全日本9.26後楽園大会 第3回王道トーナメント準決勝/曙vs.石川、秋山vs.火野、優勝決定戦
第3回王道トーナメント〜2015 オープン選手権〜【優勝決定戦】
日時:2015年9月26日(土)
開始:18:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1137人
▼第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○渕正信/中島洋平
7分05秒 首固め
野村直矢/●青柳優馬
▼第2試合 第3回王道トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
○曙
6分42秒 ヨコヅナファイナルインパクト→体固め
●石川修司(ユニオンプロレス)
※曙が優勝決定戦進出
▼第3試合 第3回王道トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
○秋山準
12分42秒 リストクラッチ式エクスプロイダー→片エビ固め
●火野裕士(K-DOJO)
※秋山が優勝決定戦進出
▼第4試合 王道トーナメントスペシャル8人タッグマッチ 60分1本勝負
○潮崎豪/宮原健斗/大森隆男/吉江豊
15分16秒 ゴーフラッシャー→片エビ固め
諏訪魔/ゼウス/●KENSO/ボディガー
▼第5試合 ぼてぢゅう presents Jr.TAG BATTLE OF GLORY前哨戦 スペシャル6人タッグマッチ 60分1本勝負
○鈴木鼓太郎/金丸義信/ウルティモ・ドラゴン
14分03秒 エンドレスワルツ
青木篤志/佐藤光留/●南野タケシ
▼第6試合 第3回王道トーナメント優勝決定戦 時間無制限1本勝負
●曙
8分46秒 ランニングニー→体固め
○秋山準
※秋山が王道トーナメント初優勝
秋山が火野、曙を撃破して王道トーナメント初優勝!次は46歳での三冠奪取を宣言!
潮崎とのタッチを拒否した宮原が諏訪魔に加勢!?南野はDKを辞め舎人一家でJr戦線へ
第1試合
開始前、小橋建太さんが登場して実況席へ。開幕戦で中嶋に対して食ってかかった野村と青柳が、中嶋と再び激突。ベルトをアピールする中嶋に詰め寄って睨み付ける野村と青柳。先発を巡りまたも小競り合いを始める野村と青柳。青柳は野村を突き飛ばすと、場外に放り投げて強引に先発で出ていく。
野村をロープに押し込んだ青柳はフォアアームを叩き込むが、中嶋も逆水平チョップを返していくとショルダータックルでなぎ倒す。青柳はアームホイップで投げると、中嶋のドロップキックをかわしてみせる。
ここで中嶋は渕にタッチ。青柳はドロップキックを連打すると、野村にタッチ。野村と青柳は交互にドロップキックを連発して渕を場外に追いやると、そこに飛び込んできた中嶋にはダブルのドロップキック。リングに戻ってきた渕をドロップキックで吹っ飛ばした野村はタッチをして入ってきた中嶋にエルボーの連打kら串刺しジャンピングエルボー。
ソバットを返した中嶋はロープに飛ぶが、カウンターのエルボーで迎撃した野村はノーザンライト・スープレックス。カウント2で返した中嶋はカウンターのミドルキックから延髄斬り。
朦朧とする野村を引っ張ってタッチして青柳はサマーソルトキックから低空ドロップキック。だが、中嶋もミドルキックからブレーンバスターで投げるとランニングロー。タッチを受けた渕が滞空時間の長いボディスラムで叩き付けるが、青柳はドロップキック3連発を返す。さらにミサイルキックで渕を吹っ飛ばすが、背後から中嶋が殴りかかる。
そこに野村が入ってきて2人がかりで中嶋を攻撃していくが、渕が青柳をバックドロップで投げると、続けて中嶋がジャーマンで投げ捨てる。カウント2で野村がカットしたが、もう一度中嶋が急角度ジャーマンで投げ捨てると、渕が首固めで丸め込んで3カウント。
試合後も中嶋は睨み付ける野村にGAORA TV王座のベルトを見せつけた。
<試合後コメント>
中島洋平
ーー若手2人がつっかかって来ていますが?
「ちょっと楽しくなってきたんじゃないですか? まだまだだって言ってるんですけど。あいつらの技術や実力がまだまだって言ってるんじゃないですよ。お客さんの期待感、会社の期待感がもっともっともっと上げられるんじゃないか。『こいつらの試合だったらタイトルマッチにせざるを得ないだろう』って。それくらい熱を持たせられるっていう意味での『まだまだ』ですよ。一緒に合宿所にいるんですけど、あれだけ秘めたるものがあるとは思っていなかったですよ。でもまだまだですね」
ーーそれだけタイトルマッチへの気運を高められればと?
