「過去も大事、今も大事。でも一番は未来なんですよ」引退直前の本間多恵がアクトレスガールズに里帰り！デビュー戦の相手を務め後進に未来を託す

　1日、東京都・プリズムホールにて『ACTwrestling 東京ドームシティプリズムホール公演』が開催。アクトレスガールズ一期生の本間多恵＆尾﨑妹加が里帰りを果たした。

　現在のアクトレスガールズは、WWEのように台本があることを公表してプロレスを展開中。団体の至宝であるAWG王座は、技術・演技力などリング上でのパフォーマンス力を測る【実力】、パフォーマンス力を高めるための練習・習得技術などへの【努力】、集客力と物販の売上などファンへのアピール力を測る【人気】、サイコロの出目で加算ポイントが決まる【運】といったポイントを数値化して大会前に集計し、ポイントで上回った選手が試合で勝利することが決まる『ポイントマッチ』で争われるといった独自性を打ち出している。

　現在は“プロレス団体”ではないアクトレスガールズだが旧体制時代を含めて数十人のプロレスラーを輩出しており、ほぼすべての女子プロレス団体にアクトレス出身選手が出場している。
　アクトレスを離れるほとんどの選手が傍目には円満には見えない辞め方をしていることに加え、“プロレス団体”では無くなった現体制アクトレスにはOGが上がることはないと考えられていた。しかし、高瀬みゆきや谷もも、さらには引退した清水ひかりが出場するようになるなどプロレス界から距離を置いていたアクトレスが事実上の鎖国解除へ舵を切っている。
　今年8月に行われたアクトレスガールズ10周年記念大会では1期生である安納サオリ＆なつぽいが参戦。その際にセコンドに付いていた1期生タッグ【SPiCEAP（スパイスアップ）】の本間多恵＆尾﨑妹加も参戦を直訴。10月13日に引退を控える多恵が最初で最後の里帰りを果たして10周年イヤーに華を添えることとなった。

　この試合は“プロレスラー”であるSPiCEAPに合わせ、普段のアクトレスの試合とは違い台本無しの真剣勝負で実施。
　SPiCEAPの相手は、デビュー10ヶ月にして次世代エースとして期待を集める植原ゆきな、そしてこの試合がデビュー戦の弥福かなの2人。アクトレスの始まりを知る2人が未来のスターに原点を教える形のカードとなった。

　SPiCEAPはまずは様子見とばかりに基礎技だけで堅実な攻撃を見せていくが、ゆきなは長い脚を活かした蹴り技で、かなは元気と笑顔のパワーでガムシャラなファイトを見せて猛攻。
　これを受け、多恵はサブミッション、妹加は真っ向からのパワーファイトとそれぞれの強みを活かして応戦。最後は多恵がかなのエルボー猛連打をしっかり受けきった上で多恵ロック（※足も固める変形脇固め）でギブアップを奪った。

　試合後、マイクを取った多恵は「一度しかないデビュー戦を、その時間をくれてありがとう。デビューするまでに沢山の人に支えてもらって、パートナーのゆきなも一緒に練習して自分の時間を割いて、かなに使ったんだよ。かなのために使ったんだよ。今日来てくれたお客さんも、かなのファンの人たちは、かなのために時間を使ったんだよ。そのことを、一生忘れないでここに立ってね」とデビュー戦を終えたかなにメッセージ。
　さらにゆきなに対しては「デビュー10ヶ月ですって。すごいね。それでデビュー戦の子を引っ張るんですよ。私たちがいたときのアクトレスガールズってそうでした。次から次へと新しい子が入ってきます。それって未来なんです。間違いなく未来なの。築き上げてきた、過去も大事、今も大事、でも一番は未来なんですよ。仲間を大切に。そして、今日の自分を明日超えていってください。いつでもライバルは自分の中にしかいなから。それを忘れたら、絶対強くなれません。今日はデビュー戦、そしてデビュー戦のパートナー、ありがとうございました」と語りかけ、アクトレスガールズの未来を後進に託した。

　バックステージに戻った多恵は「最初から『おかえり～！』みたいな感じだったから。何年ぶり？私フリーになってから上がってないから、3～4年ぶりなんだけど、そうやって言ってくれる人がいるっていうのはやっぱアクトレスガールズだなって感じがした。お客さんもメチャメチャあったかいので、始まりの空間、ウチらがデビューした当時の、本当に何も出来なかった空間に戻ってこれたような。いつでもホームな感じをすごい感じました。今日は10周年の記念試合ってことで特別な感じで自分たちも上がらせてもらったので。今のアクトレスガールズが今後どのような進化というか変化をしていくのか、私が引退してからも見ていきたいと思ってます」と噛みしめるようにしみじみと語った。