邑が拳を突き出すと、BULLET CLUBのリーダーであるAJだが、ここは王者に敬意を表して拳を合わせた。再び腰に白いベルトを巻いた中邑は四方に一礼すると「イヤァオ!」と、ドームの観客と共にシャウトした。
<試合後コメント>
中邑真輔
——最高の相手と最高のプロレス、今ベルトが戻ってきました。率直なお気持ち聞かせて下さい
「素直に感動してます。リングの上で会うAJは、想像を超える選手でした。レスリングなのに、レスリングの質の高さは日本で、世界中のレスラーが思ってると思うんですけど、まあ、今まで闘ってきた並居る日本人のレスリングと、レスリングが上手いと言われる、強いと言われる選手とやってきました。まあ、AJは、それに負けることなくというよりも、それよりも勝る、人間でした。まあ、そんな相手と、この最高のタイミングで、これ以上ないタイミングで、2人がプライムなうちに、ドンピシャのタイミングでこの東京ドームでやれたことを、本当に感動しました。結果は今回僕が勝ち、ベルトを守るということになりましたが、次やったら、いやどっちかわからないというよりも、またやって、俺も手に入れたい。あいつの持ってる力を。そんな相手でしたね」
——終わった後リング上で拳を交わすような姿もありましたけども
「今回ばっかりは、何も飾らず、色んな物を削ぎ落として闘ったつもりでした。まあ、ね、敵対する相手に対して、あるまじき行為だと思いますが、命かけてこのリングで闘ってるレスラーに、やっぱり、リスペクト、ありますよ」
——2015年もインターコンチのベルトをめぐっては様々な闘いありましたけど、2016年こんな刺激的なスタートになりました。すごい一年になるんじゃないですか?
「そうですね。まあ、色んな物がはじけ、飛び散るんじゃないですか」
——今これだけすごい闘いを終えた直後に聞くというのも恐縮ですが、これで世界からの注目度は更に高まってくると思います。次見据える部分は何かありますでしょうか?
「世界。世界ですね。自分の思う、自分の目指す、さらなる高みステージ、それを目指して生きていきたいと思っています。ありがとうございます」
第9試合
今年の東京ドーム大会のメインとなったオカダvs.棚橋は、さらに大きくなっていく新日本プロレスの先頭に立って、次のステージに引っ張っていくのはどちらかという闘い。6年連続ドーム大会メインを張った棚橋か? それとも天龍源一郎の引退試合の相手を経験してレスラーとして、IWGP王者としてさらに成長したオカダか?
まずはビッグマッチ仕様の髪型の棚橋が昨年のG1クライマックスで優勝して手にした挑戦権利書の入ったアタッシュケースを手に入場。オカダの入場時、一瞬スクリーンの映像と入場曲が止まって場内が暗転。しかしピンスポットで照らされたステージ中央にはオカダの姿が。そこからドームにカネの雨が降る中を王者オカダが堂々入場。
試合開始のゴングが鳴ると、両者への声援がドームに降り注ぐ。ロックアップからジリジリとオカダが棚橋をロープに押し込むと、離れ際で殴ると見せかけてストップして棚橋の胸をポンポンと叩いたオカダ。棚橋がすぐに反撃しようとするが、オカダはそこにエルボー。オカダに詰め寄っていった棚橋が張り手を叩き込むと、オカダは突進してきた棚橋にカウンターのフロントキック。
棚橋も腕を取ってハンマーロックに捉えるとヘッドシザース。しかし頭を抜いたオカダはヘッドロックに捉える。棚橋もヘッドロックで切り返していくが、オカダもヘッドロックで再び捕獲。しかしニークラッシャーで切り返した棚橋はオカダの右ヒザ裏にショルダーをぶつけていく。
そこから棚橋はオカダの右ヒザを徹底攻撃。さらにコーナーに飛び乗ってのクロスボディーを放った棚橋だが、そのまま後転したオカダは棚橋を持ち上げながら立ち上がりツームストンパイルドライバーを狙う。エプロンに逃れた棚橋だが、オカダはコーナーに飛び乗って三角跳び式ドロップキック。これで場外に出た棚橋を鉄柵に投げつけ、鉄柵に外に追いやったオカダはリングサイドをダッシュすると鉄柵に飛び乗ってクロスボディーを浴びせる。
棚橋をリングに戻したオカダはスリングショット式アトミコを投下。さらにチンロックに捉えたオカダだが、エルボーで逃れた棚橋。オカダは棚橋をコーナーに乗せてドロップキックを狙ったが、蹴りで防御した棚橋はローリングセントーンを投下。これをかわして自爆させたオカダは串刺しエルボーからDDT。
さらにスライディング式のエルボースマッシュで飛び込んでいったオカダは、クロスアーム式スリーパー。文字通り棚橋の首を狙っているオカダは棚橋の首を捻りあげるが、太陽ブローで逃れた棚橋は、串刺し攻撃を狙ったオカダは低空ドロップキックで迎撃しようとしたが、避けたオカダはセントーン。これをかわした棚橋は、フラップジャックも防御すると、今度こそヒザへの低空ドロップキック。