中島「だって全日本プロレスのタイトルマッチですよ? そんなお客さんが求めてもいないのに、タイトルマッチやりました。はい勝ちました。……何になるんだって。そういうもんじゃないと思います。この赤い(GAORA TVの)ベルトもそこまで高めたい」
第2試合
第3回王道トーナメント準決勝第1試合は、現三冠ヘビー級王者の曙とユニオンプロレスの石川修司が待望のシングル初対決。
石川のセコンドには同じユニオンの福田洋がつく。曙は三冠のベルトを持たず裸一貫で入場。試合開始のゴングが鳴ると、ロックアップから曙がロープまで押し込んでいくがまずはクリーンブレイク。もう一度ロックアップしてまたもロープまで押し込んだ曙だが、体勢を入れ替えた石川がエルボー。曙もチョップを返すと、石川はショルダータックルでぶつかっていくが、受け止めた曙はコーナーまで押し込む。
体勢を入れ替えた石川は串刺しラリアット。しかし曙はショルダータックルで石川をなぎ倒すとエルボードロップを投下。溜まらず場外にエスケープした石川。いきなりド迫力のぶつかり合いとなったが、曙はエプロンまで戻ってきた石川に体当たりを見舞うと、自分も場外に降りて鉄柵に投げつける。
石川も曙の突進をかわすとラリアットを叩き込んでリングに戻る。曙がリングに戻ってきたところに串刺しラリアットを叩き込んだ石川は、張り手をかわしてバックドロップで投げると、早くもランニング・ニーリフトを叩き込むがカウントは2。
曙も走り込んできた石川をサイドバスターで叩き付けるとエルボードロップ。かわした石川は側頭部にランニングエルボーを叩き込むと、パイルドライバーの体勢に。さすがに曙は持ち上がらないが脳天をマットに叩き付けた石川はエルボーを連打。曙もハンマーから張り手を返すとショートレンジラリアットでなぎ倒す。
そして強引にヨコヅナインパクト(=ジャンピングパイルドライバー)で叩き付けたがカウントは2。石川は左右の張り手からヘッドバットを返すが、曙も強烈な張り手からヨコヅナインパクトの体勢。石川が腰を落として踏ん張るが、曙は強引にヨコヅナファイナルインパクト(=パッケージパイルドライバー)で叩き付けて3カウント。
ものすごいぶつかり合いを制した曙がまずは優勝決定戦進出を決めた。
<試合後コメント>
石川修司
ーー1回戦で大森選手、2回戦で宮原選手を倒してのベスト4でしたが、惜しくもここで敗れてしまいました
「……壁は、曙の、横綱の壁。でかいね。でかいわ。クソ! やっぱりもっと行けると思ったし、あの巨体をコントロールし切れなかった」
ーー石川選手にとって身長も体重も上という選手は初めてではないかと思いますが?
「チャンスって思った時に、自分の中で想定していた重さとか胴回りとか、破壊力もそうだけど自分の想定よりも上だった。でもやっぱり自分が思っている、思い切り受けて、思い切り攻めるというこのスタイルだと横綱は最強だと思うんで。でももっともっと、まだまだ俺は伸びしろあるから。明日からでもトレーニングして、もう一回やる。横綱の首、狙ってもう一回やる。また呼んでくれ!」
ーー全日本ファンも石川選手がまた闘う姿を見たいはずです。
「その期待に応えるファイトをするからまた呼んでください。今度こそ曙、横綱の首を獲って。その時チャンピオンでなくてもいい。横綱の首を獲ります」
第3試合
第3回王道トーナメント準決勝第2試合は、全日本プロレス社長の秋山準と、このトーナメントが待望の全日本初参戦となったK-DOJOの火野裕士。名前をコールされると両手の中指を秋山に向かって突き立てた火野。すると秋山も中指を突き立て返す。
ロックアップからロープに押し込んだ火野は秋山の胸を3回叩いてブレイクすると中指を突き立てる。再びロックアップしてロープに押し込んだ火野だが、体勢を入れ替えた秋山は3回胸を叩いてブレイク。秋山のショルダータックルを受け止めた火野にチョップ。すると火野は強烈な逆水平チョップを返していく。
すると火野は両手を後ろに回してチョップを受け止める体勢に。そこに秋山はまさかのショートレンジラリアットを叩き込んで火野をなぎ倒し、場外にに連れ出すが、火野は鉄柵や鉄柱に叩き付けると、両手を後ろに回した状態で秋山に詰め寄っていき、秋山のチョップを受け止めてから逆水平チョップを返していく。
そして秋山をリングに戻した火野は左腕でスリーパーに捉えた状態で、右手でチョップを振り下ろす。ダウンした秋山にチョップを振り下ろした火野はブロックバスターで投げ捨てると、逆水平チョップからカウンターエルボーで秋山を倒しておいてセントーンを投下。
