REINA 11.3新木場大会 REINA世界女子王座争奪トーナメント準決勝/朱里vs.華子、藤本vs.矢子、決勝戦
- 2015-11-4
- 試合
- REINA女子プロレス
新木場スターケード‘15
日時:2015年11月3日(火・祝)
開始:12:00
会場:東京・新木場1stRING
観衆:161人
▼REINAワールドトライアウトマッチ 5分間
真琴
エキシビジョンのため勝敗なし
アリア・ワイルド・サファイヤ
▼第1試合 REINA世界女子王座争奪トーナメント準決勝 30分1本勝負
○朱里
8分11秒 バズソーキック→片エビ固め
●中森華子
※朱里が決勝戦進出。
▼第2試合 REINA世界王座争奪トーナメント準決勝 30分1本勝負
○藤本つかさ
5分33秒 極楽固め
●藤ヶ崎矢子
※藤本が決勝戦進出。
▼第3試合 小波5番勝負第2戦 30分1本勝負
●小波
9分3秒 フライングソーセージ→片エビ固め
○星ハム子
▼第4試合 クライマックスシリーズ・サードステージ 3WAYマッチ 30分1本勝負
●成宮真希
7分17秒 横入り式エビ固め
○シルエタ
※もう一人は真琴
▼第5試合 REINA世界女子王座争奪トーナメント決勝戦 時間無制限1本勝負
●朱里
11分38秒 日本海式原爆固め
○藤本つかさ
※藤本がトーナメント優勝。第4代REINA世界女子王者となる。
藤本つかさが準決勝で矢子、決勝で朱里を撃破してREINA女子王者となる!
朱里の手鏡が木っ葉微塵に!小波は5番勝負の最終戦でアジャとの対戦が決定
トライアウトマッチ
大会に先立ち、REINAへの参戦を要望してきた”カナダの燃える情念”アリア・ワイルド・サファイヤがトライアウトマッチに挑んだ。
カナダにあるバトラーツアカデミーで修行を積んだというサファイヤは、師匠である石川雄規から直弟子に華名という選手がいて、最後に日本で主戦場としていたのがこのREINAであること、また、打撃系が得意なだけに、K-1やKrushなど格闘家でも有名な朱里がいること、そしてアメリカ、カナダ、オーストラリア、そしてメキシコと世界中の女子レスラーが集まるリングであることからREINAへ上がりたいと自ら売り込みをかけてきた。対戦相手はアメリカ・SHIMMERで多くの外国 人選手と戦ってきたばかりの真琴だ。
まずは関節の取り合いからバックの取り合いへ。サファイヤはワキ固めから腕固めへ、さらには手四つ合戦。コーナーへぶつけると、足を顔面にあてていき、ラフプレーに転ずる。ラリアットは空を切り、真琴がダブルチョップからWWニーへ。サファイヤは首投げからキックを一発、そしてスリーパーに決める。ここで石川仕込みのグラウンド卍を見せたところでタイムアップとなった。
合否の結果は後日、REINAより発表される。果たしてその結果は?
第1試合
9月4日から始まったREINA世界女子王座争奪トーナメントもいよいよ準決勝と決勝を残すのみとなった。まずは1回戦で星ハム子を破った朱里と、1回戦で小波、2回戦でシルエタを破った中森の対戦。
まずはヘッドロックで朱里が締め上げると、コーナーへ振ってニーへ。中森もトーキックから、腕を取り、アームホイップでお返し。場外へ転落した朱里に対して、延髄ニーを見舞う。場内へ戻るとミサイルキックを2連発。ここまでは完全に中森ペース。しかし朱里もバッククラッカーで反撃体制に移ると正面からのローキック、背中へのローキックと連続攻撃。中森もミドルキックを放つと、二発めをキャッチし張り手へ。
さらにグラウンドから腕ひしぎを狙うもこれはロープに逃れられる。
今度はコーナーへ誘い込むとぶら下り式の腕ひしぎへ。しかし中森もバックドロップからのシャイニングウイザード。さらに垂直落下式のブレーンバスターへ。両者ダウン状態。両陣営のセコンドが檄を飛ばす。
両者、膝を付いた状態でのナックル合戦から、スタンディングのナックル合戦へ。中森のナックルを朱里がかわすと投げっぱなしジャーマン。
しかし中森も顔面へ突き上げるキック。カウントは2。朱里はジャーマンからバズソーキックへ。この一発で粘る中森を下し、決勝戦進出を決めた。
第2試合
続いては成宮を破るサプライズで準決勝にコマを進めた矢子と、シード枠から山下りなを下し、準決勝進出の藤本の対戦。
いきなりドロップキックで先制した矢子がジャパニーズレッグロールで短期決戦の勝利を狙いに行くが、藤本がビーナスクラッチで切り返す。それでも矢子は逆さ押さえ込みから、外道クラッチ、そして今度こそジャパニーズレッグロールを成功させるも、いずれもカウント2どまり。
矢子のナックル連打を交わした藤本がドロップキック。しかし矢子もクロスチョップからダブルリストアームサルトをロコモーション式に決める。さらにトップロープからの攻撃を狙うが、これはデッドリードライブに落とされる。藤本は足四の字固めからコーナ ーの矢子へ低空ドロップキック、アバランシュホールドからミサイルキックと畳み掛ける。
しかし矢子も回転エビで逆転のフォールを狙うと、藤本もカサドーラへ。2ではね返されると、次なる攻撃でスタンディングにはいった瞬間、矢子のカンチョーが炸裂!