15分が経過し、オカダのフロントキックをキャッチしてドラゴンスクリューを決めた棚橋。オカダが場外にエスケープすると、棚橋はコーナーに登っていくが、場外から駆け上がっていって追いかけたオカダ。しかし棚橋も反対側のエプロンに降りると、鉄柱越しにドラゴンスクリュー。さらにリング内からロープ越しのドラゴンスクリューも決めていった棚橋。
さらにエプロンで動けないオカダにエプロンをダッシュしてスリングブレイドを決めた。さらにコーナーに登った棚橋はプランチャ式のハイフライフローを投下。場外カウントが進んでいくが、オカダは朦朧とした状態。それでもカウント19でリングに雪崩れ込んだオカダに対し、棚橋はコーナー二段目から右ヒザへのハイフライフロー。
そしてテキサス・クローバー・ホールドを狙ったが、ステップオーバーする前にオカダはロープを掴む。オカダの右ヒザを蹴っていった棚橋はロープに巻き付けてから低空ドロップキック。オカダも突進してきた棚橋にリバース・ネックブリーカー(=こうもり吊りの体勢から相手の後頭部にヒザに叩き付ける)を狙うが、棚橋が回転して逃れる。だが、オカダからジャックナイフ式エビ固めを仕掛け、その勢いを利用して立ち上がってリバース・ネックブリーカー。
両者かなり消耗した様子だが、意地のエルボー合戦へ。ロープに飛んだ棚橋をジョン・ウーで迎撃したオカダはハーフダウンの棚橋へのジョン・ウー連発。天龍引退試合で見せた攻撃だが、そこからコーナーに登ったオカダはFromコーナーtoコーナー並の飛距離を飛んでのミサイルキック。さらにものすごい飛距離のダイビング・エルボードロップを投下したオカダはレインメーカーポーズ。
レインメーカー(=相手の腕を掴んで引き込むように決めるアックスボンバー)をかわした棚橋だが、オカダはツームストンパイルドライバーを狙う。これを丸め込んだ棚橋はオカダの左足を掴むと軸足の右ヒザに低空ドロップキック。25分経過し、ドラゴンスクリューを決めた棚橋は拳を握る。
棚橋がロープに飛んだところにオカダは一発逆転のドロップキック。しかし読んでいた棚橋を蹴り足をキャッチするとグラウンド・ドラゴンスクリュー。そこからテキサス・クローバー・ホールドを決めるが、オカダは何とかロープに逃れる。棚橋はスリングブレイドかと思いきやツイスト・アンド・シャウト(=ネックスクリューからのシャウト)にスイッチ。そこからスリングブレイドを決めた棚橋はハイフライフローを投下。
だが、オカダがかわして自爆。オカダはツームストンパイルドライバーを狙うが、棚橋はツイスト・アンド・シャウトで切り返す。だが、オカダはそのまま棚橋を抱えて立ち上がり今度こそツームストンパイルドライバーを決めるとレインメーカー。
完璧に決まったが、棚橋はカウント2で返す。頭を抱えたオカダだが、コーナーに登ってスーパーフライを投下。しかし、これもカウント2。30分を経過し、レインメーカーを狙ったオカダに棚橋が掟破りの逆レインメーカーを叩き込む。ダブルダウン状態から先に立ち上がったのはオカダ。棚橋を引き起こそうとしたが、棚橋も右ヒザを蹴り飛ばす。しかし蹴り脚をキャッチしたオカダはツームストンパイルドライバーの体勢に。
だが、背後に逃れた棚橋は至近距離からスリングブレイドを決めるとドラゴンスープレックス。カウント2で返したオカダにハイフライフローを投下した棚橋は、ダメ押しのハイフライフローを投下するが、オカダもカウント2で返す。共に必殺技を返された状態だが、棚橋はなおもコーナーに登ってクロスボディー式のハイフライフローを狙ったが、オカダはドロップキックで撃墜。
歯を食いしばって立ち上がったオカダはバックを取る。必死に抵抗する棚橋は張り手一閃。ここからロープに飛んだ棚橋だが、オカダはカウンターのドロップキック。35分が経過し、レインメーカーを狙ったオカダだが、棚橋がかわすと高角度ジャーマンからロコモーション式レインメーカーを狙うが、棚橋はカウンターの張り手。それでも棚橋の腕を離していないオカダは起き上がりこぼし式レインメーカーを叩き込んでから、正調レインメーカーを叩き込んで3カウント。
エンディング
ついにドームで宿敵・棚橋を撃破したオカダ。新日本プロレスを次のステージに連れて行くのはオカダ・カズチカ! 棚橋はボロボロの状態でキャプテンに肩を担がれて退場。その背中を見送ったオカダは堂々レインメーカーポーズ。
外道が「分かってたろ、オイ! 分かってただろ、オイ! この男しかいねぇんだよ、オイ! この男しかいねぇだろ、オイ! 新日本プロレスをさらに上に導く男! 新日本プロレスを世界に連れて行く男! プロレス界をまだ行ったことねぇところに連れて行く男! レインメーカーしかいねぇんだよ、オイ! もう誰一人、レインメーカーを止めることはできねぇ。なんでか分かるか、オイ? レベェェェェルが違うんだよ。レッスルキングダム10の最後はこの男に締めてもらおう。プロレス界に未来を担う男にしてIWGPヘビー級チャンピオン、レインメーカー、オカダ・カズチカだ!」と盛り上げてからオカダにマイクを渡す。