なおも両手を後ろに回して挑発していく火野にエルボーを叩き込んでいった秋山だが、受け止めた火野は逆水平チョップから串刺し攻撃を狙う。蹴りで迎撃した秋山はコーナー二段目からダイビングニー。さらに串刺しジャンピングニーからランニングニー。カウント2で返されると間髪入れず胴絞めフロントネックロックに捉える。
ロープに足を伸ばした火野だが、秋山は下からアゴをヒザでカチ上げると、ラリアットを2連発。3発目を狙った秋山にカウンターのラリアットを叩き込んだ火野はヒノスープレックス(=エクスプロイダー)の体勢。だが、エルボーで防御した秋山。火野も逆水平チョップを返していく。
すると秋山は目潰しから走り込むが、火野は正面からキャッチしてフロントスープレックス。さらにFuck'n Bomb(=投げ捨てパワーボム)の体勢に入るが、リバースで切り返した秋山はエクスプロイダー。ラリアットが相打ちになると、そこから火野はショートレンジラリアットでなぎ倒してコーナーへ。ファッキンボディプレス(=フロッグスプラッシュ)を投下するがカウントは2。
今度こそFuck'n Bombを狙うが、辛くも背後に逃れた秋山はジャンピングニーというよりは飛びヒザ蹴りでラリアットを狙った火野を撃墜。さらに立ち上がろうとする火野の背後からランニングニーを叩き込むと、続けて正面からランニングニー。
秋山はエクスプロイダーで投げるが、すぐに立ち上がった火野はヒノスープレックスを返す。なおも両手を後ろに回して秋山のエルボーを受け止めた火野は逆水平チョップからロープへ。だが、秋山はジャンピングニーを叩き込む。両者ダメージで動けない。先に動いた秋山はヒザ蹴りからのランニングニー。火野は両ヒザをマットについた状態で両手を広げて挑発。そこにランニングニーを叩き込んだ秋山。
火野は両手を後ろに回してなおも挑発。ヒザのサポーターを下げて顔面にヒザを連発した秋山はランニングニーを叩き込むが、火野もカウント2で返す。ならばと秋山はリストクラッチ式エクスプロイダーで投げ、ガッチリと押さえ込んで3カウント。
この結果、第3回王道トーナメントの優勝決定戦は2度目の優勝を狙う曙と、初優勝を狙う秋山準の一戦に決定した。
<試合後コメント>
火野裕士
ーーベスト4で敗れはしましたが、確かな爪痕は残したのではないかと思いますが?
「まぁそうかな(照れ笑)。爪痕というか、火野裕士というのが印象に残ったならそれでええかな。もちろん優勝はしたかったけれど。ちょっと最後調子に乗ってしまいましたけど(苦笑)」
ーー1回戦でのゼウス戦について、秋山選手は「トーナメントにはトーナメントの闘い方がある。我慢比べは違うだろう」と言っていたのですが?
「それは秋山選手のプロレス観でしょう? プロレスラーなんて日本全国に何人でもいますから。どれが正解でどれが間違っている。そんなのないですね。自分は自分のプロレスがこれだって自信を持って、こうやって生きてきています。これが自分の生き様なんでね。最後秋山選手がニーパットを取って蹴ろうとしたら、じゃあそれを受けてやろうかと。ずっとニーパット付けていたのに、取らないと勝てないというのならじゃあ受けてやろうかと。まぁそれで負けちゃったんですけどね。まぁでもそれで見てるお客さんがそれで面白かったならそれでええんとちゃいます?」
ーー今回の火野選手の活躍を見て、これからも火野選手のファイトを見たいというのが全日本ファンの正直な気持ちではないかと思いますが?
「そうですか。じゃあまた上がらせてもらわないといけないですね」
ーー実際に参加してみての全日本マットの手応えはいかがでしたか?
「まぁ楽しいですよ。ずっとKAIENTAIでやってるので、どこの団体に上がっても楽しいですよ。その団体に強い選手がいる、面白い選手がいるというのも関係なしに、どこの団体でも普段と違うことができるわけやからね。普段と違う相手とできるわけやからね。楽しい。その中でも全日本はレベルの高い団体なんでね。それはもう楽しくて当たり前ですね」
ーー今回の活躍でまたひとつ火野選手の名前が知れ渡った部分もあるかと思いますが?
「そうですね。うれしいことですね」
ーー改めて実力を証明しましたね
「そうですね。次は勝てるといいですね。ただ勝つだけじゃなく、同じスタイルで、秋山選手のヒザを耐え抜いて、勝てたら最高じゃないですか」
ーーまたひとつ楽しみが増えたというかんじでしょうか?