そしてカンチョーからのスクールボーイで成宮戦に次ぐフォールを狙う!
なんとか藤本は2.99ではね返し、観客席から安堵のため息がもれる。藤本は延髄蹴りからサッカーボールキック、そして最後は極楽固めにとると矢子がギブアップ。
勝利の瞬間、ベルトを腰に巻くというポーズをしてみせた藤本。危ないシーンもあったものの、なんとか決勝進出へこぎつけた。これにて決勝は朱里vs.藤本の夢の対決が実現!
第3試合
小波5番勝負第2戦の相手は星ハム子。5番勝負のコンセプトは強い選手やうまい選手を小波と当てて、成長を促すというもの。ハム子の場合は規格外のカテゴリーというべきか。
まずは握手を両手で受け止めるハム子。小波のアームホイップにハム子も同じ技でお返し。しかもその後にセクシーポーズのおまけつき。どうしていいかわからず呆然と見つめる小波。ハム子は「何か言えー!」とコーナーへ小波を押し込むと、お腹ウオッシュを炸裂させる。小波は背中への蹴りを連打して攻撃するも、ハム子も耐える。今度はロープへ貼り付けた状態で小波がハム子へ顔面かきむしり。客席から「顔はやめて!」の声が飛ぶ。
ハ ム子は「お・し・り・だー!」で流れを作ると、「どすこい! どすこい!」と逆エビ固めの定番ムーブ。小波はなんとかロープにたどりつく。今度はハム子がつっぱり攻撃。これに小波はドロップキックから腕ひしぎへ。
今度は小波がハム子のお腹へストンピング。 「ポーン!」 「ポーン!」何度、お腹をせめても弾き返される。そしてハム子がシャイニング腹ザードからトップロープへのぼり、フライングソーセージを狙うも、これは失敗。
小波はミドルキックで蹴りまくる。さらにカサドーラ、首固めと畳み掛けるがいずれも2で返される。
ハム子はラリアットで反撃すると、ブロックバスター。そして今度こそ、トップロープからのフライングソーセージを成功させるとカウント3。
小波は、ハム子の文字通り厚い壁に阻まれた。
最後は小波と抱きかかえ上げ、観客へ両者が礼をしてリングを降りた。
第4試合
まずは3選手それぞれが登場。自身のコールをそれぞれ要求する。ここで成宮が「今日は悲しいお知らせがあるの。シルエタが明日でメキシコに帰っちゃうの」と発表する。「エーッ」という声が上がる観客席。ここで成宮は「だから今日は組もう」とシルエタと握手。
真琴に対して攻撃を仕掛ける。低空のドロップキックで息があったかにみえたが、ハイタッチを交わそうとした瞬間、成宮がシルエタをスモールパッケージ。早くも裏切り行為へ。カウント2で跳ね返すシルエタ。「ナンデー?」と日本語で抗議。今度は真琴が成宮とシルエタにチョップを叩き込む。そして成宮をキャメルクラッチでとらえる 。リングサイドのカメラマンに「変な顔は撮らないでー」と嘆願する成宮。
真琴はさらに羽折固めへ決めていくがここでシルエタがカット。
場外へ落ちた真琴、成宮めがけてプランチャー。
その後、場外戦では成宮が客席に隠れ、真琴が探しても見つからない状況が続く。なんとか見つけだした真琴が強引に成宮をリング内へ。真琴はフライングボディアタックからクルスフィックス。ここでシルエタがカット。シルエタは真琴を抱え挙げるとアバランシュホールド。
カウントを取りにいくと成宮に押さえ込まれる。今度はみちのくドライバーを決めるが、これも成宮が横取りフォール。成宮とシルエタのナックル合戦となり、成宮がスピアー。これを耐え抜いたシルエタがメキシカ ンストレッチ。ここに真琴が割って入るが、うまく分断したシルエタがそのまま成宮を横入り式のエビ固めで押さえ込みフォールを奪った。
シルエタは日本のファンに別れの挨拶。翌日メキシコへ戻り、REINAタッグ王者である朱里とCMLL圏内にて活動する。
第5試合
いよいよ決勝戦。まずは藤本が登場。セコンドに星ハム子が就く。いっぽうの朱里には成宮、小波が就き、両者が入場すると緊張感がリング上を包み込む。夢の対決実現への期待感が高まる。勝者が第4代REINA認定シングル王者となる。
まずは両者ともにリングを1周、2周と回り込み、なかなかコンタクトしない。慎重な立ち上がりでスタート。