オカダは「三つ言わせてください。ひとつ! 棚橋さん、IWGPは……遠かったらな、俺もここまで追い詰められてないよ。強かったよ、棚橋さん! またやろうぜ! ふたつ! 俺が勝ったということは新しい新日本プロレスをこれから見せてやる。新日本プロレスをもっと上のステージに俺が連れてってやる! みっつ! ……とくにありません。と、言いたいけどな、まだまだ俺が新日本プロレスをドンドンあげていってやる! 俺から目を離すな!」と叫んだオカダは四方のコーナーに登ってレインメーカーポーズ。そして外道と共に花道を引き揚げていくと、最後に火柱があがるステージ上で振り返り、「2016年も新日本プロレスに…いや、プロレス界にカネの雨が降るぞー!」と叫んでみせた。
<試合後コメント>
棚橋弘至
「何も、浮かばないっすね。俺の夢が、途切れたのか、受け継がれたのか」
オカダ・カズチカ with 外道
オカダ「やっと、東京ドームで、勝てたというか、いい思い出ができたというか、棚橋さんを倒したというか、やっぱりあの帰りの花道は気持ちよかったですし、あそこから見る景色というのもすごいよかったですし、またメイン終わって、裏からぐるっと回ってきて、歩く距離も結構あるんですけども、またそれが心地いいというか。まさかこんなに記者の人いると思わなかったですからね、メインの終わりというのは、まあ試合に関しては、IWGPは棚橋さんに近かったかもしれないです。やっぱり、ドームの棚橋さんだからなのかわからないですけども、ほんと率直に強かったです」
——今その試合を終えた中で、ものすごい試合でした。その勝因になった部分はどこなんでしょうか?
オカダ「それは、勝因が何なのかわからないぐらいの勝負だったと思いますし、でも、もう何回も負けて、棚橋さんに東京ドームで負けて、やっぱり、俺が新日本プロレスを上にやるんだという気持ちじゃないかなと思いますね」
——最後の最後のレインメーカーに行くさいに、棚橋選手が返しそうになった時腕を離しませんでした。あの時はどんな思いだったのでしょう
オカダ「やっぱり、レインメーカーの体勢で腕を離したら、また掴みに行かなきゃいけないですし、まあ、棚橋さんの最後の一発が張り手だったというのも、最後の意地だったと思いますし、僕も離さないっていうのも意地だったと思いますね」
——リング上でもありました、次のステージへという。オカダ選手どんなステージを描いてますか?
オカダ「まあそれは、また、2016年、見していきます」
——外道選手、ほんとにこの闘いで、さらに新日本プロレスが次のステージに来たかと思います。いかがでしょう?
外道「今日のメインイベントはもう、ほんとにそういう意味で重要なね、IWGPかかっただけじゃないものがかかっていたと思うよね。そこにこのレインメーカーが勝ったっていうのはコレはものすごく大事なことでね。もう間違いなくこの男にプロレス界の未来がかかってるわけだから。まあ心配せずとも、自ずとそれはレインメーカーが居るだけでついてくると思うけどね」
——オカダ選手、最後に多くのファンも今日ドームに詰めかけました。2016年のオカダ選手の野望を聞かせて下さい
オカダ「そうですね、また今年のビッグマッチも発表されましたし、また海外も行きますし、色々な所にチャンピオンとしてまた金の雨を色んなとこに降らせていきますし、やっぱり、こうやって、ずっと棚橋さんがドームで勝つのが続いていて、オカダが勝って、あれ?新日本プロレスダメになったんじゃないかと、そんな事が思われることはないですけども、やっぱりあそこでオカダが勝って新日本プロレス変わったなと。また上に行ったなと。また皆さんに認めてもらえるように、しっかり2016年したいなと思います」
外道「じゃあ乾杯しようか」
——外道選手、今日は何に乾杯でしょうか
外道「なんだろうね、綺麗にプロレス界の未来にとか」
オカダ「ちょっとそれ真面目すぎないですか?(笑)ちょっと」
外道「な、なんで真面目がいけないの?」
オカダ「いやいやだって名前外道じゃないですか(笑)プロレス界の未来とかそういうのはちょっと」
外道「いや今日は、それでいこうよ」
オカダ「いやいやいや」
外道「何?」
オカダ「外道さんちょっと」
外道「じゃあ今年はドームで泣かなかった事に乾杯しましょう」
オカダ「泣いてないです去年も」
外道「じゃあ未来に乾杯しよう」
オカダ「未来に乾杯ですか、はい」
外道「プロレス界の未来に」
オカダ&外道「かんぱーい」
外道「明るいね」
オカダ「明るい未来に乾杯ですね」