「追いかける方が楽しいじゃないですか(笑)」
試合後、スクリーンでは次期シリーズで行われる『Jr.TAG BATTLE OF GLORY』開幕戦となる10.12後楽園ホール大会で、青木&光留vs.鼓太郎&中嶋、金丸&ウルティモvs.ヤンキー二丁拳銃という公式戦2試合が行われることが発表された。
第4試合
今年の王道トーナメントに出場したものの、惜しくも準決勝に進出できなかった8選手が8人タッグマッチで激突。まずはKENSOが入場し、観客の声援を煽ってからエル・アギラ・インペリアルのポーズを披露。続いてボディガーが入場すると、ゼウス、そして諏訪魔が入場するが、ゼウスと小競り合い。ボディガーが割って入るという珍しい光景。
続いて吉江、大森、宮原の順に入場すると、最後に潮崎が入場。小競り合いしながらも諏訪魔がコーナーに下がってゼウスが先発。潮崎側も宮原が潮崎の握手を拒否して険悪なムードが漂うと大森が先発を買って出る。
大森とゼウスのショルダータックルでのぶつかり合いからスタート。なぎ倒したゼウスだが、大森もカウンターのビッグブーツを返すと潮崎にタッチ。すると諏訪魔が勝手にゼウスとタッチしてリングイン。「諏訪魔」コールが起こる中、ロックアップからロープに押し込んだ諏訪魔はエルボー。潮崎が逆水平チョップを返すと、諏訪魔はナックルパートからショルダータックルでなぎ倒す。
潮崎もカウンターのドロップキックを返すと、ロープに飛ぶがエプロンからKENSOが腰紐を使ってチョーク攻撃。ビッグガンズが相手チームに場外乱闘を仕掛けていくと、諏訪魔とKENSOが握手。諏訪魔が場外で抑え付けた潮崎にKENSOがプランチャを投下。さらにKENSOは大森と場外乱闘。
リング上ではゼウスが諏訪魔にチョップでタッチしてリングイン。潮崎に逆水平チョップを叩き込んだゼウスだが、潮崎も体勢を入れ替えると逆水平チョップ。するとゼウスはマシンガンチョップを叩き込んでからジャンピングラリアット。さらにブレーンバスターで投げていくが、吉江がカットに入る。ゼウスは潮崎に串刺しラリアットからダイビング・ラリアットを狙ったが、潮崎はドロップキックで撃墜。
だが、宮原が潮崎のタッチを拒否したため大森がリングインしてゼウスにニールキック。ゼウスもエルボーで反撃するとコーナースプラッシュ。これをかわしてバックドロップで投げた大森はアックスボンバーを狙うがスクラップバスターで叩き付けたゼウスはボディガーにタッチしようとする。
するとゼウスの頭を叩いて諏訪魔がタッチ。大森とラリアットの相打ちからショートレンジラリアットでなぎ倒した諏訪魔はラストライドの体勢。しかし大森はこれをアックス・ギロチン・ドライバーで切り返す。大森が宮原にタッチし、諏訪魔はボディガーにタッチ。ボディガーが逆水平チョップを打てば、宮原はヒザへの低空ドロップキックから側頭部への低空ドロップキック。さらにノーザンライト・スープレックスで投げた宮原はバックを取る。
踏ん張ったボディガーはカウンターのタックルで吹っ飛ばすと、串刺しラリアットからショートレンジラリアットを連打。さらにフラップジャックからエルボードロップ。宮原はフロントキックを返すが、ボディガーはラリアット。
吉江がタッチしてボディガーとラリアットの相打ちを連発。そこからコーナースプラッシュをお見舞いした吉江はスティンクフェイス。超低空サマーソルトドロップから地獄突きを決めた吉江だが、ボディガーもパワースラムを返すとKENSOにタッチ。張り手を連発したKENSOはカウンターのビッグブーツからジャンピング・ダブルニー。
かわした吉江は体当たりでKENSOを吹っ飛ばすと潮崎にタッチ。逆水平チョップからロープに飛ばそうとする潮崎だが、KENSOはそれを許さない。ならばと強引にフィッシャーマンバスターで叩き付けた潮崎。そこからKENSOと逆水平チョップ合戦になると、潮崎はローリング袈裟斬り。しかしKENSOはカウンターの張り手。
ゼウスが入ってきて潮崎を羽交い締めにするとKENSOはビッグブーツ。だが、潮崎がかわして誤爆。ボディガーが詰め寄っていくと、KENSOは場外に投げ捨てる。そこに諏訪魔も入ってくるが、KENSOは握手をした諏訪魔にも張り手。そして潮崎に腰紐でのチョーク攻撃を見舞っていくが、どうにか脱出した潮崎はラリアット。そこに吉江がボディプレスを投下すると、大森がバックドロップ。