腕の取り合いからバックの取り合いと進み、タックルで朱里が藤本からダウンを奪ったあたりから戦闘開始。朱里はその後、ミドルキック、これに藤本もドロップキックでお返し。藤本が背中へサッカーボールキックを 畳み込むと、朱里も同じ攻撃でお返し。今度は朱里が「来いよ!」と座り込んで挑発すると、また藤本が背中へサッカーボールキック。すると藤本も座り込み、朱里もまた同じ攻撃。ともに同じ技を使う者同士、意地の張り合いが繰り広げられる。
藤本はコーナーへ朱里を追い込むが、バッククラッカーで脱出される。
朱里はコーナーへ藤本を追い込んで顔面に蹴りを見舞い、さらにリング中央へ戻してスリーパー。劣勢にたった藤本だが、正面からのサッカーボールキックで迎撃するとコーナーへ立たせてのドロップキック。アバランシュホールドからの極楽固めと流れるように追い込んでいく。
藤本はミサイルキックを敢行、さらに二発めをねらったがこれは空振り。
両者スタンディ ングへ。ナックル合戦から朱里がローキック、これに藤本はドロップキックでやり返す。ロー&ミドルキックにはドロップキックで返す展開に。両者が立ち上がる。なんとガン飛ばし合戦! お互いの意地が爆発する。朱里のハイを交わした藤本がドロップキック、朱里も至近距離からのジャンピングニーでお返し。両者ダウン。セコンド、そして観客総出で両者に声援。藤本のナックルに朱里は投げっぱなしジャーマンからのローキック。カウント2で返す藤本。腕ひしぎをねらう朱里だが、ロックが外れないとわかると腕固めへ。藤本はウラカンで脱出するとマヒストラル。
カウントは2。ここで藤本はツカドーラを狙うが朱里がハイキックでカット。
藤本はドロップキックからついに インフィニティを炸裂させる。完全に決まったかに見えたが朱里も2ではね返す。
朱里はボマイェからジャーマンを決めるがこれも藤本が2で返す。朱里はとどめとばかりにバズソーを狙いにいったがこれをかいくぐった藤本が肩車に乗せ……ジャパニーズオーシャンが爆発! これを朱里は返すことができず3カウントがついに入った。激闘にピリオドが打たれ、第4代王者は藤本に輝いた。
エンディング
藤本がマイクを握る。
「朱里ちゃん、やっぱすごいわ。ほんとう強いわ、今日はすごく燃えました。ありがとう。
今日は紙一重だったと思います。今日はなんとか勝てたけど、次にやったらどうなるかわからない。
でも本当に燃えました。
朱里ちゃんとは実は同期で、すごく自分と境遇も似ていると思います。急に上が抜けて、団体を引っ張っていかなければいけなくなって。
今日も試合前、練習生たちに怒っていました。
自分には朱里ちゃんの気持ちがよくわかります。
これからは自分もできるだけ朱里ちゃんに協力していきたいなって思います。
そして、いまこのREINAのベルトを巻いたからには、できるだけREINAに参戦して盛り上げていきたいと思います。
……でも、今日勝ったのは自分です」
そうコメントして控え室へと引き上げた。
朱里がようやくマイクを握る。
「あー、悔しい。本当に悔しい。REINAのベルトを奪われて……これをもって明日からメキシ コにいくつもりだったのに。うーん、今日は鏡を見る間もなくて……」
朱里がため息をつくと、セコンドの成宮が鏡を手にリングイン。
そして鏡を朱里に映しこむと異変が。
「ん? あれ? なるみーちゃん、あれ? なんか鏡割れてない? うわーどういうこと。これ、鏡が割れるなんて……不吉」
驚く成宮。愛用の手鏡は中央に亀裂が入っている。
その瞬間、成宮の手から鏡が滑り落ち、鏡が木っ端微塵に。
呆然とする二人。しかし、気を取り直したかのように、
「いやー、そんなことないよね。まさかね」
「そんなことありませんよね」
と自分たちを納得させる。
朱里の言葉は続く。
「気を取り直して、それはそうと今日は大発表があります。小波っち。出てきて」と小波をリングに呼び込む。
「それでは映像、ドン!」
朱里が映像班に伝えると画面には
「12月26日 後楽園ホール 小波5番勝負最終戦 小波vs.アジャコング」の文字が。
「うわーーー!!! うわーーー!!!」と小波は朱里に殴りかかるほど、うれしさで興奮して押さえ切れない様子。
テンパッた状態の小波が恒例のフレーズで締め、波乱の大会は幕を閉じた。
【記事提供/REINA女子プロレス】