ブロック・レスナーがオバ・フェミに敗北し「お前が未来だ。そして俺は過去」

1988年のマディソン・スクウェア・ガーデン大会から数えて今年で39回目となるサマースラムが、ミネソタ州ミネアポリスのUSバンクスタジアムで開催された。今回もABEMAでのPPVで朝7時からライブ中継されたが、今回は2日で4000円と破格の設定で世界最大のプロレス団体による真夏の祭典が堪能できる。NFLのミネソタ・バイキングスがホームとする巨大なスタジアムでの激闘をクーラーの効いた部屋で楽しむというのはいかがだろう。
今年のサマースラムDay1のメインイベントを飾ったのはCMパンク対コーディ・ローデスのWWE統一王座戦ではなく、やはりと言うべきかブロック・レスナー対オバ・フェミによるヘル・イン・ア・セル戦であった。
NXTからの昇格後は目覚ましい活躍を見せたオバは、今年のレッスルマニアでは新旧怪物対決とも言われたレスナーとの初対決でまさかの短時間決着で勝利。試合後には引退宣言とも取れる行動をレスナーにさせるほどの圧勝劇を見せた。
しかしレスナーもクラッシュ・イン・イタリーでの再戦ではF5を7連発という、これまでに見せたことのない猛攻で完全なるリベンジを果たした。
そして迎えた第三戦はレスナーがレスリングで輝かしい戦績を残したミネソタ大学のあるミネソタ州ミネアポリスでの開催、しかもヘル・イン・ア・セル形式での決着戦となった。

ゴングが鳴るとすかさず会場をどよめかせる肉弾戦が始まり、投げっぱなしジャーマン3連発でレスナーがオバを叩きつけると、オバもすぐさま立ち上がりクローズラインで場外に叩き落としていく。
そのままレスナーを追いかけて場外戦になるとオバがケージに、レスナーはスチールステップに相手を叩きつけていく。オバはそれでも場外でレスナーにブレーンバスターを食らわせ、お返しとばかりに今度はオバがスチールステップに投げつける。
オバはそのままリング下からテーブルを持ち出してケージに立てかけると、レスナーをテーブルにホイップ。テーブルはきれいに割れてしまうがオバの猛攻はこれだけにはとどまらない。なおもイスをリング下から取り出し、レスナーをリングに押し上げる。
しかしレスナーはリングに上がっていたスチールステップを3回もオバにぶつけていく。そしてまた投げっぱなしジャーマンの連発から背中に強烈なイス攻撃。オバを軽々と投げ捨てるブレーンバスターの2連発。しかも2発目はイスの上に投げ捨てるものだった。
しかしオバもこれだけの攻撃を食らいながらもF5狙いをかわすとチョークスラムで反撃していく。

オバはエルボーの連打から、対角線攻撃を狙ったところをF5に捉えられそうになるも、それを逃れてのチョークスラム、アトミック・ドロップの要領で持ち上げておいてから前方に投げ捨て、自らの胸を叩くドラミングを見せてからのフォール・フロム・グレイス(ポップアップ式のシットダウン・パワーボム)で叩きつける。
これはからくもキックアウトしたレスナーはF5を3連発。
それでもフォールを許さないオバの背中に強烈なイス攻撃の乱れ打ちを食らわすと、レスナーはなんとリングのキャンパスとその下に敷いてあるクッションボードを剥がし、むき出しになった木の板にF5ではなく、かつての宿敵であるアンダーテイカーの得意技であるツームストーン・ドライバー、そしてレスト・イン・ピースの体勢にしておいてからのフォールを狙う。

しかしオバはこれをも返し、続けてのイス攻撃のフルスイングをパンチで迎撃すると最後は渾身のフォール・フロム・グレイスで文句なしの3カウントを奪った。これまでヘル・イン・ア・セル戦では負けたことがなかったレスナーは初めて敗北を喫することとなり、まさかのツームストーン・ドライバーまで繰り出した上での敗北となった。
一度は速やかにリングを降り、オバに勝利の雄叫びをあげさせる時間を与えていたレスナーだが、ゆっくりとまたリングに戻ると自らハグを求めて勝者であるオバの腕を高々と挙げる。
そしてマイクを持つと「ミネソタ!そしてこの試合を見ている世界中のユニバースの人たち!」と呼びかける。気を遣ってかリングを降りようとするオバには「戻ってこい。お前がWWEの未来だ」と呼び寄せてから「コングラチュレーション」と握手を求め、「お前が未来だ。そして俺は過去」と再びオバの手を挙げると主役の座を譲るかのように静かにリングを降りていった。
