さらに潮崎がラリアットを叩き込むが、KENSOもカウント2で返す。ならばと潮崎はダメ押しのゴーフラッシャーを決めて3カウント。納得いかない諏訪魔は大の字に倒れたKENSOにストンピング。そこにゼウスが近づいていくと、諏訪魔はゼウスも小突いていって乱闘に。
諏訪魔がゼウスをロープに飛ばすと、宮原が飛び込んできてゼウスに対して二段蹴りからの投げ捨てジャーマン。諏訪魔に加勢したように思えた宮原は諏訪魔に近づいていく。睨み合いから握手をして合体かとも思われたが、宮原はそのまま退場。ゼウスは怒り狂いながらリングに戻ろうとするが、ボディガーが必死に止める。諏訪魔は「やってらんねぇよ」という様子で引き上げていった。
<試合後コメント>
諏訪魔
「だーめだ、こんなごちゃまぜの。こんな試合組んだってまとまらねぇよ。隣に気に食わないヤツもいれば裏切ってくるヤツもいる。どうしようもないな。ま、負けたヤツの集まりなんでね。みんな腐ってると。ただそんだけだね、感想は。ただ宮原がわけわからない動きをしていると。あいつも何か思ってるところがあるんじゃねぇの。間違いなくあいつも閉塞感、感じてるんじゃないのか?そういう風に感じた。あいつの考えは気になるな。次からはあいつの考えを調べたい。確かめてみたい。ひょっとしたら俺と組みたいのかもしれないし、単なるストレス解消でやっているのか、潮崎に不満があるのか。その理由は知らねぇよ。それは確かめていくと。地殻変動が起きてるんじゃないのかという実感だけは今シリーズ得たな」
ーー天龍さんの引退試合でタッグながら藤田和之選手との対戦が決定しました。期待は持っていていいと諏訪魔選手は以前おっしゃっていましたが、ここに来て決まったことに驚きを感じたのですが?
「驚いたのは、正直俺が一番驚いているわけで。まったく俺もこういう展開になるとは思っていなかったよ。俺は第三のリングまで用意したんだ。それでもやっぱり全日本と向こう側(=IGF)の問題があってうまくいかなかったんだけど、それを、俺ができなかったことを天龍さんがやった。それはスゲーなと思うし、天龍さんには感謝してる」
ーー天龍さんからのプレゼントという見方もできるのではないでしょうか?
「俺の中ではやるつもりで(IGFの大会に)乗り込んだし、そこから俺もいろいろ動いた。期待してくれる人を裏切ってもしょうがないし、それに応えたかったんだけどね。もうダメだと思ってた時に最後の最後で天龍さんが準備してくれたっていうのは。あとはもう俺がもう暴れるだけだね。それに集中していく。プロレス界全体に響き渡るようなプロレス。プロレスはこうなんだっていう激しい戦いをやってみたいなと思います」
ーーこれですごい試合をすることでファンや天龍さんの期待に……
「それはみんなの期待に応えたいよね。ファンのみんなもそうだし、天龍さんもものすごい殴り合いが見たいんだろうなというのも感じるしね(笑)。俺もどんなものなのか味わってみたいしね。あのゴリラのような体がどんなヒザ入れてくるのか。じゃあ俺がチョップやラリアット、ラストライド決めたらもつのかよ? もう本当に正面衝突だよね」
ーーここから2人の対決の気運が盛り上がってくるかと思いますが、そこから先にも……まだ始まってもいないのですがも……期待はしてしまいますが?
「まぁ、ただですら絡むのも難しいのでね。こういうかたちでできたわけで。この一点でしか考えられないな。この一瞬に、俺が全日本プロレスでやってきたすべてを懸ける。それで俺が最後に立っていると。それを証明したい」
ゼウス
ーーベスト4に残れなかった8人によるタッグマッチでした。そのうっぷん晴らしという面もあったのではと思いますが?
「正直わけのわからんメンバーやから……楽しくないね。ボディガーも含めてプロレスというものは相手は全員ぶっ飛ばしてやるものだから。チームは組んでいても、組んでいるという感じはしないからね。戦っている途中でも『これはどうかな?』っていう。このチームで勝ってやろうという気持ちがまず湧かないから。俺が勝ってやろうという気持ちはあっても、このチームで勝ってやろうという気持ちがないから。こんな試合はどうでもいい。とりあえず僕がもっともっと。いや僕がっていうよりも気合い入れて頑張って、みんなで競争して全日本プロレスを日本一の団体にしてやろうというのが僕の目標やから。今日一番大事な試合はこれから始まるメインイベント。それにはもちろん興味あるけど」
ーー強さの競い合いだけでなく、自己主張の競い合いもあるという意味で厳しい戦いの場でありますね?
