全日本プロレスの太陽がまた昇る!宮原健斗が斉藤ジュンを制し3年ぶりの三冠ヘビー級王座戴冠!

23日、東京都・アリーナ立川立飛にて全日本プロレス『ジャイアントドリーム2025』が開催。宮原健斗が斉藤ジュンを撃破して7度目の三冠ヘビー級王座戴冠を果たした。
双子の大相撲力士レスラー【斉藤ブラザーズ】斉藤ジュン&斉藤レイはともに190cm・110kg超えの大型選手として全日本の未来を背負って2021年6月に2人同時デビュー。2人で世界タッグ王座を戴冠し、2025年2月にはジャンボ鶴田&谷津嘉章が持つ同王座の最多連続防衛回数を更新する8回の防衛を達成するなどプロレス史に名を刻んだ。世界タッグこそ落としたものの、ジュンは三冠ヘビー級王者として強さを見せ続けてきた。
実力やビジュアル面も折り紙付きの2人だが、お茶目なその性格も愛されている。
地元・ミヤギテレビの『OH!バンデス』の1コーナーである『TAXIめし リターンズ』で兄弟揃ってレポーターを務めてお茶の間の人気者に。さらに2人で歌う『どっち?』でCDデビューして話題を呼ぶなどリング内外でプロレス界をDOOMしつつある。
全日本プロレスはキャリア10年未満の選手たちが中心となりつつあるが、これは若返りに成功したというより “若返らざるを得なかった”とも言える。
2020年には秋山準も退団し、諏訪魔もフェードアウト気味。団体を背負ってきた上の世代が次々といなくなっていった結果、不定期参戦の渕正信と諏訪魔を除けば所属選手が全員20~30代に。この日、ジュンに挑戦した宮原も36歳にして後進の壁となるベテランのポジションになりつつあった。
ジュンと宮原は今年3月の大田区総合体育館大会でも三冠戦を行っているが、この際にはジュンが勝利して防衛。試合後の宮原は「三冠ベルトにとって、もう俺の存在は必要ないのか」と宮原らしからぬ弱気なコメントを発していたが、その後は再起を果たして王道トーナメント優勝という結果を引っ提げて再びジュンの前に立った形だ。

試合はじっくりとしたグラウンドに始まり、場外乱闘となるとパワーで勝るジュンが優位に。その後はジュンが一方的に攻め込む展開が続く。
しかし、宮原の真骨頂は受けに受けまくってからの巻き返し。エプロン上でのパイルドライバーから流れを変えてブラックアウトを連打。ジュンも雪崩式チョークスラム、ジャックハマー、ダイイングライト、サイコブレイクと大技を連発していくが、宮原はゾンビのごとく起き上がる。ならばとジュンはラリアットを狙うが、宮原がカウンターのブラックアウトからシャットダウン・スープレックス・ホールド。めったに返されることがない技だが、ジュンはこれを2で返して見せる。
宮原はすぐに2発目を狙うが、ジュンが振り払ってダイイングライトから強烈な張り手。さらにラリアットを狙うが、これをかわした宮原がシャットダウン・スープレックス・ホールドで3カウントを奪った。
マイクを取った宮原は「プロレスファンよ、待たせたな!どうだ、この姿を見たかったんだろう?改めまして新・三冠ヘビー級チャンピオン、宮原健斗だ!俺は今日この場所で誓おう。俺が最高の男と言い出してこの方、日本プロレス界の最高のエースは俺だ!そして!俺は三冠チャンピオンとして何をするのか教えてあげよう。日本を元気にすることだ。そして!この日本プロレス界の先頭に立ち、俺がこの日本プロレス界のあなたがたが喜ぶような喜怒哀楽を提供してやるよ。ワクワクドキドキの非日常をプロレスで味わいたいだろう?!非日常を味わいたいなら、俺を見ときゃいいだろう?」と堂々のマイク。
その後はチャンピオン権限で53周年の旗揚げ記念日となる10月22日に行われる後楽園ホール大会で初防衛戦を行うことを宣言。対戦相手については後日決まることになりそうだ。
宮原の戴冠回数はこれで7回目であり、諏訪魔の持つ最多戴冠記録(8回)に迫る数字に。宮原が今後王座を落とさなければ更新されることがない数字だが、最多連続防衛回数(10回)&最多通算防衛回数(28回)の記録を持つ宮原がさらに歴史に名を刻んでいくかどうかにも注目が集まる。