「まぁそうですね。自己主張やらなければならないのがプロレスですけど、僕も自分の性格から誰にも負けたくないし。ただ僕はあまり吠えるのは好きじゃないし、男っていうのは吠えるヤツはあまり強いヤツはおらんからね。誰とは言わないけど。自分からはあまり吠えない。いざという時には動くから。その自信があるからできることであって、自分の弱い心も知っているから強い心も持てるんであって。どんな時でも僕は前を向いて一歩踏み出せるっていう勇気を持ってるんでね。別にむやみに吠える必要もなければ、そんな必要もない。ただ向こうが来たら僕も返しますよ。それが男だから」
ーーちょっと試合から離れるのですが、試合前のFC撮影会ではリング上の激しさから一転した優しい面をファンの方に見せていましたね?
「ありがとうございます(笑)。本音を言えばどうやったらお客さんが入るんだろうというのを選手ひとりひとりが考えていったらもっとよくなると思うんですね。ファンの方々あってのプロレスだから、ファンの方々もああして快く握手して写真を撮って『よし。全日本プロレスは面白いな。楽しいな。また行こう』となったらうれしいですからね。ありがとうございました」
第5試合
試合前には『Jr.TAG BATTLE OF GLORY』に出場するヤンキー二丁拳銃からのビデオメッセージが流れる。イサミは「我々はヤンキーと言ってますが喧嘩を売りに行くわけじゃない。我々のプロレスを売りに行くんです。優勝のその先にあるベルトを狙っていきます」と、王道ファンに向かってメッセージを送った。
卍丸をセコンドにつけて入場した南野は、着ていたDKのTシャツを引き裂いてその下に着ていた舎人一家のTシャツを披露。そこに青木&光留のEvolutionが入場するが、南野と一触即発のムード。さらにウルティモと一緒に入場してきた金丸も青木に詰め寄っていき、挑発していく。最後に現世界ジュニア王者の鼓太郎が入場。
すると木原リングアナに襲いかかってマイクを奪い取った南野が「オイ、DKは今日でやめだ! ジュニアタッグリーグ、この卍丸との舎人一家としてお前らぶっ潰すからそこんところよろしく」とDKからの脱退宣言と共に全日本ジュニアに宣戦布告。そのまま南野が奇襲攻撃を仕掛けていって試合開始。
リング上では青木は鼓太郎にカウンターエルボーを見舞って行くが、金丸がウルティモにタッチすると、青木は光留にタッチ。腕の取り合いからウルティモがアームドラッグで投げていくが、足を取って捻り上げた光留は自軍のコーナーに連れて行く。
すると南野が思いきり光留を叩いてタッチ。鼓太郎が入ってきてロックアップするとロープに押し込むが、南野は体勢を入れ替えるとクリーンブレイクと見せかけてトーキック。さらにタッチロープを使ってのチョーク攻撃を見舞ってから青木にタッチ。青木が捕まえた鼓太郎に光留が蹴りを見舞っていくが、鼓太郎もエルボーを返すと金丸にタッチ。
金丸は控えの青木にフロントキックを叩き込んで場外に蹴落とすと、鉄柵攻撃からブレーンバスター。だが、リングに戻ったとことで光留がミドルキック。タッチを受けたウルティモがカニ挟みからジャベで捉える。ブレーンバスターを狙ったウルティモだが、逆に投げた光留は青木にタッチ。
串刺しランニングエルボーから控えの金丸に襲いかかった青木は、場外に出て鉄柵攻撃。すかさず光留が金丸を蹴り飛ばし、リングに戻ったEvolutionはウルティモに合体攻撃。しかしウルティモもショルダースルーを着地するとドロップキックから逆にショルダースルー。青木もショートレンジラリアットを返すが、下から両足で青木の頭を挟んだウルティモコークスクリュー・シザースで投げると金丸にタッチ。
エルボー合戦からダイビング・クロスボディーを決めた金丸はフラップジャック。バックの取り合いから青木はドロップキックを叩き込むと、タッチを求める南野を無視して光留にタッチ。串刺しミドルキックから水車落としで投げた光留。エルボー合戦から金丸がドラゴンスクリュー。
さらに鼓太郎とウルティモが青木と南野を場外に連れ出している間に、金丸はディープ・インパクトからブレーンバスターの体勢に。これを三角絞めで切り返した光留はアンクルホールドを狙うが、金丸はショートレンジラリアットでなぎ倒す。強引にタッチした南野は光留をレフェリーに叩き付ける。すかさず卍丸が乱入して合体攻撃を狙うが、鼓太郎はビット(=ハンドスプリング・エルボー)で切り返すと、南野に地獄の断頭台。
さらに金丸がカニ挟みで南野を倒すと、鼓太郎と左右からの619。ウルティモもコルバタで投げると、鼓太郎がエビ固めで押さえ込むが青木がカットしてミサイルキック。光留も金丸にニールキックを放っていくと、卍丸が場外から鼓太郎の足を掴む。
そこに南野がグーパンチを叩き込み、さらにスタンディングのシャイニング・ウィザード。ナンジー(=デスバレーボム)を狙うが、高角度前方回転エビ固めで切り返した鼓太郎は、続けて飛び付き式回転十字固めを狙う。南野も必死に防御するが、鼓太郎はエンドレスワルツ(=連続ラ・マヒストラル)を決めて3カウント。
敗れた南野、さらに卍丸に詰め寄る光留だが、青木は憮然とした様子で一人先に退場。全日本ジュニア戦戦がかなりヒートアップしてきた。
<試合後コメント>
Evolution
ーージュニアタッグリーグを見据えた前哨戦となる6人タッグマッチでした。今回のリーグ戦は即席チームのない少数精鋭のリーグ戦で、2連覇を狙っての参戦となりますが?
青木「当たり前だ、そんなの。出る以上勝つのは当たり前なんだよ。あいつらがどういうつもりなのかは知らないけど、出る以上は狙ってるんだろう? だったらあとはもうやるだけだろう。次の後楽園から始まるんだから俺たち2人が優勝すればいいだけの話なんだから。あと出てないヤツら? 生半可な気持ちで出られたらこっちは潰すだけだから、その覚悟だけはしておいてほしいね」
光留「中島だよ中島。今日来てた金髪のヤツ(=卍丸)もそうだけど、今日は(前哨戦では)試合もしてないのに最後ドヤ顔で肩組んでるんじゃねぇぞ、鼓太郎と。この野郎! 俺たちはナンバー2、ナンバー3になりに来たんじゃねぇんだよ。ナンバー1を求めて闘うんだよ。二位、三位で実績とか言っているヤツは帰れ! 全日本ジュニアはそんなに甘くねぇよ!」
青木「まぁこれが俺らの決意だから。以上!」
第6試合
第3回王道トーナメント優勝決定戦は現三冠ヘビー級王者の曙vs.全日本プロレス社長の秋山準という顔合わせに。初優勝を狙う秋山は欠場中のSUSHIを従え、南側客席から登場。対する曙も吉江を従えて南側の客席から登場。
ガッチリ握手を交わしてから試合開始のゴングが鳴ると、まず曙が手四つで組もうとするが、なかなか秋山が組もうとしない。仕方なく曙はロープに押し込んでいくが、ここはクリーンブレイク。バックを取った秋山だが、エルボーで突き放した曙。
ヘッドロックに捉えた秋山だが、ロープに振った曙は秋山のショルダータックルを受け止め、逆にショルダーブロックで倒すとエルボードロップを落とす。悶絶する秋山の上に乗っかっていった曙だが、立ち上がった秋山はエルボー。だが、チョップ一発で後退させた曙は串刺し攻撃を狙う。蹴りで迎撃した秋山はコーナー二段目に登っていくが、チョップで場外に叩き落とした曙。
曙も場外に出て鉄柵に投げつけるが、秋山もラリアットで突進。しかしのど輪で捕まえた曙は場外でのど輪落とし。どうにかリングに戻った秋山だが、曙もコーナースプラッシュからエルボードロップ。首をかっ斬るポーズからヨコヅナインパクト(=ジャンピングパイルドライバー)を狙った曙だが、必死に抵抗した秋山。
曙はのど輪落としを狙うが、秋山はフロントネックロックで切り返す。ガクッとヒザをついた曙。すると秋山はロープに飛んで背後からジャンピングニー。さらにエクスプロイダーの体勢に入るが、投げようとしたところを体重をかけて押し潰した曙はランニング・ボディプレス2連発。カウント2で返した秋山だが、曙はのど輪落としで投げ捨てるとエルボードロップ。もう一度ヨコヅナインパクトを狙った曙だが、リバースで切り返した秋山。
曙の顔面にヒザを連打した秋山は「いくぞー!」と気合いを入れると、今度こそ曙の巨体をエクスプロイダーで投げてみせる。さらに顔面へのヒザの連打からランニングニー。カウント2で返すともう一発ランニングニー。
曙は上体だけ起こして「来いよ、オラ!」とマットを叩いて挑発。秋山はヒザのサポーターを降ろしてなおも曙の顔面にヒザを連打すると、ランニングニーを叩き込んで3カウント。現三冠王者から完璧な3カウントを奪った秋山が王道トーナメント初優勝。
小佐野景浩氏から優勝トロフィーを受け取った秋山。一方の曙はリングに一礼してから、ジェイクと野村の肩を借り、朦朧としながら引き上げていった。マイクを持った秋山は「皆さん、今日はご来場ありがとうございました。今日で僕の45歳の闘志は終わりました。次は46歳はじめての闘志を三冠戦で見せたいと思います! 11月1日、必ずもう一度三冠獲ります。これからも全日本プロレスの応援、よろしくお願いします!」と優勝の弁と共に曙からの三冠王座奪取を宣言。秋山は引き上げる際、放送席の小橋さんとも握手。小橋さんも盟友の初優勝を祝福した。
<試合後コメント>
秋山準
ーーあらためて優勝おめでとうございます。一回戦で潮崎選手を倒した時と火野選手の試合を見て、『トーナメントにはトーナメントなりの闘い方や勝ち方がある』とおっしゃっていたのですが、まさにそれを実践されての優勝でした。
「テンションが落ちていたら負けだよ。トーナメントでは特に。横綱もやっぱり一回戦(※準決勝)が終わって『不安がある』って言っていたけど、いつもと全然違っていたし、どこかケガしていたのかも分からないけれど、特に今日みたいな一日2回やるような時はテンションを落としたら負けだよ。今日はそれだけです。俺は全然テンションが下がらなかったし、モチベーションすべて、何も下がらなかった。下げれないというのが正しいですね。今の俺は下げれない」
ーー1回戦が終わった時に「社長命令でもう一回立て直す」とおっしゃっていましたが、それを見事に果たしたかたちになりましたね
「社長の言うことを聞かなかった俺が、自分が社長になったら社長命令を聞くっていうのもおかしな話ですね(笑)。1戦力としてまだ俺は必要だろうと。まったくテンションが下がらずにここまで来たんで、このままテンションを下がらすことなく、次のシリーズも三冠もずっと行けるだろうし、逆に俺のテンションを下げさすヤツを見てみたい。諏訪魔だろうがなんだろうが。俺をコテンパンにやっつけるくらいの、俺がもうダメだと思うくらいのヤツがこないとまだまだこのテンションは下がらないですよ」
ーーまだまだ隠居はできないですね。
「隠居はできないです。社長命令で『隠居はするな』って(笑)」
ーートーナメントを振り返っていただきたいのですが、火野選手、石川選手とトーナメント初参戦の2人がベスト4入りしました。これは嬉しくもあり、複雑な心境でもあるかと思いますが?
「そうですね、他の所属の選手が負けてきたんでね。その負けたことに対してどうするのか。このまま終わりでいいのか。まだ声は聞こえてないけれど、声が聞こえてきたらそれなりのことは考えてやらないといけないだろうし。俺はとにかくトップに立ったんで、何も因縁もないけれど。因縁と言えば諏訪魔が派閥どうこうとか言ってるけど、こんなまだガッチリもしてないような全日本プロレスで派閥どうこうとか言いやがって。いつでもそれは受けて立つけど、そんな暗い話をね。やっぱりリングで昇華しないといけないと思うんで。やるのならいつでも受けます。今の俺は去年と違うよ」
ーー実力で発言力も強くなったということでしょうか?
「やっぱりなんだかんだ言って力でここまで行かないと。三冠を持っていることが選手として一番発言力があると思うんで。もうベルト獲って諏訪魔にグウの音も出ないようにね、思い知らせてやりますよ」
ーー三冠戦をやるとリング上で言っていましたが、これは決定ですか?
「はい。社長なんで。もう前からこれ(=王道トーナメント)が終わったら11月1日は弘前の弘前武道館というのは言ってあるんで。そこに僕が(挑戦者として)行くかどうかは分からなかったですけど、決定してるんで。やろうと思うというか、やります。今日のテンションだったら俺の勝ちだろうな。一発勝負なんで今日一日で2回やるのは横綱も自分の中で不安があったろうけど、俺は今まで(一日)2回だろうが3回だろうが、40分50分の試合をしてきたんで、(一日)2回は2回なりの試合の仕方。逆に『お前ら2回の試合の仕方はできるのか』っていう。誰か(=鈴木鼓太郎)が『背中を見せる』って言うけど、背中見せてやろうと思ったし。46歳、最後の闘志には良かったんじゃないですか。まだ俺はイケると思うし。
46歳は三沢(光晴)さんが亡くなった歳で、俺も正直ビビッているところはあったんですよ。46歳で俺が最前線に戻って『もしかして』っていうのがあったけど、いや俺は絶対大丈夫だって今日思ったし。自分の中の恐怖は自分で払わないといけないと思うし。いい試合して、恐怖を払って、ベルトを獲ってもう一度全日本を盛り上げたいと思います。ただ俺ひとりじゃダメだから。
ただこのおっさんがトップに立ったら違う感情も出てくるだろうし。横綱も同じ歳だから、『なんでこいつらが』って(若い世代の選手は)思わなくちゃいけないんだけど。2回連続でこのおっさんがトップ獲れば、考えるのが遅いヤツらもようやく気づくだろうって。
必ず三冠を巻いて、またうるさ〜い秋山準が帰ってくると思います。これからはもう社長というのは思わないでください。会社の中にいるときだけ社長で、リングにいる時は(いちレスラーの)秋山準っていうことで。ありがとうございました!」